モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 今日も元気に引き篭もり、チェンソーマン読んで月曜日のたわわを見る。
その心は、母性の象徴たる乳はあり過ぎてもいいし、無くてもいい。童貞、心の呟きでした。

 今回は最初にかなりご都合主義要素ぶち込んでます…
モンハンやってる方なら一度はお世話になった事もあるかなという奴です。
説明は例の如く作者の独自解釈なので、公式設定とはズレてると思いました。
私は一向に構わんッッという方、どうぞ本編へ!


フューレンを覆う影

―――ミャ~ッニャ!

―――ニャァ~ッ、ニャ!

 

 ガラガラと自分の体を揺らす細かな震動にハジメの意識はぼんやりと目覚める。

聞き慣れた数匹の獣人(アイルー)の鳴き声を耳にして、今の自分がどうなっているのかとハジメがゆっくりと思考を回すより先に―――

 

―――ニャアッ!!

―――ニャァオ!

 

「あだっ……!?」

 

 急に斜めになった地面だと思っていたものから投げ出されて体は本物の地面を転がる。

ごつん、ごつんと全身を包む防具にぶつかりながら痛みでハジメの意識は強制的に覚醒した。

 

「何しやがんだ!?―――っていっちまったか…」

 

 上半身を起こしてさっきまでハジメが横たわっていた荷車を引っ張る2頭のアイルー。

彼らは一仕事を終えて、何事も無かったかのように専用の通路の奥へと消えていってしまった。

 

 今ハジメが居る場所は闘技場内のベースキャンプ前である。

ハジメは自分が気を失った直後に”ネコタク”によって運ばれたのだと理解した。

咄嗟にあのモンスター(バルファルク)に貫かれた筈の腹部へと手を当てるが……

 

(傷がない……防具にも、身体にも……)

 

 ハジメはそれを訓練所で教官から聞いたことがあった。

仮にクエストや探索の最中にハンターが力尽きてしまったらどうなるのか?

普通ならモンスターに食われたり、炎や雷で黒焦げになって骨も残っていないだろう。

 

 不思議なことに、どれだけ強力な攻撃を食らい、ハンターは致命傷と思われるダメージを負っても、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 それらに関係してくるのがギルドと密接な関係にあるアイルー達のネコタクである。

獣人族に伝わる門外不出の秘伝やら何やらで、ハンターが負った傷は完全に癒されて、破壊された武器や防具も元通り。ハンターが目を覚ませば、そこはギルドが指定したベースキャンプである。

 

 獣人族の秘伝やら何やらというのは、ハンター達の間で共通認識とされている事実無根の噂話であり、真相は未だ闇の中。興味を持つ者はいても、真実を調べるには至っていない。

 

 何故なら、それが原因で獣人族との友好関係を失ってしまう恐れがあるからだ。

今やハンター達の生活には欠かせないアイルーキッチンやネコタク、オトモアイルー等、獣人族とハンターは長い付き合いを経て、親密な関係を築いてきた。

先人達の努力を無駄にしてはならないと、ギルドからも深入りはしないように注意される。

 

「――――――はぁ」

 

 上半身を起こした状態のハジメだったが、溜息をついて再び地面へと仰向けに転がる。

何はともあれ、力尽きてネコタクの世話になった。

それが意味するのは、実質()()()()()()()()()ということ。

ハルツィナ樹海ではルゥムとアゥータに、ブルックの町ではテレサベルに助けられた。

ハンターになる前を含めたら、彼は何回死の淵を彷徨ったのだろうか?

 

(……って、落ち込んでる場合じゃねえか……!)

 

「反省や後悔は後回しだ……っと!」

 

 その場から起き上がり、ハジメはバルファルクがいるであろう闘技場の方へ向かって駆け出した。老山龍砲の残り弾数に余裕はあった、まだ戦える。

ネコタクは…これが正規のクエストでない以上はどれだけ利用出来るのかは分からないが、正規のそれと同列に数えられるのだとしたら、あと2回が限界だろう。

松明の炎がパチパチと燃える通路を駆け抜けて、闘技場の光差す方へ走っていく。

しかしどれだけ近づいても、バルファルクの鳴き声一つ聞こえてこない。

 

「………あれっ」

 

 入り口を通り抜けて、ハジメが闘技場内に辿り着くと、そこはもぬけの殻だった。

バルファルクが飛来した時の衝撃で壊れかけた箇所はそのままに、オサイズチの死体も転がっている。

しかし肝心のバルファルクはどこにも姿が見えなかった。

間の抜けた声を漏らすハジメの視界の端で、何かが動く。

 

(清水か……?)

 

 あの怒涛のような戦いで忘れかけていたが、幸利が闘技場に居た筈だ。

ハジメはもう支配種も死んで、彼とは言葉を交わす以外の事はないのだが…

そう思って動いた者の方へ歩いてみると、彼ではない事に気が付く。

 

「…貴方は…」

 

「…君か…!…アレに随分と手酷く痛めつけられたようだが、見たところ傷は癒えているようだな。…流石は獣人族の秘術といったところか」

 

「カルトゥスさん!」

 

 カルトゥスはフードを外して素顔を露わにする。

コーンロウと呼ばれる独特な髪型、ラウンド髭を生やして、やや尖った鼻。

何よりも彼の特徴は亜人の森人族を彷彿とさせる尖がり耳だった。

人間では無かった事に驚いたハジメだが、それよりも先に聞くべき事があった。

 

「どうして貴方が此処に……?」

 

「依頼を受けて、川向こうに現れたモンスターを倒した後、奴が現れたのを見て駆け付けた」

 

「…アイツは何だったんですか」

 

