感想沢山貰えてご満悦の作者
今回の話は正直ただの甘い日常のワンシーンみたいなものです
そろそろ帝国にいってた兄貴とカムが帰ってくるかな……?
酒の勢いで終わらせたので内容はそこまで濃くないかもです
ハジメは村の中を進んでいき、ウマアジ達が営むアイルーキッチンに足を運んだ。
料理長であるウマアジが早々に包丁を動かす手を止めて駆け寄ってくる。
他の4匹は忙しそうに鍋をかき混ぜたり、野菜の皮を剥いたりと働いていた。
「これはこれはハジメ様、此方でお食事ですかニャ」
「あぁいや今日は違うんです料理長。村に運ばれてきた女の子のことは聞いてますか?」
「ニャ、村長から夕べ連絡を受けておりましたので存じておりますニャ」
「彼女の容態が安定してきたので、その食事作りをお願いしに来ました」
ハジメの作る素人料理では胃にもたれる。
彼なりに優花へ気を遣って料理のプロフェッショナルに頼んだ。
尻尾をピンと立たせてウマアジはこくりと頷く。
「ニャるほどですニャ。かしこまりましたニャ、少々お待ちくださいですニャ」
普段は料理を注文する際に村人達が使うハンドベルを鳴らすウマアジ。
すると調理の下準備をしていた4匹は一斉に彼の下へ集合する。
ウマアジは食材をあれこれ指差して調理器具などの名前を出す。
4匹は了承してビシッと手を上げ、一斉に持ち場へとついた。
「すぐにお作りして、ぼく達がマイハウスまでお運びしますニャ」
「助かります料理長。家に着いたら代金の方、支払わせて頂きます」
「了解ですニャ」
ウマアジが手に取ったのはゲブルトアップル。
これをすり潰したものを、他のアイルー達が作っていた麦粥へと加える。
そこにほんの少しだけガーグァの卵を溶いて混ぜる。
ウマアジ作、即席のゲブルトアップル入り麦の卵粥だった。
「ハジメ様も同様のものをどうぞですニャ。香辛料ニャどお好みで加えますかニャ」
「そうですね、それじゃあトウガラシをお願いしますもう一人お客さんがいるので二人分で」
「畏まりましたニャ」
そうして暫くしていると小さな土鍋をお盆に乗せたウマアジがやってきた。
他の4匹に調理場を預けて、ハジメは残る二人分の土鍋を受け取る。
彼らはマイハウスまでの道に甘い卵粥の匂いを漂わせながら歩く。
*
「リンネさん、園部。飯持ってきたぞ」
マイハウスに戻ると、優花はベッドで横になっていた。
折れていた腕の方は添え木を当てて布で巻いて固定していた。
恐らくそう彼女に言ったであろうリンネは机に座って何やら羊皮紙に書いている。
そっとそれを懐にしまって振り返った彼女の頬が緩む。
「お~そういや朝飯まだだったねぇ。優花ちゃん、体起こせる?」
「あ、はい……ありがと南雲」
「ん」
素直に感謝を受け取れないハジメはぶっきらぼうに返してそっと土鍋を机に置く。
リンネは待ちきれないといった様子で土鍋の蓋から漂う香りを胸いっぱいに吸い込む。
そうしているとハジメに遅れてウマアジがとてとてとマイハウスの中に入ってくる。
優花は猫が二足歩行で歩いている光景に衝撃を受けてその場で硬直した。
「あぁ料理長。そっちの土鍋はベッドで寝てる子にお願いします」
「了解ですニャ」
驚いて半口開けたままの優花にペコリと頭を下げるウマアジ。
見た目がまんな二足歩行で喋る猫なだけあって恐怖などは特に感じなかった。
寧ろエプロンを着て小さな体でお盆を持ち上げて歩く様子は可愛らしい。
そんなウマアジをチラと見たリンネは驚きの声を上げる。
「あれっ!?ウマアジくん、ここで働いてたんだ~!元気してた?」
「ニャんと!?リンネ様、お懐かしゅう御座いますニャ!」
ウマアジも嬉しそうにピンと髭を立てて尻尾を振った。
膝立ちの姿勢になってリンネはウマアジの首下をこしょこしょ擽る。
ハジメは内心「羨ましい」と思いながら席に座った。
「料理長とリンネさんは面識があったんですね」
「えぇ。何年も前の話だけど、アタシと同期のハンターのオトモだったのよ彼」
「ニャ、今はアゥータ様のご好意で村の調理場を任されておりますニャ」
「そっかぁ~!後で村を散歩がてら調理場にも顔を出そうかしら」
「是非、お願いしますニャ」
ゴロゴロと喉を鳴らしてリンネの愛撫を受け入れるウマアジ。
微笑ましく、羨ましい光景を眺めていたハジメの視界の端で優花が動く。
ベッドの上の土鍋から立ち昇る湯気と良い香りに腹を鳴らしながら、目だけはウマアジに興味津々といった様子である。
自分に向けられた好奇心に気づいてウマアジは彼女に一礼する。
「はじめましてですニャ。ボクはウマアジ、村の調理場で料理長をやっておりますニャ」
「あ、えっと……はじめまして、ウマアジさん。園部優花です」
「ニャ、園部様。昨夜からお体の具合が良くなったとのことで、ハジメ様よりご依頼を頂き、消化しやすく栄養の取れるお食事をご用意しましたニャ」
