効果音と素材の名前で文字数稼ぎした感が否めない……(読み返しながら)
タイトルの通り紅兜アオアシラへのリベンジですが……この一話で決着がつきます。
サブタイトル後半の意味はモンハンプレイした事ある人なら分かる欲求。
第一階層:強敵への再戦・狩人は抗えない
第一階層の仮拠点を出てすぐに、ハジメは周囲の明るさに驚いた。
ハジメの落ちたところは真っ暗で何も見えなかったが、仮拠点の外は天井や壁、10メートル先の道が見通せるほど明るくなっているのだ。
理由を探ろうとして、ハジメは足元で光る物体に気づいて声を上げる。
「これは……緑光石?こんな大量に、それも発光し続けてるなんて…」
「驚くのも無理はないでしょう。緑光石は本来、魔力を溜めて淡い光を放つ性質を持っています。それが、この真のオルクス大迷宮に限っては何らかのエネルギーが地中に流れているらしく、その影響の一つとして埋まっている緑光石を発光させ続けているのですよ」
「何らかのエネルギー……ですか」
「ええ、魔力でないことはアレーティアが確認しています」
「ん……
つまりハジメが居たところは単に周りに緑光石の鉱脈が無かったから暗かったのだ。
運が悪かった自分に内心がっくり肩を落としたハジメは一歩足を踏み出そうとして―――
―――ガアアアァァァァッ!!
「ッ!?今のは……」
「おやおや、アレはもう此方の存在に気づいたようですね」
「下に向かう道はあいつの縄張りど真ん中。迂回路は無い」
「……(こくっ)」
紅兜アオアシラの咆哮が洞窟内の壁や天井を震わせる。
ハジメは脳裏にあの恐ろしい形相を思い浮べて一瞬、恐怖で足が竦んだ。
しかしあの時とは違って、今は頼れる仲間達が近くにいることを思い出す。
(……怯むな……!こんな序盤で躓いたら、
ここは既に下位のハンターが入ったら最後、無事に帰っては来られない地獄の一丁目。
自分の手で賽を振ったのだ、後は勝つために全力を尽くす以外に道は残されていない。
ぎりぃ!と噛み締めた奥歯が鳴って、教授が的確に指示を出す。
「ではお二人とも戦闘準備を、アレーティアは私の傍へ」
「ん……!」
「……!(こくっ)」
「――――――はいっ!!」
お互いの姿が視認出来る範囲で四人は散開して、重厚感のある足音が近づいて来る。
紅兜アオアシラとの戦い、ハジメにとっては一度敗れた相手への再戦であった。
*
紅兜アオアシラはベロンと舌を口から出したまま、その目に捉えた獲物との距離を縮めている。
最初に視認されたのは白い毛皮の防具を身に着けたルゥムだった。
ただの巨体による突進かと思われたそれが突然振り上げた片腕を彼女は見逃さない。
ヴォン!と風を切る音がしてルゥムが鬼哭斬破刀を構えていたところを爪が通り過ぎた。
彼女は軽やかに三歩後ろに飛び跳ねるようにしてそれを躱して、横にいるハジメに合図を送る。
「―――!」
紅兜アオアシラが爪を振り抜いてから生じる数秒の隙にハジメは老山龍砲の引き金を引く。
轟音を鳴らして発射された弾丸は通常弾Lv3、高威力だが何処まで通用するかを見極める。
二本足で立ち上がったままの紅兜アオアシラの腹部やや上に弾は刺さるが、大した血は出ない。
更に今の一撃を食らったことで紅兜アオアシラの狙いは彼に変わったようだ。
「今です、皆さん目を瞑って下さい」
「……っ!」
間髪入れず教授がアレーティアに手渡していた閃光玉を投げるよう指示を出して、自身は片手剣”神封龍剣【絶一門】”の円形盾を構えたまま紅兜アオアシラとの距離を詰める。
彼女の手を離れて閃光玉は、紅兜アオアシラの目の前で炸裂した。
眩い閃光にハジメが目を細めて片手で光を遮るのに対し、ルゥムも好機到来と振り下ろしからの突き、切り上げの三連撃を食らわせる。
―――グルオォッ…!?
視界を失った紅兜アオアシラは自分の後ろ脚や背中に刃が食い込むのを感じた。
呻き声を上げながらも、そこから一歩もよろめくことなく両腕を交互で左右に振り回す。
教授は顔の横から迫る爪を円形盾で受け流し、顔を狙って剣を突き出した。
首が傾いて顔面直撃を免れた紅兜アオアシラだが、首筋を神封龍剣【絶一門】の刃が掠める。
直後、傷口表面と刃の間を瞬く間に黒い電撃のようなものが迸った。
(今のは”龍属性”!一撃であんな高威力が出せるなんて……)
武器が繰り出す属性攻撃は種類によって叩き出せる属性値に差異が生じる。
通常の攻撃力に偏る武器とは真逆に片手剣は、通常攻撃の威力こそ低いが、属性攻撃は全武器種トップクラスの性能を持っていると言っても過言ではない。
双剣、ライトボウガンも片手剣と武器の性質は似たり寄ったりである。
(―――って感心してる場合じゃねえっ!!)
