本文を見る前に軽くハジメのハンターとしてのスペック紹介
武器・防具など……まだまだ下位の駆け出し。倒せてリオレイアが限界
モーション……ワールド基準(過去作の動き等もアリ)
モンスターに対する知識……イビルジョー、ラージャン、イャンガルルガ等の狩猟記録が少ないモンスターを除いて、大抵のモンスターは特性を理解している(実際には戦ったこともないので苦戦必至)
「すいません……アゥータさん、ルゥムさん…俺、俺は――――」
「おう、謝る暇があるくらいならそこで息を整えとけ。……歴戦個体相手によくここまで持った。五体満足に生きてりゃ十分だ。この場で一番頼れる奴も連れてきてくれたみたいだしな」
「………?」
「何ボケた顔してやがる……お前以外にいるかっつの。………ルゥム、俺はちょいと野暮用済ませなきゃならんのでな。
「……(こくっ)」
摺り足でイャンガルルガの視界から隠れるように、アゥータは茂みの中へ消えていく。
彼が何をしにいったのか予想のついたハジメは自分に出来る最善を考えた。
今は目の前の敵を倒すことだけに集中する。
そうしなければ、彼の後を追うことも儘ならない。
「ぐ、カハッ……ルゥムさん…っ…!俺も、戦い……ますっ!」
血まみれの手で、背負った弓を再び構え直して歩き出そうとするハジメ。
しかし霞む視界は正常に戻る事なく、一歩踏み出す度に激痛が前身を駆け抜ける。
防具の裂けた箇所から血が噴き出して、彼はゲホゲホと咳き込む。
ルゥムは肩越しに振り返り、じっと彼の瞳を見つめた。
言葉にしなくとも(普段から言葉を発することはないが)彼女が言わんとすることは分かる。
ハジメが此処で戦いに参加しても足手まといになるだけだ。
彼女の背に手が届く距離まで歩みを進めたハジメだったが―――
ついに体は限界を迎えて、力が抜けた膝から地崩れ落ちてしまう。
地面にぶつかると、反射的に目を瞑った。
……が、何時まで経っても痛みはやってこない。
「……ぁ……」
「………(こくっ)」
自分の体を包み込む柔らかな感触と温もりにゆっくりと目を開く。
ルゥムは見向きもせず、片手でハジメの体をしっかりと支えていた。
そこでようやくハジメは自分が足手まといになると悟る。
彼女の顔を見ることが出来ず、悔しさで奥歯を強く噛み締めた。
(……馬鹿か俺は……。狩人の意地だなんだとムキになる前に気づけよ……。目の前の此奴をさっさと倒して、シア達を助けて樹海を出る為に、一番いい選択肢を忘れてんじゃねえか……!)
ハジメがするべき事はルゥムと肩を並べてイャンガルルガを倒す事ではない。
戦いを彼女に任せて、体力を回復させることに専念するべきだ。
今の状況を招いたのがハジメであるから、その後の展開を上手く運ぶように考えて実行に移す義務がハジメにはあった。
こうしている間にも、兎人族が処刑される時間が近づいている。
アゥータがあの監禁場所から抜け出せたということは、シア以外の兎人族は恐らく無事なのだろう。しかし、最も保護すべき対象であるシアは、フェアベルゲンの中心に取り残されたままだ。
「……すい、ません。……ルゥムさん」
「………(ふるふるっ)」
自力で立ち上がり、再び木の根に背中を預けるハジメ。
ルゥムはまた肩越しにハジメへと振り返る。
再度向けられた瞳は、ほんの少しだけ優しさの色が垣間見えた。
「後を……お願いします」
「………」
その言葉に頷きもせず、鬼哭斬破刀を構えたルゥムはイャンガルルガに向き直る。
彼女の背中から「任された」という無言の肯定の意思が伝わってきた。
*
距離を取ったイャンガルルガに対して、鬼哭斬破刀を構えたまま走る。
優れたハンターであっても、通常なら太刀を手にして走ることは出来ない。
両手持ちの武器に共通して言える、
一撃の威力を重視した両手持ちの武装を使うハンターが心がける基本の戦法は一撃離脱。
モンスターの動きの隙を見計らって距離を詰め、一撃を加えて再び隙が出来るまで回避に専念する。そうしなければ確実に反撃を食らってしまうからだ。
だがルゥムは走っている。
直立させれば自分の背を軽く超えてしまう太刀を腰の右側斜め下に構えて。
武器を構えての疾走、スタミナの消費も当然ある。
彼女は顔色一つ変えず、徐々に相手との距離を詰めていた。
―――ゴアアァッ!ゴアッ!ゴアッ!
何もせず接近を許すイャンガルルガではない。
両脚で地面を抉るように蹴って、三発の火球を口から放つ。
本来なら三方向に分かれて放たれるそれは全てルゥムを狙った。
右に飛んでも左に飛んでも、被弾は免れない絶妙な距離感を保った火球を前に、ルゥムは走りを止めることなく、じっと火球越しにイャンガルルガを捉えていた。
火球が前のめりに走る彼女の鼻先に触れようかという瞬間。
彼女は手にした鬼哭斬破刀を打ち上げるように振るった。
振るう寸前、刀身と彼女の体に青いオーラのようなものが溢れる。
―――ッ!!?
