ジム戦も終わり、よく戦ってくれたバクフーン、ゲッコウガ、ゴウカザルをポケモンセンターで回復させたサトシはセンターのフィールドで改めてカロスの旅仲間とポケモンたちに彼らを紹介した。
「改めて、バクフーンとゴウカザルだ。カロスの皆、先輩だから色々聞くといい。バクフーン、ゴウカザル。ゲッコウガは知ってるとは思うが、ファイアロー、ルチャブル、オンバーンだ。仲良くしてやってくれよな!」
バクフーンとゴウカザルがやあ、と手を上げ、カロスのポケモンたちは口々に鳴き声を上げて歓迎した。
「この子が、ゴウカザル……」
ジム戦の時はサトシのバトルに夢中でゴウカザルの図鑑説明を聞くことなど頭から吹っ飛んでしまっていたセレナは、改めて図鑑をゴウカザルにかざした。
『ゴウカザル。モウカザルの進化系。あたまでもえるほのおのようにはげしいせいかくのポケモン。すばやさではだれにもまけない』
「激しい性格……?」
セレナは改めて、サトシのゴウカザルをじっと見た。どこからどう見ても、気のいい優しい子である。
「―バトルの時は、激しいだろ?」
サトシが苦笑してそう言うと、セレナははっとして先程のバトルを思い出した。煮えたぎるような激しい炎を纏い、メガユキノオーを圧倒したゴウカザル。あの時の彼は、今とは打って変わって苛烈だった。
「……あいつは、ヒコザルの時からあれが制御できずに苦しめられてきた。元々ゴウカザル、いやヒコザルは俺のポケモンじゃなかったんだ」
「そうなんですか!?」
昼食の準備をするシトロンが驚きの声を上げる。サトシは彼に調味料を手渡しながら、話を続ける。
「あいつを見つけたのは、俺のライバルのシンジだ。……俺のライバルたちは皆すごいやつだったけど、あいつは特に強かった。未だに負け越してるし、いずれ決着を着けなきゃいけない相手だ。……ヒコザルの潜在能力に目を付けたシンジは、その力をものにしようとヒコザルを厳しく鍛えた。……でも、そのやり方はヒコザルには間違ってたんだ。心優しく気弱だったヒコザルはその訓練で心が疲れちゃって……力を使いこなせるようになれなかったヒコザルを見限って……野生に帰したんだ」
「そんな……ヒコザル、かわいそう……」
ユリーカの言葉に、サトシは微笑んでそっと首を横に振った。
「いや、結果的には正しかったんだ。俺がゲットした後は、ヒコザルは順調に力を付けてゴウカザルに進化してもうかを制御できるようになったし、シンジもポケモンたちとの接し方を改めた。……昔は反発してたけど、今はあいつのやり方にイイとこがあるのはよく分かる。参考にさせてもらってるしな」
そう語るサトシの表情は、セレナたちが今まで見たことのある表情とは違ったもので、彼の昔について知るヒカリに少し嫉妬してしまう。
「そうなんだ……」
「え!?今までの仲間を呼ぶ、ですか!?」
「ああ、そうしようと思ってる」
シトロンが作ってくれた昼食を食べながら、サトシはそう告げた。ポケモンたちはポケモンフーズを食べながら、主人たちの話しに耳を傾けている。
「しばらく会えてない奴らもいるから、これを機に呼んじゃおうかなって。カロスのことを知ってもらいたいし、俺のバトルも見てもらいたいし。……ジムリーダーやコーディネーターも居るから、セレナやシトロンにもいい刺激になると思う」
「「「へえ~……」」」
「皆すげーいいやつばっかだから、すぐに仲良くなれると思うぜ!」
にかっと笑うサトシ。セレナたちはサトシの過去を知るという人物たちに、思いを馳せるのであった。
その日の午後、サトシは呼ぼうと思っている全員の所在を調べるのに費やし、その翌日、朝から電話をし始めた。
次回は、サトシの旅仲間やライバルたちが一斉登場!誰が来るのかは、お楽しみに!