モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 コイツを登場させるべきか(まだ早いという意味で)
少し迷いましたが、原作オマージュでコイツほどエセアルラウネに適任なモンスターもいなかったので投入する事にしました。


第六十階層:森の精霊と呼ばれていたもの 前編

 

 荷車を交代で牽きながら、狭い階段では手分けして荷物を持って進む一行。

五十一階層から先はこれまで殆ど姿のなかった飛竜種の上位個体が襲ってきた。

そんな強敵を相手に、ハジメが危うい場面もありながら命を落とさずに済んだのは、ルゥムと教授の二人が常に先頭に立って戦ってくれたからだろう。

 

 彼も守られるだけの駆け出し気分を捨て、途中からはそれなりに連携が取れるようになった。

攻撃の威力が高い近接武器の太刀、身軽に動ける片手剣、高火力の遠距離武器のヘビィボウガン。

この三種類の武器それぞれの特性を生かせば、大抵の相手は苦戦することなく戦えるのだ。

アレーティアによる魔法の範囲攻撃はダメージが与えられなくても攻撃の隙を生んでくれる。

前衛後衛という概念に当て嵌めるなら、バランス良くそれが揃っていた。

 

 そうして一行は遂に六十階層へと歩みを進める。

鬱蒼とした樹海が一面に広がり、湿った空気に嫌な臭いが混じっている。

腰の辺りまで伸びる草は屈めば人が隠れることも出来るだろう。

…もっとも、身を隠したところで上位個体にそんな誤魔化しが通用するかは別だが…

 

 人が乗っても平気な太さの木の枝によじ登って下の様子を窺う事も出来た。

偵察に出ていたのは教授とハジメの二人、ルゥムはアレーティアと一緒に荷車を守るべく五十九階層へ何時でも引き返せるように階段付近で待機している。

 

「……多いですね。それにあれは一体……?」

 

「小型モンスターの異常繁殖。私もこの数は初めて見ましたよ」

 

 双眼鏡から目を離して、遠くに広がる異様な光景にハジメは息を飲んだ。

傍らで木の表面を指で擦りながら教授が彼の言葉に同意する。

 

 彼らが見ている先、第六十一階層へと続く階段への入り口がある壁が見えた。

しかし入り口を塞ぐようにして立ててある看板…いやトーテムと形容すべきだろうか。

木の枝に鳥竜種と思われるモンスターの頭蓋骨を刺して装飾が施されている。

木の実や鉱石の他に、他のモンスターの臓物と思われる何かが巻き付けられていた。

 

 それよりも異常なのが、そんなトーテムの周りを忙しなく徘徊している小型モンスター達だ。

牙竜種の小型モンスター”ジャグラス”が見える範囲だけでも30匹は居た。

目からは()()()()()()()が発せられていることに、二人はまだ気づいていない。

 

「あのトーテムを破壊しなければ奥へ進むことは出来ないでしょう。…しかし、アレを破壊するにはジャグラス達と戦う事を避けては通れませんね」

 

「先にジャグラスを叩いて、それからあのトーテムを壊した方が良いんでしょうか?」

 

「……いえ、仮にジャグラスを掃討しに動けば……あれが動き出すでしょう」

 

 教授がハジメに以前の階層を訪れた時の話をする。

前にも同じようなトーテムがあって、教授はそれを壊して進もうとした。

ところが、教授の前に見たこともない異形の化物が現れたという。

 

 絡み合う樹木が人の形を作り、頭部にはガウシカのような角を生やした頭骸骨がついていた。

細身の体躯からは想像も出来ないような咆哮を轟かせて、それは教授に襲い掛かったという。

既存の種族、その中のどれにも該当しないことから教授は仮称でそれを”遺存種”と名付けた。

 

 その遺存種のモンスターが()()()使()()()という話にハジメは我が耳を疑った。

この世界に於ける魔法という概念を理解し、使える者はヒト型の種族のみに限定されている。

古龍等のモンスターが巻き起こす自然災害もある種の魔法と言えるかもしれないが…

 

 教授によると、その異形のモンスターが教授に向かって腕を翳した瞬間、周りの生き物が何かに操られるようにして突然、教授だけに狙いを定めて集団で襲い掛かってきたのだ。

黒い霧のようなもので姿を消して、異形は瞬間移動までしてみせたという。

 

 他にも黒い霧から無数の黒い鳥を召喚して、鳥は近づくものを無差別に襲って異形を守ろうとしたとか、異形が地面に手を着いた途端、辺りに生えた木の根が個々で意志を持ったかのように地面から飛び出してきて襲い掛かってくることもあったとか…

 

 その話だけ聞くと本当に異形がモンスターと呼ぶべきか疑わしいところだ。

それほどの知能を持って魔法も使えて人の形をしているなら、モンスター以外にハンターの武力の行使は厳禁というギルドの規約違反に引っ掛からないか心配だ。

 

「…それはモンスターに分類される生き物なんですか…?」

 

「さて、どうでしょう。私達が知らないだけで、もしかしたらアレも遠い別の世界からやってきたのかもしれませんよ?そうとしか思えないような興味深い生態でしたから」

 

「異世界のモンスター……とでも呼んで納得すればいいんですかね?」

 

「有り体に云うならそうなりますね」

 

 異世界から召喚されたハジメという前例があって、教授の言葉はすんなり受け入れられた。

余談かもしれないが、後にベヒーモスも異形やハジメと同類で異世界からやってきたモンスターだったと、ある人物の調査で判明する。

 

「人の形をしていますが、あれは人ではありません。……やれますかハジメ?」

 

「……実際に姿を見ないと断言は出来ません……でも、やれます。先へ進む為なら」

 

「その言葉だけで十分ですよ、では一旦彼女達のところへ戻りましょう」

 

 今も姿を見せていないだけで、異形が縄張りに侵入した二人を見ているかもしれない。

背中に恐怖を感じながら、ハジメは教授と共に木の枝を伝ってアレーティア達の所へ戻った。

 

 




 ウィッチャー世界観だったらハルツィナ樹海にいっぱい居そう……
亜人族がほぼ死んでる+ゲブルト村も何割か死んでいても不思議じゃない。
ウィッチャーだと中ボスみたいな感じなのに、モンハン世界(新大陸限定)でクッソ強くなっててワロタ……ワロタ……(エンシェント個体にトラウマ持ち作者)

 ゲーム本編だと恐らくこいつが遺存種だと教えてくれたのがウィッチャーの小父様なので納得がいきますが、本作だとウィッチャーの小父様投入させるのもカオス空間になり過ぎてどうかなと思ったので教授が仮称でそう呼んで、正式にギルドで共通認識にされるという設定で固めました(こんなヤベー奴が何体もいないで欲しいと思う今日この頃)

感想、質問、ご指摘等お待ちしております。

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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