「それは……ありがとう御座います」
ベッドの上から頭を下げる優花はちらとハジメを見た。
彼はそっぽを向いて知らぬ風を装っているが、耳が少し赤かった。
リンネが小声で「やっぱり男の子だ。素直じゃないなぁ~」と揶揄う。
ウマアジは挨拶が終わったので調理場に戻ろうとして一度だけ足を止める。
「お盆と土鍋の方はお食事が住んだらボク達が回収しますかニャ?」
「大丈夫よ、アタシが後で散歩ついでに洗って持っていくから」
「ニャ、リンネ様。そういう事でしたら宜しくお願いしますニャ」
そう言ってウマアジは小走りでマイハウスを出て行った。
三人は土鍋を蓋を同時に開けて姿を見せた料理に感嘆の息を漏らす。
程よくかき混ぜられた麦の卵粥にリンゴの甘酸っぱい香り。
ハジメとリンネの土鍋には赤いトウガラシが細かく刻まれて入っていた。
「さーて、それじゃあ朝食を頂きましょう!」
「ですね」
「はいっ」
「「「いただきます」」」
と声を揃えて合掌して食べ始めたがすぐに問題が発生した。
実は利き腕を骨折していた優花、無事だったもう片方の腕でスプーンを掴んで土鍋の中の卵粥を掬おうとするのだが――――――
「あっ……」
べちゃっと掬い上げてすぐにスプーンの中を落としてしまう。
ほんの少しスプーンについたのを口に運ぶことは出来るが、それでは食べていないに等しい。折角の温かい卵粥も今のペースでは冷めて台無しになるだろう。
それに気づいたリンネが「あちゃー」と声を上げる。
「ごめんね優花ちゃん。それじゃ食べづらいよね……」
「あ、いえ大丈夫です……これくらい……あっ……!」
また掬い上げるのに失敗して三人の間に気まずい沈黙が流れる。
するとハジメが食事をとる手を止めてスタスタと優花の下まで歩く。
何事かと優花が声をあげるより先に彼は彼女の手からスプーンを奪った。
「……ちょっと、何を――――――」
と言いかけて優花は自分の土鍋の卵粥を掬ったハジメを見て察する。
リンネは「おぉ~?」と意味深な笑みを浮かべて自分の食事に戻った。
スプーンに入った卵粥をぐいっと優花の口元へ差し出すハジメ。
「食え」
「ちょっ、そんな気を遣わなくてもいいわよ!自分で―――」
「食えないからああやって落としてたんだろ」
そう返されて何も言い返せない優花は顔を赤くしながらそれを食べる。
そして予想よりも熱かった卵粥にビックリして飲み込みながら咽た。
「~~~っけほっ、こほっ!!」
「あら~ハジメ君、ダメじゃない。ちゃんとフーフーしてあげなきゃ♡」
「っ!?それくらい自分で出来ますっ!!」
揶揄ったリンネに対して更に顔の赤みを増す優花は怒鳴る。
ハジメは無言で淡々と二杯目を掬って優花の口元へ持っていきピタリと止めた。
「んっ……ふぅーっ、ふぅー……」
スプーンの卵粥を冷ましたと優花が目でハジメに合図する。
彼は口の中にスプーンを入れて、彼女はこくりと喉を鳴らして呑み込む。
ハジメの後ろでリンネが楽しそうに笑みを浮かべていた。
優花が照れているのに対してハジメは表情を崩さなかったが――――――
「……勘違いすんな。看病の一環としてやってるだけだ」
「―――そんなこと、言われなくても分かってるわよ!」
「そうか、ならいい。……次、いけるか?」
「えぇっ!頂戴ッ!」
(アッハァ♡……やっぱ若い男女いいわぁ、見てるだけでアタシまで潤うわぁ……)
こうして優花の食事は滞りなく進み、全て食べきる事が出来た。
それから優花は照れ臭くてベッドで横になってそっぽを向いてしまったが……
終始ハジメは喋らず彼女にスプーンを運んでいたが、その顔はどこか嬉しそうだった。
後で井戸水で食器を洗っていたリンネがその事をこっそり尋ねると、彼はこう答えた。
「朝飯を誰かと一緒に取るのは……久しぶりだったんで」
(……成程ね。どうりで話してた時みたいな照れがなかった訳だ……)
アイテム夫婦や村の誰か、アゥータやルゥム、シア達兎人族と食卓を囲むのは夜だけ。
朝はそれぞれに仕事があるから一緒に食事をとる機会がなかったのだ。
元の世界でも両親と一緒に朝食を取ることは少なかった。
普通の食事とは少々変わった形で進んだが、それでも彼にとって新鮮な一日の始まりだった。
「あっ、だからって女の子にああいう事したら誤解されるから気をつけてね?」
「………次からは善処します」
ハジメ君は至って真面目に看病をしているつもりです()
彼女に対して好きという感情はまだないけれど、クラスメイトで数少ないマトモな奴がいたんだと感極まって優しくなっちゃうのがウチのハジメ君です(冷徹に振る舞えない弱さというか、元にある強い善性というか……)
もうちょっと更新ペースを上げられたらなと思う今日この頃でした
感想、質問、ご指摘等お待ちしております!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