某アーマードコアのエンブレム作成程じゃありませんが
作者はモンハンのギルドカード編集に凝るタイプです。
ワールドになってからめっちゃ幅広くなって、それだけで一日過ぎちゃったり……
ハジメが子供を抱えて、中央広場と東区の境にある医者に駆け込んだのは少し前。
子供は泣き疲れて、怪我した体を休ませようと医者が飲ませた薬の副作用もあってか、今は医者の診療所のベッドで、スヤスヤと穏やかに寝息を立てている。
それを見届けたハジメはホッと一息ついて、ソファーに腰かけた。
彼の向かいには、話を聞きつけて子供を探していた母親らしき人物が座っている。
彼女も少し前の子供のように、目元がほんのり赤く腫れていた。
「………話を聞いても……?」
「……先日の事です。―――あの子の父親、主人が亡くなったのは―――」
母親は語ってくれた。
子供と母親、そして亡くなった父親というのは貴族だったらしい。
決して位は高くないが、一般家庭よりは裕福な生活を送っていた。
父親が、仕事の都合で都の外へ出る事になったという。
貴族として彼が治める土地の視察―――ただ、それだけで終わる筈だった。
その土地には何時の間にか小型モンスターが徘徊するようになっており、そこへ向かっていた父親を乗せた馬車が襲われて―――父親は見るも無残な姿で帰って来た。
そこまで話し終えた母親が口を手で押さえて嗚咽を零した。
医者は気を遣って部屋を出ていき、ハジメは彼女が落ち着くまで静かに待っていた。
心中では、幼くして親を失った子供への悲しみを抱きながら。
「………申し訳ありません、取り乱しました……」
子供と母親の不幸はそれで終わらなかった。
元々平民出身だった母親には夫の地位を継ぐ資格がないと言われ、夫の両親に家財を全て奪われて、今は東区の小さな宿屋でその日暮らしの仕事をしているのだという。
子供は幼くとも、父親がモンスターに殺されたという事実だけを知って、そのモンスターを倒す事が、無力な自分に出来る父親の敵討ちになるのだと信じて、依頼を出そうとしたのだ。
当然、2人にはハンターズギルドへと依頼を出せる金銭の余裕がない。
だから子供は格安で、どんな仕事でも引き受けてくれる冒険者を頼ったのだ。
それがあの結果なのだから――――ハジメは静かに目元から零れる涙を拭った。
「その、差支えなければ……あの子の父親を襲ったモンスターというのは……?」
「……鳥竜種”ランポス”の群れと聞いております……」
それを聞いた瞬間、ハジメは無意識のうちに握り拳を作ってしまった。
母親は彼の様子を見て「何か気に障る事を言ってしまったのか」と不安そうになる。
ハッとなったハジメは慌てて平静を装う。
「すいません。――――――それで……」
「……あの子には残酷かもしれないけれど……夫の事は、諦めて貰う他ありません」
「…………そう、ですか……」
ハジメはどうすればいいのか、悩んでいる素振りは見せているが、既に悟っていた。
自分が目の前の不幸を抱えた親子に、差し伸べる手がある事を。
例えそれが――――――彼にとって、1ルタの得にもならないとしても……。
「その依頼………報酬無しという条件で、お引き受けしましょうか?」
「………ええっ!?」
母親が驚いたように顔を上げる。
ハジメは自分の体から熱がこみ上げるのを感じた。
それは怒りに非ず、哀れみに非ず――――――それは青臭い少年の正義感。
困っている人がいたら、自分に出来る限りを尽くして、助けようとする信念。
「申し遅れましたが、俺―――いえ、自分はハンターです。……本来であれば、ハンターズギルドのクエストを受注する正式な手続きをしなければモンスター討伐ないし狩猟、捕獲の許可は下りない。………それはご存知でしょうか?」
「え、ええ……。……モンスター討伐にかかる依頼料は、ギルドへの支払いとハンター個人への支払い、それに伴うモンスターの種類や頭数によって上がるものと……聞きました」
恐らくは一度、ハンターズギルドでその手の説明を、受付嬢にされたのだろう。
そして金額の高さに、彼女は肩を落として依頼を出す事なく、ギルドを去る事しか出来なかった。
ハジメ優しく微笑んで、自分の考えを口にする。
「例えば―――――俺が貴方の御主人が管理していた土地の
唖然とした表情で固まる子供の母親に対して、ハジメは静かに頷いた。
その時だった―――バサッと布を跳ね除ける音と共に、子供が目を開けたのは。
