アークナイツ.Sidestorys 鵬程万里 作:Thousand.Rex
ホシグマとチェンが合流していた同時刻
「わかった、とりあえずはそこまででいい。必要以上に詮索する理由もない」
「ああ、ストレイド様、本日も麗しゅうございます」
所々に肉片が散らばったままの路地にて
ストレイドは携帯端末片手にとある人物と連絡を取っていた
フェリーンの少女の顔にアイアンクローを極めながら
「必要な事は調べたんだ、なら終わりだ」
「やはり貴方様の腕の中は安心しますね」
端麗な顔と指先の接合部からミシミシと音を立てながらウォルコットと名乗った少女はストレイドに貴族の間で交わすような挨拶をしている。美麗字句と言う言葉が似あう言動とは逆の現象がその身に降りかかっているにも関わらず彼女は顔色一つ変えずにいる、その様子を少し離れて見つめるペッローの少年、バーでアップルボーイと呼ばれていた未だ幼さを残す少年
「……腕じゃなくて、手の中ですよね」
「そうだな」
隣にはジノーヴィと呼ばれたウルサスの傭兵がいる、その手には小さな封筒が
ジノーヴィは謎の我慢大会に目もくれず一心不乱に封筒の中身に目を向けていた
「それで、ジノーヴィさんは何を見ているんですか」
少年に催促されるまま持っている物を見せる傭兵、そこには写真があった
「良く撮れている。撮影者は撮り方を知っているな」
「なんの撮り方ですかね」
「可憐な少女の撮り方だ」
ただ、そこに写っていたのはとある白髪のフェリーンの少女だが、少女の写真は幾枚もあり様々な服を着ている
メイド服からゴスロリドレス、チャイナ服、ウェイトレス姿や浴衣の姿
一体誰の趣味なのか、撮影者を指し示すものは特にない、手掛かりは封筒に書いてある’S’の文字だけである
「ストレイド様、もし貴方様さえ良ければこの後一緒にお茶でもいかがでしょうか。いい茶葉が手に入ったんです、ええ、きっと楽しいですわ」
「……マギー、探りたがりはいいがそこまでだ。深入りして抜け出せなくなっても知らんぞ……」
「アップルボーイ、これを見てくれ。ウエディング衣装だ、とても似合ってるじゃないか」
「そうですねー」
一人は少女にアイアンクローをかけ続ける男
一人はそれをものともせず果敢に男の注意を引こうとする少女
また一人は幼子の写真を眺め続ける傭兵
またまた一人は諦めて一緒に写真を眺める少年
傍から見たら何の集まりかわからぬ面子である、それも夜中と言うこともあって異様さはさらに増している。裏通りで事を起こしていて正解だったのかもしれない、人目につかないから
だがいつまでもおふざけを続けているほど彼らも暇ではない、ストレイドが何度目かの相槌を交わし端末を切る
そして視線を手に握っている少女の顔へと移す
「さて、ウォルコット、しばらく待たせたな」
「いえ! 私は貴方様の命ならいつまでもお待ちできます、たとえ貴方様が私を忘れようとも、ずっと、ずっと、私のもとに戻ってくるのを心待ちに出来ますわ」
「犬かよ、猫だろお前」
つまり彼女はそれだけ慕っていると言いたいだけだが彼にとってはどうでもいいらしい、彼女のある意味積極的なアプローチを躱して本題に入る
「で、俺がこうしてフィンガー極めてる理由はわかるな?」
「ええ、勿論です。これは俗に言う熱い抱擁ですね!」
「ご理解いただき結構だ(メキメキ)」
「ああっ! 痛い! 流石にこれは耐えられません! いえこれはきっと試練なのです、これに打ち勝てば貴方様の心を私の物に……!」
「悪い意味でしてるよ、今な」
いくらなんでも無理だったのか、ストレイドがさらに力を入れると途端に膝を地に着き崩れ落ちるウォルコット、体罰としては機能していたらしい
ストレイドは立っていられなくなったウォルコットに一つの質問を投げかける
「お前、どうして龍のお嬢ちゃんにネストの存在を漏らした、あんな事をしろとは言った覚えはないぞ」
