ネタが頭からむくむくと溢れて書きたくなった結果、こうなりました。
更新はするのでゆっくりと見ていただけたら幸いです。
それではどうぞ
「兄上!どうして!」
古いが威厳のある日本家屋で一人の男性と女性が口論を繰り広げていた。
「仕方ない……私も出来れば避けたかった。しかし手遅れなのだ……」
「そんな……やめて……」
見たことのない悲しげな涙を流す母親を俺はただ襖の間から、黒く蠢いている右腕とともに眺めていた。
「士郎、出てきなさい」
叔父上は険しい目で暗闇の中の俺の眼を見てそう言った。
いつも綺麗好きな母さんが着物が崩れるのも気にせずに叔父上の足に必死にしがみついている様が、俺にはとても嫌に感じた。
「叔父上、お願いします」
自分がやるべき事は分かっている。迷いなく襖を開けて、叔父上ーー当主の前に立つ。
「士郎、やめて……お願い、一人にしないで……」
叔父上は何かを悔やんでいるかのように顔を歪ませた。叔父上が沢山いた兄弟の中で唯一生き残った妹とその一人息子である自分を大切にしているのは知っていたし、顔ももはやそこまで覚えていない父が死んでからはより一層それが強くなったのは幼いながらに理解していた。
「薫子、この子も家の一員として分かっているのだ。死ぬ訳じゃない、眠りが必要なだけ、ただ人より長く眠るだけだ」
「士郎、覚悟は出来ているのでしょうね……」
目を腫らしている母さんはそう言った。
「はい、母上。」
俺の返事を聞いて10歳ほど歳を取ったのかと思えた。しかし、もうこれ以上目が腫れる事は無かった。
「貴方の事はずっと、亡くなった貴方の父上もきっと同じように愛していますから……どうか身体に気をつけなさい。健康の心配はいらないでしょうが、母は貴方が健やかにいる事だけが幸せです」
言い終えると、名残惜しげにしばらく視線を合わせた後、くるりと向きを変えて部屋を出ていかれた。二度と母の顔を見る事は無かった。
「……すまない。儀式を行おう」
「決して叔父上のせいではありません。こうなる……運命だったのでしょう。私は父と母の愛を頂けた、それだけで十分です」
「……早く入れ」
叔父上の顔がちょうどこちらからは影になって見る事は叶わないが、微かに何か落ちる音がした。
桐で作られた簡素な棺桶には呪文がびっしりと書かれていて、お札も
俺は棺桶に入り込むと目を閉じた。まだ八つほどしか生きていないが、良くここまで生きられたと思う。運悪く生まれ持った呪いは自分だけでなく他人さえ蝕みかねないモノになった。
取り除けもしないし、無理に弄れば余計に悪くなる意地悪な呪いだ。
叔父上の呪文が板越しに聞こえるたびに走馬灯が駆け巡る。ゆっくりと暖かく包まれるようにして眠気が覆ってきた。
おやすみ、みんな。
俺、真羅士郎は深い深い眠りについた。再び目覚める日を夢見て……
ある少女、真羅椿姫は五大宗家と呼ばれる大家に生まれた女子である。
彼女はまだ数えで6歳。好奇心旺盛な子供であり、いかに精神年齢が同年代より高くてもたかが知れている。そんな彼女が隠れんぼに乗じて怪しげな部屋に入り込むのも無理はなかった。
という事ならどれほど良かっただろうか。
彼女は生まれつき神器という祝福にも似た悪夢に取り憑かれていた。幼い子供には
「ともだちが欲しい」 「普通に生きたい」
そんな当たり前な事でさえ彼女は心の底から渇望していた。
しかし、どれだけ渇望したとしても異形か迫害する家の人間くらいしか相手は居なかった。
「夢でいいから、ともだちが出来ますように」
幼い少女の"一生のお願い"はある日突然に叶う。
いつもと変わらない日々を過ごしている少女は七夕の日に自分の心を慰めるためだけに、叶わないと知りながらも"お願い"をした。
そしていつものように寝た。
「ここは……どこ?」
夢の中で少女は何処かの屋敷に紛れ込んだらしい。しばらく頭をひねると自分はどうやら明晰夢という現象に出くわしていると彼女は確信した。
少し違う部分もあるが、特徴が概ね合うことからここは真羅の屋敷であると記憶から当てはめる事は出来たのだが、何故夢に出てきたのか理由はさっぱりだった。
誘われるようにして、ある部屋に辿り着く。その部屋は大人達が「封印の間」と呼んで立ち入りを禁止している部屋だと、扉越しから分かる禍々しい気配に夢と分かっていても思わず身震いしてしまう。
