モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 未だに野良マルチでミラボレアスをやって一乙する作者です……
モンスターハンターライズの発売が近づいている中、ファイヤーエムブレムの沼から抜け出せずにいます。
サブのオリキャラの名前とかに採用し始めたら末期(予言)




特別任務達成?

 

 その光景を目にしたハジメは暫し言葉を失った。

木の上に家屋を立てて人が暮らす、ツリーハウスというものをハジメは知っている。

 

 しかし森人族達が暮らすそれは、家屋というにはあまりに自然な形で木の上に在った。

現代地球におけるツリーハウスが木を家屋の基礎である土台、支柱とするのに対して、

目の前に広がるそれは、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()ような造りをしている。

 

「――――――スッゲェ……」

 

 感動してそれ以上の言葉を出せずにいるハジメ。

先ほどまで険しい表情で彼らを連行していた森人族の1人が、誇らしげに笑みを零す。

―――が、前を歩くアイリスに一睨みされて、慌ててそれを隠した。

ハジメと同じように周囲の景色を眺めていたアゥータが、唐突に声をあげる。

 

「念のために聞いておきたいんだが森人族さんよ。質問はいいかね?」

「―――ッ!貴様、無駄口を叩くなっ」

 

 緩んだ空気に付け込まれたと思った森人族の1人がアゥータを小突く。

しかしアイリスは振り返ることなく「構わん。答えられる範囲で答えよう」と言った。

 

「多分俺らが捕まったって事ぁ、あの近くにいたうさ耳の嬢ちゃんも、アンタ等が?」

「――――あぁ。部下が先に連れて行った。……お前達と何か関係が?」

 

「ん……まぁ、()()()()()()()()()()を聞かされてね。彼女の同族を探していたんだが」

 

 その瞬間、2人を囲んで歩いていた森人族の目つきが殺意を含んだものに変わった。

殺意を受けて少したじろいでしまうハジメだが、それ以上に驚いてアゥータを見つめる。

彼は飄々としながら、殺意の視線を涼しい顔で受け流した。

 

「色々……とは?」

「彼女の特殊な体質について。それがフェアベルゲンじゃ迫害されるものだと知って、同族が彼女を逃がそうとしたこと。―――――あぁ、これはついでだが。彼女、軽く記憶喪失入ってるから」

 

 森人族が危惧していた、フェアベルゲンの亜人族に関わる機密情報等が流出した訳ではないのだとホッと一息つこうとするが、彼の付け加えた最後の一言で周囲に動揺が広がる。

 

 

「……成程。その辺りも詳しく聞かせて貰うとするか――――こいつ等を例の場所へ」

 

 

 会話をしているうちに、先頭を歩くアイリスの前に別の森人族がやってくる。

顎をくいっと動かして指示を出す彼女に、他の森人族達は機敏に動く。

ハジメはやってきた森人族に手を縛る縄の手綱を引かれて、別の方へと連れていかれた。

木の根元、一見何もない暗い場所に森人族が手で合図をすると――――

 

 

シュルルルッ……!

 

 

「……なんだ、あの虫……?」

「俺も初めて見るな。…光蟲じゃなさそうだ」

 

 明るい緑色の光を放つ虫が無数に集り、宙で弧を描きながら彼らを暗い場所の奥へと誘う。

森人族はそれの後を追い、ハジメとアゥータも引っ張られながらついていく。

木の根元の空間を暫く歩いていると、薄っすらと明るい場所に階段のようなものが見えてきた。

螺旋状の歪な形をした上に続く階段は狭く、人が1人通るのがやっとだ。

 

(まさかこの階段、木の幹の中にあるんじゃないよな……?)

 

 ファンタジーな異世界だからあり得るかと思いつつ、ハジメは階段を上っていく。

階段を上っていく内に気づいた。薄らと階段の周りだけを明るくしていたのは、先ほどの光る虫達と同じ仄かな光を発する苔だったことに。

 

(さっきの虫が光っていたのは、あの光る苔の主成分を体内に含んでいるからか?それとも樹海に生息する虫が備え持つ特性的な―――……ダメだな、情報が少なすぎる……。―――俺もアゥータさんみたいにダメもとで聞いてみるか)

 

「なぁアンタ。さっきの光りながら集団で動く虫は何なんだ?」

「貴様に答える義務はない。さっさと歩け」

 

(……まぁ、そうなるよな。――――――チクショウめぇ!!)

 

 無愛想な森人族に心の中で悪態をついて、ハジメは自分で結論を出すしかないと思った。

後ろに続くアゥータがけらけらと笑いながらハジメの背を自分の額でこつんと押しながら言う。

 

「情報収集が下手だぞ後輩よぉ……もうちょっと包み隠していこうぜ、目的をよ」

「……悪かったっスね。訓練所の項目にはなかったんスよ」

 

「そりゃ話術だ駆け引きだなんてのは勉強してどうにかなるもんじゃないからな。慣れだ慣れ」

「……前向きに努力します」

「おう、そうしてくれ」

 

 そうこう話しているうちに階段を上り終えて、2人の前に扉が現れた。

木の皮を加工して作った板に、石の栓抜きがついている簡素な造り。

森人族が栓を抜いて扉を押して開き、2人を中へ放り投げる。

 

「――――ッと!」

「あだっ!?」

 

 手足の自由がうまく効かない2人のうち、事前に察知したアゥータは壁際に寄り掛かって受け身をとるが、反応が遅れたハジメは見事に地面へと倒れ込んで頭を強打する。

 

