モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 危うく一番下に投稿しかけて直して連投です()
改めて燃えろ闘魂、唸れ作者の両手と脳みそ!
時間だけは無限にある()みたいなもんだ!
作者の一話辺りの限界文字数は四千ちょっとだァ!!



ホルアドの集会所にて…

 

 突如ハジメに声を掛けてきた男サー・ミッドガルとパートナーのマリアンナ・ベスタ。

ルゥムと軽く話して宿に戻るつもりだったハジメは「後で謝ろう」と思った。

各々にジョッキが行き渡った事を確認してミッドガルは声を上げる。

 

「出会いに!」

「…出会いに」

「…出会いと、再会の喜びに!」

「………(こくっ)」

 

「「「乾杯!」」」

 

 ハンターの日常的光景、一期一会の出会いに感謝を込めて酒を飲み交わす。

ミッドガルはごっきゅごっきゅと喉を鳴らして、ジョッキを空にする。

マリアンナ、ハジメは一口軽く飲んでフゥと息をつき、ルゥムは半分飲んでから無言で置いた。

 

「―――ええと、それで俺に何か…?」

 

「お前と、お前の武器に、興味が沸いたんでな…ちょいと拝見しても?」

 

「あ、いいですよ。―――はい、どうぞ」

 

 断りを入れてからマリアンナの方にジョッキを除けて、ハジメは老山龍砲を出す。

配膳をしているギルド職員に狩人ビールのお代わりを要求した後、ミッドガルは老山龍砲をじっくりと砲身の先からグリップ、銃床の内側まで舐め回すように見て感嘆の息を漏らした。

 

「ほほぉ~話にゃ聞いていたが…こりゃ大したモンだ…」

「自動装填のスキルは未だ他のボウガンには付与されていないようですね…」

 

「…みたいですね、似たようなものはあるとかで」

 

 マリアンナの呟きに対し、ハジメが答えた似たようなものとは”単発自動装填”のこと。

自動装填が弾倉の弾を全て撃ち尽くした後に勝手に弾を込めてくれるのとは違い、一発撃つごとにハンターが再装填をしなければならないというボウガンの新システムだ。

これにマリアンナは渋い顔をしてビールを一口飲んだ。

 

「ん…確かに単発自動装填は画期的なアイデアだという声もありますが、従来の仕様に助けられていたハンターから一は発撃つたびに再装填を強いられる新しい機構に戸惑う声もあります。…私はどちらかというと後者ですね」

 

「…必ずしも新しいものが良いという訳ではないって事ですか」

 

「その通りです」

 

 例えるならオートマチックの銃が、全てボルトアクションに変わるようなものだ。

飛距離のある弾ならそれでも問題ないかもしれないが、散弾などで同じ事をされたら最悪だ。

 

 こんな風に専門的な会話を出来るマリアンナに、ハジメは密かに好感を抱いた。

深い藍色の髪に理知的な眼鏡を掛けた彼女はいかにも出来る女という感じがする。

そこへ黙って老山龍砲を眺めていたミッドガルが満足して口を挿んだ。

 

「ま、要はどんな仕様になろうとも…勝てばいいんだよ、勝てば」

 

「それを言い切れるのは貴方と彼女くらいですよ、サー」

 

「ハハハッ!言われちまったなぁ?ルゥム」

 

「………?(きょとん)」

 

「相変わらず何考えてんのか分かんねお前!ダハハハッ!!」

 

 酒が回って笑い上戸なのか、それともこれがミッドガルの素なのか。

ハジメはそんな事を思いながら、さっきのマリアンナが言った事を思い出す。

ハンターランク999…引退したリンネと現役のルゥム以外で、例外と呼ばれる者の頂点。

ミッドガルはそれに並ぶ者…否、それを越えて頂点に立つ者と言われている。

ハジメの目線に気づいたミッドガルはニィと笑った。

 

「何だい人の顔ジッと見て。…もしかして俺に惚れたか~?」

 

「いや、それはないです。俺はノーマルなんで」

 

「何だそりゃ残念…お前さんガタイは良い癖に結構可愛い顔してっからよぉ」

 

(……やべぇ、この人マジで言ってやがる……!?)