先程のチェンとの会話、レイヴンズネストと言う傭兵の集まりの存在意義とその終わりにある事象
これらは本来、誰にも明かすべきものではなかったのだ。彼らの行動を確固たるものにするためにも、同時に保身の為にも
当然ストレイドもネストの事を明かすつもりは全くなかった、彼はあくまで彼自身に関することだけを明かせればそれでよかったのだ。その心情にあるのは単純に巻き込みたくないといういつかの出来事から続く葛藤である
彼にとってもあれは予想外の事態だった、そしてその予想外は彼女が引き起こしたものだ。なら元凶は彼女にある、現状彼が彼女を問い詰めているのはそれが理由だ
しかし彼女は体罰に耐えながら口ごもる
「おい、弁明位はしたらどうだ」
「…………っ!」
彼にしては珍しく怒りをあらわにしながら更に指に力を込めていく、顔と指の接触部からミリミリと音が鳴り少女の苦悶の色が濃くなっていく
それでも彼女は何も言わない、その様子にストレイドはとある可能性に気づく
「ウォルコット、お前、誰を庇ってる」
「……そ、それは…… あぐぅ……!」
言い当てられて動揺する、それを確認し更に圧を高めて尋問を続ける
ウォルコットはそれでも苦痛に耐えながら口を閉じている、尋問という点で見ればこの体罰自体は酷く軽い物だ
だがこの少女はまだ青い、華奢という言葉が当てはまるような少女なのだ、そんな人物がおままごとレベルとはいえ痛みをこらえて庇う相手
「あの、団長!」
「……なんだ、アップルボーイ」
しばらく傍観していたペッローが動き出す、団長のいつもと違う態度に焦ったのか、それとも顔を掴まれた状態で徐々に持ち上げられ始めた仲間が心配になったのか、二人のもとに駆け寄ってくる
ただそれは失策だった
「流石にそろそろ可哀想ですし、降ろしてあげた方が……」
「……ほう、お前が、こいつを庇うか」
「へ? ……痛ぅ……!」
彼の行動は早かった、アップルボーイの小さな失言から一瞬、彼も関わっていると判断できたのだろう、近くまで来ていた少年の顔に手を伸ばす、少年は反応できなかった
少女と同じように鷲掴みにされる、そのままストレイドの頭より高い位置へと持ち上げられる
「グルか、お前達、腐ったままではいられんらしいな」
背の低い彼らには十分な高度だ、顔面に走る杭のような痛みと、支えをうしなった体が重力のままに落ちようとするせいで首がもがれるような感覚に襲われる
「言う気は、ないな?」
「……すいません…が……! 言いません!」
「…………っ…!」
それでも、二人は何も言わない、今日のこの行いは二人にとって大事な事だったのだ
正確には、この組織にとって
「いいだろう、そうして噛みついてこれるなら意義のある反感なんだろうな」
二人の反応に対して一瞬楽しそうに笑う
「だが、そこには相応の代償がある。わかっているな」
しかし、その笑みはすぐに霞のように消え代わりに酷く暗い瞳をした怒りの様相が張りつけられる
「甘い男などと思うなよ、貴様等」
その言葉の後により一層深く握り込まれる、悲鳴こそ上げてないが二人から歯を食いしばる音が聞こえてくる
未だ離れた位置で傍観するウルサス、彼は動かない
横目でそれを見ながらストレイドは得られた情報をまとめている
だが流石にストレイドもこれだけでは特定は出来ない、せいぜい確認できたのは誰かが独断で計画したという事、別にネストには彼の言葉は絶対などと言う規定はない、それよりも恐ろしい制限こそあれど基本は放任主義なのだ
彼もこればかりは放ってはおけない、今はまだその道程の障害は起こすべきではない時だった
しかし事は起きてしまった、何を失念していただろうか、団員の勝手に対しての己の責任を探り始めるストレイド。最も表情には出さずあくまで冷静なふりをしたまま、その手に身内の顔を掴んだまま彼は思考にふけっている
その時だった
「私です、ストレイド」
彼の背後から声が響く、それは彼にとっては新鮮で、だけど強く心に注意している存在の声だった
