以前自分で試し書きしていたハジメの友人レイの話と結合させてから改変を加えたので非常に長い文になってしまい、前後編に分けました。
この勢いが死なない内に清水君の魔改造も済ませたいところ……
ついでにユエの話を書いてティオの話書いて帝国と王国で起きる話の伏線張って自分の中でそれぞれの勢力の動きを纏めて(終わらない沼に入るパターン)
ガタゴト揺れる荷台の上で、燦々と降り注ぐ陽の光に目を細める。
帝国領を抜けてライセン大峡谷と荒野を迂回しながら、村や町を中継点に故郷を目指す。
防具だけを身に纏い、今は荷台の荷物と一緒に揺れるガンランスに手を置いた。
(――――――俺も晴れて、
独り言になるが、俺がハンターになる事を選んだのは十年以上も前の話。
俺の故郷…アンカジ公国はトータス大陸の中で過酷さの一、二を競う環境だ。
砂漠に吹き荒れる竜巻に幾度となく住処を壊されて、疫病に苦しめられたこともあった。
水を欲して穴を掘っても、湧き出るのは
やっとの思いで水のある場所へたどり着けば、既にそこはモンスターの縄張り。
生きるために雑多な武器を手に、俺らの国の民は何百、何千人と命を落とした。
教会と王国は俺達を神エヒトの名の下に憐れんだとしても、救いの手を差し伸べはしない。
過酷な環境や理不尽は神の試練だとか抜かしてやがったが……要は自分達さえ良ければいい。
公国に新たな教会を構えた司祭は顔にそう書いてあるよう俺には見えた。
そんな中で、公国を助けようと動いてくれたのが当時皇帝に即位したばかりのガハルドだった。
モンスターによる被害を無くすためのモンスターハンターの派遣に始まり、それに伴う公国内の主要な都市へのハンターズギルド設置と、帝国の技術者や労働者の派遣。
当時はヒトだけでは手が回らず、お互いに良い顔はしなかったが亜人族の奴隷にも手伝って貰った。彼らには出来るだけ、ヒトと同じか……それ以上に良い待遇を与える事で慣れない環境下での労働を納得して貰った。
今でも故郷では、ハンターの次に亜人族が救世主のような扱いを受けている。
あの荒れた土地に骨を埋めようというもの好きはいなかったが、それでも民の生活が安定したものになるまでの間、そこで働く亜人達とヒトの間に諍いは起こらなかった。
…だんまりを決め込んでいる王国と教会は良い顔をしなかったがな。
そして、俺がハンターになろうと思ったのは……公国にやって来たハンターの一党との出会い。
他のハンター達とは比較にならない、圧倒的存在感と当時最強と呼ばれていた実力を目の当たりにした俺は、子供ながらに感動で心が震えた。
「大きくなって、父さんや母さん達をモンスターから守れる立派なハンターになる……か」
自分の口から出た言葉は、かつてハンターを志すと決めた時の自分が口にした言葉だ。
自分の家がどういうものなのか、自分の立場がどういうものなのか。
そういった事を知らずに育っていた俺は、ちょっとだけ後悔した。
……まぁ……それでもハンターになる夢を諦めず、こうして
「これがまぁ~上手くやれるか、俺の頑張り次第な訳でして……」
俺の独り言に、荷車を操る御者のアイルーがキョトンとした顔で振り返る。
「なんでもないさ」と笑って手を振ると、アイルーは笑ってお辞儀をし前を向く。
……故郷に戻ってから、オトモを探す事も考えねぇとなぁ……。
それに父さんから仕事の引継ぎをして、領地の見回りと教会からの徴税に対する交渉。
向こうのハンターズギルドへの書類提出に、継承の儀の企画と準備……
うげ。そういや
「はぁぁあ~~~。―――――とりあえず、いつも通りに……頑張りますか!」
「ニャ。お客さん、そろそろホルアドの検問所が見えて来るニャ」
「おっ、もうそんなところか。……ほいさ、手綱を握るのは
軽く手綱を引いて、歩くガーグァの足を止める御者アイルー。
荷台から立ち上がって、俺はアイルーの差し出すガーグァの手綱を手に取った。
……王国領内の村と町に入る度、一々これやらなきゃいけないんだよなぁ…。
別にアイルーが御者やってるくらい、今でこそ
「よーし、そこの荷馬車止まってくれ。中を改めるぞー」
「へいへい。長旅で疲れてんだ、さっさと終わらせてくれ~」
槍を手に持った兵士三人に荷馬車の周りを囲まれる。
ガーグァに対して嫌そうな視線を向けながら、兵士達は距離を詰めた。
ちなみに御者アイルーは、荷台で
わざわざ自分がアイルーだと説明して、余計な手間を省くためだ。
王国の人間はアイルー1匹にすら、敵愾心を剥き出しにする者もいる。
しかし彼らもこの道数十年のベテラン。検問所の兵士程度は騙すのも簡単らしい。
兵士達は荷台に何故猫が乗っているのか不思議そうにしているが、注意をアイルーから逸らすために俺は手持ちの
「―――ん、荷物に問題はないな」
検問所の他の者達の動きに注意しながら、三人は一枚ずつ
……こんな事やった俺が言うのもアレだが……王国の警備、緩すぎやしないか?