 

 ミッドガルの目は文字通り獲物を狙う野獣の眼光を放っていた。

別の意味で背筋がゾクッとしたハジメは慌てて視線を逸らす。

少し話題を変えようと、彼は思っていたことを口にする。

 

「さっき頂点のハンターって言われてたのが気になったので…」

 

「なんだよ()()()()()か、別に俺は大したことしちゃいねえんだけどなぁ。ちょいと普通より元気がいいモンスターとバチバチ殺り合っただけだぜ?ハンターとしての貢献度なら、マリアンナのがすげぇよ。お前、グリューエン火山、ハルツィナ樹海、シュネー雪原のどっかに行ったことは?」

 

「…樹海になら、ハンターになりたての頃に何度か」

 

「あそこな?植物の成長率が他と比べて半端なく早ぇからみぃんな迷ってるんだけどよ、木が生えてねえ道をキッチリ覚えて、辺りに見えるキノコの群生地やら岩の配置やら…マリアンナは全部暗記して、それを地図に印つけたのをギルドに提出してんだよ。火山と雪原も同じようにな」

 

「はぁ!?マジっすか…」

 

 思わず素の口調で驚いた様子のハジメに、ミッドガルはケラケラ笑って頷く。

今でもハルツィナ樹海の鬱蒼とした景色は脳裏に焼き付いているが、道なんてほぼ覚えていない。

自分で印をつけて、行き道と帰り道を覚えるのが普通のハンターの限界だろう。

それをマリアンナは()()()()()()()()()()()地形を暗記したというのだ。

脳に蓄積する記憶容量が、どれほどのものか見当もつかない。

 

「マジだよマジ…な?マリアンナ」

 

「……その探索も、貴方の助力あっての事です。サー・ミッドガル」

 

「よせやい、良い女に褒めらるのは慣れてねェンだよ」

 

 また笑って、ミッドガルは上機嫌でジョッキを傾けた。

良い女と呼ばれたことに対し、マリアンナは「そうですか」とだけ返す。

…心なしか、耳が赤くなっているのは気のせいだろう、ハジメはそう思った。

 

「ヨシ、お前さんの武器は確かめたと…お次はお前さんのことだ」

 

「…俺…ですか」

 

「貴方とルゥムさんの関係は何時から始まったのか…差し支えなければ―――」

 

「うーん…大した事じゃないとは思うんですが…話していいですかね?」

 

 そう言ってハジメはルゥムに問いかけると、彼女はコクリと首を縦に振る。

彼は「ありがとう御座います」と返し、マリアンナのミッドガルにこれまでの事を話す。

といっても神の使徒云々は伏せておきたいので、ライセンの荒野で死にかけていた所を助けられて、その後ルゥムとアゥータの活躍を見てハンターに憧れ、色々あって村から町へ、町から都市へと特別任務で湖の町ウルを目指している事を話した。

 

 ブルックではルゥム達と同じ例外と呼ばれるハンターのテレサベルと、二人の先輩ハンターとの共闘で古龍ラオシャンロンと戦ってこれを討伐、報酬で老山龍砲を作ったこと。

フューレンでは古龍バルファルクに襲われて、命からがら生き延びたことを話した。

そして最後に、衝撃的な言葉がハジメの口から語られる。

 

「あ、そうだ!ルゥムさん、その特別任務を依頼してくれたのがリンネさんで―――」

 

 ガタンッ!!