「……アンジー、お前か」
ストレイドが二人から手を離し振り返る、そこには一人のサンクタの少女がいた
低い身長の幼い印象を受ける少女、だがその表情は酷く無機質で感情を感じられない
アンジーと呼ばれた彼女はゆっくりとストレイドへと近づいていく
ストレイドはそそくさと離れる二人を余所にアンジーの方へと体を向ける
「アンジー、まずは言い分を聞こうか、何が理由で行動した」
「明白では」
簡潔に答えるアンジー、その様子に苦い顔をしてもう一度聞き返す
「目的は」
「団員の不安の解消、及びあなたが我々の知るままの人物かの確認です」
二度目の質問で明確な答えが返される、ストレイドは彼女の返答に更に顔をしかめる
「なんだ、そんな下らない理由で動いたか」
「下らなくはありません、重要な事項です。我々ゾディアックとレイヴンズネストの契約に関する話です」
「契約ねぇ……」
睨むようにアンジーを見つめるストレイド、その目には怒りよりも不快感のようなものが感じ取れる。アンジーはそれを知ってか知らずか、依然として機械的に話し続ける
「我々ゾディアックはレイヴンが戦場への武力介入を続ける以上、全面的に戦闘行動、及び補助への参加を約束する。覚えておいででしょうか」
アンジーが長く読み上げた文章はかつてネストとゾディアックが協定関係になった時に交わされた契約書に記された一文
表面上の組織としての付き合いに関するものではなく、この二つが関わり合う事になったたった一つの要因
「最近のあなたの行動は契約に反しています」
黒い鳥、そう呼ばれる傭兵が不満を溢しながら幾度も読み上げさせられた最重要事項
「いるだろ、いつも、俺は戦場にいることしか出来んろくでなしだぞ」
「はい、戦場への参画はこなしております。ですがそれはロドス・アイランドに雇われた傭兵と言う形です。これは我々の望んだ形式ではありません」
「別にいいだろ、戦場にいることに変わりはない」
彼女の不満は明確だった、ロドス・アイランドの味方として戦う事、アンジーにとってそれだけが不満点なのだ
そしてそれは、ストレイドを現在進行形で悩ませる問題の答えでもあった
「……ああ、なるほど、そう来たか……」
「何故笑っているのですか、今はそのような状況ではないと思われますが」
ストレイドは固い微笑みを浮かべる、アンジーはその表情の意味がわからずに問いただす、そんなことをしても彼が答えることはないのだが
鉄の天使は黙って彼を見つめる、これは彼女なりに責めているのだ。じっと視線を向け続けることで自身の不満とその問題に対する改善を要求する
ネストのメンバーで彼女ともう一人しか知らない対ストレイド専用最終奥義である、尚発案したのはとあるフリーの中年の運び屋なのは二人しか知らない秘密
それからしばらく、一分、二分、三分
五分ほど経過した頃合だろうか、ストレイドが大きくため息を吐く
「わかったよ、何をしてほしい」
その言葉を待っていたのだろう、アンジーは特に悩む様子もなくある条件を話し出した
「ストレイド、近日中にこちらから戦闘への協力要請を出します」
――妥協案です、そう続けて具体的な日にちや予想される戦況を口頭で簡潔に伝えていく
この要請は先の契約の確認なのだ、彼がまだ彼女たちが知る人物かどうか
彼がまだ、疲れてしまった男になっていないかの
「――以上です、悪い話ではないと思います。我々はあなたがイレギュラーのままか確認が出来、あなたは我々という戦力を手元に残せる。ネストにとっても良い結果につながるでしょう」
長い長い話を経てアンジーが説明を切り上げる、ストレイドは二度目のため息をついて大仰に肩をすくめる
長話は元々彼の好みではないのだ、仮に普段から彼の話自体が長いと言われようともあれこれ言われるのは好きじゃない、自由気ままな彼らしくはある
「わかった、要請には応えよう。派手に暴れてやるさ」
彼の返事を聞き承諾を得れたことに満足したのか、一度頷くとアンジーは再び黙りこくってしまった
