異世界小市民   作:庭鳥

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構想も何もありませんが投稿させていただきます。




小年と異世界

ああ、私の身に起きたことを話すとするなら、これは『罰』であったのでしょうか。

私は自堕落で、どうしようもない人間でした。特別な理由もなく、

学校に行かなくなり、ただ生きているだけの人生を送ってきました。

ただ父母に縋りつくだけの毎日でした。

私の身にこんなことが起こっても、神が私に罰を与えたのだと考えれば、

何一つおかしなことではないのです。

 

 

少年が目を覚ますと、そこはどこかの廃屋でした。

どこかなんてわかるはずもありませんが、少なくとも

彼の家ではないことはわかります。

少年は元来、感情の振れ幅が小さい男でした。

特段、疑問も抱かぬまま、開けっ放しの扉から外をのぞき込みました。

そこは、平原・・・。ただの平原ではありません。

遥か青い空には、この小屋ほどもある大きさの鳥が一匹・・・。

あ、今さらに大きい怪鳥に食べられてしまいましたね。

まあともかく、彼のものとはまるで違う異世界でした。

 

彼の鼓動はドクンとその時跳ね上がりました。

興奮でなく、恐怖によってです。

彼はいつだって、生きていたって仕様がない。そのように思っていました。

自分が生きているのは、くだらない使命感によってであると思い込んでいたのです。

しかし、残酷な現実は突然彼の目前に突き付けられてしまったのです。

彼は、確信してしまいました。自分は生きていたいのだと。そして恐らくその願いは、

近いうちに打ち砕かれるであろうと。

彼が英雄であれば、この状況に喜び勇んだのかもしれません。

彼が絶望しきってれば、自ら命を絶っていたのかもしれません。

しかし彼は、ただの少年、ただの人間でしかありませんでした。

 

 

寝て、起きて、ただそれだけでした。この異世界に渡ってきてしまったのは、なにか

弾みがあったわけではないのです。いえ、もとより私の人生に弾みなどあるはずもありませんでしたが・・・。

ともかく私は、このような中世ヨーロッパ調の世界に突然目覚めてしまったのです。

私の足りない頭では、これからの方針など決まるはずもありませんが、何かしなくてはなりません。

あの怪鳥がいるようでは、下手にこの廃屋から出られません。

しかも近くに他の建物は見当たりませんでした。

この廃屋にとどまり続けるわけにもいかないでしょう。

とりあえず、何か武器になるようなもの・・・。身を守るものが欲しい。

 

 

 

少年は廃屋の探索を始めました。しかし、そこはしょせん荒れ果てた廃屋。

武器になりそうなものなんてありません。

しかし、本からちぎれ落ちたのでしょうか?

足跡が付き、薄汚れた紙切れのようなものが落ちていました。

それを拾い上げて読んでみても、地球では見たこともないような文字でした。

 

 

・・・。しかし私はほっと息をついた。

字は読めない。しかし、本があるのだ。

人ではないかもしれないが、なにか知的なものがいるに違いない。

そんな見当を付けられたからです。

 

「・・・んふふ。」

 

私ののどから空気が漏れました。

かすかですが希望が見えてきた気がするのです。

緊張からか、じんわりと汗がまとわりつきますが、私の頭は今までにないくらい回転し始めました。

ただ生き抜く。単純ですが、一つの目標が生まれたのです。

私の人生にはこれがありませんでした。

ただ、生き抜く。なんと単純で難しいことでしょう。

 

 

 

私は、廃材の山から、手ごろな先が尖った棒を引っ張り出しました。

なんとお粗末な武器でしょう。きっと原始人だって、もう少し上等なものを使っていたと思います。

しかし、良い。ないよりはましだ。

 

 

 

私はそれを両手に握りしめて、震えながら扉から外に出ました。

それが恐怖からなのか、それとも武者震いであるのか・・・。

 

まあ、重要ではありませんそんなこと。どちらにせよ、死ぬときは死ぬのですから。





異世界に行って実際喜ぶ人はどのくらいいるのでしょうか?




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