 

 リンネの名前を出した途端、ルゥムが弾かれたように席から立ち上がった。

ギョッとした表情のハジメに対し、ミッドガルは笑いを堪え、マリアンナはルゥムを哀れむ。

無表情のルゥムがなんと…()()()()()のだ、それも超高速で。

 

「………(ガタガタガタガタガタガタ)」

 

「えっ、ちょ…あの…ルゥム…さん?」

 

「………!(ブンブンブンブンブンブン)」

 

 バイブレーション機能を保ったまま、ハジメの声にルゥムは首を高速で左右に振った。

初めて見る彼女の意外な一面だが、明らかに怯えている…恩師である筈のリンネに。

 

「…これは一体…」

 

「リンネってあの剣聖リンネだろ?―――そりゃあの女の現役時代を知ってるソイツからすりゃあ名前を出されるのも怖がるだろうよ。あの女に比べりゃ恐暴竜が可愛く見えらぁ」

 

「ハンター史上、彼女ほど引退を惜しまれたハンターは他にいませんが。それ以上に彼女ほど同業者に畏敬の念を抱かれたハンターもいないでしょうね。サーがまともに見えるくらいですし」

 

(どんな感じなんだ…リンネさんの現役時代…)

 

 ハジメの脳裏に過ぎったのはあのフューレンの騒動の後、宿屋で見た時の顔。

もしかしたら、あれが現役時代のリンネさんの素だったのか?と考え始めた時だ―――

 

「…そういやお前さんの名前、聞いてなかったな」

 

「貴方が茶々入れるせいで名乗った後に聞き損ねたんですよ、サー」

 

「すいません、俺もすっかり忘れてました…。俺は――――――」

 

 とハジメが名前を名乗ろうとした瞬間、入り口が騒がしくなる。

四人は即座に騒ぎの方へ視線を向け、スッと席を立って駆け付けた。

 

 

「誰か、彼に治癒を―――!誰か―――!」

 

 道の真ん中で蹲る少年を介抱するのは、気の良い冒険者の男だった。

住民は何事かと顔を出して、少年が血を吐いているのを見て悲鳴を上げて逃げる。

少年と男は赤の他人だが、出会いはほんの数分前のこと。

 

 オルクス大迷宮の入り口近くを通りかかった男の前に、血まみれの彼が通り過ぎた。

何事かと男が尋ねたところ、少年は必死に「助けて下さい…ッ」と懇願してきた。

自分のことを助けて欲しいのかと勘違いした彼はすぐに治癒術師を探そうとする。

だがそう都合よく治癒術師が町中をうろついている筈もなく、男は同業者であり回復薬や解毒薬を持っているであろうハンターに助けを求めて集会所の前まで来たのだ。

 

「オイオイ、何だい昼間っから騒ぎやがってぇ…」

 

「あ、あんたハンターか!?頼む、この坊主が毒にやられて今にも死んじまいそうなんだ!金は俺が必ず払う!だから治癒の薬をくれないか!?」

 

「毒ぅ?治癒の薬ぃ?……なんだ回復薬と解毒薬のことかぁ?まぁ腐るほど持ってるからタダでくれてやらぁ俺ぁ今気分が良いからよぉ~」

 

 焦っている男に対し、人混みを掻き分けて声を掛けたミッドガルは酒に酔っている。

腰のアイテムポーチを漁って「あれ~違うな?あっ、これかぁ!」と瓶を二つ取り出した。

緑色の回復薬と青色の解毒薬を男は受け取って少年の口に近づけながら呼びかける。

 

「おい坊主っ口を開けろ…!これを飲めば助かるんだ…!口を―――」

 

「……ぁ……」

 

 そんな中、ミッドガルの後ろから人混みを掻き分けてマリアンナ、ハジメ、ルゥムも来た。

ハジメはミッドガルの背に隠れて見えなかった少年の姿を見て、唖然とした表情を浮かべる。

彼が最も会いたくないと思っていた相手の内の一人、それが痛ましい姿で目の前に現れた。

 

「―――――――――遠藤!?」

 

 オルクス大迷宮第二十二階層でギギネブラの毒にやられ、命辛々逃げてきた遠藤浩介だった。

 

 




 さて、遠藤君の目と臓物は無事に戻れるんでしょうか…?
気の良い冒険者兄貴は本当に名前もないただの通りすがりのお人好しです。
フロンティア仕様のプロハン男とそれに付いていけるプロハン女。
徐々にハジメが越えたいけど今はまだ越えられない壁で囲まれてる…

感想、質問、ご指摘等お待ちしております。

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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