モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 ありふれた職業で世界最強のアニメ第二期PVが出たので復活。
んほぉ……想像していたより王国のお姫様が可愛いかった件。
八重樫=サンの二つの神結晶がプルンと揺れた事で無事テクノブレイク。
そして最重要案件。それは………ノイントちゃん可愛いやったぁー!
ところでアニメ版一期では完全にハブられた帝国の皇帝陛下……どこいった…?


夜明け前の三つ巴~弐~

 

「ルア、貴様どういうつもりだ!!」

「はて……?どうもこうも、見ての通りでございますよ他部族の皆々様」

 

 フェアベルゲンの中央広場、そこには異様な光景が繰り広げられていた。

派手な装飾な飾りなどなく、直径10mはある巨大な切り株に腰かける者達。

狐人族の長老ルアと彼の部下達。

 

 声を荒げる熊人族や虎人族の長老達を魔人族、セレッカはあからさまに見下してニヤニヤと笑い続けている。亜人達が彼らに手を出せないのはセレッカの背後にいる魔物がいるからだ。

狐耳に生えた小麦色の毛並みを指で撫でつけ、ルアはのんびりとした口調で答える。

 

「私は以前より魔人族の方々と親しくさせて戴いているのですよ。樹海の中だけでは商いもとんと回りませんので……頭の固い貴方達にも分かり易く言うのなら、彼らと私達狐人族は古い掟や誇り等といった些末なものに関係を左右されない。ビジネスパートナーなのですよ♪」

 

――――グルルルッ!

 

 扇状の耳をピンと張って、嘴を小刻みに震わせながらそれは脚の爪で切り株の表面を引っ掻いた。亜人族にとっては神聖な儀式などを行うその切り株に傷をつけようものなら、即座に相手を殺しにかかるところだが、それには不用意に手を出せない。

 

 黒狼鳥の名前で呼ばれる中型の鳥竜種”イャンガルルガ

見た目がイャンクックと似ているものの、性格は比較的温厚なイャンクックと真逆。

目で捉えた生物の全てを敵と認識して襲い掛かる超好戦的な性格の持ち主である。

ハルツィナ樹海の生態系における頂点に最も近い所の存在として亜人達から認知されていた。

 

 そんな危険なモンスターが、今は大人しく()()()()()()()()()()()

あり得ない光景を目にした亜人族は瞬時に理解した。

イャンガルルガを簡単に手懐ける魔人族の恐ろしさを。

その気になれば、イャンガルルガにフェアベルゲン内で暴れさせることも出来ると。

イャンガルルガの背に腰かけた魔人、ダヴァロスはゆっくりと口を開いた。

 

「フェアベルゲンに対し私達、魔人族の長である魔王様は同盟を望んでいました。何度も訪ねては要求を書面にまで記し、声に出して読み聞かせ、貴方達の返事を待ち続けたというのに……答えは()()()()()()……貴方達は肯定も否定もしなかった」

 

「――――そ、それは……」

「わ、我々の意思ではない!森人族の長老がそうしろと言ったのだ!」

 

 眼鏡の奥から心臓を射抜くような冷たい視線をダヴァロスに向けられて、イャンガルルガに対する恐怖心で身を震わせていた熊人族の長老ジンが答えに詰まる。彼の横にいた虎人族の長老ゼルはまだこの場に到着していないアルフレリックに責任を擦り付けようとした。

ダヴァロスは心底呆れたように首を横に振り、セレッカは更に「ブフッ!」と笑いそうになるのを堪える。彼らに代わってルアが困ったように笑いながら言った。

 

「クッコココッ!誤魔化すなんてよくありませんねぇ…ジン殿、ゼル殿?お二人は魔人族からの話を定例会に挙げられた際、真っ先に ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()! と他部族の長老達に言っていたではありませんか……ねぇ?」

 

「「………ッ!!」」

 

 笑顔は本来、相手を威嚇するものである。

ルアが今まで彼らに見せていた朗らかな笑顔とは全く違うもの。

狐に化かされた熊と虎は、理解の追いつかない状況にただ怯えることしか出来ない。

 

「――――――しかし、魔人族の方々はとても寛容なようで……」

 

