モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 こっちの更新が遅くなりました。
前回に引き続き、清水君視点でのお話になります。
正直シリアスが続かないのでギャグ路線かもしれません……
今回は原作キャラのあいつ等+ドバーッと適当につけたオリ名含めて登場します。


幕間の物語 魔国ガーランド 後編

 

 バルバルスの住人の半数から熱烈な歓迎を受けたアダムの背中をちょこちょこ追って辿り着いたのは巨大な壁に囲まれた首都の中央を独占する、鋼色の壁に囲まれた屋敷だった。

この鋼色の壁について俺は「鉄なのか?」と聞いたが、アダムは笑いを返すだけで答えなかった。

多分……いや絶対に鉄だけじゃないんだろうな……なんだろ、この世界のダイヤみたいなもんか?

 

 そして鋼色の壁の中で一箇所だけ通れるようなっている門―――当然だが町を囲む壁と同じ監視用の魔石が幾つも設置されている―――を通過して、野球場くらいの広さがある庭園の舗装された道の続く屋敷へと歩いた。

 

 アダムと俺が屋敷に近付くと内側の方から扉が開いて、中から人が出てきた。

現れたのは褐色肌が特徴の魔人族とは全くの正反対、真っ白な肌に真っ白な髪を靡かせた神秘的な雰囲気を纏わせた、俺と同い年くらいの女の子である。

ドレスとも甲冑とも思える衣装に身を包んだ女の子、エーアストはアダムの前で跪く。

その時、肩にかかった白い髪がさらりと垂れて俺はドキッとする。

 

(び、美少女だ……!)

 

「エーアスト、今帰ったぞ」

 

「お帰りなさいませ……()()()。夕餉の準備が出来ております、どうぞ此方へ」

 

 クラスメイトだった白崎や八重樫を容姿だけで遥かに上回る美少女の登場に心臓の鼓動は早くなった。エーアストさんはスッと顔をあげて俺にチラと目を向ける。

 

「此方の御方は?」

 

「うむ。オレが予てより勧誘していた神の使徒―――()()()()()()だった奴が連れて来た」

 

「成程……では勇者様とお呼びすれば宜しいでしょうか?」

 

 勇者……勇者ね……その単語を聞くだけで胸がムカつくよ。

昔の俺なら憧れて飛びつきそうな称号だけど、今はそう感じられない。

そう思うのも、あのご都合主義の人生ヌルゲー野郎の面影がチラつくからだろう。

俺の不機嫌な表情を見逃さずエーアストさんは無表情で首を傾げる。

 

「……ワタシはお客様を不快にさせる事を口にしましたか……?」

 

「あ、あぁいや……気にしないで下さい。……俺は勇者なんてすごい奴じゃありませんよ……俺の名前は清水幸利……苗字でも名前でも好きな方で呼んで下さい」

 

「では清水様とお呼びします」

 

 恭しく頭を下げるエーアストさんを咄嗟に手で制してしまう。

昔からの俺の悪い癖だ……卑屈になり過ぎて、人に頭を下げさせるのが申し訳なく感じる。

そんなやり取りをしていると、アダムは笑いながら俺の肩に手を置く。

 

「ハッハッハッ!エーアストよ、清水は勇者等と名ばかりの者とは違うのだ!自らの意思で我が軍門に下り、このオレと対等な立場であろうとしたのだからな!」

 

「は、はぁっ!?ちょ、俺はそんなつもりは――――――」

 

「なんと……」

 

 アダムゥ!適当を言うんじゃないよ!俺とお前が何時対等な関係になったぁ!?

ていうかエーアストさんも表情一つ変えずに口に手を当てて驚く仕草しなくていいから!

俺は下!お前は上!これ、大事!

 

 そんな一人ツッコミを心の中でかましていると、屋敷の中から足音が近づいてきた。

それも一人じゃない……数十人……いやもっと多い……!?

エーアストさんの後ろに視線を送った俺は、次の瞬間に目を疑った。

 

 屋敷の至る所から、()()()()()()()()()()()()()()姿()の銀髪美少女が出てきたのだ。

10人、20人、40人、100人……ヒィィィ……ちょっとしたホラー映像だぞこれ……!?