ハジメは通常弾Lv3で今度こそ顔目掛けて引き金を引いた。
反動の大きさを入れても装填中の弾の内、五発が紅兜アオアシラの顔の肉を削いだ。
後の三発は閃光玉で奪われた視界が回復するまでやぶれかぶれの攻撃を続けている紅兜アオアシラが四つ這いになって外れてしまう。
その時、四つ這いになる際の前脚の爪が当たりそうになったルゥムは見切り斬りを放つ。
一瞬の内に後ろへ下がり、両足で強く踏み込んで見切り斬りは紅兜アオアシラの脇腹を切り裂く。
更に彼女は追撃の気刃斬り、一度剣を引いた教授は盾による連打を見舞う。
自動装填で通常弾Lv3はいつでも撃てる。
ハジメは二人に誤射しないよう上を狙って引き金を引いた。
気刃大回転斬りにより、度重なる斬撃で負荷が掛かっていた腕甲は砕ける。
苦悶の声を上げて紅兜アオアシラが体勢を崩し、三人は更に追撃の手を増やした。
閃光玉を投げてから後の指示がなく、待機と周辺警戒を言い渡されたアレーティアは黙って鼓膜を打つ獣の悲鳴と切り刻まれて砕かれる骨肉の音、溢れ出る血の悪臭が絡み合う光景を見ている。
紅兜アオアシラを追い詰める三人の誰一人として、言葉を発する様子はなかった。
教授は執拗に盾で獲物の頭部を殴り続け、ルゥムは腹部の肉を切り裂こうと太刀を振り回す度に白い毛皮の防具が紅く染まり、ハジメの周りに老山龍砲から立ち昇る硝煙の臭いが充満して、彼の嗅覚はその機能を十全に発揮できなくなっていた。
「……これが、ハンターの戦い……」
ハジメが引き金に掛けた指から力を抜いたのは二人の動きを見た直後のことだった。
ルゥムは鬼哭斬破刀を引いて、動かなくなった紅兜アオアシラに背を向けて砥石を取り出す。
教授も紅兜アオアシラの頭部にめり込ませた盾を引き抜いて小さく息をついている。
「紅兜アオアシラの狩猟を確認しました。初パーティにしては見事な援護でしたよ」
「…そんなことありません…俺は殆どダメージを与えられていなかった」
「それが事実だったとしても、貴方が臆さずに攻撃を仕掛けてアレの注意を惹きつけたのもまた事実。…お陰で我々は予想していたより早く決着をつけられたのですよ?自分がまだ駆け出しだと自覚しているのであれば、貴方はこの結果を誇ってもよいのです」
「……ありがとう御座います。素直に…その…受け取っておきます」
「ええ、それで良いんですよ。さぁ、手早く剥ぎ取りを済ませましょうか」
まだ砲身が熱を帯びている老山龍砲を畳んで腰と背中の間の位置でしっかり固定する。
ヘビィボウガンの発射音をずっと聞きっぱなしで耳鳴りがまだ収まっていない様子のハジメ。
教授は神封龍剣【絶一門】の剣を腰に差して、盾を左腕のやや上へと引っ張った。
ルゥムも砥石が終了してトコトコ歩いて紅兜アオアシラの死体へと目を向ける。
三人は互いに目配せをして(教授はフルフェイスの頭防具越しだが…)剥ぎ取りナイフを抜く。
アレーティアが警戒している間、三人のハンターは仕留めた獲物の剥ぎ取りを終えたのだった。
ハジメが獲得した素材一覧
・紅兜の毛3束
・紅兜の甲殻5個
・青熊獣の腕甲2個
・異形の骨3本
・大きな骨1本
・ハチミツ3個
…ハチミツが何処から取り出されたのかは言うまでもない。
既に訓練所で慣れたつもりだったが、ハジメは虚ろな目のまま「大丈夫だ、消化される前だったからまだ使える。寧ろ外気に触れてないから新鮮だ」とブツブツ呟いている。
遠目でそれをうっかり目撃したアレーティアがドン引きしていた。
「さて…死体が完全にスカベンジャーの餌として分解されるまでは次の奴も出てこないでしょう。このまま第二階層へ向かいたいところですが……ちょっと寄り道をしても?」
言葉を濁して教授がチラと見ているのは階段に続く地面や壁から顔を覗かせる鉱石の数々。
既にアイテムポーチの中からグレートピッケルを取り出している彼の言わんとしていることが何なのか、ハジメはすぐにハンター特有のアレだと察して考えを巡らせる。
カンッ!カンッ!カンッ!
