モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 投稿が遅くなって申し訳ありません;
また先の話をちびちび書いていたら、いつの間にか一週間くらい経過してました。
大したネタバレにもならないので書いておくと、こんな感じの話です。

・前回の続き(冒険者視点の話、あの貴族だった母子のその後等)
・更に先の話(一部読者の皆さんお待ちかね、勇者達とハジメの話)
・幕間の物語(オリキャラ他原作モブの過去、ヒロイン個々の話、神様絡み)

今回の話は、ハジメがランポス討伐を終えて首都を出てからになります。
色々飛んでる気がしますが、後にその話を書けたらなと思う作者でした。




異世界で実家のような安心感

「「おかえりハジメ君!!」」

 

「うおっ!?」

 

 開口一番、ゲブルト村に帰ったハジメを出迎えたアイテム夫婦が2人同時に駆け寄って、ひしっハジメを抱きしめた。突然の事に驚いて、ハジメは目を白黒させる。

 

 それを温かい目で見守っていたアボクがハジメに教えた。

ハジメがハンターになる為に村を出てからずっと、アイテム夫婦は心ここに在らずといった様子で、ハジメから手紙が送られてくる度に「怪我をしてないか」「お腹を空かせていないか」「寂しい思いをしていないだろうか」と村人達に相談していたという。

 

 自分が知らない間にそんな事があったのだとショックを受けたハジメは、心配してくれた2人に感謝しながら、2人の肩をポンポンと優しく叩いた。

 

「大丈夫っスよ……。こうして帰って来ましたから」

 

「あぁ。よく無事に帰ってきてくれたね…!」

「良かった……本当に、良かった……!」

 

「はははっ、2人とも。彼も帰って来たばかりで疲れているだろうから……」

 

 アボクに諫められた2人がハジメから離れる。

ハジメはキョロキョロと辺りを見渡して、アゥータとルゥムの姿を探す。

口に出さずとも探す相手が誰なのかを察したテムが大峡谷の方を指差した。

 

「アゥータ君とルゥムちゃんなら、少し前に大峡谷付近で”ブルファンゴ”の群れが目撃されたって報告を受けて、それの狩猟に出ているよ」

 

「夜明け前に出ていったから、もうそろそろ帰ってくるんじゃないかしら?……2人が帰ってくる前に、自分の家に一旦戻ったらいいと思うわ」

 

 ブルファンゴというモンスターは小型の牙獣種に分類される、猪のようなものだ。

普通の猪と違う点を挙げるとすれば、牙の大きさが普通の猪より大きい事。

他の生き物に対してやたら攻撃的で、目に入ったもの所構わず突進を仕掛ける。

ハンター達の狩りの邪魔をする厄介な小型モンスターで上位に名を連ねていた。

 

 一瞬、ブルファンゴの狩りと聞いて自分も行きたい衝動に駆られたハジメ。

しかしアイの提案を聞いて、2人なら苦戦することなく帰ってくるだろうと納得したハジメは頷いて、一度マイハウスに戻ることを決めた。

 

 

「分かりました。それじゃあ―――――」

 

「ああーーっ!!ハジメ兄ちゃん帰って来たーっ!!」

 

「「「えぇっ!!?」」」

 

 マイハウスに向かおうとしたハジメを指差して声高に叫んだ村の子供。

それを聞きつけた他の子供達も集まってきて、アイテム夫婦に続いて、今度は子供達が囲むように駆けよって来た。

アイテム夫婦が言いそびれたハジメの成長ぶりに、子供たちが無邪気な反応をする。

 

「ハジメ兄ちゃん背でっかくなったー!」「すっげー髪の毛真っ白だあ!」

「眼の色も真っ赤だよ、綺麗だなーっ」「背中のそれなぁに?触らせてーっ!」

 

「お、わ―――ちょっ、こらっ!ボウガンに触るなって危ないから―――あ、わっ…!」

 

 今のハジメは普通の服を着ているのだが、背中には武器を背負ったままだ。

これはゲブルト村までの帰り道で、モンスターに襲われるかもしれない万が一の不測の事態に備えてハジメが準備したものだ。

村に着く頃には荷物の中にしまっておこうと思っていたのだが、完全にタイミングを逃した。

 

 彼の背後には首都で買った村への土産物や、自身のマイハウスに必要と思われる雑貨類の他に、あの依頼で手に入った素材を使って生産した防具が入っているのだ。

しかし子供達は後ろの珍しい荷物よりも、劇的な変化を遂げたハジメに興味津々である。

 

「こらこら皆、ハジメ君が困ってるだろう」

「何時でも話す時間はあるんだから、今はゆっくりさせてあげなさい」

 

「えーっやだ~!ハジメ兄ちゃんに首都での話聞きたい~」

「何で髪の毛白くなったのー?」

「首都ってどんなところ?石の建物とか一杯あった~?」

「ハジメ兄ちゃんハンターになったから、体おっきくなったの?」

 

 

「あ、はは……」

(こりゃ……解放されるのは暫く無理だろうな……)

 

 子供達の無邪気な質問に一つ一つ丁寧に答える事にしたハジメ。子供達を止めようとしながらも、ハジメの話に聞き入るアイテム夫婦。

アボクは穏やかな日々が流れる村に、また少し活気が出てきたと頬を緩ませた。

 

 

「君の家は毎日、あの2人が掃除をしてくれていたから、綺麗なままだよ」

「ありがとう御座います村長。また後で」

 

 子供達を連れて、アイテム夫婦は店に戻っていった。

ハジメのマイハウス前まで道が同じだったアボクから話を聞いて、ハジメは改めてアイテム夫婦にお礼を言わなくてはと心に留める。

 

 マイハウスの戸を開けて、中に足を踏み入れたハジメ。

アボクの言った通り、家の中は綺麗に掃除されており、ハジメが帝国首都へ出発した時から、あまり変わっていない。

 

 気を張ることもなく、懐かしい気持ちで家に荷物を運び入れるハジメ。

こういう気分を、実家のような安心感というのだろうか?

