モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 今回はちょっと短め(グロ注意)になってしまいました。
次の話で思いつき勇者君の一人称でも書いてみようかなと思います。
あと二、三話でとりあえずのリベンジシリーズは終了かな?

 今更ですが作者の原作知識不足で、オルクス大迷宮の階層はどうやって分かれているのか謎だったんですが…本作ではとりあえず石造りの階段的なものが下に向かって続いているというイメージです(転移魔法的なものじゃない)


幕間の物語 神の使徒リベンジ③-b(後編)

 

 第二十一階層に戻ってきたメルド、騎士、永山パーティーの六人。

健太郎の作った土壁が崩れる音と、追いかけてくるギギネブラの咆哮が背後から響いた。

嫌な予感がした重吾が後ろを振り返り焦った様子で叫ぶ。

 

「―――ッメルドさん!」

 

「過去の資料では―――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()―――今まではそう言われていたが、どうやら認識を改める必要があるな…このまま走れっ!!」

 

 騎士が持っていた松明を預かって剣を鞘に収めながら苦々しくメルドはそう呟いた。

目的である第六十階層の魔獣ベヒーモスの討伐など、とてもじゃないが果たせそうにない。

小悪党パーティーがいなくなった事に端を発した魔物の強襲は完全な予想の範囲外だ。

 

 体力のない綾子と真央も、後ろから迫ってくる足音に恐怖で背筋を震わせて走り、体に鞭打つ。

この時、焦っていた彼らは気づかなかったが、彼らの足下には既にこの場所を通過して第二十階層へと向かったであろう浩介が吐いたと思われる血の跡が点々と続いていた。

偶然にもそれを追うような形で六人は走る。

 

 第二十一階層の中間地点まで走り抜けたメルドの耳は不意に前から聞こえる足音を拾う。

 

「ッ!!止まれ!」

 

 幸いなことにまだギギネブラが第二十一階層に登ってきた気配はなかった。

息を整えた綾子と真央が互いを気遣うのを横目で確認し、健太郎は内心ホッとする。

重吾がガクガク震える騎士の代わりに前へ進み出てメルドの隣に並んだ。

 

「…何かあったんですか…?」

 

「前から何かが近づいて来る。……この足音は―――」

 

 タッタッタッタッ!素早く交互に響く地面を蹴る音は人間のそれに聞こえた。

重吾が拳を、メルドが松明を持たない方の手で盾を正面に、各々構える。

足音は次第に六人の方へと、近づいていき…松明の灯りがその人影を照らし出す。

 

「…大介ッ!!?」

「檜山っ!!」

 

「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」

 

 暗闇から現れたのは顔色を真っ青にして片腕を抑える軽戦士、檜山大介だった。

額から血を流し、歯をガチガチと打ち鳴らしながら荒い息を整えて彼は後ろを見ている。

不意に前の二人から声を掛けられてビクッと肩を震わせ、怯えた表情で彼は縋りついた。

 

「め、メルドさん助けてくれ!!バケモノ、バケモノに毒を食らった!このままじゃ俺、死んじまうよ!!―――な、永山!お前がいるって事は辻もいるんだよなっ!?辻!!お前治癒師だろ、さっさと治癒の魔法出せよ!!」

 

 青褪めた顔のまま辺りを頻りに警戒して大介は早口で捲し立てる。

唖然とした表情で固まるメルドと重吾の間を素早くすり抜けて彼は綾子に迫った。

唾を飛ばさんばかりの勢いで詰め寄られた彼女はヒッと悲鳴を上げて後退る。

それを見て咄嗟に健太郎が綾子の前に立って大介に怒鳴る。

 

「お前…!勝手にいなくなったかと思えば、辻を怖がらせてんじゃねえよ!」

 

「う、うっせえんだよ野村ァ!いいから、早く、辻テメエ仕事しろよ!!」

 

「待て大介!何があったのか順を追って話さなければ分からんぞ!」

 

「あぁぁもぉ!だからッ!早く治癒を―――ッ!?お、げぇっ―――」

 

 冷静さを取り戻したメルドが急いで駆け寄り傷の具合を診ようとする。

抑えていた腕を離してそれを振り払おうとして檜山は更に激昂しようとするが…

突然、胸を抑えてその場に蹲って何かを吐き出した。

 

 嫌悪感と恐ろしさで後ろにいる綾子と真央を庇いながら健太郎は後退る。

メルドが持っていた松明が大介の吐瀉物を照らしてしまい、何かの正体が明らかになった。

 

「だ、大介…!?お前、それは―――」

 

「お、ぇぇぇっ…だ、だのむ…つじ…誰か、誰でもいい…から助け―――ぅげえぇっ」

 

 一見、ただの吐瀉物かと思われたそれは火に驚いてモゾモゾと動き出す。

それは…人間の掌に乗るくらいのサイズの子蜘蛛だったのだ。

誰もが突然の事に混乱して、恐怖を押さえつけようとしたその時だ―――

 

「ぎゃああああああぁぁぁ!!」

「がアアアアアアアアァァァァァッ!!?」

 

「マリオの声だ…!」

「今のは、坂上の野郎か…!?」

 

 第二十一階層に木霊する騎士マリオと坂上龍太郎の絶叫。

どちらも痛みに苦悶する人間が上げるであろう最大限のそれを発していた。

悲鳴の方に誰もが気を取られる中、不意に蹲っていた大介が立ち上がる。

 

「ひ、ひはは…もうダメだ、もうお終いなんだ…」

 

「大介!!何があったんだ、お前以外のパーティーメンバーはどうした!」

 

「みんな…みんなあいつ等に食われて…体の内側から貪られて…ヒヒヒヒヒッ」

 

 メルドが肩を掴んで揺らすも、彼は白目を剥いたままケタケタと笑っている。

綾子が恐る恐る杖を構えて治癒の魔法を唱えようとした次の瞬間―――

 

「ひゃあああああああああああはははははははははははははははは!!!!」

 

「大介ッ、止まれぇっ!!」

 

 メルドの声も届かず、大介は六人が来た道の方へ向かって走り出した。

追いかけたいのも山々だが先ほどの騎士マリオと龍太郎の悲鳴も放っておけない。

彼は苦々しい表情を浮かべて騎士と重吾に指示を出す。

 

「俺は大介を連れ戻す!お前らは光輝達と合流しろ!!」

 

「っ…了解です!」

「メルドさんっ!?」

 

 騎士が返事をして、重吾がその言葉の意味を理解して待ったをかけようとする。

しかし彼は既に盾をその場に放り投げて松明だけを手に大介を追いかけていた。

五人になった一行は留まっている訳にもいかず、声のした方へ駆け出していく。

彼らの足元でようやく汚らわしい吐瀉物からの脱出に成功した子蜘蛛。

 

―――キィィ!

 

 と一鳴きして辺りをピョンピョン飛び跳ねながら、最後には小さな横穴の中に消えていった。

その様子は特に是といった感情はないように見えるが…

きっと子蜘蛛は未知の世界(人間の体内)を冒険した満足感で一杯なのだろう。

 




 素晴らしい…小さな命の誕生を祝いましょう(白目)
映画版みたく腹からではなく口から出してあげたので良心的ですね!
流石にこればっかりはイメージが出来ません、というか作者が書いてる現在進行形で吐き気を催しておrrrr(昨夜に深酒し過ぎたのも理由の一つ)

感想、質問、ご指摘等お待ちしております。

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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