これじゃ魔人族が人のフリして忍び込んでも気づけないだろ……。
気付かれそうになるたびに買収すりゃあいい話なんだからよ。
勘弁してくれよ……ヒトの生存圏の要である王国が陥落したらお終いなんだからさ。
「―――よし、ステータスプレートの開示を」
「ほいほい」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
レイネルク・フォウワード・ゼンゲン 22歳 男
天職:無し
筋力:???
体力:???
耐性:???
敏捷:???
魔力:???
魔耐:???
技能:無し
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ステータスプレートに映った俺のステータスを見るなり、兵士達の表情が変わっていた。
最初は気だるげにしていた
「……お前の帝国のハンターか」
「そうだよ、故郷に帰る途中でね……分かったらさっさと通してくれ」
そう言うと三人は舌打ちして足早に離れていく。
やれやれ…何をしたらここまで嫌われるのやら、アンタらの神様に教えて欲しいもんだね。
手綱でパシッと羽の付け根辺りを叩くと、ガーグァは一鳴きして歩き出す。
ホルアドの町は相変わらず賑わっていた。
商業都市フューレンやヘルシャー帝国首都を目指す商人が必ずといっていいほど利用する町なのだから、当然のことなのだが。
……ウチの国もこんくらい賑わってくれりゃ特産品で生計を立てられるんだがね……。
道の真ん中を歩いていくと、道行く王国の民から悪意ある視線を向けられる。
帝国の常識をよく理解している商人や、モンスターと戦い慣れている冒険者くらいしか当たり前のように見てはくれない。
そんなお国柄ということもあって、ガーグァやアプトノスを休ませる厩舎は馬とは別のところ…ハンターズギルド・ホルアド集会所の近くにしかない。
……此処ならまだ、あるだけマシと考えたほうがいいのかねぇ。
「それじゃ、荷物の管理と足の世話は任せるぞ」
「畏まりましたニャ」
厩舎の中に入れば人の目を気にする必要はなかった。
御者の席から降りて、後ろで猫のフリが終わったアイルーへと声をかける。
彼はこのまま外に出る事なく、厩舎でガーグァの世話をするからだ。
外に出ようものなら、住民から石を投げつけられてもおかしくない。
しかし丸一日臭いのキツい厩舎の中というのも酷だろう。
足を止めて振り返り、もうガーグァの手綱を外し始めているアイルーへと荷台の中から比較的新鮮な果物を取り出して渡す。
「俺からの感謝の気持ちだ。砂漠越えはキツいだろうが、頑張ってくれ」
「……ありがとう御座いますニャ。後ほど頂戴しますニャ」
……あいつ等も帝国じゃ1匹の獣人として生活する権利を認められている。
それが国境を越えて、王国の中じゃ獣畜生以下の扱い……気分はよくないだろうな。
領主になってから、あいつ等を含めモンスターに関する法を考えさせるか。
さて、集会所の宿に武器・防具を預けて……街歩きでもしましょうかね。
幸いにして懐事情はそこまで寂しくない。
最近は輩と酒呑んで肉食ってのどんちゃん騒ぎばっかりだったし、たまには領主様らしく上品な店でお茶でも飲みながら一息つくとするか。
*
「さ、こちらですよ」
パーティーの仲間達と共にある人からのお誘いで連れてこられたホルアドの町。
白馬が牽く乗り心地の良い馬車に揺られて辿り着いたのは町で一番の喫茶店。
入り口に敷かれた絨毯や小窓越しに見える細工の施された金銀煌く装飾の数々を目にすれば、地球出身の一般庶民な俺でも分かる。一目見て分かる、高い奴やんこれ!
俺らが半口開けて固まっている間に、先頭に立った彼女が店主と話をする。
流石にかなり地位の高い人物…というか、この国じゃ知らない人はいないだろうっていうくらいのVIPの来店に店内は大混乱に陥っているように見えた。
どうも皆さん初めまして、俺は”遠藤浩介”です。
……えっ?いきなり一人称で分かり辛いうえにお前は誰だ!?
