モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 作者の気分が一人称視点になったので此方を少し続けます。
タイトルにある三者三様に共通するのは「姫ないし女王」という王族の身分に身を置く女達です(もう後の二人を一々隠す必要ないのに頑なに名前を書かない作者の屑)

 念のためにこれを投稿した後にタグを増やそうかなと思ってます。
この作品オリ展開+オリキャラ+原作キャラ崩壊が凄まじいので「原作キャラ改変」もつけておくべきかと(今更感)


幕間の物語 三者三様・竜人の女王編

 我ら竜人族は元々、複数の亜人・人間から成る民族の集まりだった。

それが長い時の中で血が混じり合い、いつしか尖がり耳と四本しかない指が竜人の特徴になった。

人間には以前、気味悪がられたから……足の造りが鳥類に近い事を隠している。

 

 まぁその人間との付き合いも数百年前に途切れたきりだが。

今の竜人は我ら()()に籠る者達と外界を渡り歩く流浪の民とに分かれている。

風の噂で流浪の民の一部が人間の国、帝国とやらに竜人の技術を伝えたと聞いた。

これに仙境の同族達は怒り狂ったが、()()別に怒るようなことでもないと思った。

 

 しかし同族の怒りも分からないでもない。

我ら仙境に籠った者達は等しく、人間に迫害されて住む場所を追われたのだから。

理由は何だったのか、今でも分からない。

耳が人間と同じじゃないから?指が四本しかないから?

それとも―――彼らが信奉する神の教義とやらに我らは悪と断じられたから?

 

 我ら竜人は叡智を司るもの。

故に憶測で物を語らない。迫害を甘んじて受け入れる他なかった。

我らが信じる神に名はない。―――正確には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 迫害から逃れ、歴史の陰に潜んで三百年近くが経過したのであろうな。

それよりも更に二百年も前、私の両親はこの世界の真実とやらに触れて死んでしまった。

種族を纏める王を失い、民草は老いた祖父に王の代わりを務めさせたが、私は父が死んだという現実を残酷にも民草から突きつけられておかしくなってしまいそうだった。

 

 それでもと心に言い聞かせて、老いた祖父から幼い身ながら王道を学び、竜人としては初の試みであった女王の座につけたのは、私に流れる血の為せる力なのだろうな。

そして現在―――妾 ”ティオ・クラルス”は世界の変化に一族の長として向き合っていた。

 

 

「揺り籠は壊れたのだ……空に凶兆の星が灯ったと流浪の民より文が届いた」

 

「山が崩れ、老いた龍が行き場を失って逃げ出した……伝説は現実となる!」

 

「この大陸の外から、続々と古より生きるもの達が集まり始めておる……」

 

「これが世の終わりだと云うのか……我らは傍観することしか出来ぬのか?」

 

「この期に及んで、人間も亜人も、魔人も……下らん争いに現を抜かしておると!?」

 

「もうダメじゃ、お終いじゃあ……皆滅びるしかないのじゃあっ」

 

 揃いも揃って千年近く生きた老人共は……妾の前で後ろ向きなことしか口にせん。

雲の合間に隠れた仙境の里、王宮には竜人族の識者たちが集まっている。

妾が玉座で退屈そうに肘をついて見つめているのにも気づいていない。

 

 えぇいまったく!何度も同じ光景を見てきた妾からすれば退屈極まりない!

貴様等はそうやって百年に一度は滅ぶ滅ぶと言わねば気が済まんのか!?何かの病かそれは!

―――等と口汚く罵ることは出来ぬ、妾は女王ゆえに……言葉は選ばねばならん。

 

「皆の者、女王の御前であるぞ。私語は慎まれよ」

 

 従者の言葉ですぐに部屋の中は静まり返る。

ゆっくりと老人たちの縋るような目は妾へと集まった。

パチンとお気に入りの鉄扇を閉じて床に置き、顔を上げて話し始める。

 

「南の集落から何か報告は入っているか、リド」

 

「はっ――――――数日前に魔人が一人、雪原の上空を南下していったと」

 

 この仙境は氷山と雪原に挟まれた霧深き高地にある。

魔人族と人間族の戦争の最前線にありながら、一度たりとも攻め入られた事はない。

ここ一帯のモンスターが凶暴であるがゆえに足を運ぶ者はいないからだ。

しかし劣勢にある人間族は別として、魔人族には最新の注意を払わなければならない。

 