「えぇ、私達も()()()()()()()()()()()に喧嘩を売られた程度で、この樹海を血の海に変えるほど野蛮で無秩序な者ではありません。――――――最後のチャンスを差し上げましょう」

「ヒュ~♪隊長ってば優しい~。俺ならすぐにでも皆殺しにしてやるのに!」

 

「……さ、最後……だと…?」

「な、何を……」

 

 

 

「態々口に出さなければ分かりませんか?―――――我々に従属してこの樹海で未来永劫、変わらずに平穏な生活を送り続けるか、愚かな神を信奉する人間共と同様に魔王様の覇道を阻む障害として数百年続いた歴史に終止符を打つか……選びなさい……!」

 

 もう同盟という建前を隠すつもりもなくなった。

その必要性をダヴァロスは、目の前の亜人族相手に感じない。

支配種のイャンガルルガを前にして戦々恐々とし死を恐れる。

奥歯をガチガチ鳴らして体を震わせるジンとゼル。

 

 勝ち誇った笑みを浮かべて、ルアは頬の髭をピンと指で摘みながら張り直す。

既にその場の空気は、魔人族と狐人族の少数勢に呑み込まれようとしていた……その時だった。

 

 

 

「その話し合い、待てぇ!!」

 

 

 

 凛とした声が響き渡り、その場にいた亜人族の長老や彼らの側近を除く者達が安堵する。

イャンガルルガは耳を立たせて声のした方角をギロリと睨んで唸った。

突然の乱入者にセレッカ、ダヴァロス、ルアの三人が反応する。

 

「おろろ?良いところだったのに……」

「……まだ来ていなかった部族の方々でしょうか?」

「ほうほう、これはこれは。……やはり来ましたねェ、森人族」

 

 大木の枝に足をつけて、飛び跳ねるように空中を移動する森人族の戦士達。

弓矢を構えた戦士達がイャンガルルガを見て一瞬怯むような素振りを見せるも、キッと睨み返して戦意を奮い立たせる。大地に降り立った戦士達は各々が剣を抜いて盾を構え、じりじりと切り株の周りを囲んで近づいて来る。

 

 ジンとゼルが振り返ると、怒りの表情に染まったアイリスが背後に迫っている。

彼女は既に偵察の森人族から、先ほどの彼らの話を聞いていた。

 

「も、森人族……!」

「今更来たところで、勝手なことを―――」

 

「黙れ愚図共……!勇ましく在るべき亜人の戦士を纏める貴様らがその体たらくで、自分可愛さに我らの長老を身代わりにしようとする腐りきった性根……!こんな状況でなければ他の者共に止められようとも、私手ずから貴様等の首を残らず刎ねていたというのに…!」

 

 言葉を失い、情けない鳴き声を上げてその場で縮こまるジンとゼル。

アイリスから発せられる威圧は、先祖返りの力が抑えきれず漏れ出ている。

その力だけで二人の呼吸を乱し、動悸を激しくさせるほどに彼女は怒っていた。

 

 後ろから戦士達に守られながら現れたアルフレリックは何も言わない。

…いや、正確には何も言えなかった。

自分の娘である筈のアイリスが、遠い昔にその姿を見ただけで地面にひれ伏すほどの力を持っていたという先祖と同じに見えてしまったからだ。

 

「これはこれは、怒りに震える姿も美しく気高い……森人の族長アイリス殿」

「ふむ、貴女のような年若く見目麗しい女性が族長とは…」

「ひえ~亜人族も馬鹿に出来ないもんだね。とんでもねぇ美人さんだぁ!」

 

 三者三様の反応に、アイリスは何も言わずぐっと拳を握り締める。

元々ルアに対して苦手意識を持っていた彼女は、今度の彼らの行動を見て確信した。狐人族は決して信用してはならない部族として警戒すべきだと。

 

 魔人族の二人の近くで威嚇するイャンガルルガを見て、内心驚かされたが隙を見せてはならないと気を引き締めて話をしようとする。

 

 

 

 

(こりゃ何だ……状況がまるで飲み込めねぇ……!?)

