モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 あらすじと主要人物紹介①をちょっと編集しました。
流石に3月にもなって新年の挨拶乗っけっぱなしは恥ずかしい……恥ずかしくない?
最近、サブタイトルに思わせぶりな意味を込める必要性を感じなくなりました。
(深刻なネタ切れから目を逸らし)



亜人族は性癖のデパートだった

 

「モンスターに襲われて……記憶が…?」

「あぁ。傷だらけの所を見つけて、手当てをした時には既になかったらしい」

 

 落ち着きを取り戻したシアと兎人族を交えて、これまでの話をするハジメ。

カムは信じられないといった様子でシアを見つめるが、不安そうに胸の前で手を握る彼女の様子が、樹海で分かれて行動していた以前と違う事に気づいた。

 

「しかし、私や部族の仲間の名前は憶えている…と」

「…はい。正直、私自身、自分の頭の中が混乱して……覚えていることの何処が欠けていて、何が間違っているのか……ハッキリ言えません」

 

 シアの言葉を聞いて、部族の者達が心配している。

…が、その中でカムだけが「うん?」と頭にクエスチョンを浮かべた。

シア・ハウリアは、自分の娘はこんなお淑やかな娘だっただろうか?

記憶の一部がないとはいえ、性格や喋り方まで変わるというのは……

 

(まぁ、これはこれでアリか……)

 

「……父様、いま何か失礼なことを考えませんでした?」

「んっ!?――――ハハハッ、何を言うんだシア。気のせいだ、気のせい」

 

「……だといいんですが……」

「何はともあれ、シアを助けて頂いたお二人に、何とお礼を申し上げればよいか―――」

 

「俺は人として当然のことをしただけだしな…。結局、あんた等とシアを再会させる目的は果たせたが、こうしてお互いに囚われの身になっちまったからな」

「他の亜人族が血眼になって探してる嬢ちゃんを樹海に連れてきちまった俺は大戦犯なわけで、あんた等に責められても仕方ないっつーか……」

 

 

 ハジメとアゥータの言葉を聞いて、それでもカムは「いやいや」と首を横に振って笑う。

他の兎人族も声を揃えて2人に感謝の言葉を送っている。

感謝されることに慣れていないハジメは火照った顔を見られないようそっぽを向く。

 

「……それで、これからどうなるンスか?アゥータさん」

「俺達は奴さん達の聖域である樹海に侵入した罪とやらで即処刑。兎人族も嬢ちゃんの話を聞いた限りじゃ、1人残らず処刑ってところだろうなぁ」

 

「……そんなっ!?」

「いいんだ、シア……。私も皆も覚悟のうえだ、樹海の外で生きる選択肢など初めからなかった。当てのない逃避行の先で他の部族に捕まって殺されるか、魔物に襲われるかの最期以外なかったのだから……こうしてお前に会えただけで、みんな幸せなんだよ」

 

 優しく微笑んで、カムは今にも泣きだしそうなシアの頭を優しく撫でた。

遠く霞んだ記憶の中で、幼い頃に自分がそうして貰った記憶を取り戻すシア。

それを見ていたハジメは悔しそうに奥歯を強く噛み締めて、何か出来る事はないのかと思考を回転させるが――――

 

「……こっちに考えさせる時間を与えないってか」

 

 扉の向こう側に耳を当てていたアゥータが苦笑する。

数人分の足音が、階段を上って近づいて来るのを、彼の耳は正確に捉えていた。

扉の近くにいなくても、聴力の高い兎人族達が過敏に反応する。

シアを庇うように部屋の片隅に集まり、女子供の前を男達が覆い隠す。先頭には額に汗を浮かべながら、キッと表情を引き締めたカムの姿。

 

 扉の栓抜きが外されて、勢いよく開いた扉の先から武装した森人族がなだれ込んでくる。

小さな悲鳴をあげる兎人族の子供を抱いて庇うシア。

ハジメは壁に寄り掛かったまま、睨んでくる森人族を睨み返す。

 

「――――フム、見張りをつけていたが…逃げ出す素振りも見せなかった訳だ」

「そりゃあ逃げたところで、ここいら一帯は文字通りアンタ等のホームグラウンドだしな。拘束を解いても丸腰じゃ逃げきれないなんて馬鹿でも分かる」

 

「先に言っておくが、泣き落としは私に通用しないと思え」

「だろうな。あからさまにヒトを見下してるアンタ等みたいな冷酷な奴ら相手じゃ、這いつくばって足を舐めて懇願しても便所に行かせて貰うっつー小さな事すら叶えて貰うのも難しそうだ」