好奇心旺盛な子供に我慢しろというのは酷な話であった。普段から大人への不満もあったことから、反抗の意味も込めてゆっくりと慎重に扉を開ける。
棺桶だ。
禍々しい気配の源は古めかしい桐の棺桶だった。
開けてーー
そう聞こえた気がした椿姫は心の底から湧いてきたほんのちょっぴりの使命感から、ゆっくりその封印を解いていく。
6歳の少女には重かったが、力を振り絞ってえい!と一気に開けると一人の男の子が横たわっていた。
「寝てるの?」
独り言を呟いたつもりだが、男の子の耳にはしっかりと聞こえている。
「いいや、今起こされたよ」
「うわっ!!」
ぬっと起きた少年に驚いて、床に転げた。痛みは無かったが、苛立ちが募る。
「なによ!アンタ!」
「なによ!って……そんな事俺の方が言いたいよ」
見ず知らずの少年からごく当たり前の指摘をされて、賢いが故に椿姫は顔を真っ赤にした。
「ッーー!!!」
「というより、君誰?」
「……椿姫」
「へー、俺は士郎。よろしく」
「士郎はどうして棺桶で寝ていたの?」
「あ、そうだった。誰か大人はいないのか?」
「居ないわ、ここ夢だもの」
「???」
椿姫が懇切丁寧に状況を説明すると士郎は納得した。
「夢なら良かった。ともだちになろうよ」
「……いいの?」
「ここで会ったのも何かの縁だ。俺のともだちはもう居ないだろうしさ、ここにいるだけでいいから、いいだろ?」
「うん!」
二人だけの鬼ごっこやお手玉、タンスに入っていた羽子板なんかも引っ張り出してお互い楽しい時間を過ごした。
「ふー、つかれた」
「久々に動いたよ」
畳の上にだらしくなく寝転がる二人。だが、別れの時は近づいていた。
「ーー!!私、帰らないと」
「そっか、仕方ない。気をつけてね」
別れるのが惜しいように椿姫は小さなこぶしをぎゅっと握る。
「……私たちともだちだよね?」
「勿論さ」
「また……会えるかな?」
「うーん、少し時間がかかるかも知れないけど。きっと会える」
名残惜しげに椿姫は夢の家から姿を消した。
「もう……起きる時間なのか。叔父上、お願いしますよ……」
先程の椿姫に見せていた顔と打って変わって硬い表情のまま、士郎の姿は屋敷と共にその場から消えて行った。
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「何!呪いの子が起きただと!?」
真羅家の上層部は二百年程前に封印された『呪いの子』がついに目覚めてしまった事に焦りを感じていた。
「十蔵様、やはり例の制御装置をつけるしか……」
「ああ、そうしなさい。時は遂に来てしまったのだ……」
「はっ!」
猛スピードで飛び出す部下を気にならないくらいに頭を悩ませている。彼はこめかみを思わず抑えたくなった。
「真羅の全滅だけで済めばいいが……」
鉄面皮と呼ばれた男の額からは汗がダラダラと吹き出していた。
「士郎様、蓼丸に御座います」
「お前が今の蓼丸か、よろしく頼む」
叔父上が「お前が起きるまでに、いずれ完成するだろう」と言っていた腕輪を持って来ているので、直ぐに分かった。
「では、失礼」
蓼丸が腕輪を差し出してきたので、俺は両手首に取り付けた。
「ぐっ……」
服を突き破って背中から黒く鋭い塊が飛び出す。次々に身体中から悪意の具現が肉を突き破り、服を穴だらけにしていく。
「暫くの辛抱を」
蓼丸の言う通り、十分ほどで収まり、身を裂くような痛みは引いていく。
「っ……蓼丸、ずっと逃げて来た、もう逃げたくない。私はこれに向き合っていく」
「仰せのままに……」
士郎の服はボロ切れと化していて、穴から見える素肌は寒気がするほどの黒い紋様に覆われていた。
日本神話とか三大勢力の話は次くらいです。
三大勢力をどれくらいボコるか
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ほどほど
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遠慮なく
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ひかえめ