「一人か………大方、あの魔王がまた何やらしでかしたのだろう」

 

「魔王アダム……」

「人に近き者でありながら、空を飛ぶ等と恐れ知らずなものよ」

「魔人の新たなる指導者。奴の考えている事など読める者は居らん」

「よしんば心の内を読んだとて、理解出来る者など……」

 

 魔人族は数十年の間に急成長を遂げた。

魔法の力は日ごとに力を増し、ついにはモンスターを従える術を手に入れたという。

闇属性の魔法や錬金術による特殊な薬で強制的にモンスターを支配下に置いたのであると老人たちは考えておるが……その程度で命あるものの自由を奪えるものかよ。

恐らく竜人であればその答えを知ることなど容易であろうが、受け入れ難い事実でもある。

 

 古よりかの大迷宮に残された根源に至る魔法”神代魔法”その内の一つ”変成魔法”

人間達の記憶からは忌まわしき過去と共に忘れ去られた神代魔法を、あの魔王は手にしたのだ。

()()()()()()()である変成魔法なら、モンスターを従属させることなど造作もない。

 

 古くにはモンスターの成り立ちは変成魔法の使い手による暴走が始まりとされてきた。

しかしそれは誤った考えであり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

トータスの環境が長い年月の中で変化していくに連れて、姿や形の他に特殊な力を備えるようになったモンスターは、今も進化を続けている。

 

 これはあくまで妾の予想でしかないが、アダムは仙境(ここ)の存在に気づいている。

人間と魔人の戦争が始まるよりずっと早くに姿を消した竜人が生き永らえている事を知っている。

敢えて亜人族のように仲間へと引き込もうとしない理由が何故なのか、妾には理解出来なかった。

 

 竜人の祖先が人間に伝えたモンスターを狩る術が、魔人族の侵攻を妨げているというのに。

かつて()()()()()()()()()()()()()()()()()はごく最近、人間の国の一つに伝わった。

 

「大局を見誤れば、妾たちも無事では済まぬだろうな」

 

「かといって何方(どちら)かの傘下に入るのは得策ではありませんぞ」

 

「分かっておるわ」

 

 妾の呟きに相談役として長の立場を退いた祖父”アドゥル・クラルス”が静かに囁いた。

その通りだとは思う。人間族とは過去の遺恨があり、未だに竜人は彼らから迫害されている。

そんな者達に手を貸すなど笑止千万。妾の中に潜む悪意が囁く甘い言葉に耳を傾けるのであれば、人間も数百年前の竜人と同じようになってしまえばいいとすら思った。

 

 だからといって魔人族に手を貸すつもりは毛頭ない。

奴らは奴らが信仰する神アルヴの教義に染まった時から、魔人以外の命を等しく下に見ている。

魔王はその教義を否定しているが、他の種族を攻めるという一点に関しては他と変わらない。

 

 仮に人間と手を組めば、真っ先に竜人族を潰しにかかるだろう。

逆に魔人と手を組めば、人間は竜人を使い捨ての先兵にしようと考えるだろう。

八方塞がりとなった竜人に残された道は……守りを固めて傍観に徹すること。

 

 この後に世界が滅びに向かうというのであれば、運命の導きとして受け入れる他ない。

結局のところ、妾も口には出せないだけで……心の中で思っている事は老人たちと同じだった。

いつもと変わらない会議を終えようとした――――――その時である。

 

「ティオ様、帝国に潜り込ませた間諜より書簡が届きました」

 

「此処に持て」

 

「はっ―――」

 

 伝令役の部下がバタバタと駆けていき、数秒の後に折り畳まれた書簡を持って部屋に入る。

妾の前で跪き、両掌で差し出された書簡を手に取って足元に広げた。

人間族のハンターに身を窶して向こうの状況を調べている間諜、()()()には頭が上がらない。

 

 ふむ……公国に目立った動きはなく、強いて赤竜大山の龍脈の流れに変化有りとな。

かつては疫病や飢饉に悩まされていたあの国が、今は人間の国の中で最も急成長を遂げている。

形としては王国の下に付いているが……時期が来れば一国として独り立ちも叶うだろう。

狩人を志す若者も徐々に増えていると聞く。一度砂の海を見にいってみたいものだ。

 

 海上都市では海人の子どもが何者かに誘拐されて厳戒態勢を取っていると……

まったく、戦時下でありながら幼子を攫って銭を稼ごうなど外道の極みよのう。

仙境で斯様な振舞いをすれば、即座に妾手ずから地の底へ叩き落としてくれるわ!

