これを投稿した後に眠気覚ましで散歩しに行きます……
突如横穴から這い出て襲い掛かってきた鋏角種ネルスキュラ。
ハジメは冷や汗をかいて、彼の腕を離して鬼哭斬破刀を構えたルゥムにお礼を言う。
「あ、ありがとう御座います!」
「………(こくっ)」
―――シャアアァァァッ!
叫んだネルスキュラが飛び掛かってくるのを、今度もルゥムは見切り斬りで対応する。
キィン!と甲高い音が鳴った、見切りが成功して刃が空気を裂く甲高い音だ。
体一つ分後ろに下がったかと思えば、踏み込んで逆袈裟にネルスキュラの鋏を斬った。
鋏そのものを破壊するには至らなかったが、鋏の先にあった棘が幾つか刃に切り裂かれる。
悲鳴をあげて横穴の中に戻ったネルスキュラは再び奇襲を狙おうと息を殺した。
「っ!」
「………」
ハジメもルゥムも、その瞬間頭上から嫌な予感を感じて一瞬でその場から動いた。
再び天井に移動していたギギネブラが叫び声を上げながら飛び掛かってくる。
辛うじて直撃を免れたハジメだが、風圧を食らって僅かに後ろへよろけた。
体を起こしたギギネブラの不気味な双眼がゆっくりとハジメの方に向けられる。
ぐぱぁと開いた口から吐きそうな悪臭が漂い、短い牙が鑢のように生えて唾液が糸を引く。
ハジメは咄嗟に至近距離での射撃を考えたが…狙いを定めて引き金を絞る時間も惜しい。
「―――ちぃっ!!」
咄嗟の判断で老山龍砲のバレルを左手で掴み、グリップを握ったまま振り被る。
ドゴッ!と鈍い音がしてギギネブラの頭頂部に老山龍砲の銃床がめり込んだ。
(―――ッ浅かったか―――!)
―――ヴルオオォォッ!
「がはっ…!?」
ギギネブラの翼に叩かれて、ハジメの体は簡単に壁際に叩きつけられた。
苦悶の息を吐きだして、目を白黒させながら、ハジメは地面に手をついて倒れそうな体を支える。
ここぞとばかりにギギネブラは口の中に毒液を溜めて、それを彼に向かって吐き出した。
「くっ――――――!」
地面を蹴って横に転がりながらハジメは毒を躱した。
彼の立っていた壁に着いた毒がブシュゥと不気味な煙を立ち昇らせる。
既に自動装填で徹甲榴弾Lv3の装填は終わっていた。
ハジメは狙いを定めず引き金を引いてすぐに移動する。
弾頭は低く屈んだギギネブラの翼の端に命中して爆発を起こす。
僅かに怯んだギギネブラだが、それでも
―――シャアアァァァッ!
―――ヴルオオォォォッ!
横穴から顔を出したネルスキュラに反応したギギネブラ。
二頭の異なるモンスターが同じ場所に偶然居合わせて行われる”縄張り争い”
ハジメの射撃は、幸運にもそれを誘発させたのだ。
ネルスキュラが前脚を大きく広げて威嚇のつもりか、鋏をガチガチと打ち鳴らす。
対するギギネブラが翼を広げて大口を開けながら前のめりに四つん這いで叫ぶ。
勢いのまま先に動いたのはネルスキュラ。
前脚を使ってギギネブラに覆いかぶさって首に鋏を突き立てようとする。
それをギギネブラが翼爪で押さえつけ、逆に噛みつこうと首を振り回す。
どちらも一歩も譲らない膠着状態をハジメは好機到来と狙いを定める。
そこへ彼よりも先に動いていたルゥムが抜刀したまま走り抜けて、ギギネブラの翼とネルスキュラの前脚を掻い潜り、縦横無尽に太刀を振り回す。
練気が最大に溜まって発動できる気刃斬りの連撃。
袈裟斬り、逆方向への袈裟斬りを繰り返し二度、計四回。
そして頭上に構えた上段からの振り下ろしだけで二頭は大ダメージを受けていた。
―――ゴオオォォッ!?
―――グギイィィッ!!
悲鳴をあげてその場でひっくり返るギギネブラと、バランスを崩して倒れ込むネルスキュラ。
追撃の気刃大回転斬りを見舞い、鬼哭斬破刀の刀身は黄色い練気の光を纏い始めた。
このまま押し切ればいける…!そうハジメは確信した時、不意に視界の端で妙なものを見つける。
(――――――あれは、グラシスメタル?)
縄張り争いのドタバタの最中に天井の一部が削れた。
そこから顔を覗かせた白い鉱石の断片を見て、ハジメは嫌な予感がする。
そして、起き上がろうと飛び跳ねたギギネブラの翼爪が、コツンとそれに触れた。
直後、足元に浮かび上がる奇妙な魔法陣を見てハジメはそれがトラップだと気づいた。
「転移トラップ!?ルゥムさん、逃げ―――」
ハジメが手を伸ばすのも間に合わず、彼とルゥム、二人を含めた全てがそこから消える。
当然、その中には傷ついたギギネブラとネルスキュラの姿もあった。
*
オルクス大迷宮第六十階層
人間族が到達できる限界点とは知らずに、ハジメとルゥムはそこに降り立った。
背後では未だに二頭が縄張り争いの続きをしているが、そんな事よりも危険が迫っている。
転移の先、馬車が二列並んで走っても大丈夫そうな広さの石橋の上。
―――グルルルルル……!
二人の視線の先、第六十一階層に繋がる階段を守るようにそれは座っていた。
全身が真っ黒、筋骨隆々の四肢と巨大な胴体、飛竜よりも立派な尻尾と二本の角。
青い双眼が怒りを露わに侵入者たちを睨みつけていた。
ルゥムが無表情で鬼哭斬破刀を構えるのを見て、ハジメも起き上がり老山龍砲をそれに向けた。
本能が警鐘を鳴らしていた、アレはヤバい。今すぐ逃げなければ確実に殺されるだろう。
(……まさか……あれが……大迷宮に住まう古龍……)
神の使徒を退け、最強と恐れられた伝説の魔獣……ベヒーモスが二人の前に立ちはだかる。
火力的には二人で挑んでも負けることはない(多分)
そして哀れ、あいつの前に出た時点で死亡が確定した二頭(ギギネブラ、ネルスキュラ)
感想、質問、ご指摘等お待ちしております。
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