透也が見えなくなった使徒を走って探していると、一人の男に声をかけられた。正直構っている暇はなかったが、何か知っていると思って男と話すことにした。
「なぁ、今仕事で怪物?みたいなの追ってんだけど、見なかった?」
男は警察手帳を透也に見せた。
「俺も同じようなのを探してるんですけど...」
男の名前は成宮輝夜。目つきはかなり悪くどちらかと言えば犯罪者の顔だが、手帳とやっていることは警察である。
輝夜は透也に特徴を言った。その特徴はそのまま陸羽が変身した使徒だった。
「そうか...あんたも...でもどうしてあんたは使徒をしってるんだ?」
一瞬輝夜の目が光ったような気がした。
「俺は警察だ。しっかり話してもらわないと。」
透也は輝夜の車に乗せられ、丸山のこと、自身が仮面ライダーであることも正直に話した。
案外、すぐに信じてもらえた。
「じゃあ、俺はあんたを信用するよ。トウヤ。だから敬語は使わなくていい。俺とあんたは運命が出合わせたんだ。」
そのとき、
『警視庁から大文字26、27、五国8、10へ 現在セルフガソリンスタンドから怪物のような生き物が店員を襲ってるという110番通報あり。』
輝夜は透也をのせたままエンジンをかける。
「俺をカグヤと呼べ。あとシートベルトつけろ!」
『大文字26、情報を知っている学生と一緒に今から向かう!』
助手席に乗っているもう一人の警察も透也を了承し、輝夜の運転でガソリンスタンドへ向かった。
白と黒の警察の車は赤いサイレンを鳴らしながら黒い道路を走り回る。
そしてやっと、目当てのガソリンスタンドについた。店員が警察車両に安堵し助けを求める。
「はいはいはい、状況聞かせな。」
警察二人は店員から状況を聞くと透也に言い、店員を保護する。
透也も暴れている使徒をすぐに見つけ、ガソリンスタンドの休憩所に追い詰める。
透也はドライバーを腰に当て、巻き付けさせる。そしてトランスレコードをドライバーに挿入する。
「お前はもう陸羽じゃない。変身!」
スピーカーが透也の体と一体化し、透也は仮面ライダーに変身した。
Zはさっきと同じように使徒と闘う。余計なことを思い出さないように、ただひたすら無心に闘う。かつて、いや今も親友である、ただ道を一つ間違えただけの親友と闘っている。
そしてZは使徒を一つのパンチで隙をあらわにさせる。そして空高く飛び上がる。
今度こそ、ライダーキック。
しかし、Zには一瞬、輝夜の車から一人抜け出し、給油機の前で何かをしているのが見えた。
「Z!なんで躊躇うんだ!!」
Zはライダーキックを入れずに、そのまま着地した。
変身は解除せずに答える。
「俺には見えたんだ。一人怪しい人がいるのが。」
「なんだって!?」
輝夜は走ってZのほうへ向かう。Zは何かに気付く。
「来るな!カグヤ!」
「え?」
輝夜が給油機の前を通った瞬間、その場には大爆発が起きた。
「カグヤーーーーーー!!!!」「輝夜さん!!!!!」
給油機の裏から、もう一体使徒が出てくる。
かなりショッキングな爆発の前で、使徒達は喋りだす。
「さあ、Zドライバーを渡してもらおうか。瀬戸透也くん。」
「ドレインには刃向かわないほうがいいぞ。警察でも粉々だ。」
使徒達は絶望に足を震えさせている透也に近づく。そして一体が透也の腕を固定し、もう一体がドライバーを外そうとする。透也は抵抗をしたかったが、全く抵抗できなかった。
その時だった。
爆発の煙が薄くなり、中から人型の何かが歩いてくるのが見えた。使徒も驚き隙を見せる。そこでZは使徒から抜け出した。
そして煙の中から出てきたのは、人間には見えない、どうやら仮面ライダーのようだった。
