モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 更新遅くなって申し訳ないです……
ニート化する前まで行きつけだった飲み屋に久しぶりに顔を出しに行って、べろべろに酔っ払って暫くの間ダウンしてました……ぉえっぷ
あとの言い訳としましてはFGOのイベント周回してたくらいでしょうか?
その影響もあって今回の推奨bgmは「伍越同舟」やはり男性ボーカルは良い……



敵であろうと、憎しみ合うことなく

 

 ハジメの口にした言葉を聞いて、幸利は静かに息を呑んだ。

どうして?何故?等と疑問が浮かんでも、答えを考えるまでもなかった。

()()()()()はハンターであり、自然との共生と調和を重んじる者である。

形はどうあれ支配する側でしかない魔人族の走狗に成り下がるつもりはない。

 

「………どうしても、ダメか?」

 

「あぁ……」

 

 これ以上の言葉を交わす必要はないのだろう。

だがハジメは()()()()()()()()()と僅かな間を置いて一言付け加えた。

 

「だけどな清水、これは馬鹿々々しい提案だってのは重々承知しているけど、言わせて貰う。―――――――――仮に俺達が敵対する関係だったとしても……友達にならないか?」

 

「……はぁっ?」

 

 今度は訳が分からないといった顔でハジメの顔を凝視する幸利。

たった今、仲間になる事を拒んでおきながら友達になろうとはどういう事なのか。

漫画やアニメの世界でしかそんな事はあり得ないというのに……

 

「俺はハンターで、この世界の人間……王国やら教会の連中まで間接的に守るってのは癪だが……まぁ、とにかく人の暮らしを守るためにモンスターを狩らなきゃいけない。逆にお前は魔人族の陣営で、救ってくれた人への恩返しの為にモンスターを操り、人間を襲わなきゃいけない。……普通に考えたら敵対する者同士、殺し合い、憎しみ合う事が必然だとは思うんだけどな……。俺達だけが()()()()()()()()()()()()()ってのも、周りと違って面白いだろ」

 

「…つまりは何か?仲良くしながら、殺し合えと…?」

 

「分かり易く言うなら、それで合ってるかもな。………あぁ、でも俺はハンターだから、お前の操るモンスターを一匹残らず狩り尽くす事は出来ても、お前の相手は専門外だからな?」

 

 ハジメの提案は凡そ常人の神経では推し量る事の出来ない考え方、心の在り方だろう。

しかし彼の表情から裏に深い意図があるとは思えないし、幸利は嘘ではないと感じれる。

似た者同士だから、表情や仕草で嘘をついているか否か、すぐに分かるものだ。

内心ドキドキしながらも、幸利は半分くらい理解出来る言葉に狼狽えながら言い返す。

 

「―――は、ハハッ……お前、頭イカレてんじゃねえのか……?」

 

「あははっ!自分でも言った直後にそう思ってるところだよ。―――けど、どうしてだろうね?…少しでも()()()()()()()()()君を、肯定したいし、否定しなきゃいけないんだ」

 

 肯定したいのは友として、同じように思うところがあったから。

否定しなければならないのは、ハンターとして魔人族の非道を許すわけにはいかないから。

本来なら常人がその相反する思いで板挟みになって苦しむのを、彼はあっさり割り切ったのだ。

 

 清水幸利は敵対する者でありながら、自分(ハジメ)を理解する同好の士、友であると……

 

 俯いて思考をグルグルと回す幸利の背後でオサイズチ達が吠える。

既に完全な支配下にある彼らは、指示さえあれば何時でもハジメに襲い掛かれるだろう。

それを察してか、ハジメも背中の老山龍砲に手を伸ばしていた。

周りにとっては数秒、本人の間隔で数分と勘違いするほどの沈黙の後に幸利は答える。

 

「――――――俺はお前ほど簡単には割り切れねえよ」

 

「今はそれでいい。また何かの縁で会う事があったら、その時は挨拶だけで、お互いの目的の為に戦って、運よく生き残れたなら、また会おうってだけの話さ」

 

