アニポケIF-サトシの栄光の軌跡ー   作:ASNE

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ジムバトル、開始!


リベンジマッチ!サトシVSウルップ!(中編)

遂に始まった、サトシとウルップの再戦。先攻は―サトシだ。

「バクフーン、ふんかだ!」

「バクッ!」

バクフーンが氷結したフィールドに両手を付き、地面から灼熱の炎を噴出させてフィールドの氷を融解させながらカチコールに迫る。

しかし……カチコールは得意の滑りで余裕を持って躱す。

「まだまだ!連続で左右に動きながらふんか!」

バクフーンはサトシの指示に従い、カチコールが逃げる方向に向かって体を動かしながら連続でふんかし、フィールドを次々と溶かす。

いくら避けられてもふんかを続けるバクフーンに、内心首を捻るウルップ。

(うーむ、いくらふんかを撃ち続けても当たらずいたずらに体力を消耗するはずなのに、なぜ彼は止めない?……!まさか……!)

ウルップはフィールドを観察すると流石ジムリーダーといったところか、すぐにサトシの狙いを看破した。

「いかん、カチコール!こごえるかぜだ!」

「カチッ!」

逃げるのを止めたカチコールは、バクフーン目掛けて強烈なこごえるかぜを放つ。

「ばれたか!バクフーン、かえんぐるま!」

「グアゥ!」

バクフーンはふんかを中断すると、かえんぐるまでスライドしながらこごえるかぜを回避した。

 

「ばれたかって、お兄ちゃん、サトシは何をしたかったの?」

一方、上の観客席ではサトシのやりたかったことが分からなかったユリーカが、シトロンに尋ねる。セレナも気になっているようだ。

「おそらくですが……サトシはカチコールの動きを封じたかったのではないでしょうか?」

「どういうこと?」

「先程からカチコールは、氷のバトルフィールドを自由自在に滑って躱してしました。スピードで劣ってしまうバクフーンが攻撃を当てるには、その回避法を封じる必要があります。そのために、ふんかを連続で放つことでフィールドの氷を溶かし、例え当たらなくともその行動範囲を狭めることが出来れば……」

「必殺の一撃を当てて倒すことができる。そうよね、シトロン?」

「その通りです、セレナ。……サトシはふんかという技の攻撃法を利用して、フィールドを己が有利な方に変えた。これは、並大抵のトレーナーが出来ることではありません。流石サトシです!」

「そっか!いっけーサトシ、バクフーン!」

「デネデネ!」

「ピィカピカ!」

「チャブル!」

「アアーッ!」

「バァーン!」

「がんばれ、サトシーッ!」

ユリーカの応援に呼応し、観戦しているピカチュウたちも声を上げてサトシ達を応援する。セレナも応援しながら、内心嬉しそうにする。

(これよ!いつものサトシが、帰ってきた!)

サトシはセレナやピカチュウたちの応援を聞いてニヤリと笑い、間髪入れずに指示を飛ばした。

「そこからニトロチャージ!カチコールを逃がすなッ!」

「間に合わんッ!カチコール、ミラーコート!」

「させるな、ぶち当てろッ!」

「バクゥッ!」

「カチ―ッ!」

「しゃあッ!」

バクフーンはかえんぐるまで加速したスピードを、ニトロチャージでさらに上げながらカチコールに迫る。回避は間に合わないと判断したウルップはミラーコートでカウンターを狙うが、一足遅くニトロチャージがクリーンヒット。カチコールは吹き飛ばされるが、何とか後ろに下がりながらもウルップの前に着地した。攻撃を当てたバクフーンも、サトシの前に瞬時に戻る。

「やるじゃないか、わしを熱くさせてくれる……ならばこれはどうだ?カチコール、かくばる!」

「カチッ!」

「何……?」

カチコールは自身の体を透明な氷でおおい、ダイヤ状に体を変形させた。

「何あれ!?」

「かっくかくー!」

「自分の体を角張らせて、攻撃力を高める技ですよ!」

「さらに、こうそくスピン!」

「カーチ―、カー!」

身体を高速回転させ、バクフーンに迫るカチコール。サトシとバクフーンは、そっくりにニヤリと笑う。

「バクフーン、かえんぐるまで迎え撃て!」

「バクククッ!」

バクフーンは再びかえんぐるまを発動して、カチコールとの真っ向勝負に臨むが……カチコールの軌道がジグザグなため、このままでは躱されてしまう。

「サトシ、このままじゃ避けられちゃうよ!」

「大丈夫、サトシを信じましょう。サトシだって、何か策があってバクフーンを選んだはずです!」

「うん、サトシならきっと大丈夫!」

 

「……フッ」

「!?」

(少年、ここからどうするつもりだ!?)

