私事ですがワクチン接種してきました
二回目なので頭ぐわんぐわん、体中ぎっしぎし痛みますねえ……
この状態で書けば園部さんの気持ちが分かるかもとか考えた作者
作者の場合はポカリがぶ飲み、がっつり飯食い爆睡で大抵の病気は治ります
メンタル面は………うん………(白目)
ハルツィナ樹海の中、亜人国家フェアベルゲンはお通夜のように静まり返っていた。
人間に続いて魔人の侵入を許し、掟にあった忌み子を処刑することが出来ず、仲間内から内通者が出た……数百年続いて、これからも変わらなかった平穏な日常は一瞬で崩れ落ちた。
数百年のあいだ、何も変わろうとしなかった自分達が悪いのか?
あるいは数百年のあいだに変わっていた人間や魔人……彼らが悪いのか?
余裕綽々で他種族を見下し、嘲笑っていた熊人や虎人に以前のような勢いはない。
長老や側近が目にした樹海で最も恐れられる魔物の一体、黒狼鳥を使役する魔人族の存在。
その黒狼鳥を狩った帝国のハンターという常識破りの人間達。
二つの非常識に板挟みにされた彼らにトドメを刺した、一人のハンターの巧みな話術。
半強制的に約束を取り付けられた亜人族に、それを守る以外の選択肢はなかった。
守らなければ、その時が今度こそフェアベルゲン滅亡の時だと思い知らされたからだ。
全ての事が終わって、彼らは事後処理を淡々と行う他なかった。
人間族と共に樹海を去った……ように見えたが樹海の入り口に近い村でのんびりと新生活を始めようとしている兎人族と獣人族。
一方で魔人族を手引きして忽然と姿を消した狐人族。
三つの種族が治めていた領地を他の部族で分割して管理することで、帝国から近々返還されるという奴隷の亜人が暮らす場所として活用すること。
もう国の為、掟の為と武器を手に取って人間や魔人を追い返すことが出来なくなった戦士階級の者達は魔物を追い返す以外に暇を持て余してしまい、来たる雨期に備えて食糧確保の手伝いをするしかやることがなかった。
*
「お嬢様。それ以上奥へ進んではなりませんぞ!」
「それくらい私が何かする度に一々言われずとも分かっていますわ」
森人族の集落から少し離れたところ。
一面に色鮮やかな花が咲き乱れ、絨毯のように広がっている。
アルテナ・ハイピストはそこで花を摘んでいた。彼女から少し離れたところの木の枝に昇った森人族の若い戦士が心配そうに声をかけるが、彼女は振り返ることなく返事をする。
ハジメと黒狼鳥の戦いで結果的に最も被害が大きかったのは森人族だった。
家屋の一部が黒狼鳥の攻撃で焼け落ちて、集落にいた戦士階級の者が傷を負った。
アルテナの母、アイリスは集落を復興させるために忙しい日々を送っており、祖父アルフレリックは人間との交渉で責任を負う立場となったため、長老会議や他の部族への連絡のために何日も帰っていない。
幼いアルテナは当初それら全ての責任を
彼らは武器さえあれば森人族の集落で戦うこともなかった。それを自分達が武器を取り上げてしまったせいで、結果的に彼らが森人族の集落を巻き込んで戦わざるを得ない状況を作ってしまったのだ。
(あの方は今どうしているのでしょう……?)
