モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 これも書くべきか迷っていたけど、ちゃんと各々の視点というか話に区切りをつけておきたいなと思ったので小出し投稿。
こちら第四章「騒動の終わり」直後の時間軸から始まります。
例の如く清水君視点で、ますます裏主人公感出ちゃうな彼…


幕間の物語 清水幸利、初任務終了のお知らせ

 よう皆、清水幸利だ。

高校生にもなって恥ずかしいけれど、同い年の男子と友達になったぜ。

これで俺もボッチ脱却だ、フゥーハハハ!!…なんか虚しくなってきたな…

 

 モンスターの支配という最初の一歩は踏み出せたが、支配した奴は全員死んだ。

あの空から突然降ってきたとんでもない奴に最後の一匹を襲われて、俺はその場から逃げた。

それから荒野に続く門の方へ行き、騒ぎに乗じて検問をスルーしてフューレンから出た。

 

 出る時に、俺とアダムが乗ってきたドスギルオスが惨い姿で死んでいたのを見て驚いた。

ハジメがあんな風にモンスターと戦えたのも驚きだが、それ以上に腕の立つ奴がいるのかと…

…普通に勇者(アレ)より強い奴いっぱいいるじゃねえか、俺ら召喚された意味ないじゃん。

フザケんなよエヒトルジュエって奴、いつか会ったらモンスターに襲わせてぶっ殺してやる。

 

「戻ったか清水よ。―――ククッ、その様子じゃ勧誘は失敗のようだな」

 

「…悪い、アダム…上手く誘えなかった…」

 

 夕方で辺りが暗くなった街道の端を歩いていた俺の前にアダムが現れた。

相変わらずコイツの薄ら笑いは何もかもお見通しだと言わんばかりだ。

俺の心の声だけじゃなく、記憶まで読み取ったかのようにアダムは言った。

 

「……ほう?敵でありながら友情を結ぶ道を選んだと…中々に愉快な奴だな、お前の友は」

 

「あぁ、凄い奴だなとは思ってたけど…俺の想像を軽く超えたよ…」

 

「…フム…お前も失敗したにしては、やけに表情が明るいが…そういう事か」

 

「…これが明るい表情か?」

 

 自慢じゃないが目の下に隈がある俺は表情を取り繕っても不気味なだけだ。

自然に笑えばゲス顔呼ばわり、俯いたら根暗扱い、歩く姿は不審者とは俺の事だぜ!!

…ヤバい、自分で口にしたら泣きなくなってきた…

 

「ハハハハハッ!相変わらず面白い奴だなお前は!それに本来の目的であった支配の実験も上手くいったようだな!良い!褒めてやろうではないか!」

 

「いや…失敗だよ、殆どアイツにやられちまったし。最後の一匹だって空からいきなり振ってきた銀色の竜に瞬殺されちまった…褒められる事は何も出来てない」

 

「ほう…あの凶星が現れたか…ならば尚の事、よく無事に帰ってこれたな清水よ」

 

「…え、アレってそんなにヤバい奴だったのか?」

 

 そんな話をしていた時だった、突如木々を薙ぎ倒して俺達の眼前にモンスターが現れた。

卵色の肌をした鳥みたいな顔した恐竜っぽい巨大なモンスターがグエグエ!と俺らを威嚇する。

両手には青白い光を放つ水晶を抱えているけど、なんか見た目も相まって変な組み合わせだな。

モンスターに遭遇しても俺の中に以前のような恐怖はなく、冷静にそいつへ右手を翳した。

 

「黙れ。俺の支配を受け入れろ―――”変成魔法”発動」

 

 口に出して詠唱するのはこっ恥ずかしいと前々から思っていたけど、なんか最近慣れてきた。

闇属性特有の紫色の怪しい光に照らされて、鳥竜のモンスターは苦しそうに呻いている。

片手じゃ足りないかと、左手も併せて更に魔法を強くかけるイメージを浮かべた。

 

―――グエエェ…ェッ

 

 泡を噴き出して、目をひん剥いたソイツは地面に倒れてビクンビクンと痙攣し始めた。

すると今まで黙っていたアダムがやれやれと言った風に苦笑して俺に言う。

 

「やり過ぎた清水、この程度の相手に魔力を全部使うつもりか?」

 

「…しょうがねぇだろ…貰ったばかりの力で勝手が分からないんだよ」

 

「ククッ、バルバルスに戻ったらお前のやるべき事は決まったようなものだな」

 

 勉強ですよねえ…分かってるよチクショー!学生の本分を忘れたわけじゃないやい!

