モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 また休日の夜テンションでダラダラ話を書いていくスタイルの作者でした。
とりあえずアンケートは前の話で止めておきました(集計は続けます)
圧倒的におにゃの子だけ頂きますと何人か逝って良しの声が多くてワロタ。
まぁ…そっちの方が楽しいよね!(まだ決めてません)



彼が変わる日③

 村長の家に集まった村人達は不安そうに顔を見合わせて外の様子を窺っていた。老人は手を合わせて、今も外で戦う帝国兵達の無事を祈り、子供は恐怖に泣き出す。

ハジメもその中に立って、さっきまで一緒にいたエギルが出ていった扉を見つめる。

 

(大丈夫……だよね……)

 

「皆、落ち着け。地上から先行したアイルー達が戻って来た」

 

 村長のアボクが手を叩いて、その場にいる村人達の気を惹いた。彼の足元、床下の洞穴から泥だらけになったアイルー、チンミが顔を出す。

 

「避難所の周囲にモンスターの気配はありませんニャ!いま料理長達がこやし玉を撒いてるから、安全確保も時期に終わりますニャ!」

 

 大型モンスターが村を襲撃した際に村人達が取る行動は先ず村長の家に集まる事。

村長の家には地下を掘り進んで、ライセン大峡谷に近い場所へと出られる通路がある。

地上に出ても村人全員が雨風を凌げるだけの洞窟が備わっており、万が一の際にはモンスターが村からいなくなるまで、洞窟で生活出来るように食料も溜めてある。

 

 いま村長の家に姿を見せないウマアジ達が草むらの中へと散ったのは、その小柄な体躯故にモンスターから発見される危険が低いから。避難所の安全確認や村から開拓地へとアゥータ達を呼びにいくのが彼らの仕事だ。

 

 村人達はほっと息をついて、アボクの言葉を待つ。

 

「チンミは来た道を先導してくれ、子供達だけでは不安だ……テム、アイが随伴を」

「分かったよアボクさん」「任せてください。―――――さぁ、みんな付いてきて」

 

 踵を返したチンミが洞穴の中へと飛び込んでいく。それに続いたテムが降りて、上からアイに支えられながら降ろされる子供を一人一人受け止める。子供達は不安そうにしながらも、しっかりと二人の言う事を聞いた。続いて女、老人の順に洞穴へと入っていき、最後に残ったのはアボク、ヘファイ、ハジメの三人。

 

「待たせて悪いなハジメ、いくぞ―――「ぐああぁぁぁぁっ!!?」ッ」

 

 ヘファイが先に降りて下から両腕を伸ばした瞬間、悲鳴を上げながら飛んできた誰かがぶつかって家の扉が吹き飛んだ。大量の木片を散らしながらハジメの眼前へと転がって来た誰かの正体は、帝国兵のアシルだった。

 

「アシルさん!?」

「ぐ、う……ぁ…!」

 

「帝国兵の!?おぬし、怪我を―――」

「なんだ村長、ハジメ!?何が起こってやがる!!」

 

 アシルは吹き飛ばされて扉にぶつかった際、木片で切ったのだろう。赤い血が額からポタポタと床の上に零れ落ちた。背筋が凍り付くような思いでハジメは彼の体を抱え起こそうとしたが、アボクが待ったをかける。状況が分からなかったヘファイは必至こいて床下から這い出てきた。

 

「待てハジメ。無理に動かせば傷が開く!!」

「で、でも……!」

 

――――ガアアァァァッ!!――ギャォ!ギャォ!

