仮面ライダーZ   作:いゆ

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「俺は最悪の事態になる前にお前を止めるまでだ。」

 Zはウェイブと向かい合い、言った。

「最悪の事態にならないと....逮捕できないんじゃない?」

 ウェイブは一人隠れている店員を見つけ出し、クレシェンドドリンクを強制的に飲ませた。

「やめろ!!」

 店員の姿は変わっていき、使徒へと変化した。

 使徒がZを襲っている間に、ウェイブは窓を割って店を抜け出した。

「くそっ!」

 Zは使徒を一蹴りし、隙を見せたところで外に出し、必殺技をする。

『ORIGINAL BREAK!!』

 爆発とともにボロボロの店員が出てきて、救急車を呼んだ。

 透也はウェイブの行った道へ走り出した。

 

 書類を書き終えた輝夜は車に乗り、家に帰るところだった。缶コーヒーを一口、口に含む。

「相棒は守らなきゃだめだよなぁ...」

 エンジンを蒸かし、輝夜は車を走らせる。彼が道路に出た時、千里たちの覆面パトカーが見えた。サイレンを鳴らしているので、何か事件を追っているのだろう。助手席では呂樹が事件が起きた時の顔になっていた。

 信号でコーヒーをまた一口飲み、輝夜は千里たちについていくことにした。どこか嫌な予感がしたからだ。

 千里達502が出動した先は、近くの採石場だった。採石場では十体以上の使徒のほかに謎のライダーらしき影と、仮面ライダーZがいた。

 覆面パトカーの後ろに車を停めた輝夜はすぐに降り、ベルトを腰に巻いた。だがすぐに千里たちの前に出ることはしない。

 

「千里、あいつらはナイフが効かない。鉄のパイプは持ったか?」「もちろんですよ、相楽さん!」

 千里は車に常備している鉄パイプを呂樹に見せつける。

「あぶないっ!」

 見つかったのか呂樹を襲ってきた使徒を千里がかなりのスピードで倒す。

「悪いな。」

「しっかりしてくださいね!行きましょう!」

 千里と呂樹は使徒の群れのほうへ走っていく。その中ではZも闘っている。

「あ!二人とも来てくれたんですね!!あいつはウェイブっていうらしい!」

 Zは闘いながら千里と呂樹を歓迎する。彼は安心して使徒を二人に任せ、ウェイブと闘う。

「私とは二人で闘おうじゃないか。」「ああ。」

 Zとウェイブは闘いながらまた別の場所へ行ってしまった。千里と呂樹はまだ使徒と闘っている。

 輝夜は車に戻り、Zとウェイブの後をつけた。採石場の隅に移動した。

 一対一の闘い。

 Zはウェイブに全力で立ち向かうが、正直全然歯が立っていない。

「まずいな。」

 輝夜はZの様子からそう呟き、車の外に出る。

 腰に巻いたドライバーのレバーを引き、変身する。

「変身!」

『Rai Den Ri der...Hen Shin...』

 輝夜の周りの地面からベース、ギター、キーボードなどの楽器が生えてくる。それから引いたレバーを戻すと、楽器が輝夜の体に形を変えて装着され、仮面ライダーテクノのスーツとなる。

 テクノはZを攻撃しているウェイブを後ろから蹴った。

「輝夜ァ!」

 Zはテクノが来たことを知りうれしがる。

「敵は一人だけか。名前はわからないがあいつは傷害罪で逮捕できる。殺さないように倒すぞ!」

「わかってるって!」

 Zは立ち上がり、ウェイブに攻撃をする。それをよけて隙ができたウェイブにテクノが上からかかとを落とし、ウェイブはその場でよろめく。Zはチャンスと見て飛び上がる。

「はぁっ!!」

『ORIGINAL BREAK!!!』

 Zのキックはウェイブの懐めがけて一直線に向かっていく。Zはウェイブを貫通し、テクノの目の前に着地した。

 Zはマスク越しに自信満々の表情で前を向く。その背中では爆発とともにウェイブの姿が女性に戻っていく。

 辺りにはまだ炎が少し残る中、傷ついた女性はその場に立ちすくんでいる。

 テクノとZは変身を解除すると、女性に近づく。彼女は一切逃げようとしなかった。

 輝夜が彼女の肩をしっかり持つ。

「詳しい話はあとで聞く。」

 輝夜がそういうと、千里達の車がサイレンを鳴らしてやってきた。輝夜は女性を千里達に引き渡し、透也のほうへ戻る。

「なんで来たの?」

「嫌な予感がしたんだよ.....トウヤが負けてしまうような、そんな予感がした。」

「俺のこと、そんな考えてくれてたんだ、はは。」

 透也は輝夜を右ひじで軽く小突く。輝夜は少し笑い、悲しい顔をする。

「どしたん?」

「...白雪のようにはいかせないって、相棒になるって決まった時から思ってる。」

 輝夜の目には涙が浮かぶ。彼は一瞬上を向いて涙を隠す。

「前の相棒、異動だったんじゃないの?」

「あれは嘘。あいつは死んだ。」

 予想外の言葉に透也は驚く。

「ちなみに、なんで死んだの?」

「俺が殺した。」

「え..?」

「なんていうと思ったか。ドラマの見過ぎだ、いくぞバカ。」

 輝夜は車の運転席に乗り、透也をのせるとすぐに走り出した。

 帰りは透也は白雪の死因については一切触れなかった。触れちゃいけないような気がした。

 

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