セレナやシトロンの言う通り、サトシは少しも動じておらず逆にニヤリと笑う。……サトシの”アレ”を知らないウルップは、サトシの策がどのようなものか分かっていないようだ。

「バクフーン、そのままかえんほうしゃだ!」

「何だと!?」

「カチ―ッ!」

バクフーンはかえんぐるまのままかえんほうしゃを放ち、炎が鞭状になって放たれる。当然ながらこうそくスピン状態だったカチコールは回避できず、何発もかえんほうしゃがクリーンヒットして吹き飛ばされる。……これは、以前シンオウ地方のヨスガジムジムリーダー、メリッサ相手に当時ヒコザルだったゴウカザルが使った、カウンターシールドの応用技だ。

「そのままかえんぐるまだ!いっけー!」

「バクウゥゥッ!」

「カ、チィーッ!……カ、チ……」

かえんぐるまで正面から吹き飛ばされたカチコールは、サトシの右手にあるかべにめりこみ、そのまま戦闘不能になった。

「カチコール、戦闘不能!よって、バクフーンの勝ち!」

「っし!よくやったぞ、バクフーン!」

「バクバクッ!」

サトシに褒められ、バクフーンは嬉しそうに笑顔を浮かべてコクコク頷いた。

 

「いやったー!」

「デネデネ!」

「あの時とはまるで違う……いえ、これが本気モードのサトシ……!」

(バトルがまだまだな私でもわかる……今のサトシはすっごく強い……それに、いつも以上にカッコいい!)

ピカチュウたちも自らの主人の完全復活に大喜びだ。特にファイアローは、同じほのおタイプの先輩のバクフーンの勇姿に目を輝かせている。

 

「こりゃ驚いた……さっきのは一体なんだ?」

戦闘不能になったカチコールを労りながらボールに戻したウルップが、サトシが先程使った”カウンターシールド”について興味津々に尋ねてきた。サトシはバクフーンの頭を撫でてやりながら、懐かしむように答える。

「俺がシンオウで生み出した、”カウンターシールド”っていう応用技ですよ。元々”さいみんじゅつ”対策に生み出したんですけど、応用が利くんで重宝してます」

「ほー、オリジナル技か……」

(シンオウ、か……。この少年、もしや……)

何やら思い当たる節があるのか、一瞬考え込むウルップ。だが、今はジム戦の真っ最中のため、切り替えて二体目を出した。

「ああ、あれだ。この熱さを待っていた……クレベース出番だ!」

「レッベー!」

ウルップの二体目は……この間惨敗させられたクレベースだ。だが……今のサトシたちには、恐れも、迷いもない。

「もっともっと俺を熱くさせてくれ、チャレンジャー!」

「はい、必ず勝ってバッジをもらいます!戻れバクフーン、ゲッコウガ、君に決めたッ!」

「コウッ!」

サトシの二体目は、ゲッコウガだ。……ついに訪れた、リベンジマッチである。

「来たな、ゲッコウガ……!」

「行くぞゲッコウガ、みずのはどう!」

「コウ、ガッ!」

「レべッ……!」

進化して以来使っていなかったみずのはどうを再び使い、クレベースに直撃させてこんらんを狙うが……流石にそう上手くはいかない。

「クレベース、ゆきなだれ!」

「クレッベー!」

雨雲が瞬時に出現し、ゲッコウガを襲う。……だが。

「ゲッコウガ、かげぶんしんッ!」

「コウガ!」 「コウガ!」 「コウガ!」 「コウガ!」 「コウガ!」

サトシはかげぶんしんの発動スピードを利用してゲッコウガを素早く移動させ、攻撃を巧みに躱させる。

「みずしゅりけん!」

「コウ!」 「コウ!」 「コウ!」 「コウ!」 「コウ!」

「クレベッ!」

みずしゅりけんが幻影含めクリーンヒットし、クレベースが苦悶の声を上げる。ウルップは、この間とはまるで違う技のキレに感嘆の声を上げた。

「やるな……この間とはまるで違う!」

「はい!……俺たちは、もう迷わない!俺は、ゲッコウガやピカチュウたちと一緒に心を合わせて、強くなりますッ!」

「……そうだ。この間のお前さんに足りなかったのは、それだ。それによくぞ気づいた!」

サトシは目を瞑り、ピカチュウやカロスの仲間たち……そして何より、遠くから励ましてくれたヒカリの顔を思い出す。

「……皆のおかげですよ。セレナたちだけじゃない。たとえ遠く離れていたとしても、仲間たちと心は繋がっているんだッ!」

「コウガッ!」

サトシは力強く拳を握って叫ぶ。ゲッコウガもそれに呼応し、拳を握る。サトシの左手につけられたメガリングのキーストーンが、力強く光り輝く。

「行くぞゲッコウガ!俺たちは、さらなる高みへッ!行っくぞおおおおッ!」

『うおおおおおおッ(コォウゥゥゥゥゥゥッ)!』

そしてついに……サトシとゲッコウガが一つになった。激流に包まれた頭部や胸部がサトシの服装に似た感じに変わり、背中に巨大な水手裏剣が出現する。―サトシゲッコウガの完全覚醒が、今成った。

