全ての存在は、滅びるようにデザインされている。
生と死を繰り返す螺旋に、私達は囚われ続けている。
これは、呪いか。それとも、罰か。
不可解なパズルを渡した神に、いつか、私達は弓を引くのだろうか?
「急にどしたの、2B。スケ‥‥‥じゃなかった、アンドロイドも人生に悩んだりするのかい?」
一緒に旅を続けていたリドリィがそう問いかけてくる。
どうやら口に出していたらしい。
けど、どうしてそんな風に不思議そうな顔をするのだろう。
私からすれば、そんなリドリィのリアクションこそ不思議だ。
「もちろん、悩むことくらいある。人間は違うの?」
「え? いや、まあ‥‥‥そりゃあるけど。でもほら、アンドロイドって人間とは違うじゃん? だから悩んだりとかしないのかなーって」
「? なぜ?」
「なぜって、その‥‥‥なんでだろう。表情とかに出ないから、かなあ」
バツが悪そうにそう答えるリドリィ。
ひどい誤解だ。
確かに表情は乏しいかもしれないけれど、感情がないわけじゃない。
「確かに、ヨルハ部隊にいた頃は感情を持つことは禁止されていた。だから分かりづらいかもしれないけど、私達もちゃんと感情で動いている。そして、悩むことだってある。それは当然のこと」
「そっか。まあそうだよね。ごめんよ、悪気はなかったんだ」
そんな話をしながら、私達は酸性雨の降る中で旅を続ける。
ここはデッドランドと呼ばれる地域。
絶えることなく酸性雨が降り続く場所。
人はもちろん、動物だって寄り付かない。
そんな地域だ。
「ねえリドリィ。その地図、本当に合ってる? こんな場所に遺跡なんて‥‥‥古代の人達は、こんな酸性雨の中で生活していたの?」
「古代の人達が、ヒトだったとは限らないでしょう? 現に2Bだって、酸性雨を浴びても平気じゃない」
「‥‥‥つまりこれから向かう場所は、機械生命体の遺跡だと?」
「だろうね。ほら、見えてきたよ。あの建物がそうじゃない?」
そう言ってリドリィが指さした先には、ポツンと研究所のような建物が見えていた。
この大陸の機械生命体‥‥‥スケルトンが誰によって作られたのか、はっきりとした情報はない。
けど、ヒトによって作られたわけではないだろうとは思う。
ヒトと共に生きていたなら、こんな場所に遺跡があるはずがないのだから。
「‥‥‥私が先に見てくる。リドリィは離れてて」
「う、うん。気をつけてよ、2B」
「ああ。問題ない」
そうして、リドリィを少し離れた場所で待機させてから遺跡の扉を開ける。
中にいた蜘蛛型の機械生命体‥‥‥複数の警備スパイダーがすぐに襲いかかってきた。
対話も警告もなしにだ。
やっぱり、機械生命体は敵だ。
「2B、気をつけて! 来るよ!!」
「見ればわかるよ」
私も応えるように刀を抜いて、迫り来る機械生命体に相対する。
そして。
ドカッ! バキッ! ゴスッ!
「‥‥‥きゅう。」
やられた。
行動機能が停止。
「‥‥‥おーい? 2Bさん?」
倒れた私の様子を覗き込んで、離れた場所まで担いでくれるリドリィ。
遺跡から少し離れてしまえば、機械生命体はそれ以上深追いしてこないようだ。
「不覚。まさか、あれほど警備が厳重だなんて」
「うん、まあ‥‥‥とりあえず致命傷がないみたいで良かったよ。私だったらあの数の警備スパイダーに殴られたら即死してると思うし。やっぱり戦闘用っていうだけあって頼りになるね」
言いながら、リドリィは修理キットを取り出して機体の修復をしてくれる。
「それくらいは当然。ヨルハ部隊にいた現役時代なら、あれくらい1人で倒すこともできたのに」
前線から逃げて長いこと漁師をしてたら、思いのほか腕が鈍っていたけれど。
「いやー、流石に1人では無理でしょ。ほら、修理終わったし、ここは一旦引いて」
「む? 信じていないな? よしもう1回行ってくる!」
「え、ちょっと2B!?」
止めようとするリドリィを振り切って、もう1度機械生命体に挑みかかる。
今度こそは。
ドカッ! バキッ! ゴスッ!
「‥‥‥きゅう。」
やられた。行動機能が停止。
「‥‥‥おーい? 2Bさん?」
倒れた私を、また離れた場所まで担いでくれるリドリィ。
損傷箇所を修理してくれる。
「あまり無理しないでおくれよ、2B」
「無理なものか。現にさっきより5秒ほど長く持ち堪えたし、修理キットもまだ残ってる」
そして修理キットが残っているなら、負けることはない。
「‥‥‥あ、そう。ちなみに聞くけど、あと何回繰り返すの、これ?」
「無論、勝つまで」
何を当然のことを聞いてくるのだろう。
相手の機械生命体に回復手段はなく、こちらには回復手段があり致命傷にならないだけの装甲もある。
ならば繰り返せばいずれ勝てる。
当然だ。
「‥‥‥スゴく強引な戦い方なんだね、2Bは」
「ふふ。昔、一緒にいた仲間にも同じことを言われた。懐かしいね」
彼は今、どうしているだろうか。
ちょっぴり理屈っぽい少年の顔を思い出してしまう。
彼は優秀だから、きっと今でもヨルハ部隊で戦果をあげていることだろう。
それはきっと彼にとって幸せなことだと思う。
けどその一方で、どこかで私を追いかけているんじゃないか、とも思う。
私なんかを追って来たところで幸せな結末など訪れないだろうし、それは彼も分かっているハズだ。
ヨルハ部隊にとって私は、脱走兵なのだから。
けど、それでも。
どこかでそれを、願ってしまっている自分がいる。
「2Bの昔の仲間がどんな人かは知らないけどさ。苦労してたんだろうね、そいつ」
「うん。いっぱい苦労をかけた。もしかしたら今も苦労してるかも」
「そうかい。ま、深くは聞かないさ」
そうして話している間に、修理が終わる。
「よし、それじゃもう1回行ってくる!」
3度、機械生命体に挑みかかる。
今度はリドリィも止めなかった。
ようやく、少しは私のことがわかってきたらしい。
3度目の正直‥‥‥ということもなく、またやられた。
ありのまま今起こったことを話すぜ。kenshiの小説を読みにきたらニーアオートマタの二次創作を読まされていた。何を言っているのか分からねーと思うが俺も何をされたのか分からなかった。頭がどうにかなりそうだった。URLの貼り間違いとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。
そんなポルナレフ状態に陥っている読者の皆様、今回も読んでいただきありがとうございます。次回は本編に戻って、拠点の襲撃イベントなんかを書けたらいいなと思っています。拠点を建てたら必ずついてまわる襲撃イベント、もっと戦闘描写の腕を磨かなくては。