「奴の名はバルファルク、ギルドでは天彗龍の呼び名でも知られている。雲よりも高い空域に棲息する大型の古龍だが、その存在を知る者は多くない。長い歴史の中で地上に姿を現すのは稀有で、奴が現れる時には決まって空に赤い彗星が光って見えるのだと伝承に伝わっている」

 

「天彗龍…バルファルク…」

 

 ハジメは古龍種と聞いて、バルファルクの出鱈目な強さに納得がいく。

彼が戦ったラオシャンロンですら、古龍種の中では弱い部類に入るという。

恐らくバルファルクはそれを軽く上回る奴だったのだ、一人で戦って勝てないのは当然だ。

 

 カルトゥスは、バルファルクに襲われた事でハジメが恐怖しているのではないかと危惧していたが、意外にも死にかけたことより一矢報いる事すら出来なかった事に対して彼は悔しがっていた。

強く拳を握り締めて、次こそは倒すという意志を彼の瞳から感じる。

 

「…強い人間だな、君は…」

 

「…えっ?」

 

「古龍と遭遇した多くのハンターは、彼我の戦力差に絶望して二度と武器を握れなくなる。――――――にも関わらず、君の顔からは恐怖の念を感じない…」

 

「…怖くないと言ったら嘘になりますが…こんな俺でもハンターです。…生きるか死ぬかの瞬間に、腰が引けて戦えなくなるなんて、絶対に嫌だった…ただ、それだけですよ」

 

 それを言い切れるのが強い人間であるのだと、敢えてカルトゥスは口にしなかった。

恐らくそれを指摘してもハジメは謙遜するだろうと思ったから。

数百年生きてきた彼でも、こんな青年は初めて見た。

 

「…それで、あいつは…今どこに…?」

 

「…分からない。私が闘技場の近くに来た時には、また空に飛び立っていくのが見えた。どうして此処に現れ、何の目的があったのか、全てが謎のままだ…」

 

「………」

 

 ラオシャンロン同様に、古龍種の行動原理というものは殆ど判明していない。

目撃例が少ない、大半が大昔に古龍が現れたことを示唆する伝承や御伽噺の情報であった。

普通のモンスターですら予測がつかない行動に出るのだ、古龍ともなれば更に謎は深まる。

 

「…しかし、今は()()()()よりも、急ぎ君の手を借りたい。…厄介な事が起こっている」

 

(…厄介な事…門の方から聞こえた騒ぎの事か…?)

 

 古龍が魔除けのアーティファクトの結界を無視して市内に突っ込んできたという、王国側から見たら歴史的大事件をそんな事呼ばわりしたのに突っ込みたいところだが、カルトゥスの険しい表情を見て、ハジメは静かに話の続きを促す。

「長い話になるが」と前置きを口にして、カルトゥスは淡々と見たままの事実を告げる。

 

「ご覧の通り、私は人間とは違う…”竜人族”と言えば分かるかな?」

 

「…えぇ、聞いた事はあります。数百年前に絶滅したとか…」

 

「王国の歴史ではそうなっているな。…しかし我々は僅かな数だが、生き残り、大半が他の種族に見つけられない仙境へと姿を暗まし、私のような流浪の民となった者達もいる。ハンターであれば武器や防具の技術に、人間の歴史では成立し得ないものがあり、それらが何処から伝わったのか…教わっている筈だ」

 

「…竜人族の技術が古い文献から伝わっていると…訓練所で習いました」

 

「そうだ…()()()()()()()()()()()。今から100年ほど前、時の帝国皇帝と流浪の民が偶然の出会いをし、衣食住を提供してくれた帝国に謝礼として、我々は技術を伝えた。当時はモンスターによる被害も酷いものだったからな…それを踏まえたうえで、本題なのだが―――」

 

―――グルォヴオオオオオオオォォォォッ!!!

 

 カルトゥスが喋っている途中で空気を震わすほどの絶叫が響いた。

ハジメはバルファルクが戻ってきたのかと老山龍砲を構えるが、ふと声の違和感に気づく。

バルファルクのそれとは明らかに違う、怒号に似たそれは低く轟いていた。

 

 闘技場から空を見上げた2人の頭上、分厚い雲を切り裂いて黒い竜が姿を現す。

しかしハジメの瞳が捉えたのは竜よりも小さな点のように動き回る銀髪の人。

昨日買ったばかりの黒のワンピースの裾がヒラヒラと揺れている。

 

「ノイント…!?」

 

 どうして彼女が、背中からよく分からない翼みたいなものを生やして空を飛び、どうして黒い竜に追われているのか等々、ハジメの頭の中は疑問形で膨れ上がる。

そんな彼の横に立って黒い竜を睨みながら、カルトゥスは静かに告げた。

 

「…君への頼み。それはあの黒い竜…竜人族の女王ティオを止めるのに、協力して貰う事だ…」

 

 

 

緊急クエスト「フューレンを覆う影」を開始します……

 

 

 




 カルトゥスさんの容姿は色々考えましたが、喋り方からもうあの人の容姿以外考えられなくなったので、そのままモンスターハンター・ワールドに登場した竜人族のハンターを想像して頂ければ分かり易いと思います(カルトゥスさんはちゃんと操虫棍の猟虫を連れてるのでご安心を)

 あと5,6話(幕間を除き)でフューレンの話も終わるかな?
なんとか今年までにハジメをロリ吸血鬼と会わせなければ……

 作者は年末年始、欠かさず祖母の実家に帰っていたのですが、今回は諸事情あって普通に地元で年越し……多分、酒飲んだくれて大晦日酔い潰れからの寝正月になるかもしれませんね。
読者の皆さん、寒い日が続きますが、身体をお大事に!

感想、質問、ご指摘等お待ちしております。
 

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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