異世界召喚されたクラスメイト、神の使徒の1人だよ!最初から居たよ!
存在感が薄いからって天職:暗殺者になった不憫なモブキャラ男子だよ!
……って俺は一体誰に向かって心の叫びを放っているんだろうな。
「よ、よし……いくぞ重吾」
「おぉ、お、おう。そうだな野村」
俺の所属するパーティーのリーダー”永山重吾”が緊張した面持ちで隣に立つ”野村健太郎”と互いの服装におかしな点はないかチェックしあっている。
馬車に乗る前に侍女さん達が散々見てくれてたから大丈夫だと思うけどなぁ。
ちなみに永山はクラスで一番身長が高く、柔道の経験があったからか天職は重格闘家だ。前衛として剣や盾みたいな武器がないのは大丈夫なんだろうかと思ったが、暗殺者の技能持ちの俺とは意外に相性がよくて戦闘中は安心して背中を預けられる。
野村は土術師という土の魔法適性が高い後衛の天職を得ている。普段は同じパーティーに所属する女子に鼻の下伸ばしっぱなしのくせに、戦闘中はかなり頭の回転が速くてパーティー全員にビシッと指示出してくれるんだよな。
……まぁ俺は忘れられてるから指示なんて最初にあるかないかくらいなんだけどねっ!
「ねねっ、真央。私のスカート大丈夫?変じゃない?」
「大丈夫だって綾子、自信持って超イケてるから!」
馬車の中で2人の女子”吉野真央”と”辻綾子”も重吾達と同じようなことをしている。
…まだ俺乗ってるんだけどなぁ、スカート丈をそんな風に持たれると目のやり場に困る。
気づいてないかもしれないけど辻さんや、アンタ野村に惚れられてんだからな~。
吉野は付与術師といって、無属性の魔法や技能の力を底上げする魔法の使い手だ。
天性の才能があるらしく、野村の土魔法がかなりお世話になっていたりする。
口調とか態度が軽い、いわゆるJKギャルって奴。ちょっと苦手なタイプなんだな俺は。
辻は勇者パーティーの白崎さんと同じ治癒術師だけど、魔力数値とか才能では今一つ白崎さんに及ばないところがあって、時折そのことを不満そうに吉野に語っていた。
…才能なんて人それぞれだし、俺は辻のさり気ない気遣いとか悪くないと思うけど…。
あ、ヤベ。いま野村が俺に気づいていない筈なのに物凄いプレッシャー放ってきた。
「皆さん、席の準備が整ったようなので参りましょう」
俺達は場違いと思えるこの高級な喫茶店に呼んだ人、ハイリヒ王国の王様であるエリヒドさんの娘で召喚された日の夜に開かれた晩餐会から親しく俺らに接してくれた金髪碧眼の王女様。
”リリアーナ・S・B・ハイリヒ”が笑顔で手を振っている。
道行く人達もまさかの王女様登場に驚き、その場で畏まる人も出てきた。
き、気まずい…!早く馬車から降りて店に入らねば!
そう思っていると、まだ俺が降りていないのに御者が動き出そうとした。
「それでは私は馬を厩舎に入れてきますので……」
「あ、あのっ!俺、まだ降りてません!」
「「「「遠藤!?お前そこにいたのか!!」」」」
「ずっとここにいたよ!!!」
このやり取りはトータスに来る前から変わらない。
教室でも学校外でも、皆が時間差で俺に気づいて驚きの声を上げる。
俺がそれに怒ったように反応して皆を笑わせる。
……なんだか向こうでの暮らしが懐かしいと思うけど、いまもこうして変わらないものがあるってありふれてるけど、大切にしなきゃいけない幸せなんだなぁとか思う。
俺らのやり取りを見ていたリリアーナさんがクスクスと笑っていた。
御者さんが申し訳なさそうに脂汗を浮かべていたので「いいよ、いつもの事だから」とだけ言って馬車からさっさと降りる。
「―――それでは、改めて席までご案内致しますね」
本来であれば店員が行うような仕事を、わざわざ店主が出てきて誘導してくれる。
これも王女様と神の使徒御一行様という条件があるからのことだろう。
カラン♪と綺麗なベルを鳴らして扉が開いた。
「わぁ……!」
店の中を見て辻が感嘆の声を上げて頬を紅潮させる。
それを聞いた野村が肩越しに少し振り返って、揶揄おうとしていた吉野の顔を見てハッと我に返り前に向き直った。重吾は3人の動きに気づいている様子がないみたいだ。
…前から思ってたけど、坂上といい重吾といい…筋肉に人生捧げてる人って鈍いのかな。
……別に身長と筋肉が羨ましいからって妬んで言ったわけじゃないし!客観的事実だし!