余談だが教授はグレートピッケルをアレーティアと出会った時に全て失ったとハジメは聞いていたが、どうやら手持ちのマカライト鉱石と棒状の骨を調合して予備を作っていたらしい。
急いで大迷宮を突破して、故郷に戻る手段と地上に出る方法の両方を手に入れたい。
だが先輩ハンター達の抗えない物欲を押し退けてまで自分の目的を優先するなんてことは、ハジメには出来ない。…それに彼も欲を言えば鉱石類に少し興味があったのだ。
(マリアンナさんの話じゃ、此処って良質な鉱石が採れるらしいしなぁ……)
カンッ!カンッ!カンッ!
「問題ありません。俺も地上に戻ったらお土産を渡したい子がいるので、ご一緒します」
多分…いや絶対に再会したら開口一番ミュウに泣かれる未来を想像したハジメ。
最低だとは思いつつも、とびきり上等な鉱石類のアクセサリーでも作って謝罪の言葉と一緒に送ってギクシャクした関係にならないように考えたのだ。
彼女だけに送っては誤解されるだろうと旅の仲間の人数分は確保しようとする。
優花、ノイント、ティオ……あと受け取って貰えるか分からないけどリンネ。
「ありがとう御座います。宜しければ此方をお使い下さい」
「どうも―――って!?これグレートピッケル全部じゃないですか!」
ハジメは調合したばかり、出来立てほやほやのグレートピッケルを五本貰った。
全部貰っては申し訳ないと彼が言い出すより先に教授は新たなグレートピッケルを調合。
マカライト鉱石の消費を惜しむ様子がないのは、流石例外ハンターというべきか……
「ルゥムさんはどうし―――って、えぇ……」
カンッ!カンッ!カンッ!
ハジメが振り返った先で、ルゥムは黙々とグレートピッケルで鉱脈を掘っている。
そういえばさっきから何度か音が聞こえていたが、了承を待たずに彼女は行動していたようだ。
このマイペースなところは頂点に立つハンターの特権か、それともただの天然か……
一々突っ込むのも疲れるし時間の無駄だとハジメもグレートピッケル片手に鉱脈へ向かう。
以降は各々の会話なのだが、度し難い内容も含まれていることを気にしてはいけない。
「ところでポーチの所持上限を越えたら―――」
「アレーティアが全員分の荷物持ちを担当しているので、問題はありませんよ」
カンッ!カンッ!カンッ!
「……いいのかアレーティア、それで……」
「ん、魔法で運ぶから疲れない。戦いで足手纏いの私に出来る今の役割がそれだから」
カンッ!カンッ!カンッ!
「この通り、本人から了承を頂いておりますので」
(――――――本人が了承してるからいいんだろうけど…う~ん…いいのかぁ?)
カンッ!カンッ!カンッ!
「ん、ルゥム…預けるものがあったら私が貰う」
「………(ぽんぽん)」
「…どうして頭を撫でるの」
「………?」
カンッ!カンッ!カンッ!
「…アレーティア、ルゥムさんは多分ありがとうって伝えたいんだと思う」
「……そう。ん、どういたしましてルゥム」
「………(こくっ)」
カンッ!カンッ!カンッ!
「ハハハ、こんな風に賑やかな採取は初めてかもしれませんね」
「え、教授はこれまで誰かと組んで探索とかは行かなかったんですか?」
「残念ながら私はこの通り人前で顔を見せないものですから、集会所での酒宴等にも顔を出さないので交友関係というものが人より狭いということは自覚しています」
カンッ!カンッ!カンッ!
「……ご迷惑でなければ、後でギルドカード……交換しませんか?」
「――――――君は優しいですね。では後でお願いします」
真のオルクス大迷宮第一階層には暫くの間、和気藹々とした四人の会話(内一名無言)の声とピッケルが色鮮やかな鉱石類を掘り出す音だけが響いていた。
ハジメの採取した鉱石一覧
・鉄鉱石2個 ・大地の結晶2個 ・マカライト鉱石1個
・ドラグライト鉱石3個 ・カブレライト鉱石2個 ・ベアライト石1個
・ライトクリスタル3個 ・グラシスメタル2個 ・ユニオン鉱石2個
・エルトライト鉱石1個 ・鎧玉1個 ・上鎧玉2個
・龍脈の結晶2個
(副産物:緑光石4個、タウル鉱石6個、燃焼石6個、太古の塊1個、古びたお守り1個)
※太古の塊と古びたお守りは専門家に見せなければ内容不明瞭の為、使用不可
紅兜アオアシラ戦…そりゃあフロンティアの極ハンター二人もいたらね……
本当なら一刻も早く地上に戻る為に階層のボス的な奴ら全カットで第九十九階層に辿り着かなきゃいけないけど、そうは問屋が卸さない。
…流石に第一から第九十九までフルで書いてたらまた年越しそうな気がしてならないのである程度端折りつつ、原作オマージュで書いていきます(ついでに幕間も気が向いたら)
感想、質問、ご指摘等お待ちしております。
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