今日を逃せば休みは土曜まで無しだぁぁぁ!
酒の入った勢いで今のうちに書けるだけ書き続けるんじゃあ!
もしかしたら描写がいつもより酷いかもしれません、ご注意下さい。
「――――――分かった。受けてやるよ、その依頼」
突きつけられた依頼書に自分の名前を書いて、ダヴァロスに渡そうと歩き出すハジメ。
彼を拘束していた森人族達は身動きが取れず、他の亜人族も同様に困惑している。
ダヴァロス、セレッカ、ルアの三人はハジメを値踏みするように切り株の上からじっと見下ろす。
そして……クエストの討伐対象であるイャンガルルガは低い声で唸る。
イャンガルルガの朱色の瞳と、ハジメの真紅の瞳が交差する。
訓練所で殆どのモンスターの生態を頭に叩き込んだハジメだが、直感で気づく。
目の前にいるイャンガルルガは
「おや、貴方は武器を持っていないように見えますが……準備は宜しいので?」
ダヴァロスが指摘した通り。
今のハジメは手足を縛られた状態の丸腰である。
いざクエストが始まってしまえば回避するのも一苦労であり、戦う手段を持ち合わせていない……ハジメ自身以外はそう思っていた。
「悪ぃな。此処に来るまでの間に森人族にパクられた。―――お前に言うべき事じゃないとは思うが、初動は逃げの一手に専念させて貰うさ。武器が手元に戻るまでな」
(あんま使いたくない手だが……俺の
ハジメがジト目で、今度は肩越しにアイリス達へと振り返る。
彼女を除く森人族はバツが悪そうな顔で顔を背け、その中でハジメはシアが不安そうな表情を浮かべていることに気づいて、少しの間だけ穏やかな笑みを浮かべた。
「ハジメさん……」
「……悪いな、勝手に話進めちまってよ……。―――このクエストを達成しても、お前の家族を取り戻すために何とかしなきゃいけないんだけどな……」
言葉には出さないが、ハジメが言わんとしていることをシアは察している。
魔人族からのクエストを受けて、仮に達成したとして…待っているのは処刑だ。
他の亜人族達が、このまま黙ってシア達兎人族とハジメ、アゥータを帰すとは考えられない。
しかしハジメは敢えて強気な姿勢を崩すことなく言葉を続けた。
「―――まぁ、何とかしてやるさ!大丈夫だ。根拠はないが俺を信じろ」
シアが何か言いたそうにしているのを最後に見て、ハジメはダヴァロス達に向き直る。
彼らはニヤニヤと楽し気に笑いながら、ハジメとシアのやり取りを見続けていた。
「宜しいですか?貴方にとって最期になるかもしれない、知人との会話ですが」
「気遣いなら不要だ。―――――いつでも構わねぇぞ」
「餓鬼!心配すんな、お前が死んでもお前の遺体は俺が有効活用してやる!」
「そりゃお優しい事で……。使い終わったら、ちゃんと埋葬してくれよ」
「帝国のハンターの噂は私共も耳にしております。……クコココッ!亜人族の戦士が束になっても勝てない黒狼鳥相手に、貴方はどこまでやれますかねェ?」
「こっちも駆け出しの身なんでね。形振り構わず足掻くとするさ」
―――グルルルッ、ギェエァ……!
イャンガルルガは既に臨戦態勢となっており、耳がピンと立っている。
甲殻と鱗の間から見え隠れする赤黒い血管が脈動した。
手足を縛る紐を解く方法を頭で考えながら、ハジメは体の重心を低めに落とす。
ダヴァロスはクエスト開始の合図として、自分の愛用するハンカチを胸ポケットから取り出し、ふぁさっと宙に放り投げた。
ひらひらと舞い落ちるハンカチが地面と接する刹那、ハジメとイャンガルルガは同時に動く。
―――ゴアァァッ!
「……ちぃっ!」
初動イャンガルルガは火球を三発、口から発射してハジメを狙った。
右斜め前に、イャンガルルガを中心に反時計回りに動き出すハジメは舌打ちをして地面を強く蹴り、彼の背後を通り過ぎた火球が地面に着弾して爆発を起こす。
「うわぁ!」「キャッ」「―――ッ!」
「族長と長老をお守りしろ!」「り、了解ッ」
ハジメとイャンガルルガが戦う後ろで、巻き込まれる事を恐れた他の亜人族達が我先にと逃げ出す。森人族も例に漏れず、アルフレリックとアイリスを守る為に離れていく。
シアは彼らに連行されたまま、心の中でハジメの無事を祈った。
跳躍後に軽く地面の上を転がったハジメはスクッと立ち上がり、周囲から邪魔者がいなくなったことで少しは狩りに集中出来ると小さく息を吐いた。
―――ギェエァァァァッ!!!
予兆動作もなく突進を仕掛けるイャンガルルガ。
ハジメは敢えて直前まで動かず、イャンガルルガの巨大な嘴が眼前に迫るタイミングを見計らって、イャンガルルガの体の下側へと潜り込んだ。
(まずは体の自由を取り戻す…!)