「………これから、後ろのあいつ等にお前を襲うって命令するぞ?」

 

「望むところ。支配種だろうと何だろうと、モンスターを狩るのが仕事なんでな」

 

 これ以上の会話は必要ないと、幸利の脇を通り過ぎてハジメは闘技場へと降りていく。

陽の当たる方へと歩いて行く彼に向って背を向けたまま、動けずにいる清水は悔しかった。

客観的に見れば、割り切れた彼は立派で、未練がましい自分は小物じゃないかと……

そんな時、ふと魔王アダムの言葉が彼の脳裏に過ぎる。

 

(選ぶ権利は個に与えられている……か……)

 

 拒絶された事による失意のお陰で、意外に幸利の頭は冷静に回っていた。

ハジメの提案は決して悪い事ばかりではない。寧ろ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

アダムの下で戦う自分という主人公と対になるのが、あの勇者では普通過ぎて面白くない。

理解者でありながら、仲間になれない立場のハジメだからこそ、全力で挑む()に相応しい。

 

(……これも全部、アンタにとっては予想の範疇なんだろうな……)

 

 今頃フューレンのどこかで好き勝手やっているアダムの事を考えて幸利は薄ら笑いを浮かべる。

勧誘は失敗に終わった。…となれば後は彼自身が覚悟を決めなければならないだろう。

 

 たった今、真横を通り過ぎた青年を襲えと、自身のが操ったモンスターに指令を出す。

うじうじ悩んで卑屈になっていても、もう戻れないところまで彼は来てしまったのだから……

 

「そいつを襲え!!肉の一片も残さず食い尽くせ、魔物共!」

 

「――――――上等、やれるもんならやってみなあっ!!」

 

 

―――シャアァァッ!

―――シャアァァッ!

 

 老山龍砲を構えたハジメの左右からイズチが2匹、牙を剥いて襲い掛かってくる。

オサイズチは刃尾を地面に叩きつけて彼がどう動くか様子を窺っていた。

 

(まずは小物から仕留める……!)

「っらぁ!」

 

 鳥竜種が相手と分かった時点で、近距離の戦いを強いられるのは想定済みだった。

ガンナーは距離を詰められてしまえば不利に追い込まれる。ましてや老山龍砲はヘビィボウガン。

だからハジメは散弾Lv3を装填したまま引き金には指を掛けず、思いも寄らぬ行動に出る。

銃身を上から鷲掴みにして両手で持ち、銃床(ストック)で左右から迫るイズチを殴りつけたのだ。

 

 メキャッ!と嫌な音が響いて、小柄なイズチの体が吹き飛ばされる。

地面に横たわって血を吐いた2匹のイズチは起き上がって鋭い目でハジメを睨みつけた。

それを見ていた幸利は想像を遥かに超えた彼の強さに戦慄する。

 

(……嘘だろ……!?)

 

「―――んで、こうだぁ!」

 

 吹き飛ばされたといってもハジメから距離はそう離れていない。

老山龍砲を構え直したハジメは不敵に笑いながら、持ち直す最中に引き金へとかけた指に力を入れた。

ドォン!と持ち主の腹の底に響く音と共に、散弾Lv3の礫が目に見えない速さでイズチを襲う。

 

―――ギャアッ!?ギュエェッ……

 

 狙われたのは銃口から僅かに距離が近かった右に吹き飛んだイズチだった。

全身から血を噴き出し、限界を迎えたイズチの体は死後硬直でピンと立ち上がった後、地面に横たわる。

間髪入れずに左のイズチを始末しようと視線を移したハジメに対してオサイズチが動いた。

 

―――グオオォォォッ!!

