モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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原作にはないオリジナル設定が含まれますので、後書きで軽く触れます。
今回の内容はかなり文章を端折ってる感が否めません。ご注意下さい。




特別任務、依頼と受注

 

 泣いて懇願するシアから詳しい事情を聞こうと、ハジメは彼女を優しく落ち着かせた。

ベッドの上で体育座りのまま、シアは頭を垂れて話し出す。

 

「……ごめんなさい。ハジメさん、村長さん……私、まだ話してない事があるんです……」

 

 シアは大きく息を吸って胸に手を当てながら呼吸を整える。

そして……一つ一つ、思い出したことを伝えながら、自分の秘密を告げた。

 

「私には他の亜人にはないもの”魔力操作”があるんです……」

 

「何ッ――――」

「……そりゃあ、確か……」

 

 驚きで目を見開くアボクや他の村人達に対して、ハジメのリアクションは薄かった。

というのも、ハンターになる前は色々な魔物やら鉱石やらに関する書物を王国で読み漁っていたが、その頃のことをあまり思い出したくない事が悪影響となって、知識が曖昧になっているのだ。

考え込む素振りを見せたハジメに、アゥータが簡単な説明をする。

 

「魔力操作ってのは、体内を流れる魔力の量を感覚で捉えて、詠唱やら何やら必要な過程をすっ飛ばして魔法の行使が可能になるっつー……。人族と亜人族には無縁のものだ」

 

 王国の書物には魔物が火を吐いたり氷を発生させるのは、この魔力操作があるからだと思われているが、実際にはモンスターの体内にそれぞれある特殊な器官が、それらの働きをしている。

 

 火竜リオレウスや怪鳥イャンクックのような火を吐くモンスターであれば、共通して”火炎袋”というものが備わっており、その他の属性なら、それに応じた袋状の器官が存在している。

 

 実はこれらの素材はハンターの武器にも使用されていた。

ハンターが様々な属性の武器を使えるのは、ある意味モンスターのお陰だったりするのだ。

ハジメが納得して、うん?と首を傾げるとシアが言葉を続ける。

 

「……本来、亜人族は魔力を持つことがない。……けれど私は、何故か他の亜人族にはない魔力を持って生まれ、更には天職まで与えられていたんです……」

「天職を……?」

 

「……占術師……それが私の天職の名前だと、私の父は言っていました」

 

 下を向いたまま、シアはゆっくりと占術師の技能について話していった。

 

「私には固有魔法”未来視”というものがありました。……数分後から数か月先に()()()()()未来の光景を見せてくれる能力です。……日に一度だけで、私の意志で自由には使えませんけどね……」

 

 自嘲的な笑いを漏らして、シアは両目の瞼を手で押さえた。

まるで未来視を嫌がっているような彼女の様子に、ハジメは何も言えず俯く。

 

「幼い頃から、未来視のせいで身も心も苦しみ続けました。……理由は分かりませんが、未来視を使うたびに激しい頭痛や倦怠感が襲ってくるんです……」

 

「……技能を制御しきれない者が起こす、身体への副作用……か」

 

 恐らくは帝国でそういった知識を仕入れていたアゥータが言葉を返すと、シアは力なく頷いた。

ハジメは錬成を行った後に身体が疲労感に包まれたことを覚えているが、シアの言っているそれは彼が体験してきたものとは比にならないものだったのだろう。

 

「……思い出した記憶は断片的なものですが、私は父や他の同族と一緒にフェアベルゲンから出て行ったんです。……それで……」

 

「何かに襲われて逃げ回り、あの開拓作業地域まで来て力尽きたと……」

「……はい……」

 

 フェアベルゲンから逃げ出した理由を大体察したアゥータがそっと部屋を出る。

気配を殺して部屋から出て行く彼に誰も気づけないまま、シアは話を続けた。

 

「さっき私が見たのは……樹海の中で、私の父や同族の人達が……鳥のようなモンスターに殺されて、その血だまりの中に私が立っていた……恐らくは何時か来るかもしれない未来」

「――――――ッ!!」

 

「……だから……。お願いします……ハジメさん……!」

 

 もう言葉を絞り出すのも限界だと、シアは涙を目に浮かべながら嗚咽を零す。

ハジメはそんな彼女の姿に、何故か昔の自分を重ねてしまう。

モンスターに襲われて、村に来て――――誰かに助けを求めずにはいられなかった。

 

 一歩前に進み出たハジメはそっとベッドに腰かけて横向きでシアへと手を伸ばす。

ふわりと、優しい手つきで彼はシアの頭を撫でて言った。

動作は優しく、彼女を見る目だけは真剣そのものに。

 

「――――あぁ。俺に何処まで出来るかは分からないが………やってやるさ」

「……ありがとうっ、ございます……!」

 

 そこへ、一枚の羊皮紙を手にしたアゥータが戻ってきた。

「何処いってたんだ」と驚き目を見開く村長達を軽く流して、アゥータはハジメとシアの近くに紙を持っていき、バッと広げて中身を見せる。

 

「……これは……?」

「ハジメ、こいつを訓練所で何度か聞いたことあるだろ? ”特別任務” をよ」

「……!」

 

 特別任務とは、通常のハンターズギルドを介して張り出される依頼とは別のものを指す。

”狩猟” ”捕獲” ”採取” ”運搬” ”討伐” ”撃退” これらが通常のクエストに分類される。

依頼主は一般人から貴族、王族と幅広い。

 

 一方で特別任務は、主にハンターが所属するハンターズギルドのギルドマスターや、村の村長らが個人のハンターを指名して依頼される。内容は多岐に渡り危険度は測定不能が多い。

アゥータが2人に見せた特別任務の題には()()の手書きでこう書かれていた。

 

 

[兎人族の少女を救え!]

 

 

 

 ちなみに依頼主は「ゲブルト村の村長」となっているが、当の本人は困惑している。

アゥータは口笛を吹きながら、もう片方の手に持っていた羽ペンをそっと懐にしまった。

ハジメはバッと紙を手に取って、アボクの前に突き出しながら告げる。

 

「―――村長、俺にこの依頼受けさせて下さいッ!!」

 

南雲ハジメが特別任務[兎人族の少女を救え]を受注しました。

アゥータが特別任務に参加しようと待機中です……。

 

 





シアの技能に関して
・原作では特に制御出来ない等の設定はありません。
 
感想、質問、ご指摘等お待ちしております。

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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