「屋上に上がります、足元にお気をつけください」
店主に言われてリリアーナさんはドレスのスカートを摘まんで手すりを使って上がっていく。
吉野と辻もリリアーナさんを真似て上がっていこうとする。野村はそれを見て思わず「辻!お、俺に掴まれよ!」と言いそうになったが周囲の視線が気になって口を噤んだ。
…そこで一歩前に踏み出せば、いけると思うけどなぁ。
辻もなんだかんだ自分の治癒のことでコンプレックス抱えてることを分かってくれてる野村にだけ向ける表情があからさまに俺達と違うし。恋する乙女ですやん。
「この先、町が一望できるテラスに――――――」
そう言いかけて机の方を見た店主の顔がピシっと固まる。
どうしたのかと俺もテラス席に視線を向けると、そこには既に先客がいた。
モーニングコートに身を包み、藍色の髪を後ろで一纏めにした若い男。
体格差でいえば重吾より少し上くらいだが、年齢は明らかに俺達より年上だ。
そんな男が一人テラス席のちょうど真ん中に座ってお茶を飲んでいた。
「お、おいっ!他の客は全員下に移動させるよう言っただろうがッ」
店主が真っ赤な顔をして近くを通りかかった店員に怒っていた。
どうやらテラス席を丸々一つ借りて俺達をもてなすつもりだったらしい。
別に他のお客さんを動かしたりする必要ないと思うんだけどな。リリアーナさんの警備とか暗殺の危険性を考慮しての必要なことなら納得するけど。
一応お付きの”クゼリー・レイル”さんとかいるし、大丈夫だと思うけど。
「あ、あのお客様はつい先ほどお席に着いたばかりでしてその―――」
「えぇぃ融通の利かん無能め!もういい、私が直接話をするっ!」
もう何週間、ひと月になるんじゃないか?南雲、お前が俺達の前からいなくなってさ。
メルドさんから話を聞いた時はショックだったし、罪悪感でいっぱいだったよ。
まさかお前がそこまで辛く抱え込んでいたなんて思わなかった。檜山達に笑われて、俺達も釣られて同じように笑っていたことが、お前を追い詰めていたなんて思わなかったんだ。
天之河の奴は「南雲は勘違いをしているだけだ!」とかなんとか叫んでいたけど、あんな風に言われてたんじゃ一生戻ってくるとは思わないよな。俺だって同じ立場ならそうする。
白崎さんは俺達全員に「私が南雲君を探すから、もし再会したら皆で謝ろう!」って言ってたけど、謝ってそれで仲直りなんて軽い話じゃないと思うんだよな。
俺が南雲の立場だったら「フザケんな!」ってキレるかもしれない。
そんな都合のいい話があってたまるか。無能だ劣っているだバカにされて、それでいなくなったらごめんなさい?謝ったから仲直りしよう?それで済んだら最初から出て行ったりしないだろ。
「何もしない。そっとしておくのが一番だと思うぜ」
俺達のパーティーの中で南雲についてどう接するか答えたのは野村だった。
野村は野村で「南雲の野郎!!美少女にお世話されて鼻の下伸ばしやがって!リア充が羨ましいんだよこんちくしょー!」とか思ってたみたいで、別にオタク趣味を悪くは言わなかった。
俺も別にアニメや漫画は嫌いじゃない。というか俺達は殆ど食わず嫌いはしない方だ。
だから野村の意見に俺達の全員が満場一致で頷いた。
南雲が帰ってくるか、あるいは何かの拍子で再会したとしても俺達から何か言ったりしたりってことはない。道端で会ったから「久しぶり」くらいの挨拶だけ交わして、それ以上はなにもしない。
……南雲が俺達に謝って欲しいって言ってきたら、それはそれでまた考える。
「……皆さん?大丈夫ですか、顔色が優れないようですが」
クゼリーさんが目敏く俺達の表情の変化に気づいて尋ねてきた。
折角気分転換にと誘ってくれたリリアーナさんを心配させるのは申し訳なかったから、俺達はすっと顔を見合わせて作り笑いを浮かべる。
「いやぁ、他のお客さんの迷惑になったら申し訳ないなぁ~って」
「そ、そうそう!俺達は別に国賓って訳じゃないんだからさぁ!」
「う、うんうん相席とか全然オッケーよアタシ達!ねぇ真央?」
「そうだよー!寧ろイケメンなら超ウェルカム的な~」
「そうでしたか。…ですが、皆さんはエヒト様により召喚された神の使徒。我々が国賓として扱うのは当然のことで御座います」
