それと本作では作者がうっかりミスして第二十階層の転移トラップだけそのままに、奈落に通じるベヒーモスの階層だけ原作では第六十五階層になっていますが、こちらだと第六十階層で統一してしまったかもしれません(直すのも手間なのでこのまま素で六十のまま貫こうか考え中です)
余談ですがうっかり前回までの終了してたアンケート全部消してしまいました……
ハジメから神の使徒の話を聞いた三人の反応は様々だった。
ルゥムは以前と同じように、ハジメの頭を優しく撫でてくれる。
教授は頭防具で顔が隠れているため、無言で何かを考えているようにしか見えない。
唯一アレーティアだけが思う所があったのか、目に浮かべた涙を指で拭っていた。
「……ハジメ、大変だったんだね……」
「………(こくこく)」
「……ん、まぁ……そうだな。……大変だった……色々と」
今頃はミッドガルとマリアンナの二人が地上にクラスメイト達を連れ帰っているだろう。
それでハジメが受けていた緊急クエストは達成されたことになるのだが、帰り道が分からない。
すると無言だった教授が顔を上げてゆっくりと口を開いた。
「…そろそろ此処が何処か…君達に説明する必要がありますね」
「そう…でしたね。俺も正直、此処がオルクス大迷宮の何階層なのか…皆目見当もつきません」
第六十階層から落ちてきたということは、それより下の階層だとハジメは想像した。
ところが教授の口から語られるとんでもない事実に、彼はショックを受けるのだった。
「此処は
「……だ、第一?本物って……?」
「アレーティア曰く、ここは反逆者と呼ばれた者達の隠れ家だったそうです」
反逆者という単語に反応してハジメの心臓が驚きでドクンと跳ねる。
幸利が伝えてくれた情報が確かなら、正しくは解放者…そして隠れ家ということは……
(神代魔法の在る場所……!)
解放者や神代魔法のことはトレイシーから公表することを避けるよう言われている。
ハジメは口に出かけた神代魔法の存在を確かめようとする言葉を喉元で止めた。
教授はそんな彼の様子を気にかけることもなく、淡々と説明を再開した。
「現在判明しているオルクス大迷宮は表向き百階層から成る侵入者の目を欺くために創られたもの。反逆者の隠れ家に続く道は表の第六十階層以降にある真の第一階層へ通じる脇道に逸れる以外は正規ルートが判明していません」
「……どうしてその表が百階層までと知ってるんですか?」
「簡単な事です。
「………っ!!」
教授がサラッと口に出した言葉が更なる衝撃をハジメに与えた。
つまり目の前の彼は…あのベヒーモスを退けて、先へ進んだということになる。
しかし、それが本当だと仮定して更に疑問が生まれた。
では何故ベヒーモスはまだあの場に居て、上の階層のモンスター達も駆逐されていないのか?
教授が嘘をついているようには見えないが、念のために彼は確認をした。
「ベヒーモスを……倒したんですか?」
「ええ、癖のある強敵でしたがなんとか。……そういえば二人はベヒーモスと戦っている最中に橋から落ちたと言っていましたね?……
「また?……ええ、第六十階層に普通にいましたけど……」
「成程。……では私の仮説は間違っていなかったことになりますね!これは興味深い―――」
初めて嬉しそうな声を上げた教授は懐を漁って何も書かれていない羊皮紙の巻物を取り出す。
更にペンとインクを準備して、そのまま高速で何かを書き始めたのだ。
呆気にとられたハジメにチラと顔を上げて、教授は手を止めることなく話した。
「すみませんね、私はハンターであると同時に編纂者としての調査をギルドから任命されていまして、このように頭の中で解明しきれない自然の謎は忘れない内に紙に書いて数式のように解くしか出来ないのですよ。―――それはそうと、編纂者についてはご存知ですか?」
「あ、はい。さっき話したクエストで途中まで一緒だった女性のハンターが編纂者も兼業しているって聞かされて…その時に初めて知りました」
「おや女性の?…ひょっとしてベスタ家のご息女ですか?」
「!!はい、そうです。お知り合いですか?」
「いえ、話した事はそう多くありません。私も彼女も、ハンターとしての知名度が広まった時期が同じだったので、帝国に戻った時に偶然顔を合わせて話をしたっきりです」
「そうなんですね。……ってことはミッドガルさんとも?」
「ええ、彼とは互いに名乗り合う程度でしたが。……さて、先ほどの話に戻りますが―――」
そう言って教授は懐からまた別の羊皮紙を一巻き取り出してハジメに見せるように広げた。
ハジメはそれを覗き込み、横で黙って聞いていたアレーティアとルゥムも興味を示して視線を送る。
そこには小さな絵でオルクス大迷宮の断面図が描かれていた。
一番上の空白にはホルアドの名前が書かれて、入り口の横に第一階層の名前があった。