「勝手に殺すな。おっと、俺は如月輝夜...またの名を、仮面ライダーテクノ。」
仮面ライダーテクノ。変身者は如月輝夜。Zとはまた違うライダーシステムを使ったライダーで、サウンドドライバーを使って変身する。
「仮面ライダーが二人。使徒が二人。これでバランスはあってるな。いくぞ、トウヤ。」
「ああ、カグヤ。」
Zとテクノは一体ずつ使徒と闘っていく。
テクノは使徒の隙を見て飛び上がる。
「俺の必殺技も見せてやるよ!」
テクノはドライバーのレバーを引き、音声を鳴らす。
『テクノポリス・ブレイク!!』
テクノは使徒を空中に投げ上げ、落ちてきた敵に真下からキックをし、爆発とともに倒した。
「やった!」
一方Zはというと、かつての親友とお互いボロボロになるまで殴り合っていた。
「俺を倒せないんだろ。親友だから。」
使徒が煽る。その声はそのまま、陸羽のものだった。
「お前が俺を倒せなくても、俺はお前に容赦しない。そのドライバー、俺が奪ってやる。」
Zはドライバーを触る。そして、何かを思いついたかのように前を向く。しかし、すでに使徒が目の前まで来ていた。
使徒はZを蹴り倒すと、馬乗りになりZの顔面を殴る。Zの思いついた何かは実行されずに終わった。
と思われた。
「どうだ!ドライバーを渡す気になったか!」
使徒が問うと、Zは今にも消えそうな声で答える。
「.......」
「聞いてるんだ。答えろ。仮面ライダーZ!」
「わかった。」
Zは一つだけ返事をすると、変身を解除してトランスレコードをドライバーから抜く。
使徒はZドライバーを受け取る。しかしここまで、透也は余裕の表情だった。
「ついに仮面ライダーが負けを認めたか。」
返事がない。変に思った使徒が後ろを向いたその瞬間、使徒は透也に後ろから蹴りを入れられた。
「うわっ!」
予想外の出来事に使徒は、ドライバーを落とした。
「俺はお前が喧嘩弱いことくらい知ってんの。」
透也はドライバーを拾いながらいう。
そして変身して続きを言う。
「あと、正義の味方としていうけど、人を襲うのはよくない。」
「うるせぇ!!お前なんて親友でも何でもねぇ!」
激昂した使徒は走ってZのほうへ襲い掛かる。しかし、またもや蹴り倒された。
「うるせぇのはそっちだよ。お前が親友って思ってないならこっちもストレスフリーで蹴れる。」
そう言い残してZは飛び上がり、必殺技を打つ。
『ORIGINAL BREAK!!!』
Zは使徒を貫通し、着地する。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
使徒は叫び、その場で大爆発とともに人間の、ボロボロの陸羽の姿に戻った。
陸羽は輝夜の持っていた手錠で両手を留められた。
救急車に乗せられる前に、透也は陸羽に話しに行った。
「陸羽...お前が俺のこと親友じゃないっていったの、本当か?」
透也はまっすぐな目で陸羽を見つめる。陸羽は目をそらし、何も言わなかった。
そのあと透也は一時傷害の疑いで留置されたが、輝夜のおかげですぐに出られた。
事件から三か月ほど後のことである。透也は警察に呼び出されていた。
大文字市警察署に入ると、そこには偉そうな中年の警察官と、輝夜がいた。
輝夜は暗い顔をしていた。
中年の警察官が表彰状と書類を持ってきてしゃべりだす。
「瀬戸透也さん、あなたが三か月ほど前の怪物が暴れた事件、その後何回かの一般人が怪物になって暴れだす事件で大変な活躍そして捜査に協力してくれたことをここに称します。それと同時に、大文字警察本部第一特殊捜査隊へ特別枠として任命することを命ずる。」
透也はなんと、警察に勧誘されているのだ。彼は迷わずに答える。
「わかりました!やります!警察!」