「此処で大人しくしていろ。族長と長老が来るまでな……!」

 

 逃げようとしたら殺す……口にはしなかったが、蔑むような眼がそう告げていた。

勢いよく閉められた扉に、先ほどの石の栓が戻されて開かないようにされる。

ヒューとため息代わりに口笛を吹くアゥータ。

その足元で地味に痛い頭を抑えながら転がり回るハジメ。

 

「~~~んの野郎!人に話を聞くつもりなら優しくしやがれってぇのぉ……!」

「まだまだ未熟だな後輩よ。手足の自由が利かずとも受け身くらい自然と取れなくてはなぁ」

 

 

 

「――――――ハジメさんっ、アゥータさんっ!!」

 

 

 部屋の奥から聞き慣れた少女の声を耳にして、2人は視線をそちらへと向ける。

部屋の隅に蹲っていたシアが、口元をわなわなと震わせながら駆け寄ってきた。

ハジメは芋虫状態からなんとか壁際に寄り掛かって自力で立ち上がる。

 

「シアっ、何処か怪我はないか?あいつ等に何かされたりとかは」

「私は平気です。それよりも、ハジメさん……頭にたん瘤が!」

 

「嬢ちゃん。そいつぁ後輩が俺のように華麗な受け身を取れずに出来たばかりの、名誉の負傷だ」

 

 心配そうにハジメの頭に触れて、うっすら腫れた箇所を見つめるシア。

しかしアゥータの一言を聞いて「えっ?」と半口を開けてぽかんとした。

 

彼女は扉が開いて2人が放り込まれた直後まで、下を向いて気づかなかったのだ。

てっきりモンスターとの戦いで、負傷したものだと思ったらしい。

微妙な表情でハジメのたん瘤とアゥータの顔を交互に見るシア。

 

「……笑えよシア。笑いたかったら笑ってくれ……」

「い、いえっそんな!笑ったりしません、はい!」

「くっ…っけけっ。嬢ちゃんに気ぃ遣われてやんの~」

 

 ピキッとハジメの眉間に青筋が浮かんだ。

シアは「あわわ」と口元を手で抑えながら、どうしたものかと考える。

アゥータは何食わぬ顔で話題を変えた。

 

「しっかし悪いな嬢ちゃん。アンタの仲間を一刻も早く見つけてやるつもりだったんだが……他の亜人族に見つかって捕まるたぁ、面目次第もねぇ」

 

「…私が一番に捕まってしまいましたから……お二人を責めたりなんかしませんよ。……でも……お二人は、抵抗しなかったのですか?その――――」

 

 モンスターと戦った後の負傷(といってもハジメだけだが)以外に、傷を負っていない2人。

既にアイリスの部下達に没収されてしまったが、2人には片手剣デゼルヴェントと弓ハンターボウⅡがあったのだ。何かしらの抵抗は出来たのではとシアは考えた。

 

 しかしアゥータは笑みを崩すことなく肩を竦めて、ハジメに説明を促す。

ハジメは小さく頷いて軽く咳払いをし、真剣な表情で話し始める。

 

「シア。俺達は……ハンターはな……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……えっ?」

 

「こんな危機的状況下で、馬鹿みたいだとお前は思うかもしれないけどな。俺達はハンターになると同時に、守らなきゃいけないルールがある。……今この場で一から十まで説明したら長くなるから端折らせて貰うが……ともかく、無益な殺生はしない……。それが俺達の誇りだからな」

 

「……誇り……」

 

 ハジメの言葉を聞いてアゥータは茶化すことなく「うんうん」と頷いている。

シアは彼の言っていることがいまいちわからず首を傾げているが、最後に言った()()という言葉が心の奥で馴染むような気がした。

 

 そんなときだった。

扉の向こう側から十数人分の足音が階下から聞こえてくる。

ハジメは先ほどの森人族が言っていた「族長」「長老」が来たのかと身構えた。

―――しかし、シアだけは何かに気づいて目を見開き……パァッと明るい表情を浮かべた。

 

「っ……この、足音……私、聞いたことがあります……!」

 

 

 

「―――入ってろ!」

 

「うわっ!?」「あだっ!」「っとと…!」

 

 扉が開かれて、()()を生やした老若男女がなだれ込んでくる。

彼ら彼女らを押し込んだのは、先ほどハジメ達を連れて来た森人族だった。

彼はまた二人を一瞥してフンッと鼻を鳴らし、扉を勢いよく閉めた。

 

「……まさか、この人たちが……?」

「……間違い、ありませんっ!」

 

 

「ふー……イテテ……って!?」「し、シアちゃん!!」

「無事だったのか!!」「心配したんだよぉ!?」

 

「……シア!!」

 

「―――――父様ッ!みんなも、無事でっ……!」

 

 部屋の中へと新たに連れてこられたのは、シアが探していた者達。

シアの父、カム・ハウリア率いる兎人族の者達であった。

思わぬ状況で、目的の兎人族と合流出来たことに、ハジメはほっと一息つく。

 

「……目標は達成……で、いいのか?」

「とりあえずはな」

 

 





 無益な殺生はしない(お目当ての装飾品が出るまで黒龍を狩る作者)
邪眼がついに50個を超えてしまった……
カム達がどうして無事だったのか、幕間の物語で描こうと思います。

感想、質問、ご指摘などお待ちしております!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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