「人間、貴様ッ!!族長に対し何たる無礼を!!」

 

 背後から現れたのは先ほどアゥータとハジメを捕らえた森人族のリーダー。

アイリスが面を外し、その素顔を晒して2人の前に進み出た。

内心で「随分とまぁ別嬪さんじゃねーの」と喜ぶアゥータ。

一方で敵愾心剥き出しのハジメが呆れた様子で嫌味を口にすると、怒りを露わにした森人の1人がハジメの顔を思いきり蹴り飛ばした。

 

 どごっと鈍い音がして、ハジメの体は壁際に叩きつけられる。

悲鳴をあげるシアが彼を介抱しようと手を伸ばすが、兎人族の仲間に止められる。

怒りの収まらない森人は、腰の剣を抜いてハジメの首筋に突きつけた。

 

「ハ、ハジメさんっ!」

 

「その首、刎ねられたくなければ無駄口を叩くな!」

「…けッ、遅かれ早かれ殺すつもりの癖によ」

 

「ハジメ~…死に急ぐのは構わんが、俺達も巻き添えにしないでくれよ~?」

「………」

「おいコラ何とか言いやがれ」

 

 実はハジメ、頭の整理が追いつかなかった自分に対してかなり苛立っている。

それに加えて森人族の失礼な態度にも若干怒っていた。

だからアイリスの言葉に棘のある言い方で返したのだ。

後のことを考えない発言をしたハジメを諫めるアゥータ。

内心「すいませんでした」と素直に謝りたい気持ちのハジメは、目の前にいる森人族の前でそんな姿を見せたくないという意地から、無言を貫いてしまう。

 

「剣を収めよ」

「し、しかし長老!この人間は―――」

 

「お互いに敵意を剥き出しにしては話も満足に出来んだろうて……他の者も、私達を守る以外の目的で、彼らに武器を向けるのは止めて貰えんか」

 

「……長老がそう仰せであれば」

 

 重みのある男性の声に、森人族の者達は背をピンと立たせて整列する。

アイリスの背後からすっと現れた長老アルフレリックの姿を見て、カム達が戦慄する。

亜人族の内情を知らないハジメとアゥータは、何となくではあるがこの場において一番の発言力を持つ者はこの男なのだろうと察した。

 

「まずは自己紹介から済ませようか。…私は森人族の長老アルフレリック・ハイピスト」

「族長のアイリス・ハイピストだ」

 

「こりゃご丁寧にどーも。ヘルシャー帝国ゲブルト村のしがないハンター、アゥータだ」

「……南雲ハジメ、ハンターだ」

 

 既にお互いの名前と顔を知っているカム達は口を閉ざしていた。

アゥータの帝国出身という発言に、森人族の者達の視線が鋭くなる。

アルフレリックはじっとアゥータを見つめて、ゆっくりと口を開く。

 

「……なぜ帝国出身である事を隠そうとはしないのかね?亜人族が帝国を激しく憎悪している事は君のような者であれば知っているだろうに……」

 

「俺は話し合いに出来るだけ()()()()()()()()()()()()でね。言いたい事はお互いにハッキリと口にしちまった方が、後腐れなくていいだろう?」

 

「……成程、()()()()()()か」

「あぁ。其方さんのお好きなように捉えてくれや」

 

 一方でアイリスは剣を引いた森人族の代わりにハジメの前に立っている。

壁に叩きつけられた際に座り込んだ為、必然的にハジメを見下ろす位置のアイリス。

ハジメも彼女の見下ろす目を見返し、お互いに睨み合うような形になっていた。

 

「……非力に足掻くなと、私が言ったのを忘れたのか人間?」

「お生憎様。あの場で俺が抵抗しなかったのは、()()()()()を俺の手で汚したくなかったからだ。それに触れなきゃ、恥も捨てて意地汚く足掻いてやるってもんだ、舐めんな助平エルフ」

「貴様ッ―――」

 

 犬歯を剥き出しに笑いながら、言葉での挑発を止めないハジメ。

後ろに控えていた森人の1人が声を荒げようとするのを、アイリスが手で制する。

吐息がかかる程の距離までハジメに顔を近づけて言った。

 

「お前の言う()()()とやらがよく分からんが、私が侮辱されていることは何となくわかる。敢えて聞いてやろう……私のどこら辺が()()()()()()なんだ?言ってみろ」

 