 

 森人族の戦士達に囲まれたアルフレリックの背後にいるハジメとシア。

ハジメは遠目でもイャンガルルガを見て「強敵」だと無意識に感じる。

しかし魔人族を初めて見た彼の抱く第一印象は「人とそんなに変わらないな」だった。

 

 イャンガルルガの背に乗っているダヴァロスを見ても大して驚かなかった

似たようなものを帝国で既に見ているハジメからすれば、ダヴァロスは青白い肌をした几帳面そうな二十~三十代の男にしか見えない。

終始笑みを浮かべ続けているセレッカに関しても渋谷か原宿にいそうなチャラチャラした見た目のダヴァロス同様に青白い肌というだけの大学生の男という感じだ。

 

 ルアや彼と対面しているジン、ゼルに関してはそれぞれの部族の元である動物が若干人型に寄って二足歩行しているようなもの。兎耳と丸い尻尾の生えた兎人族よりは亜人らしく見えるが……

 

(あの狐人族ってのは魔人族とグルで?熊人族と虎人族は帝国に戦争仕掛けようとしていただぁ?―――しかも魔人族側が帝国の皇帝と同じようにフェアベルゲンを引き入れようとして―――――だああぁぁっチクショー小難しいことはサッパリだっつーの!)

 

 ハジメが心の中で頭を抱えて混乱する一方で、アイリスとダヴァロス達の口論は続いていた。

無条件降伏に近い形で魔人族の支配を受け入れるか、森人族の一存で徹底抗戦の構えを取るか。

そんな時だった、ダヴァロスが森人族達に連れられているハジメとシアに視線を向けたのは。

 

「おや?貴女の部下が連れているのは……人間の青年に、兎人の少女ですか。―――フフッ……!成程、()()が獲物を取り逃がしたのは……()()()()()でしたか」

 

 そう言って、ダヴァロスはイャンガルルガの下顎に出来た傷をそっとなぞる。

彼の指先に視線がいったハジメは、イャンガルルガの鱗や甲殻に何かでつけられた傷跡があることに気が付いた。

その答えを知っているであろうアイリスの後姿に目を向けると、彼女はゆっくりと口を開く。

 

「……お前達の後に兎人族を捕らえた部下の報告にあったな。兎人族を捕縛する前に、奴らを追いかけていた魔物と交戦。大した手傷を負わせていないにも関わらず、魔物は逃げ去ったと……」

 

(―――ッ!その魔物ってのが……)

 

 シアは初めて聞かされた話に唖然とする。カム()は一言もそんなことを伝えなかった。

会話の流れから魔物の正体が目の前のイャンガルルガであると確信したハジメ。

ダヴァロスはやれやれといった風に笑みを浮かべる。

 

「あの時は流石に驚かされましたよ。如何に戦う事に特化した黒狼鳥といえど、樹海での戦い方を熟知している亜人族の集団とまともに戦えば実験どころではありませんからね。――――――――それで、急で申し訳ないのですが―――」

 

 視線をアイリスから後ろにいるハジメ…ではなく、シアに向けるダヴァロス。

ビクッと肩を震わせたシアに対して、セレッカとルアが下卑た笑みを深める。

そんな様子を見せられて、ハジメの心の中に妙なムカつきが湧き始めた。

 

「そこのお嬢さん」

「……私…ですか……?」

 

 

 

 

「青白い髪とその瞳。―――間違いなく、貴女は()()()()()()()()()()()。詳しい話は後ほどさせて戴きますので――――――我々と一緒にガーランドへ来てもらえないでしょうか?」

 

 

 

 

 





 大して伏線回収とかではありませんが、幕間の物語「樹海の魔人族」の答え合わせ。
もし仮に森人族が日和ってイャンガルルガと戦わなかったら、シアの見ていた悪夢が実際に行われていたという感じです。

 余談ですがダヴァロス&セレッカのアニメキャラで例える容姿なら
ダヴァロス……黒執事Ⅱのクロード・フォースタス(繊細そうな陰険眼鏡)
セレッカ……ソウルイーターのフランケン・シュタイン(陽気なマッドサイエンティスト)


感想、質問、ご指摘等お待ちしております!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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