アークナイツ.Sidestorys 鵬程万里 作:Thousand.Rex
早起きは何文の得?
「おはようございます」
「おはようございます!!」
朝の支度を終え、朝食をとるために彼女、リスカムはロドスの食堂にやってきた
彼女はブラックスチール・ワールドワイド、通称BSWと呼ばれるクルビアに本社を置く警備会社
そこの個人安全保障員と呼ばれる警備サービスに属している重装オペレーターだ
「今日も早いですね、先輩」
「別に、普通ですよ」
と、そっけなく答えた相手は同じくBSWに所属している後輩、リスカムと同じヴイーヴルの先鋒オペレーターであるバニラ
今ロドスには、リスカムとバニラを含めた数人がBSWから特別駐在オペレーターとして派遣されている
こうなった理由はとあるオペレーターに起きた出来事が原因なのだがそれはまた別の話
「いやでも、毎日毎日同じ時間に起きてるじゃないですかー、私には真似できませんよ。たまに寝坊しちゃう時があるし」
「これぐらいのこと、BSWの人間ならば出来て当然のこと。特別なことではありませんよ」
「……耳が痛いです」
バニラはBSWに入って日が浅い、だが何事も真面目な姿勢で取り組み努力を怠らない彼女は、異例の抜擢でリスカムとおなじくロドスに送り込まれた
まだ訓練生だが、先鋒としての責務を日々立派に果たしている
そんな彼女はリスカムに挨拶すると、先ほどまで見ていた手元の携帯端末に視線を戻し、ニヤニヤと口元を綻ばせる
「何を見ているのです?」
「あっ! 先輩も見ますか! すっっごく可愛いですよ!!」
そういい手元の端末の画面をリスカムに向ける
「どうです!! 可愛いでしょう!!」
「……ああ、はい、そうですね、ええ……」
「でしょでしょー!! 可愛いですよね!! 愛らしいですよね!! このぬめぬめとした感じが最っっっ高に!!! キュートですよね!!!」
余談だが、バニラは動物好きである
普段はおとなしい彼女だが動物の話になると途端に饒舌になる
それはいいのだが彼女の動物愛の対象は一般的には受け入れられそうにないものも含まれている
今リスカムが見せられたのは、彼女が飼っているナメクジのような見た目をしたオリジムシと呼ばれる生き物だ、彼女には理解できない領域の話である
「あらあら~、朝から元気ね~バニラは~」
と、いつの間にか二人の後ろに赤い毛色が特徴のヴァルポの少女が立っていた
「おはようございます、フランカ」
「お早うございます、フランカ先輩!!」
「お早う、二人とも」
彼女の名前はフランカ
二人と同じくBSWに所属している、前衛オペレーターである
真面目な面子が揃っているBSWの中では珍しく軽めな性格でありグループの中でもよく目立つ
「二人して大きい声を出して、何を見ているの?」
「私は出していませんよ」
「あらそう、ごめんなさい」
「これです!! 可愛いでしょう!!」
「あら、あらあら、可愛いわねー」
「そうでしょうそうでしょう!!」
「そうねー、塩をかけたらのたうち回って溶けちゃいそうなところが可愛いわねー」
「いやっ、かけちゃダメですよ!! そんなところ可愛がらないで別のところを可愛がってくださいよ!!」
「ところでリスカム」
「なんです」
「えっいやっ、ちょ「ジェシカはどうしたの? まだ起きていないのかしら?」
「無視しないでくだs「さあ、まだ見ていませんね。寝坊でしょうか」
さもいなかったようにバニラを扱うフランカ
フランカはよく他のメンバーにちょっかいを掛けたりいじったりするところがある
今ではバニラが被害にあうことが多いがその前はリスカムが一番多かった
というのも、リスカムとフランカはBSWにいたころからのコンビでよく一緒にいることが多かった
戦闘面における相性はよく、リスカム自身それは認めている、が、性格は全くかみ合わず作戦行動のたびにあの手この手でイタズラを仕掛けるフランカに難儀している
「もっとよく見てください!! 思わずキャ~ていっちゃうぐらいに可愛いところが見つかるはずです!!」
「キャ~か~わ~い~い~!!」
「でしょ!でしょ! かわいいでしょ!!」
「目のところを切り落としたら悶え苦しみそうなところがか~わ~い~い~!!」
「違うんです!! そうじゃないんです!!」
「おはようございますー……」
「おはようございます、ずいぶん眠そうですね」
「はい、ちょっと夜更かししちゃいまして、ははは……」
フランカにいじられるバニラを見守っていると黒髪の少女がやってくる
「あらジェシカ、遅かったじゃない、何してたのよ」
「いやちょっt「ジェシカ先輩聞いてくださいよー!! フランカ先輩がこの子をけなすんですよー!!」
「けなすなんて心外ね。ちゃんと可愛いと思うとこいってるじゃない」
「違うんですよ!! そうじゃないんですよ!! ジェシカ先輩!! ジェシカ先輩ならわかってくれますよね!! ね!!」
「え~、あ~、いや~……」
バニラにオリジムシの画像を突き付けられ困ったようにこちらに視線を向けるフェリーンの少女
彼女はジェシカ、同じくBSWから派遣されている狙撃オペレーター
かなり小柄でこの四人の中では最も小さい
バニラと並ぶとジェシカが後輩なのではと思われるぐらいの身長差がある
見た目だけならバニラのほうが頼れる気がするが実戦では確かな能力を持っており彼女を手本にする新人も少なくない
バニラもその一人でジェシカのことを慕っている
ジェシカもそれを少なからず感じているようで、ぐいぐいと画像を押し付けているバニラに対してどう答えるか困っているようだ
ふぅ、とリスカムは小さい溜息をつき
「今日はドクターから何か話があるそうです。早く朝食を済ませてしまいましょう」
「そうなの? ならさっさと食べちゃいましょうか」
「は、はいっ、そうですね! 朝ごはん食べちゃいましょう!!」
「ちょっと、ジェシカ先輩!! まだ何も言ってもらってないですよ~!!」
今日も若きBSWのオペレーター達の一日が始まろうとしている
オリジムシって、塩を塗したら溶けそうですよね
私の中でバニラがギャグ要因になっています
バニラファンの皆さま、どうかお怒りにならないで下せえ
スマホとかってあるんですかね?