ハジメが利用を考えたのは、イャンガルルガの脚の先端に生えた鋭い爪である。
鉄のナイフよりも鋭利で、幾度となく他のモンスターを狩ってきた黒狼鳥の武器。
そこにハジメは両手足を縛る紐を近づけて、突進の際の勢いを利用して引っかけた。
「ぐ、おぉぉっ!?」
覚悟していたよりも更に強い力で引っ張られ、体を引きずられるハジメ。
しかし数秒も経たない内に引っかけた箇所の紐がプツリと切れた。
地面をごろりと転がって、即座に身体を起こすハジメ。
両手足を縛る紐は切断されており、ハジメは爪の切れ味に内心ヒヤリとする。
(直撃したら―――それだけは考えたくねぇな……!)
ハジメが身体を起こすと同時に、突進から急制動をかけたイャンガルルガも振り返った。
二度の回避は奇跡的に上手くいった……次も躱せるとは考えない。
火球か突進の攻撃を予測して、次の行動を考えるハジメ。
ところが、イャンガルルガはその場で翼を強く羽ばたかせて空中に上がった。
(何を……?―――――――――ッ!!まさか―――)
嫌な予感がしたハジメは後ろに向かって走り出すが、少し遅かった。
空中ですっと息を軽く吸い込んだイャンガルルガは次の瞬間――――
ズ、ドドドドドドドドドドッ!
時間にして凡そ2秒も満たない間に、10発以上の火球を口から連射するイャンガルルガ。
威力は初動でハジメに撃ったものと大差ない。
寧ろ空中から撃ち下ろす形で放たれた火球の速さは若干だが此方が勝る。
ハジメの近くで火球が爆発すると、身を焦がす火と熱波が押し寄せた。
「ぁがッ――――――!?」
絶叫する余裕もない、喉からせり上がった肺の空気を全て吐き出す。
防具で多少は守られていても、火に焼かれる痛みは想像を絶するものだ。
ハジメの体は地面から離れて数メートル吹き飛んだ。
ズサササッ!と地面に打ち付けられたハジメの体は数回バウンドして止まる。
(――――――や、べぇ……っ。今まで戦った奴らの比に、ならねぇっ……!)
両手を使って起き上がったハジメは、口の中のジャリジャリとした砂を含んだ唾を吐く。
鉄錆を舐めたような味がして、手の甲で口元を拭うと血がついていた。
視線だけはイャンガルルガから離さず、次なる攻撃を警戒するハジメ。
(早々に……武器を取り戻さねえと……殺される!)
空中で翼を羽ばたかせたイャンガルルガは、ゆっくりと地面に降り立った。
更に火球を連射して追撃する事も出来たのに……奴はそうしなかった。
ドスンと土煙をあげて着地したイャンガルルガは、その場で再び唸り声をあげる。
既に戦い始めているにも関わらず、威嚇のような素振りを見せた。それ即ち―――――
「―――く、は……!俺じゃ、戦う相手として役不足ってか……?」
―――グルルッ、ギェェッ…!
侮られている。
知性あるモンスターは、戦う相手を選ぶ権利があった。
黒狼鳥は目に映る生物を敵として認識し、襲い掛かる習性がある。
しかし、時として戦い慣れた個体の中には…その生物を敵とすら認識しない場合があった。
自らが手を下せば、あっという間に倒せる圧倒的弱者。
腹が減っていなければ、自らの生活の邪魔にならなければ、襲ってこなければ―――
戦っている獲物に対して全力で襲う必要もないだろう。
「確かに……ハンターとしちゃまだまだ俺は弱いかもな。……けど、お前よぉ……――――――――
ハジメは自由になった両手を大きく広げ、バシッと地面に掌を押し当てる。
直後、イャンガルルガは足元に違和感を覚えて動こうとしたが、体はぐらりと揺れた。
――――グッッッ!!?
「間抜けが!!この間にぃぃぃ――――!」
ハジメはぐっと足に力を入れて、イャンガルルガに背を向ける。
「戦略的、撤退ぃぃぃぃっ!!」
あまりかっこつかない無様なハジメだが、彼は気にしていなかった。
卑怯、無様と指差されようと、錬成と素手じゃイャンガルルガには勝てない。
ならば十全に装備を整えて、全力を出せる状態に持ち込んでから狩るべきだ。
しかし、事はそう上手く運ばず……
―――グルエェッ!
ボコンッ!と盛り上がった地面に埋められた足を引き抜いたイャンガルルガ。
その瞳には怒りの色が宿っており、小さくなっていたハジメの姿を捉えて離さない。
空中飛翔からの火球マシンガンは絶対に初見避けられないって(それで乙した作者)
アレ何処かの別ゲーで既視感あるなぁとか思ってたら、ピクミン2のダマグモキャノンだこれー!とか思ってました……
感想、質問、ご指摘などお待ちしております。
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