彼にとって生まれ育った故郷は日本だが、ゲブルト村で過ごした短くも濃密で新鮮な日々は、そこが彼にとって第二の故郷であるように思わせた。

 

 アイテムボックスに防具や武器、アイテムポーチの中身を突っ込んで、村の人達に持っていく土産の品をまとめて入口の近くへ置いた。

皺ひとつないベッドの上に体を投げ出して、ハジメは大きく息を吐く。

 

「色々あったが――――――とりあえず、前には進めてるのか……?」

 

 異世界に召喚された事、死にかけた事、ハンターになった事―――全てが始まって今に至るまで、半年も経っていないのだから驚きだ。

ハジメは始まりの日から頭の片隅で、経過する日にちを数えていたりする。

ふと時間の流れを故郷を照らし合わせて、過ぎたであろう行事に思いを馳せた。

 

「ハロウィンにクリスマス――――もしかしたら大晦日も無し……かぁ……」

 

 知らずのうちに、新年の初日の出を異世界で迎える事になるのだろう。

ちょっとだけ残念な気持ちはあるが、今は故郷の事ばかり考えていられない。

 

 ハンターとして生計を立て、お世話になった村への恩返しをする。

そして身の回りに余裕が出てきたのなら―――故郷へ帰る手段を探す。

 

 手段という単語から連想して、ハジメは帝国首都で接触してきた皇女トレイシーの姿を思い浮かべる。思わぬ形で強力な異世界での協力者が得られたことに、彼は驚かされた。

 

 最近流行りのライトノベルで、現代知識を武器に現代人が異世界を楽々生きていく。

………とまではいかないが、ハンター稼業を続けながらの副業として、現代知識の提供が値千金の価値を生み出したことは、ハジメにとって大きな収穫だった。

 

 更に―――――異世界に来るまで、ハジメは同年代に友達と呼べるほどの相手がいなかった。

それがまさか、ハンターになってレイやリーナというかけがえのない友人を得られようとは……。

トータスに来たことが悪い事ばかりじゃないと、彼は思えるようになった。

 

 暫くベッドの上で過ぎた出来事を思い返す事に耽って寝転がっていようとしたハジメ。

しかしハンターとして訓練を受けた彼の五感の一つ、聴覚が道をゆく荷馬車の音を、その近くから聞こえる1人の陽気な男の声をしっかりと拾った。

 

「――――ッ。帰ってきたんだ……!」

 

 ベッドから飛び起きて、ハジメは家を飛び出す。

先ほど来た道を走りながら、彼の視線は荷馬車に山積みとなったブルファンゴの死体に吸い寄せられる。見える範囲の数だけで3()0()()は狩られていた。

 

 それだけの個体が突然大峡谷付近に住み着いた事も驚きだが、それよりもハジメは、荷馬車の前を歩いている無傷のハンター2人の凄さに驚かされる。

 

「小型とはいえ、あれだけの数を相手にして……傷一つなし(ノーダメージ)……!」

 

 ハンターになってから色々と教わって、ハジメは自分が村で見た光景の異常さを知った。

彼が近づいてきたことに向こうからも気が付いたのだろう。

2人のハンター、アゥータが大きく手を振りながら叫んだ。

 

「よおっハジメ、帰ってきたか!!」

「はいっ!アゥータさん、ルゥムさん!改めてこれからよろしくお願いします!」

 

「ハッハッハッハッ!そうだな、お前はこれから俺らの後輩になるわけだ!」

「……(コクッ)」

 

 ハジメが駆け寄ってくるより先に、ルゥムが小走りでハジメに近づく。

ハジメが急ブレーキで止まると、ルゥムはじーっとハジメを暫く見つめて――――――ゆっくりとつま先立ちになり、手を伸ばしてハジメの頭をポンポンと撫でる。

その際に彼女は前のめりになって、ハジメの胸下辺りに胸が押し付けられる。

 

「おぅふっ!?―――――る、ルゥムさん……胸が当たってますって……!」

「………?」

 

「なんだハジメ、ハンターとして一人前になっても、男としちゃあまだまだか?」

「流石にこれは慣れたらダメな奴ですよ……!」

 

 前屈みで内股気味のハジメを見て、首を傾げたルゥム。

それを見たアゥータがニヤニヤ笑いながらハジメを見つめる。

これもまた、ゲブルト村にハジメが住み始めてから始まった、日常的な光景であった。

ハンターとして変わりはしたが、まだまだハジメの心は青少年のまま。

彼のハンター生活が始まるのは、ここからなのだろう。

 





 ランポス系小型モンス、虫系モンス、突撃生肉を許してはいけない……。
そろそろヒロイン1人の話に入れそうかなと思いつつ、そこで登場するモンスター選びに時間をかける作者だったり……

新年を迎える前に彼女くらいは出さねば……(使命感)

感想、質問、ご指摘などお待ちしております!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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