余談ですが作者ハンターはMHXXの集会所クエストがやっと上位の最後のランクにまで上がれたのでこの後は例の妖星と戯れることに…ルゥム姉貴の武器である鬼哭斬破刀を作りました。
本編第四章「苦悩の夜と別れの朝」の日にあったことです。
つまりその日の夜、ハジメ君が三人の女とイチャイチャしてる間に……合掌……
宿場町ホルアドの宿に集まった神の使徒達、その顔色は全員暗かった。
彼らに同行した騎士団にも表に出さないだけで動揺が広がっている。
騎士団長のメルド・ロギンスは苦しい表情でそれを見守ることしか出来ない。
憔悴しきった王エリヒドからオルクス大迷宮攻略の命令が届いたのは先日のこと。
メルドより先に呼び出されていた勇者、天之河光輝の話では教皇イシュタルより神の使徒としての役目をまっとうせよと厳命が下された。
光輝から話を聞いた神の使徒達に拒否する権利はなく、ホルアドまで連れてこられた。
「大丈夫だ皆、安心してくれ!俺達はあの時とは違う、訓練を積んで強くなってるんだ!…もう誰も死なせたりしない…!俺が先頭に立って皆を守ってみせるさ!!」
彼の言葉を聞いても、使徒達の誰一人として安堵の表情を浮かべる事は無かった。
彼に同調しているのは同じように自らの鍛錬の成果を見せつけて、あの日の雪辱を晴らす機会が与えられた事に意気揚々としている友人の坂上龍太郎くらいである。
永山パーティーの女子二人、辻綾子と吉野真央はお互い身を寄せ合って恐怖に耐えるばかりで、リーダーである永山重吾ですらあの魔獣に勝てるという確証が持てず、ただ生き残る方法を模索する事しか出来なかった。
遠藤浩介と野村健太郎も過去を思い出して静かに身震いしている。
小悪党の四人は当初、オルクス大迷宮にまた行くなんて御免だと猛反対していたが、もしそれが出来なければ今後王国の金で衣食住を保障される事は無いとメルドに告げられて渋々といった様子で従っていた。
宿屋の通路を歩く勇者パーティーの女子二人、谷口鈴と中村恵理の表情は暗い。
図書館に籠ってばかりでずっと握っていなかった杖を震えた手で握り締めているのだ。
恵理が横目で鈴の様子を窺うと、いつもの明るい彼女の表情はそこにない。
(……クソ……こんな時くらい、お前はいつも能天気に笑ってくれてただろうがよ……)
素の人格というものを隠している恵理の心中はあまり穏やかなものではなかった。
ここ暫くの間、鈴の良き友人として振舞わなければならない日々がずっと続いていた事から愛しの光輝と話をする機会さえ手に入れられなかった事が、精神的なストレスとなっている。
加えて彼女もオルクス大迷宮という場所にもう一度飛び込むのには反対していた。
あんな訳の分からない状況で光輝にもしもの事があったらと思うだけで気が狂いそうだった。
この時、彼女は気づいていなかったかもしれないが…無意識に突いた恵理の悪態。
そこには谷口鈴という上辺だけの付き合いをする友人の何時もと違う様子、当たり前だと思っていた彼女の振舞いがない事への苛立ちに混じって、鈴のことを心から心配する意味も含まれていた。
「…あっ、かおりん…」
「―――鈴ちゃん、恵理ちゃん」
鈴は空き部屋の前で立ち止まる同じパーティーの治癒師、白崎香織の姿を見つけて声をかける。
鈴同様に香織の表情に何時ものような明るい笑顔はなく、思いつめた表情をしていた。
恵理は内心「ハハァン」と嘲笑う気持ちを隠して彼女に話しかける。
「そこ…南雲君の部屋だったんだよね」
「うん…二人には前にも話したよね…あの日の夜のこと」
ハジメがいなくなった理由をメルドから告げられて泣き崩れた香織、彼女を慰めようとしているうちに鈴と恵理は彼女が一番最後にハジメと会った夜の話を聞かされたのだった。
鈴は終始泣いてる彼女を元気づけようと声を掛けていたが、恵理は裏で呆れていた。
(そら夢でお前がいなくなるとか、宿に残れとか…白崎の好意に気づいてない南雲からすりゃお前は愚図で使い物にならないから付いて来るなって言われたんだと思っちまうだろうよ…まぁ、南雲が虐められてることに気づいてる様子もない白崎じゃそこまで察する事も出来なかったんだろうね。)
恵理の中でハジメが生きている可能性は限りなくゼロに近いと思っている。
この世界の魔物の強さは想像していたより遥かに恐ろしいものだった。
話を聞く限りでは王国領内ではそこまで問題になっていないものの、他国では魔物に襲われる等の問題が日常的に起こっているのだという。
(案外、南雲が逃げる決意を最後に後押ししたのはお前かもしれないな白崎?恋は盲目~なんていうけど、相手が死ぬほど苦しんでたことに気づかないまでいくかねぇ。ま、今更そんな事を言っても遅いんだけど)
そんな所に右も左も分からない異世界から来た最弱の錬成師一人が放り出されたどうなるか?