第六十から先の未知とされている第百階層までの生息していたモンスターの名前や発見された資源が階層の図形の枠外に記載されている。
第六十階層にはベヒーモス、第二十一階層にはネルスキュラ、第二十二階層にはギギネブラの名前があるものの、ハジメはふとした疑問を浮かべた。
(……あいつ等が襲ってきたのは、確か……第二十階層……だったよな)
これまで常識とされてきたモンスターは別の階層に移動することは無いという話。
それも王国の中で得た知識であると思い出したハジメは、間違いだったと悟った。
(特定の縄張りは持っていても……獲物を襲うためなら別の階層にも動くってか……)
「私がこの大迷宮を訪れたのはこれで三度目。彼女と出会ったのがごく最近のことでした。ここのモンスターは不思議なことに、階層毎に生息する種類や頭数が定まっており、それらが死亡して一定時間経つとまた同じような個体が階層内に沸いているんですよ」
「沸いている…?」
「ええ、常識的に考えてあり得る話ではありませんが真実です」
彼の言葉通り、ハジメも「それはあり得ない」と心の中で断言した。
教授が三度もオルクス大迷宮を百階層まで調査しているのなら、その過程で必ず狩らなければならないモンスターも少なからずいた筈だ。六十階層のベヒーモスのように。
モンスターがどれだけ生物学的に非常識な存在だったとしても不死ではない筈だ。
子孫を繁殖させていたとしても、成長の差は個体差で違ってくるだろう。
ほぼ同一の個体のみ、同じ数、同じ生育環境で一生を過ごすなど聞いた事がない。
ゲームに例えるならこのオルクス大迷宮のモンスターだけが、無限沸きしてるということだ。
「私もあらゆる観点からこの謎を解明すべく、オルクス大迷宮以外の場所でも似たような現象が起こっていることを記録し、少し前に仮説を立てたのですよ」
「……それはどんな?」
「簡潔に言うなら、
三度目の驚きには支配種という言葉に対する僅かながらの嫌悪感も含まれていた。
幸利からハジメが聞かされた、魔人族が生み出す支配種は変成魔法による産物という話。
それも口には出せない事なので、彼は黙って教授に話の続きを促した。
「大迷宮を作った反逆者達は何らかの手段を用いて支配種を量産してこの大迷宮で放し飼いにした。しかしこれだけでは今の時代まで反逆者の住処を隠しきることは不可能です」
それはそうだとハジメや他の二人も頷いた。
支配種同士を交配させて子を産んだとしても、それも支配種になるとは限らないだろう。
教授はオルクス大迷宮の断面図の横に矢印とクエスチョンマークを書き込む。
「まだこの辺りは曖昧なのですが…恐らくは魔法かアーティファクトで量産した支配種を何処かへと隠匿し、更に別の魔法で大迷宮内で放し飼いにしていた支配種が死んだときに、同一の個体を送り出せるような仕組みを作っている…私はそう考えています」
(……この場では言えないけれど……神代魔法って奴ならそれが可能なのか……?)
だとしたら教授の仮説は正解に近い答えを導き出している。
これだけの知識と柔軟な思考を持っていて、編纂者としての実績も人類が未だに到達していないと思われた表のオルクス大迷宮の最下層まで既に突破・記録している。更に古龍ベヒーモスをも一人で倒したという実力者でありながら、人間的にはかなり人受けの良い紳士だ。
急にはハジメは彼が眩しい存在に思えてしまう。
「さて、私の仮説の話はこの辺りで終わりにしておきましょうか。この先は私と彼女が出会った経緯を含め、真のオルクス大迷宮について、私が調査を終えている第九十九階層まで話しましょう」
原作では謎とされてきたオルクス大迷宮の無限沸きについて独自解釈です。
大迷宮のモンスターについて:神代魔法で支配種を量産・保管して大迷宮に配置、一定数減る度に補充するプログラムのようなものを大迷宮内に常時展開、保管しているもの同士で交配、遺伝的に支配が続くように調整、ある種の永久機関みたいなものが完成したという考え方です。(多分ですが生成魔法と重力魔法を除く神代魔法全てが関係している?+予備の支配種モンスターの保管場所は原作ハジメの持っている宝物庫に類似したアーティファクトが関係しているという感じです)
ハジメはこの時点で神代魔法の全てを知っている訳ではないのでここまで正解には至らず、教授は表向き何も知らない体で仮説を語っています。
ルゥムは常時クエスチョンマーク浮かべて、ユエ(アレーティア)も全然理解が及んでいません。
余談ですが、これについて作中で知っていそうなのは二人(片方未登場原作キャラ)
感想、質問、ご指摘等お待ちしております。
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