ストレイドはそんな彼女の頭に手を乗せる
「なんでしょうか」
アンジーの問いに返事をせずにストレイドは撫でるように手を動かす
彼女はされるがまま、じっとストレイドの顔を見ながら立っている
「なんでしょうか」
もう一度彼女が質問をする、今度は返答が返される
「いいや、ゾディアックの奴らは苦労してそうだと思ってな」
「発言の意味が不明です」
「そうかい」
そのまま二度三度、また撫でるように動かす
その後、ゆっくり手を頭から離す
彼女の髪が少し乱れる、そんな名残の上にはリングが光っている
なんの汚れもない真っ白な光輪、潔白さを象徴するような、綺麗な光
その光に眩んだようにストレイドが目を細める、その視線に気づいたアンジーが別の意味でもう一度問いかける
「行動の意味が不明です」
再び何も答えないでいるストレイド
それに対しアンジーは一瞬何かを考える、無表情のまま、それでもどこか人間臭く
少し後、アンジーが口を開きストレイドに言葉を投げかける
「ストレイド、我々の目的はイレギュラーの捜索及び排除、それが存在意義です」
「なるほど」
「そしてあなたは、あなたにとっての例外を捜す傭兵。そして我々にとってのイレギュラーです」
確かめるように、彼女の視線がストレイドに向けられる
「イレギュラーを超えるイレギュラー、それが存在するならば我々は我々の存在意義を示し続けることが出来ます。あなたは自身の目的の一部を達成できます」
「そうだな」
「双方、この点においては思惑が一致している、そう結論が出ています」
そこまで言ってアンジーは言葉を止めた、そしてもう一度ストレイドを見やると振り返り、暗闇に包まれた路地へと消えていく
ストレイドはそれを見送り、二度目の息を吐く
「まったく…… 心配性だな」
「気持ちはわかるさ」
彼女が去ったのを確認し入れかわるように彼へと言葉を投げかけるジノーヴィ
その顔と口調からはどこか安心したような空気を感じる
「お前もか、ジノーヴィ、となると他の奴らも同じように思ってたって事か」
「ああ、その通りだ。自覚も、あってくれたようだな」
ストレイドが遠くで怯えながら様子をうかがっている二人に目を向ける。彼女たちもアンジーと呼ばれた少女と同じ疑念を抱いていたのかもしれない
だがそれはアンジーの策略により解消されているだろう
「まったく、お前達の指揮官はマギーとファットマンだろ」
「だからと言ってお前を無下にはできんさ、大多数がお前に焦がれ付いて来ている、それが我々だ」
「お前もそのクチか?」
「まさか、私はただ、今日を生きるだけの傭兵だ。お前と、お前達と何も変わらない」
「その言葉、アンジーに言ったらどう返ってくるかね」
「意味がわからない、そう返してくれるさ」
ジノーヴィの答えにストレイドは軽く肩をすくめる、容易に想像できた光景だろう
お互いに苦笑しあう、そして再びジノーヴィが話し始める
「ストレイド、アンジー程ではないが私も最近のお前には違和感を感じている」
「違和感、か…… 何を知った風に言うものだな、お前も」
「知っているさ、私は二期勢だ。マギーやキャット程ではないがお前の性格はよくわかっている。お前が引き金を引く理由も、その意思も」
「…………」
「だから、ストレイド、お前もお前の後に続く者を気に掛けてくれ、お前の言う答えはあの方舟だけと限らないだろう」
真剣に、そして少し懇願する様に、ジノーヴィが説得する。つい最近のストレイドの行動はネストにとっては不安を煽るものが多かった
とある医療機関への積極的な接触、傭兵として雇われている、そう言ってしまえばおかしい点は見当たらない。しかし彼は雇われている訳でなく、ましてや相手に了承を得た訪問でもない
これは全て彼の一存で起きている事象である、やられる側としてはたまったものではないがそれを許しているのはロドスも彼の思惑に思う所があるという事だ