 

 王国は農業の産出量が例年の倍近くにまで膨れ上がったと……成程、()()()()()の影響か。

ふふふっ……また王宮をこっそり抜け出して湖の町の祭りに紛れ込んでやろうかのう。

あそこは王国の土地であるというのに、妙に亜人やハンターを歓迎しているからな。

……冗談じゃ祖父よ、そのように人の心を読んで険しい顔をするでないわ。

 

 神山や王都に目立った動きはなし。()()()()()()()()に至る者は現れずか。

数十年前に強き冒険者が古のものと刃を交えて無念の死を遂げたと聞くが……

はてさて、解放者殿は如何なる手法にて彼のものを迷宮の門番に拵えたのやら。

フゥ…ハンター達をあそこに誘導する口実が作れれば良いのじゃが……何か妙案はないかのう。

 

 商業都市には裏社会主催でモンスターの見世物小屋が開かれるとの噂有りと。

やれやれじゃ……変成魔法も無しにそのような事をして、それが古のものの怒りに触れぬ事を祈るばかりじゃのう。災いが降りかかれば、無関係な者とて無事では済まぬのだからな。

……む?これもまた噂だが、帝国の皇女と王国の王女が商業都市にて密会すると……

皇女の方は確か戦姫などと仰々しい呼び名がついておったな。

 

……妾も欲しいのう、そういうの……偉大なる女王とか、漆黒の竜姫とか……

 

 帝国では老山龍を討伐して町がお祭り騒ぎ、帝都も大いに賑わっているか。

あの動く霊峰とまで言われた竜を討つとは……よほど優れた狩人がいたと見る。

しかし……この様子ではまだ足下の根源に気づいていないと見た。

妾たちも正確な場所を把握してはおらぬが、恐らくはあそこに在るのじゃろう。

何れは知らせてやるべきか……いや、狩人なら遠からず見つけられるだろうて。

 

 樹海には動きなし。

魔人族と人間族の双方が奇しくも協力関係を築こうとしたらしいが………それから何も動きがないところを察するに中立の立場になったか……或いは()()()()()()()()()ように追い込まれたか。

同じように迫害された身としては同情するが……明日は我が身と戒めねばならんな。

 

「見させて貰った。間諜の者には暫し休みを与えてやれ」

 

「承知しました。直ちに鳥を放ちます」

 

「うむ、人間にも魔人にも気取られるでないぞ」

 

 折り畳み直した書簡を返すと、伝令役は足早に退出する。

妾は先ほどの書簡の内容をざっくりと分かり易いように要点だけを纏めて話した。

老人たちは例の如く人間の動きに一切の関心を持たず、赤竜大山や樹海のことを考える。

 

……まぁ確かに、あの竜が未だになんの動きも見せないのは不気味ではあるがな……

帝国も王国も公国も……伝承の通りであれば、あと()()()()()()()()()()()()

この日も最後まで話し合いというよりは互いの不安を確かめ合うような事ばかりを繰り返す。

 

 

 

――――――そろそろ一族の長として、彼らの当たり前を終わらせるべきか。

 




 例の如く分かり易くするなら「竜人視点で見た世界情勢」って感じです。
こっちのティオさんは原作みたいな展開になってないので常時スーパーティオさん。
原作だと姫君でしたが、こっちだと王の娘でそこそこ年齢重ねてる(竜人としては恐らく若い部類なんでしょうが)ので女王になってます。

 竜人の仙境のイメージですが、モンハンライズのカムラの里とフロムソフトウェアのSEKIROの葦名を足して2で割った感じです(つまり修羅の国)
あと亜人ほどじゃありませんが竜人も過去に迫害を受けてるので人間に対して良い感情は抱いてません。迫害されていないのは海人くらいですかね?

 しれっと原作の重要単語を出すティオさん。原作でも父親(故)から世界の真実をある程度聞かされてるっぽいので、こっちは竜人が大昔に解放者達と関係を持っていたという流れを作りました。わぁ、迷宮編書くのが大変になるぞお!(自身への戒め)


感想、質問、ご指摘等お待ちしております。

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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