ふとアルテナの脳裏に集落の武器庫で話したハジメの姿が浮かび上がる。
生まれてから一度も暴力というものと無縁に生きてきたアルテナを、悪漢のような台詞と共に拘束して恐喝までした男というのは初めての経験だった。
花を摘んだ指先から、ふと思い出したように視線を落とすアルテナ。
ハジメに掴まれていた手首、今は消えているがあの後少しだけ痣が残っていた。
痛くて嫌なもの……の筈なのに、彼女にはそれが愛おしく感じる。
(私に……
トクンッと胸の奥が高鳴って、頬が熱を帯びていく。
思わず花を持ったままの手で胸の奥の高鳴りを抑えようとするアルテナ。
しかしその心中に渦巻くのは嫌悪感とは真逆の……
(これはいけない事……いけない事の……筈なのに)
もう一度彼に触れられたい。
今度は優しく、乙女が花を愛でるときのように指先で撫でて……
逆に乱暴でも構わない、獲物を食らおうと牙を剥く魔物のように……
「………はうっ……」
(もう一度、彼にお会いしたいのです……)
それは誰に向けた懇願なのか。
1人恍惚とした笑みを浮かべて天を仰ぎ見るアルテナ。
護衛の森人はそんな彼女を直視出来ず、頬を赤くして視線を外す。
―――そんなときだった。
2人のいた花畑の近くで悍ましい魔物の咆哮が響き渡ったのは。
「「ッ!!」」
弾かれたように立ち上がるアルテナ。足元に摘んだ花が舞い落ちる。
護衛の森人は手にした弓に矢を番えて、鋭い目つきで周囲を見渡す。
気を緩めていたとはいえ、森人の鋭い聴覚が周囲の発する生き物の音を聞き逃す筈がなかった。
それなのに2人を耳を痺れさせるほどの声量を与える距離に魔物の接近を許した。
その理由を無意識に考えていた護衛の森人は、頭上に広がる暗雲に気が付く。
朝は晴れて木漏れ日が気持ちよかった空には灰色のどんよりとした雲が広がり、次第にぽつぽつと雨粒が落ちて周囲の草木や2人の体に当たる音が一帯に広がっていた。
雨の降り始めた音。それが魔物の接近を許した原因である。
「アルテナ様、慌てずお静かに……!私の居る木の下まで来てください!」
「は、はい……!」
息を小さく吐いて落ち着きを取り戻した護衛の森人に言われて、アルテナは頭を低くしてしゃがみ姿勢のまま足音を立てないように彼の立っている木のところまで歩き出そうとした。
その直後、空を切る音と共に巨大な影がアルテナの頭上を通過して――――――
「ぐわぁっ!?」
「ヒッ!」
護衛の森人が視界の端に捉えたのは黄色い巨大な果実。
それが枝葉を粉砕しながら木陰から彼を狙って飛来してきたのだ。
反応が僅かに遅れた彼は鈍い音を立ててぶつかった果実に吹き飛ばされる。
アルテナが小さく悲鳴をあげて足を止めた瞬間、
誰が呼んだか番人気取りの悪たれ坊、好物の柿を礫に不埒な悪行三昧。
樹海に棲む魔物の中でも特に厄介、出会い頭にちょっかいかけては逃げ隠れ。
相手が自ら手を下すまでもない弱者であろうと圧倒的な強者であろうと好奇心の赴くままに。
猿と蝙蝠を掛け合わせたような姿に、異様な発達を遂げた尻尾。
牙獣種でありながら飛行する機能を持つ腕羽と呼ばれた前脚を持つモンスター。
”ビシュテンゴ”別名を天狗獣を呼ばれる中型の牙獣種が姿を現したのだ。
「あ、ぁぁ……っ!」
悲鳴を上げることも出来ず、アルテナはその場に尻もちをついて後退る。
ビシュテンゴは護衛の森人が自分の投げた柿に吹っ飛ばされたことがよほど面白かったのか奇声を上げながら花畑の上でドタバタ飛び跳ねた。
(た、助けて……お母さま……!)
求める声は届かず、彼女が頼れる人は近くに誰一人としていない。
喜びから落ち着きを取り戻したビシュテンゴは、ついにその卑しい双眼をアルテナへと向ける。恐怖で歯をカチカチ打ち鳴らして、彼女は更に後ろへと後退る。
股の内側がじんわりと濡れて、吸いきれない布切れを通して地面に染み込む。
(誰か……誰か……私を……)
ビシュテンゴが腕羽を広げて、彼女を鷲掴みにしようとした瞬間―――
アルテナの背後の茂みを吹き飛ばして紅と黄の鮮やかな体色の鳥竜種が現れる。
突進してきた鳥竜の脚の間にいたアルテナは平気だったが、突然の乱入者に驚いたビシュテンゴは鳥竜の突進をモロに食らってしまう。
うめき声をあげて仰け反るビシュテンゴに向かって突進を止めた鳥竜が咆えた。
怒り状態にある鳥竜の体色は赤みを増して、黄色い羽毛は小刻みに震える。
胴体ほど膨らんだ尻尾の先から僅かに透明な水が零れ落ちた。
アルテナを助けた……というよりはその場にいたビシュテンゴを襲ったモンスター。
”プケプケ亜種”別名を水妖鳥と呼ぶ中型の鳥竜種である。
降り始めて勢いが強くなる雨の中、二頭のモンスターが花畑で出会ってしまった。
互いに花畑の周辺を縄張りとして意識している様子から退くことはない。
であれば縄張りを侵す不届き者に牙を剥くは自然の摂理。
アルテナという二頭の視界にギリギリ入るか入らないかの第三者を添えて、樹海のモンスター同士による縄張り争いが幕を開ける。
誰も突っ込まないけどプケプケ亜種って色合いと尻尾の行動的にどう見てもフルフル、ギギネブラ同様に(検閲削除済)なんですよね……そういう風に見えてるのは性欲まみれな作者だけでしょうか……?
ちなみに作者がライズで苦手なモンスはヤツカダキ、ビシュテンゴです。
(新しいモンスのモーションに慣れていないだけかもしれませんが……)
感想、質問、ご指摘などお待ちしております!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