ただそれは彼とロドス・アイランドだけの密約、はっきりと言葉で交わされたわけではない、それでも確かなある種の呪い
その酷く複雑な関係を理解しているからか、ジノーヴィも、ウォルコットも、レイヴンズネストの誰もが忠告することがなかったのだ
ストレイドも、彼らの気遣いを感じていた、だからこそ余計にこじれているのだ
彼の行く旅路に必要なモノ、それは残念ながらネストには存在しない
――――レイヴンズネストの真の存在意義も、彼にとっては不要なモノであるのだ
ストレイドは、何も言わない。只々ジノーヴィに向けて沈黙を続けるだけ
埒があかない、そう感じたのかジノーヴィが諦めたように首を振る
一瞬破局したかのような小さな会談は意外な形で盛り返す
「……鼻歌、アイツの、覚えてるか」
突如、ストレイドがとある人物のことを話しだした
「あいむしんかー、とぅーとぅーとぅー…… 下手糞だったな、なのに妙に耳に残る音だった」
「……ああ」
それはかつてネストに在籍していたとある傭兵が好んでいた歌、内容は酷く退廃的で、だけど魅力的な
ネストの人々が皆心に残している誰かの残滓
「選んで殺す、それを上等と思ったことは一度もないさ。俺は神様程偉くはないんだ」
その人物は、彼、ストレイドにとってはもしかしたら真に友人になれたかもしれない存在だった
ハリボテでも一方的な友情でもなく、お互いにお互いを理解した、彼が否定し続ける壊れ物
彼とその人物がそうなれなかったのは、結局、在り方の相違が原因だった
「アイツの言う通りだ、己の勝手な定義で人を殺して、下等だよ、とても」
「それでも彼らは選んでいるんだ、お前のもとでなら自由で在れると信じて。ならもう少し、団員達の気持ちを汲んでやれ」
果たして言葉は彼の内へと届いたのか、ストレイドは何も返さずに、かわりにゆっくりと空を見上げる
ここは龍門、たとえ闇が支配する時間であろうともその膨大な財と権力で作り上げられた建物が都市中を照らしている
たとえ汚れた場所であろうとも、星は見えない、ちらちらと埃のように見えるだけだ
しばらく見上げ続け、見上げた時と同じように視線を下げる、その目は確かにジノーヴィを見ていた
「わかったよ、だがまあ期待はするな、俺は気が利くタイプじゃないぞ」
その言葉に安堵の息を漏らす、このウルサスにとっては酷く緊張する時間だったようだ
「ああ、頼むぞ。皆お前の言葉を待っている、それがなんであれお前が彼らの前にいてくれると言うなら……」
「期待は、す・る・なっ!」
指を突きつけ念を押すように言う
だがそれでも良かったのだろう、ジノーヴィは安心した顔をする
「よし、ならば私はこちらに戻ろう」
そしてそっと手に持っていた写真へと顔を落とした
「……この、ロリコンが」
「いいや違うぞストレイド、これは父性だ」
「昔はこうじゃなかったのに、誰がコイツをこうしたんだ……」
「それはリンクス様ですわ、貴方様と私の愛の結晶です!」
「お前と交わった記憶はない」
「ハハハ…………」
頃合を図っていたのだろう、離れて様子を見守っていた二人が傍へとやってくる
その顔には多少跡が残っている、目立つほどではないが痛々しくはある
それでも二人が彼の元に来て笑顔を向けているのは、彼に信頼を置いているから
いや、もしかしたら心酔なのかもしれない、それを知って彼が突き放そうとするのも、きっと理解している
「アグラーヤに言いつけてやろうか……」
「駄目だ、殺される」
「あ、そういえばさっき近くにジノーヴィさんがいるかって連絡が来てましたね」
「……なんと、答えたんだ?」
「龍門スラム街第○区画、××番地でリンクスちゃんの写真をニヤニヤしながら眺めてました。そう伝えましたね」
「はうあ……!?」
「あら、随分詳細に伝えましたね」
「情報共有はしっかりと、団長やマギーさん、フォグシャドウさんからいつも言われてますからね!」
幾分かの癖のある団員と、彼らよりも一層癖の強い団長