とっくの昔に襲われて、魔物の胃袋の中で肉片が溶かされていても不思議じゃないだろう。
(…ハァ…白崎を光輝君から遠ざける良い道具だったのに…残念だよ)
利用価値のあるクラスメイトの死を、恵理はそれなりに悔やんでいた。
もっと早くに自分から声をかけていれば…利用する手もあったかもしれないというのに。
しかしそんな後悔の声も口に出せず、恵理は静かに優しいクラスメイトの演技をする。
「―――南雲君がいなくなったのは、白崎さんのせいなんかじゃないよ」
「…そう…なのかな。…私、もう何も分かんないよ…」
俯いて胸に手を当てる香織に対し、鈴も恵理もかける言葉が見つからない。
そこに香織を探していた彼女の親友、八重樫雫が駆け寄ってきた。
「香織…それに鈴に恵理、メルドさん達が呼んでるわ…もう出発だって」
「……うん」
「……仕方ないわ、王様の命令だもの。…南雲君探しは、大迷宮から帰ってきたらにしましょう?何か新しい情報が得られるかもしれないし」
「…そう、だね…分かったよ雫ちゃん」
情けない笑みを浮かべて香織は息を軽く吐いてから気持ちを切り替える。
鈴と恵理もそれに続いて雫の手招きする宿屋の外へと向かうのだった……
*
オルクス大迷宮の入り口前広場に神の使徒達と王国騎士団が現れた。
その話はすぐにホルアド中に広まって、一目彼らの姿を見ようと大勢の人が集まる。
しかし集まった者達は以前のように歓喜の声や声援を送ることはなく、ただ前回の大迷宮攻略から空いた期間、使徒達や騎士団が何をしていたのか疑問を抱く曖昧な表情を浮かべていた。
「―――これより、オルクス大迷宮に突入する!各員気合を入れろ!」
「「「「「ハッ!」」」」」
メルド団長の掛け声に五人の騎士が威勢よく返事をする。
メルドは一瞬、彼らの立ち姿に亡き部下の面影を重ねてしまったがすぐに頭を振った。
もう彼らは死んだのだ…それをずっと引き摺っていられる状況ではない。
振り返ったメルド団長と五人の騎士、そして神の使徒達の前で…踏み入れたが最後、二度と日の光が当たらない暗闇の底に束縛しようとするオルクス大迷宮の不気味な空気が漂っていた。
死んでないけど死んでるものと思われて中村さんに同情されるハジメ君だった…
彼女的には自分の本命を落とす為の障害を排除する良い小道具くらいには彼に好印象?を抱いていたようですね(本命の彼がハジメ君を毛嫌いしていたことに関しては別にどうでも良かった、ぶっちゃけ無関心)
五人の名もなき生贄ゲッフンゲッフン!もとい勇敢な騎士達です。
死に損なったメルド団長共々、使徒君達と仲良く奮闘して貰いましょうね。
オルクス大迷宮は二十層を越えてからが本番!気合を入れて逝きましょう!
感想、質問、ご指摘等お待ちしております。
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