「……お兄ちゃん……今の話、本当……?」
「あぁ――――――俺が、お前の親父さんの敵討ち……キッチリ引き受けるさ」
「あ、あぁ……っ!」
母親は子供が無事に目を覚ましたことに歓喜しながら、ベッドに駆け寄って子供抱きしめる。
子供は信じられないといった様子でハジメを見ている。
それも仕方がないだろう。少し前に同じような話をして、素気無く依頼を断られたのだから。
不安そうで、それでも一縷の望みに託そうと、泣き出しそうな子供に歩み寄るハジメ。
子供の小さな手を優しく握って、彼は自信に満ちた笑みを浮かべながら言った。
「俺は、モンスターハンターだからな」
*
子供と母親を診療所に残してきたハジメ。
母親が手渡してくれたメモ書きに書かれたのは、奇しくもハジメが卒業試験を受けた帝国の森丘。
一度ハンターズギルドへと戻って、武器と防具を装備しなければと考えるが――――
ハンターズギルドの宿泊部屋に辿り着いたハジメ。
何も言わずにメモ書きを一度机の上に置いて、アイテムボックスに手をかける。
―――が、即座に身を翻してベッドへと飛び込みながら悶絶していた。
(ぬああぁぁぁ……クソ恥ずかしぃぃぃ!なにが「俺はモンスターハンターだからな(キリッ)」だよ!?バカじゃないの俺!?絶対にバカだろ?どう考えてもバカだよ!!)
依頼を引き受ける事に異論はなかった。だが言葉選びを誤ったのだ。
落ち込んだ母子を少しでも元気づけようと、何か気の利いた言葉を選ぶつもりだった。
それが何をどう間違えたのか―――子供の前でカッコつけるだけに終わってしまう。
両手で頭を抱えながらベッドの上でゴロゴロしてたハジメ。
何時までもそうしている訳にはいかず、アイテムボックスの前に再び立って着替える。
使用する武器はライトボウガン”チェーンブリッツ”
防具は”レザーライト”で統一されている。皮鎧の軽装に銀髪が映える。
アイテムボックス内からありったけのボウガンの弾と回復薬をアイテムポーチへと放り込む。
全ての準備が終わって、ハジメは1階のクエストカウンターへと足を運ぶ。
「すいません受付嬢さん、ちょっと確認したいんですけど……」
「はい、どうしましたかハジメさん?」
クエストカウンターには4人の受付嬢が立って仕事をしている。
赤い色の服を着ているのが”下位クエスト”担当の受付嬢
青い色の服を着ているのが”上位クエスト”担当の受付嬢
黄色の服を着ているのが”
緑色の服を着ているのが”闘技場クエスト”担当の受付嬢
ハジメはその中で、下位クエストを担当する受付嬢に話しかけた。
「森丘での探索をしたいんですが、今の状況を教えて貰う事って出来ますか?」
「森丘ですね、少々お待ちください――――――此方になります」
分厚い皮で包装されたクエスト受注用とは別のガイドブックを取り出す受付嬢。
ハジメはそこに記載された”森丘”の現在の気象情報とモンスター一覧に目を通した。
ハンターズギルドの受付嬢に聞けば、周辺地域の情報が手に入るのだ。
*
フィールド名:森丘
天気:晴れ
風:無
活性化中の特産品:特産キノコ
徘徊中の小型モンスター:ランポス、ケストドン、アプトノス、アイルー、ブナハバラ
目撃された中型・大型モンスター:イャンクック、ドスランポス、リオレイア
その他:クエスト遂行中のハンター2名(下位)
*
「――――ありがとう御座います、それじゃあ探索にいってきます」
「いってらっしゃいませ。お気をつけて」
頭を下げる受付嬢に背を向けたハジメが走り出す。
受付嬢たちは、こうしてクエストや探索に赴くハンター達の背中を何度も見送ってきたのだ。
まだハンターになったばかりの若い彼が無事に帰ってくることを、静かに願った。
―――と、同時に……
ハンターが持つギルドカードには、二つ名や称号といったものを記入する箇所がある。
これらの称号や二つ名はモンスターの討伐やハンターランクの上昇に伴って増えるが、中には特殊な条件でなければ与えられない称号というものがある。
ハジメは称号”お節介”を手に入れた!
取得条件:正式な手続きを踏まず、規約違反にならないモンスターの討伐など
カッコつけ過ぎると後々後悔する、作者のギルドカードのコメント欄みたいに!
そして今度はワールドの定型文作成で時間を使う作者……
感想、質問、ご指摘など待ってまーす!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