イャンガルルガは目の前で起きた現象を頭で理解出来ずにいた。
火球は確かに目の前のハンターを捕らえた筈だ。
現に着弾時に生じる爆発は目の前で起こっているのだから。
…それなのに、ハンターは無傷で爆炎の中から突っ込んできた。
歴戦の黒狼鳥の思考回路は混乱に陥る。過去、幾度となく死線を乗り越えてきたモンスターである彼が、戦ってきたどんな相手も、火球を食らえば大なり小なり痛みを感じて動きを止めていた。
その隙を見計らって突進を仕掛けるか、尻尾を当てさえすればいい。
一度も揺らぐことのなかった必勝の戦法が通じない相手。
もう太刀の切っ先が届く距離までルゥムは走り切っていた。
イャンガルルガも火球を無傷ですり抜けられたことの余計な思考を切り替えて、迎撃のために嘴を大きく振り上げてルゥムに叩きつけようとする。
迫る薄紫色の固い嘴をルゥムは一瞥して、小さな息をつく。
そして、
一瞬の内に彼女の体は雷光のようにその場で光るようにして消えた。
攻撃していたイャンガルルガは眼下の死角に潜ったハンターがどのようにしてその場から姿を消したのか、認識すら出来ない。
直後、嘴が地面に突き刺さるより先にイャンガルルガの足元から鮮血が噴き出す。血の出どころはイャンガルルガの両脚付け根。
その間を擦り抜けて尻尾の生え際に、ルゥムの姿はあった。
既に鬼哭斬破刀は振り抜かれた後である。
両脚の激痛に耐え切れず、イャンガルルガはその場で転倒する。
転倒する直前で、ハンターの追撃を許すまいと尻尾を振り回した―――
―――が、既にルゥムの姿はそこにいない。
彼女が両足に与えた二度の斬撃。
それは通常の太刀の型に非ず、
その存在を知る者は極僅かであり、それを扱える者もこの世に十人といないだろう。
神速の領域にその身を預け、相手の攻撃を紙一重で躱し、二度の斬撃を放つ。
名を”瞬斬”
そして瞬斬後に膝を曲げて姿勢を低く落とし込んだルゥム。
転倒するイャンガルルガの体目掛けて、返す刀で刺突を放った。
ありふれた太刀使いのハンターが覚える技の一つ”気刃兜割”
刀身がモンスターの身体を刺し貫いた瞬間、ハンターはモンスターの身体を踏み台にして空中へと舞い上がる。モンスターを刺した刃を跳躍と同時に引き抜いて、空中で半円を描くように振り下ろす。気を込めた刃に使い手の体重を全て上乗せすることで、威力は気刃大回転斬りの倍以上にもなる。
華奢なルゥムの体が空中へと躍り出たのをイャンガルルガの目が捉えた。
立ち上がって反撃をしたいが、両脚を斬られた直後でそれが叶わない。
刃が肉を裂く寸前、目を見開いて絶命するイャンガルルガが目にしたのは……
能面のような表情の内に鬼のような威圧感を秘めたルゥムの姿だった。
歴戦の黒狼鳥は、鬼に哭き声を上げることすら許されずに狩られた。
血溜まりの中で、ずぶりと死骸から鬼哭斬破刀を抜いたルゥム。
白かった毛皮の防具は赤く染まり、彼女自身も返り血で赤くなっていた。
頭の角飾りも相まって、その姿は文字通りの剣を手にした鬼。
「……すげぇ……」
掠れた声で呟いたハジメ。
戦いの一部始終、時間にして三十秒に満たない狩りの決着。
彼女が何をしたのか、火球の爆発で細かくは見れなかった。
太刀を振るう金属の風切り音、イャンガルルガの鳴き声と血の噴き出る音。
それらが聞こえて土煙が晴れた先には、勝者と敗者が在った。
*
クエスト[魔人族からの挑戦状]をクリアしました。
ハンター・ハジメは称号 ”未熟者” ”挑戦者” ”意地っ張り” を手に入れました。
取得条件:指定されたHR以上のモンスターと遭遇・対峙する(未熟者)、過去一度も達成されなかったクエストを達成する(挑戦者)、装備した武器・防具で倒せないモンスターに挑み続ける(意地っ張り)
ハジメの獲得した素材一覧
・傷痕の紫甲殻3個
・黒狼鳥の上鱗3枚
・黒狼鳥の剛翼1枚
・黒狼鳥の靭尾2本
・黒狼鳥の銀狼毛3束
・火炎袋1個
他、トモダチチケット、獣人族の契約書(重要アイテム)など
ネタバレになるので簡単なルゥムの説明
モーションがフロンティア基準、あとはお察し
そろそろ樹海編も終わりかな?
感想、質問、ご指摘等お待ちしております!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