「出た、おっきなみずしゅりけん!」

「ええ、あれがサトシゲッコウガの完全な姿……」

「サトシたちの、高み……!」

「行けー、サトシゲッコウガーッ!」

「デネ―ッ!」

「ピィカーッ!」

「熱い……感じるぞ、お前たちの熱さをッ!」

「はい!俺たちは、限界を何度でも超えますッ!―ゲッコウガ、つばめがえしッ!」

「コウガ!コウコウガ、コウコウゲッコウッ!」

「レべーッ!」

ゲッコウガは瞬時に距離を詰めると、サトシと挙動をシンクロさせてあの巨体を上に吹き飛ばした!

「おお……!これじゃまるで、別のポケモンだな……!」

「追撃だ、いあいぎり!」

「コウコウコウガ!コウコウガ、コウコウコウコウガァッ!」

「レべベッ……!」

空中でじたばたして動けないクレベースに、水苦無へと変化したいあいぎりを連続で叩き込み、クレベースを地へと叩き落とす。

「まだだ、ストーンエッジ!」

「レッべーッ……!」

流石のタフネスを発揮し、瞬時に立て直したクレベースは次々と岩を出現させ、ゲッコウガを吹き飛ばそうと迫る。

「ゲッコウガ、かげぶんしんからのみずしゅりけん!」

「コウガ!」 「コウガ!」 「コウガ!」 「コウガ!」 「コウガ!」

サトシはそれに負けじと、ゲッコウガにかげぶんしんからのみずしゅりけんというコンボを発動させ、ストーンエッジを全て全力で砕き、クレベースに叩きつける。

「レべッ……」

「とどめのつばめがえしッ!」

「コウ、ガッ!」

「クレべーッ……レ、ベ……」

サトシとゲッコウガが同時に足を振り下ろし、クレベースの脳天にめり込ませる。クレベースの巨体がフィールドに沈み、そのまま目を回して戦闘不能状態になった。

「ク、クレベース、戦闘不能!よって、ゲッコウガの勝ちッ!」

「おっしゃああああッ!よく頑張ってくれたな、ゲッコウガ!」

「コウガ、コウガ!」

雪辱を果たせたことで、喜びのあまりひしと抱き合うサトシとサトシゲッコウガ。

 

「これでサトシ二勝だよ!」

「うん、これなら今度こそいける!」

「でも、まだ油断は禁物です」

 

 

「戻れクレベース!……やるじゃないか、この間とは段違いの熱さだ!だが……これがお前さんの底ではあるまい!」

「勿論です!俺とポケモンたちの絆は、こんなもんじゃありませんよ!」

「お前さんの力、もっとわしに見せてくれ!……これが最後だ。ユキノオー!」

「ユノ―!ユノ、オォォーッ!」

ウルップの三体目は、あの力強いユキノオーだ。

「ユキノオーか……ゲッコウガ、戻れ!」

「お?」

「「「えええええええッ!」」」

サトシは何とサトシゲッコウガ状態を解いて、後ろに下がらせた。これにはそのまま続投するものと思っていたウルップとカロス組が、大小の差あれど驚きの声を上げる。

「戻しちゃうの、サトシゲッコウガ!?」

「このまま行くものだと思っていたんですが……」

「サトシ、どうして?」

セレナの疑問に、サトシが苦笑しながら三体目のボールを軽く揺らす。

「悪い悪い。ゲッコウガに、こいつと同じ特殊な力を持った奴の戦いを見せてやりたくてさ。……ゲッコウガ、悪いけど後ろで見学しててくれるか?こいつのバトル、楽しみに見てくれよ?」

「コウッ!」

ゲッコウガが強く頷いたのを確認したサトシは、三体目のモンスターボールを勢いよく投げた。

「ゴウカザル、君に決めたッ!」

「ゴウキャ!」

「ん……?」

サトシの三体目は―ゴウカザル。それを見たウルップの中で、何かが繋がる。

「ゴウカザル……やっぱりそうか。―お前さん、フロンティアブレーンだな?」

「……!」

「ええッ!」

「「え?」」

 

To be continued......!

 




さて、今回行ったのはバクフーンVSカチコール、サトシゲッコウガVSクレベース。
本作でのサトシは、基本的に一体一体相手に対応して交代させる、シンジのバトルスタイルを取り入れた戦い方をします(続投させることもありますが)。
これらのバトルでもたらされたフィールドの変化が、次回のゴウカザルVSメガユキノオーに繋がります。
実はサトシ、他の地方で旅したことや彼女のヒカリの存在を明らかにはしましたが、まだフロンティアブレーンであることを明かしていませんでした。そして、何故ウルップがサトシをブレーンだと看破したのかは、次回に持ち越しとなります。
では、また次回で。
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