いつか来る時の為、たった一人の旅路を支えるために集った流れ者達のたまり場
それがレイヴンズネスト、このテラに知られている限りの情報はたったそれだけ
渡り鳥達は静かに、悠々と己の思い描く空を飛んでいる
そして黒い鳥も、行くべき道を行くのだろう
渡り鳥達は知っている、彼の道の行く末を
だから彼らは願っているのだ、せめてそれが彼の納得のいく答えであることを
見る人によっては歪な関係なのだ、群れとその先導者が必ずしも同じ考えとは限らない
だけど、そんな形だからこそ託されていくのかもしれない
願わくばその意志が、そして遺志が、正しく在れるようにと
「……限られてるんだ」
「限られてるんだよ、答えは」
「見つけなきゃならない、見つけなければいけない」
「そうしなければいけない理由がある」
「権利と義務が、俺にはある」
本来キャラの外見はある程度イメージできるように書いておくのが小説のルールです
それを知ってACキャラ達の外見を適当に書いているのは単純にフロムゲーのキャラは個人で見た目の想像が違う事が多いのでそのイメージを崩さぬように配慮しているつもりなだけです、あくまでつもりです
本当はもっとはっきり書かなきゃなんだよ!(イメージが湧かないだけ)
そんな鬱憤は置いといて、種族をある程度決めているのはせめて影だけでも想像できるようにです、ちなみにジノーヴィがウルサスなのは彼の名前がロシア系の男性名であることから恐らくロシアあたりが元ネタであろうウルサスを当てはめただけです
別にリーベリでも良かった気もする、でもそうなると大体皆リーベリになっちゃう
AC用語解説
アンジー
本名アンジェリカ アンジーは愛称
ACVにおいてストーリーミッションのその後に当たるオーダーミッションでたびたび出てくるゾディアックと呼ばれるミグラント集団のコマンダー、ゾディアックは後述
機械的な感情を感じさせぬ喋り方をする女性、主人公側が質問しても答えずすぐ切っちゃう人
昔はもっと人らしい性格だったが、彼女の記憶はもう機械化されている
『発言の意味が不明です』
アンジェリカとはフランス語で天使を意味する、語源はangel
ハーブの方も強壮効果をもっておりそれは天使の祝福だ―、なんて言われてる辺りわかっていてこういう立場なのかもしれない
ゾディアック
先述の通りACVにおいてオーダーミッションで戦うことになる傭兵集団
実態は謎に包まれており目的も不明、わかっているの誰も彼も腕利きという事
実際強い、苦戦したくなければ相手の土俵で戦わないことを意識するぐらいだろうか
尚全部で十二人おり、各機はラテン語の黄道十二星座から名前を取られている
アンジーを入れれば十三人、彼女の駆るヘリは彼らを導く星として『POLARIS』と名付けられている
『戦争だ、我々にはそれが必要なんだ!!』
『やってみるさ、お前の望むままに……』
『貴様等の争いに興味はない。私はただ、使命を果たす』
『アンジー、もういないのだったな。我等の知っていたお前は』
珍しく設定資料集で細かく解明されている集団、その全貌は結局大破壊関連の話
まあV系列事態が大破壊をなぞっていくような話だし、考察を捗らせるにはこれほど重要なピースもないだろう。初代から随分時系列離れてるけど
関係ありませんが、ウ○娘の某不退転がレースで勝った時に手を振っていますが
その時の彼女の胸元を注視してください
揺れてます、縦に、揺れております(どうでもいい)
尚、某古王の鼻歌を使用しておりますが楽曲うんぬんの奴がメンテ中だったせいで確認が取れておりません
原曲とは違うので平気だとは思いますが楽曲うんたらコードとやらが必要かもしれないなら誰か教えていただけると嬉しいです。ちなみに曲名だけの使用は特別許可や著作権なんたらは問題ない筈なのでタイトルとかは平気です
まあ、二次創作だから今更そんなって話ですがね、ガイドライン違反はしないよう注意はします