 

 外から聞こえてくるリオレウスの咆哮に混じった、小型モンスターの鳴き声。それが嘗て、自分を襲ったランポスの鳴き声であると分かった途端、ハジメはぶるりと身を震わせる。

 

「アシル!返事をしろアシル!!」

「クソが、ランポス共の相手だけで手一杯だっつーのによぉ!!」

「右だネイド!」

 

 グリッド、ネイド、エギルの順に聞こえてくる声と共にランポスの悲鳴や、リオレウスの声と共に放たれた何かの爆発音が振動ととなってハジメ達のところまで聞こえてきた。

アシルの体に触れていたハジメの手が赤い血で真っ赤に染まる。

目の前で知っている人が死んでしまうかもしれないという場面で、ハジメは動揺してしまう。

 

(このままじゃアシルさんが―――!それにグリッドさん達も……!……でも、僕に出来ることなんて―――この場から逃げる事しか……!)

 

「村長、包帯と薬草だ!」

「とりあえずは彼の応急処置が先決だ……ハジメ、手伝ってくれるな!」

 

(僕は非力で、ただの錬成師なんだ……!あんな恐ろしいモンスターを相手にして戦える筈がない―――――――――――それなのに!僕は今、()()()()()()()を取ろうとしている……!)

 

 目に見えるもの全てに焦点が定まらなかったハジメの視界の端に、アシルが使っていたと思われる武器、片手剣”ハンターナイフ”と表面が丸みを帯びた鉄の盾が映り込んだ。

 

 自分でも驚くくらいに思考が冷静さを取り戻していく。感情は未だ収まるところを知らず右往左往しているが、頭の中でこれから行おうとしている事の危険性を十分に理解する。手の平の血を服で拭い、ハジメはゆっくりと立ち上がった。

 

「おいハジメ聞いてるのか!!――――――ハジメ…ッ!?」

 

 苦しみ歯ぎしりをするアシルの鎧を剥いで傷口へと薬草を押してるヘファイがハジメの方へと首だけ向けた瞬間、既にハジメはハンターナイフと盾を手に駆け出していた。

何をしようとしているのか気が付いたアボクが止めようと叫ぶ。

 

「ダメだ!お主が行っても犬死するのが関の山だ!」

「馬鹿野郎ハジメ、オイ戻れ!!」

 

(ッ………!ごめんなさい、アボク村長、おやっさん――――でも!!)

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()言葉にそう出す暇も惜しんでハジメは走る。

壊れた村長の家の扉を飛び越えると、目の前には戦場のような光景が広がっていた。

焼け焦げた家屋や凸凹道に散らばった無数の血。それがモンスターの物なのか、或いはグリッド達の誰かの血なのか、ハジメは考えないように頭を振って再び走り出す。

 

 

 グリッド達の戦況はあまり宜しくない方へと傾きつつあった。彼らの戦いは荒野と平原の境界線を飛び越えて村の中に入って来たランポスの群れを迎撃するところから始まっていた。

 

 馬の機動力にも追いついてしまうランポス相手に馬上からの戦いは無意味と考えたグリッド達は馬を降りて群れと対決した。数で勝るランポス達だったが、意外にも実戦慣れしていたグリッド達が着実に一頭ずつ数を減らして形成を逆転していた。

 

 ところがリオレウスの乱入により状況はひっくり返された。上空から一方的に火球を吐き出して攻撃してくることで、グリッド達も一度退かなければならなくなった。

ランポス達も多少リオレウスの攻撃で数を減らされてはいるが、当初の目的である村の中へと入ることが出来た。

 

 きっかけとなったのはリオレウスの挙動をしっかり観察していたアシルだった。翼の向きを変えて、自分達へとリオレウスが降下してきたのを見て、咄嗟に近くで武器を研いでいたグリッドを突き飛ばした。そして、リオレウスの爪に掴まれ空中で振り回されたアシルは投げ飛ばされて、アボクの家に突っ込んできたという訳だ。

 

「アゥータ達が戻って来るまで、何としても死守する!」

「「了解!!」」

 

 意を決してハンターナイフの切っ先を空飛ぶリオレウスへと向けるグリッド。

それに倣ってネイド、エギルも正面のランポス達へと敵愾心を剥き出しにする。

 

「グリッドさん!!僕は―――――――()()()()()()()!!」

 

―――その時だった。グリッド達の背後からハジメが駆け寄ってきたのは。

 

「ハジメ!?お前その武器はアシルの―――」

「馬鹿か餓鬼、何戻ってきてやがる!」「危険だ、ここは俺達に任せ―――」

 

―――ゴアアァァァァッ!ギャァッギャアッ!