玄関に集まった銀髪美少女の集団はエーアストの前で足を止めて、声を揃えて同じ言葉を発した。

 

「「「「「お帰りなさいませ、我が主」」」」」

 

「うむ、皆…出迎えご苦労である!」

 

「いやちょっと待て!色々と突っ込ませろ!リアルに!!」

 

 俺の突っ込みにアダムはまた豪快に笑って肩を強めに叩いた。

アダム、俺の順に数百人の同じ顔から視線が集まる。……ヤバい、恐怖で漏らしそう。

普通ならこんなに美少女いて「ヤッター!」とか喜ぶんだろうけど……なんでだろ……

 

 アレだ、表情の変わらないマネキンが一杯集まってるようなホラーゲームあるじゃん?

今の雰囲気っていうのはそれに似ている。夜という時間も相まって恐怖感は抜群だ。

 

「「「「「我が主、其方の御方は?」」」」」

 

 え゛………これ俺もう一回同じ自己紹介しなきゃいけない流れなの?

この分だとまた何人か同じ顔の銀髪美少女が出て来る度に同じ事を繰り返さなきゃいけないの?

 

「清水様、ご心配には及びません」

 

 エーアストさん、ナチュラルに人の顔を見て心の声を読み取るのは止めましょうよ。

アダムしか出来ないと思って油断してたよ、思わず驚きで声がひっくり返りそうになったよ。

後ろの集団に振り返ったエーアストさんが眉間に手を当てて俯き気味に黙り込む。

背中しか見えない俺には彼女が何をしているのかは分からなかった。

 

 分かった事といえば、ドレス甲冑は背中が丸出しだったってことだけ。

ああいう衣装をなんて言うんだったか……確か童貞を殺す服……元ネタはセーターだったか。

そんな事を考えているとエーアストさんと同じように数百人の銀髪美少女軍団が俯く。

 

「――――――成程、清水様とお呼びすれば宜しいのですね」

 

「感謝します、個体識別名称エーアスト」

 

「感謝の言葉は不要ですよ、個体識別名称アインス・アルサーク」

 

「感謝の言葉は不要という言葉を否定します個体識別名称エーアスト。個体識別名称レナスは我が主より、何かをして貰ったら相手に感謝の言葉を述べるべきだという命令を受諾しています」

 

「是。しかし使徒同士での情報共有に我が主の命令が該当するか疑問を提示します」

 

(………え、いま……なに話してたの?個体…なんだって?)

 

 ファンタジーな世界に随分とSFチックな言葉遣いの女の子達がいるなんて……!?

そんな俺の心の驚愕を他所に銀髪美少女たちは淡々とした口調で何やら話している。

アダムはそんな彼女達の方へ歩いていき――――――唐突にレナスの頭を撫でまわす。

 

 その瞬間、今まで表情を変えなかった彼女達が一斉に感情というものを露わにした。

正確には頭を撫でられたレナスさんが「あっ」とか細い声をあげて頬を朱に染め、それを見た周りの銀髪美少女が揃って半口を開けて羨ましそうに目を細めている。

 

「クククッ、少しずつだが……お前らも()()()()()()が出てきたじゃないか」

 

「あっ、あっ――――――感謝、します―――我が、あっ、主―――んっ!」

 

「個体識別名称レナスに対する我が主からの寵愛行為を確認。個体識別名称アイシャは同様の行為を下賜される事を強く所望します」

 

「個体識別名称アイシャに同調します。我が主、個体識別名称アインス・アルサークもそれを希望します」

 

「個体識別名称エーアストも希望します」

「ミネアも―――」「ディアナも―――」「スノゥも―――」「セレネも―――」「フロラも―――」「モリガンも―――」「テティスも―――」「サクラも―――」「ユキノも―――」

 

(うわああぁぁぁぁぁ羨ましいけど怖いいぃぃぃぃぃっ!!!)