……逆にそういう扱いに慣れてないから息が詰まりそうなんですが……。
と俺達がクゼリーさんと話している間に、リリアーナさんがテラスに歩いていく。
どうやら店主さんと先客の間で話が纏まっていないみたいだ。
「……で、ですからお客様。料金の方は割引させて頂きますので、今すぐに1階の席へ移動して頂きたいのでありまして……」
「えぇ~そりゃないぜ。俺だってホルアドにさっき着いたばっかりで、明日にはここを出なきゃいけないんだぜ?ちょっとくらいテラスで寛いだって神様は怒りゃしないだろうよ」
「…そう、申されましてもですねぇ、はぁ……!」
あ、店主さんの眉間に青筋が寄ってる。キレそうな人の
けど見た目が細っこい店主さんが凄んでも、あの男の人に勝てそうとは思えない。
あの人、モーニングコートで着飾ってるけど見て分かる、凄い筋肉してるもん。
重吾も2人のやり取りよりあの人の上腕筋に注目してるし、このオッサン顔脳筋リーダーめ。
そうこうしていると、ついにリリアーナさんが2人の間に割って入った。
「あの、私達は相席でも気にしませんから……」
「リリアーナ様ッ!?そ、そういうわけには――――」
「……リリアーナ……?」
店主を宥めようとするリリアーナさん。
すると男の方がピクッと反応して椅子から立ち上がった。
うわっ、直立したら物凄い背高ぇ、軽く2メートルはあるんじゃないか?
しかも遠目に見て分かる、超イケメン。吉野が興奮して辻に同意求めてら。
「お前、本当にあのリリアーナか!?」
「―――えっ!もしかして貴方は、レイネルク様ッ!?」
どうやら顔見知りの2人だったらしい。
感激で笑みを浮かべたリリアーナさんが男の手を取って嬉しそうにする。
普段は落ち着いた雰囲気の人が急にはしゃいでいるギャップにドキッとする俺でした。あ、野村もなんか顔が赤いぞ?この浮気者め~。
「5年ぶりくらいか!あの小さかったお姫様が随分と別嬪さんになったもんだな!」
「えぇ、えぇ!本当に、このような場所で再会できる等と――――」
そのまま2人だけの世界に入られると困ると思ったのか、テラスの入り口で棒立ちしている俺達5人の隣に立っていたクゼリーさんがワザとらしい咳払いをする。
ハッとした表情で頬を赤らめたリリアーナが申し訳なさそうにこっちを向いた。
「申し訳ありません皆様、私がこの場にお招きしたというのに―――」
「あーいや俺達は別に気にしてないんで」
「そうそう!寧ろ5年ぶりの知人さんとの再会を優先して下さい!」
「出来ればその知人さんとのご関係についてじっくりとお話を!」
「ちょっ、馬鹿やめなさい真央!!?」
そうこうしていると、レイネルクと呼ばれた男の人がこっちを見た。
目が合うと改めて凄いイケメンだなぁと心にどす黒いオーラを隠し切れません。
吉野の奴なんか「きゃっ!」とか言いながら顔を真っ赤にしてるし、あっ野村が「俺は絶対に負けないし負けたとしても辻は譲らねぇ!」みたいな闘志燃やしてる。やめとけやめとけ野村、お前じゃあんな長身のイケメンにはひっくり返っても勝てっこないって。
「おっと、連れがいるのか。……お邪魔なら席を譲るが?」
「とんでもありません!レイネルク様が先に座られたのなら私達が」
「いやー此処はお前の親父さんが治める国の喫茶店で、お前はそこの王女様なんだから遠慮なく、こういう時は我儘に”妾に譲るのじゃ!”とか言ってもいいんだぜ?」
「そのようなこと言いません!でしたら――――」
結果、俺達5人とリリアーナさん、クゼリーさんがテラス席に座る。
男、後に紹介されるレイネルク・フォウワード・ゼンゲンさんも一緒に。
この出会いが後に意外なところで線を結ぶ点になるとは誰も思わなかった。
前半はレイの、後半は遠藤の視点っぽく書いてみました。
遠藤君の喋り方コレジャナイ感あったら申し訳ありません;
レイの容姿イメージはSAOに出てきたディアベルとオバロに出てきたブレインを足してイケメン要素で浅く日焼けさせた感じに、声はFE風花雪月のクロードみたいな。
感想、質問、ご指摘などお待ちしております。
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