 

 グリッド達の叱責を待たずにモンスター達の攻撃は再開される。リオレウスは正面のグリッド、左右に展開したネイド、エギルを狙って火球を三度口から放った。

それに続いてランポス達がグリッドとの距離を詰めようと駆け出す。

 

 着弾と同時に火球は爆発して地表をごっそり抉った。辛うじて先に回避行動を取っていた三人の誰一人として被弾はしなかったが、ランポスの接近を許してしまった。

 

―――シャアァァッ!

 

「ぬうっ、ぐぅぅぅ!!!」

「んの―――野郎ぉぉ……!」

「おぉぉっ…!」

 

 それぞれが爪や牙を振り翳して襲ってきたのに対して、三人は左手の盾を正面に構えて防ぐ。

鋼鉄の盾と同じくらいの固さを持つモンスターの爪、牙が表面を擦り歪な摩擦音を出した。

ハジメは一番近くにいたグリッドの背後から飛び出してランポスの右へと回り込む。

 

「ハジメッ!!?」

「う、わああああああああああああああぁぁぁっ!!!」

 

 狂ったように掛け声を腹の底から出して、ハジメは右手のハンターナイフでランポスを切った。

横から突然腹に切りかかられて血を噴き出したランポスは悲鳴をあげて仰け反る。

同時にグリッドからハジメへと視線を移した。―――だがハジメの方が一歩速い。

 

「あああああああああっ!!」

 

 振り切った右手のハンターナイフではなく、左手に握り締めた盾による攻撃。

本来は腕に巻き付けて使用する盾なのだが、先ほどアシルから拝借した時点で巻き付ける為の紐が切れていた為、ハジメは紐の部分を掴んで装備するしかなかった。

 

 ゴォン!と鈍い打撃音が振動と共にハジメの耳に伝わり、今度はランポスが地面へと倒れた。

間髪入れずハジメはもう二歩目を踏み出して、ランポスの体へと馬乗りになる。

奇しくも―――かつて自分が襲われた時とは真逆の立場となって。

 

「これで、死ねえええっ!!!」

 

 暴れる首を盾で押さえつけ、藻掻くランポスの爪で足を切り裂かれながらも、ハジメはハンターナイフの切っ先を―――ランポスの頭目掛けて突き立てた。

グチャリと肉を裂く感触と、僅かにコリコリした骨を砕いた感触が合わさり吐き気を催す。

 

―――ギッ!?ギュェェ……

 

「はぁ……はぁ……!こ、れで―――」

 

―――グオアァァァァッ!!!

「ハジメ避けろ!!!!」

 

「ッ!!?」

 

 グリッドの叫びでようやく我に返ったハジメが頭上を見上げると、リオレウスが既に火球を自分目掛けて放っていた―――真っ赤に燃え盛るそれをハジメは避けられない。

最後の足掻きで、咄嗟に左手の盾を掲げるが―――次の瞬間、耐え難い熱の塊が襲った。

 

 肌を焦がす火の熱さと爆発の衝撃で体の中が掻き回されるような苦しみに包まれる。

視界は一時的なブラックアウトを引き起こし、青い空、自分に手を伸ばすグリッドの顔、地面へと切り替わり、自分が宙を舞って地面へと転がっているのを分からせた。

 

(今度こそ―――僕は、死ぬ……のかな……)

 




とりあえず片手剣でランポスへの復讐を果たしたハジメ君。
雑魚狩ってる時に横から(作中では上からですが)大型モンスの横槍ありますねぇ!

感想とか質問とか待ってまーす!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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