 

 名前以外は全く同じ口調で同じ言葉を吐き出す銀髪美少女の集団はアダムに集る。

アダムはまたひと際高笑いして、一人一人の頭を丁寧に撫でまわしていた。

 

「クッハッハッハッ!甘えん坊共め、良かろう!皆、オレの寵愛を受けるが良い!」

 

 ……というか頭を撫でて甘い声を出させるとか、アダムの手は媚薬か何か注入されてんの?

それかあの銀髪美少女の集団はそういう風になるようアダムが調教か洗脳でもしてるの?

俺の疑問をあの美少女に囲まれた中でも読み取ったのか、アダムは顔だけ向けて答えてくれた。

 

「清水よ、俺は此奴らに下賤な薬も服従の魔法も使っていないぞ?ただ生物としての在り方を()()()()()きっかけを与えたに過ぎぬ。変わろうと自我に目覚めたのは此奴らの意志だ」

 

(生物の……在り方……?変えさせた?……それじゃまるで彼女達は――――――)

 

 と俺が考えを巡らせようとした瞬間、屋敷が揺れた。

屋敷の天井を突き破った何かがアダムの方を目掛けて突っ込んだ。

着地の風圧で銀髪の美少女軍団は吹っ飛ばされる。

当然、何も構えてなかった俺も庭の方へと吹き飛ばされたが――――――

 

「清水様、お怪我はありませんでしたか?」

 

「え、あっ……ありがとう御座います。……えっと……」

 

「アインス・アルサークです」

 

「ありがとう御座います、アルサークさん……」

 

 どれが誰なのか全然分からないんですけど!?

とか心の中で叫んでいると、衝撃で立ち昇った土煙が晴れてきた。

中心からギリギリと金属の擦る音がして、シルエットが浮かび上がる。

 

 そこにいたのは新しい銀髪美少女だが、行動だけ一人だけ異質だった。

手にした身の丈ほどある大剣を二振り、アダムの方へと向けていた。

アダムは二本の大剣を左右の指先で器用に挟んで動きを止めている。

無表情の銀髪美少女に対してアダムより先にアルサークさんが口を開く。

 

「個体識別名称ノイント。我が主に敵対する行為に疑問を提示します」

 

「訂正。貴女のそれは疑問ではなく質問です。私が貴女の質問に答える義務はありません。――――――()()()を裏切り、魔王を僭称するこの男に従属する事を選択した欠陥品には」

 

「クククッ……何時かは来ると思っていたが、随分と遅い登場じゃないか?お前の主とやらはオレが動き出すより先に手を打つことが出来んのか。その程度で神を名乗る等と笑わせてくれる!」

 

「黙りなさいイレギュラー。貴方は創造主の計画にない、この世界には必要ない存在です。よって創造主に代わって真の神の使徒・個体識別名称ノイントが貴方を排除します」

 

(………は?………真・神の使徒………ノイント………なんだそれ!?)

 

 突然、銀髪美少女の軍団が住むアダムの屋敷に襲撃してきた同じ姿の銀髪美少女ノイント。

その口から発せられた聞き覚えのある単語と聞き覚えのない単語の混合に、俺はただ困惑するだけだった。アダムだけが意味深な表情で歯を剥き出しにして笑うだけ。

 

 突然始まったアダム対ノイント……俺は……これ巻き込まれて死んだりしないよなぁ!?

モンスターに襲われて死ぬかもしれないと思って逃げ出し、運良く生き延びた先で超人同士の戦いに巻き込まれて死ぬとか嫌だあぁぁぁぁ!

 

「安心しろ清水!お前は死なない!―――――多分なッ!」

 

「一言余計なんだよお前ええええええええええぇぇぇっ!」

 

 




 補足ですがアダムはレベルを1~100としたらカンストのLv100です。
ノイントはLv80固定、清水君は今のところ10~20くらいじゃないかなぁ……
勇者君?Lv30くらいじゃない(鼻ホジ)
ハンター達は測定不能です(チートとかそういう意味は含まれず)

 このままvsノイント戦かなぁ……というか本編時系列的に考えても転移魔法なしでよくノイントさんバルバルスまで来られたなぁ……空にはアイツとかその他色々とブーンしてるのに。

感想、質問、ご指摘等お待ちしております!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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