 唐突だが、人族と亜人族の衣服の文化はかなり違う。

出会った頃にハジメはシアの服をあっさりと切っていたがちょっとした衝撃を受けた。

 

 ()()()()()()()()()()。ぶっちゃけ上の服はほぼ女性下着(ブラジャー)だけつけているようにしか見えない。

スカートも太腿上半分を覆う程度で、何故か色んなところに切れ込みがあるお陰で、風が少し吹けば中に履いている白い三角形の布切れが目の悪い人でも拝める。

 

 そして悲しい(嬉しい)ことに、この服装センスは亜人族共通だったようだ。

森人族の野郎が胸筋丸出しだったり、ピッチリスパッツなのはどうでもいい。

 

 アイリスも、思春期真っ盛りのハジメが見るには際どい恰好をしている。

上半身は腹回りほぼノーガード。女性にしては珍しく、メキッと割れたシックスパックが眩しい。

脇や二の腕も隠すものはなく、絹のような光沢のある美しい布当てが胸に巻かれているだけ。

首には銀色の輝きを放つロケットペンダントがついている。

 

(直視し辛いわ!)

 

 というのがアイリスに言いたい事だったのだが、向こうは全く気にしていない。

更に言えば第一印象が最悪で、ある種の敵対関係である彼女にそれを指摘する義理もない。

かといって嘗め回すように見るのはハジメの紳士的な善心が許してくれなかった。

だからこうして、目を見て睨むようにして視野を狭めている。

 

 下半身はシアのようなスカートを履いていない分、ボディラインを強調するスパッツを装備。

引き締まった尻の形がくっきりと分かる。

そのうえ、森人族の文化なのか地面の上でも素足なのだ。

土に汚れているかと思えば意外と手入れされた足は、一種のフェチズムを刺激する。

 

 ちなみにアゥータは「眼福眼福、死ぬかもしれねぇから目に焼き付けておかねぇと」と小刻みに股座を動かしながら、時折視線をアイリスの全身に向けていた。とんでもない変態である。

 

「どうした、早く答えないか」

「……答えたら、俺にとって何かプラスになるのかよ」

 

 

 

()少年が真面目に答えないから俺が答えまーす。貴女の恰好は性欲に悪影響を及ぼす危険なものだから目のやり場に困ってまーす。ストレートに言って処刑する前に一発ヤらせろこの野郎お願いします」 「ちょっとおぉぉぉっ!?」

 

 

 場の空気がシュネー雪原のように凍り付いた。

アゥータは「言ってやったぜ」と謎のドヤ顔を決めてハジメに視線を送る。

ハジメは顔を真っ赤にして慌てた。

 

「あ、補足するならシアの嬢ちゃんも村の服着てても割とスケベボディだからな?」

「―――――――はうっ!?」

 

 兎人族の仲間達に囲まれた中でシアが小さく悲鳴を上げて、自分の体を手で覆い隠す。

……が、手を縛られているので上手く隠せず、胸を強調するようなポーズになってしまう。

ハジメは逸らした視線の先にシアのそれを見てしまい、大袈裟な咳払いをして視線を逸らす。

 

「―――ン゛ゲ゛ッホン!」

「……あの……ハジメさんも、私の恰好は……気になりますか」

 

(ン゛ン゛ン゛!此処でその質問は止めて欲しかったなぁ、シアぁぁぁ!)

 

 先ほどまでの険悪な空気は、アゥータの落とした爆弾発言で霧散した。

というか森人族が揃いも揃って固まったまま動けずにいるのだ。

アイリスは「……フム」と口に手を当てて考える様な素振りを見せているが、頬が若干赤い。

アルフレリックに至っては「性欲……私にはもうないものだな」と遠い目をしている。

 

 先ほどとは違う意味で涙目になりながら、シアが上目遣いでハジメをじっと見つめた。

同時に兎人族全員から「シアちゃん泣かしてんじゃねーよ!」と非難の視線が向けらえる。

カムは何やら「頼みましたぞ」と力強い目で見つめているが、何を頼むというのか…?

 

「……あぁ~……まぁ……。うん……その、スマンな……?」

「あうぅ……ううぅぅっ!」

 

(……ごめんなシア……俺は…嘘が下手なんだ)

 

 天を仰ぎ見て、ハジメは心の中でシアに謝るのだった。





アイリスさんの恰好、最初に書いた時はビキニアーマーの設定でしたが、それを持って現れる娘がそういえばいたなと……ただの紐ビキニとスパッツにしました。
作中の空気が相変わらず安定しないというね……

感想、質問、ご指摘沢山お待ちしております!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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