まずはこの世界の魔法について、王国の訓練じゃ偏った知識しか教えて貰えなかったからな。

アダムでもエーアストさん達でも手当たり次第に詳しい人から話を聞いてメモりまくってやる。

 

 それとモンスターの種類とか名前とか、生態も調べる必要がある。

俺の直感だがこの変成魔法の支配、上手く制御するには術者の知識が試される代物だ。

対象のことをよく理解しているほど制御し易く、また消費する魔力も少量で済む。

 

 それから戦争に参加するってのは変わらないんだから、軍略とかも覚えなきゃダメだよな。

…あぁ畜生、もっと向こうに居る間にストラテジーゲームとかやり込んでおけばよかった!

俺の最初に目指すべきポジションは魔王の片腕。

将軍ってポジションはもうフリードって奴に取られてるから、俺は軍師とか目指すぞ。

等と考えていたらアダムがケラケラ笑いながら肩を叩かれた。

 

「フハハハハ!!相も変わらず身の丈に合わぬ大望を抱くか清水よ!つくづく面白い奴だ」

 

「…いいだろ別に!…立ち止まってる暇なんて、ねえんだからよ…」

 

 俺がこうやって考えてる間も、ハジメの奴も前に進もうとしてるんだ。

これは競争に近い、今はアイツが俺を実力で上回っているけれど…

次にあった時にアイツが俺の支配するモンスターの前に膝を着いたら、俺の勝ちだ。

 

(その時は思い切り煽ってやる…!)

 

 やっぱり俺はさっぱりした性格とかマトモな精神には戻れないらしい。

卑屈さは緩和されたものの、小物っぽい性格は自分のことながら治す事は不可能だと思う。

バルバルスまでの帰り道、俺が支配したモンスター…アダムから教えて貰ったが”クルルヤック”って言うらしい。二人でソイツの背に乗って帰った。

帰り道と言っても、ドスギルオスで来た道を戻るだけなんだけどな。

 

「フム、本来はこのサイズのクルルヤックは珍しいのだがな…抱えた水晶が関係しているのか」

 

「それも含めて俺が調べるよ、結果が纏まったら報告する」

 

「ハハハッ!さっそく軍師らしい言い回しを覚えたか清水よ!」

 

「うっせえ!一々ひとの心を読んで笑うんじゃねえ!」

 

「フハハハハッ、ハァーッハッハッハッ!!」

 

 魔人族と下についた俺の初仕事、フューレンへの偵察任務はこれが終わりだった。

後でバルバルスに戻ってからカトレアさんの夫ミハイルさんに聞いた話だけど…

アダムの奴が支配種で暴れさせたお陰でちょっとした牽制になったんだとさ。

 

 笑うだけで何もしてないと思ってたら、アイツ普通に仕事してるから腹立つよ。

つうか魔王が自分勝手に敵国の中を歩き回るなよ!ミハイルさんの目がちょっと死んでたぞ!

 

 




 清水君、ちゃっかりヤベー奴を連れて帰ったから戦果はプラスという…(今後登場するか分からないけど、あの歴戦王クルルヤックが抱えて持ってたクリスタル、アレ…もしかしたら大迷宮に眠るアーティファクト並みにぶっ飛んだ代物です)
これで暫く清水君はお休みかな…?また逢う日まで…元気にフォーエバー!

感想、質問、ご指摘等お待ちしております。

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡

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