アークナイツ.Sidestorys 鵬程万里 作:Thousand.Rex
Let's talk about old times
「やあドクター、元気かい?」
「ああ、人並みには調子いい」
とある日のロドス、ドクターの執務室
「それは良かった、ところでアーミヤはどうしたんだい?」
「彼女はいま、ケルシーに呼ばれていてね」
「そうか、理由は聞いていないのかい?」
「そうだな、いつも通り、健康診断としか聞かされていない」
一人、書類と格闘するドクターの元にモスティマがやってきていた
「相変わらず秘密ばかり見せつけられているのか、難儀だね」
「……仕方ないさ、記憶のないものに聞かせる話ではないのだろう」
「まったく、これじゃあ彼が目をつけるのもわかる気がするよ」
特別意味のない会話、収穫などあり得ない、なんでもない話
「……彼、か」
「ああ、彼だ、相変わらず応接室を占拠されてるようだね」
「そうだな……いい加減、部屋でも用意すべきか」
「無理じゃないかな、彼はあそこのソファが気に入ってるから来てるわけだし」
「……なら、ソファを明け渡せば」
「あれが入る個室、用意できるのかい?」
「……ケルシーに、相談すれば、もしかしたら」
「不可能だと判断していてもなお言い切る努力、嫌いじゃないよ」
いざ相談したらなんと言われるか、想像したのだろう
ドクターが頭を抱えだす、それほど怖い目にあったのか
「……はあ、使用予定のある日に来ないのが救いだ、ロドスの運営に問題は起きていない」
「まあ、ほら、彼はなんだかんだで組織の運営に関しては思う所があるだろうし」
「……どういうことだ?」
モスティマの言葉の意味をどう捉えるか、人によっては変わるだろう
いまこの場合ドクターはどう考えたか、決まっている、こう考えた
「彼は、何かの組織に属しているのか?」
「うん、そうだね」
「……彼を抱えるだと?」
「うん、いや、ちょっと違うかな」
秘書の雑務用のソファにモスティマが座る
背をもたれ、寛ぎながら話し出す
「君、前に妙なものを手渡されたと言ってたね」
「……これか?」
ドクターがデスクの引き出しからとあるものを取り出す
「おや、身近なとこに置いてるのかい?」
「ああ、お守りの類かと思ってね、なら近くにある方がご利益はありそうだ」
それは、黒い羽根、片側が赤く染められた、作り物
「やっぱり説明はされていないと、彼らしい」
「これが何か、知ってるのか」
「うん、知ってるよ、それと同じものを私も渡された」
そう言って黒い羽根を取り出す、ただ見た目が少し違う
モスティマのものは全体が黒い、ドクターの持つもののように赤くはない
「……色に意味はあるのか」
「ある、ドクター、君は運がいい」
「なに?」
「君のそれはね、無限チケットなんだ」
「は?」
「フリーパスだよ、使用期限の決まってない、使用回数も決まってない、文字通りの無限チケットだ」
「どういうことだ」
モスティマが楽しそうに笑う、そうして話し出す
「ドクター、昔話をしてあげよう」
「昔話?」
「ああ、でも言うほど昔じゃない、一、二か月ぐらい前の話だ」
「なんの」
「とある男の話」
「……それは、彼か」
「そうだね、戦場に現れ数多を屠る、圧倒的な暴力、恐怖の権化」
「……………………」
「ずっと昔、そう名乗り始めた、不器用な傭兵」
「黒い鳥、そう呼ばれる男のちょっとした日常さ」
Let's talk about old times
意味は何でしょう、知りたい人は調べてください
なお今回短くなったのは理由がありまして、あんまり多く書くとネタバレになるんですよ、今回の話のオチの
本編はちゃんと書き込むのでお許しください、まあ相も変らぬ低クオリティですが
では、どうぞよしなに