 

「ちぃっ……!」

 

 咆哮と共に大地を蹴って宙に飛び上がったオサイズチ。

陽光に照らされた刃尾の切っ先が巨体より先にハジメへと襲い掛かる。

視界の端でそれを捉えていたハジメは真後ろに向かって体を転ばせた。

直後、ドスン!と鈍い音がして起き上がった彼が見たのは、数秒前に立っていた自分の地面に深く突き刺さるオサイズチの刃尾だった。

 

「まともに食らったら、軽く死ねる奴か……ッ!」

 

―――オオォォッ……!

 

 背中に薄ら寒い恐ろしさを感じながら、高揚感でハジメは笑みを深めた。

刃尾を引き抜いて左の方で起き上がったイズチと合流したオサイズチは、ジリジリと開いた距離を詰めようと腰を低くして近づいて来る。

策を練る時間を作ろうと老山龍砲を構えて再度引き金を引いた。

 

 ドォン!と再び散弾Lv3の礫が放たれたが、オサイズチは構えられた時点でつい数秒前に部下がそれでやられた事を覚えていたのか、後ろへと跳躍してイズチ共々被弾を免れる。

それから再度発射までの僅かな時間を逃さず刃尾を振り回しながら突っ込んできた。

 

「それなら、こうだぁっ!」

 

 銃身に装填されていた散弾Lv3を吐き出させて、既に別弾倉に装填されていた拡散弾Lv3に交換、発射する弾は直射に、狙いは飛び跳ねながら突っ込んでくるオサイズチに対してやや下向きに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ドォン!と弾が発射されて、丁度目の前に来ていたオサイズチの足元でそれは中身が分裂する。

だが拡散弾の爆裂より僅かに刃尾がハジメの体を裂く方が早かった。

 

 ザシュッと胴体を切り裂かれてハジメは斜め後ろへと体を吹き飛ばされる。

オサイズチの体は拡散弾Lv3の爆発によって足元のバランスを失い、地面に倒れ込む。

 

 

「―――い、っぁ……クソ、弾の切り替えに時間、かけ過ぎたか……ッ!?」

 

 本当の狙いは自身が放った拡散弾Lv3による爆発の衝撃で吹き飛ばされること。それなら大した傷を負うことなく、オサイズチにダメージも与えられて回避が出来ると考えたのだ。

 

 しかし、実際は先に仕掛けたオサイズチの攻撃が当たって、ハジメは軽くはない傷を負い、オサイズチも爆発をまともに食らって倒れるという痛み分けに終わってしまった。

唯一被弾を免れたイズチが倒れたハジメに飛び掛かる。

 

「させっかよぉ!」

 

 あまり良い手段とは言えないが、老山龍砲から手を離して立ち上がったハジメは、噛みつこうとするイズチに対して足防具の尖った部分を向けて渾身の蹴りを放った。

先ほどの銃床で殴打された分のダメージも含めて、側頭部をもろに蹴られたイズチは転倒する。

まだオサイズチが起き上がってこないのを確かめて、ハジメは老山龍砲を持ち上げて弾を変える。

9発装填された通常弾Lv3をイズチの頭に向かって発射、鳴き声を上げる間もなくイズチは死んだ。

 

―――オオォ、オオオォォォッ!!

 

「―――よう、お供がいなくなっちまったな。……こっからはガチのタイマンだ、この野郎!」

 

 




 老山龍砲マジヤバい、何がヤバいって調べたらLv3以下の弾が殆ど使えないのがマジヤバい。んでもってこの作品は特定のシリーズの性能を足して混ぜてオリ要素ぶち込んでるから色んな意味でマジヤバい。……あとは此処にフロンティアのアレが出来たら、もう敵なしかもしれませんね。

 ハジメと清水の関係は男女だったらただの殺し愛です。
書いてて「普通なら頭抱えてどうすりゃいいんだ!」ってなるところをこんなあっさり割り切れちゃう主人公ってやっぱどこかぶっ飛んでんだなぁと……
(作者がそういう風に書いてるからだろ!とか野暮なツッコミをしてはいけない……これでも初期のプロットより狂人レベルは抑え気味なのです……)

感想、質問、ご指摘等お待ちしております!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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