自分の作品を自分で読み返すと「あぁ、ここ直した方がいいかもなぁ」ってところがあったりなかったり、でも実際に直すのかというと「暇なときにやろう」と言ってその内に忘れるんですよね(明日から頑張るの法則)
「……落ち着いた?」
「……はい……ありがとう御座います」
ベッドの上で鼻を啜って赤く腫れた目元を隠そうとする優花。
恥ずかしがる必要はないとアボクが言ってくれたが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
リンネは仕方ないと云った風に微笑んで彼女の髪をくしゃくしゃと撫でる。
「――――――さて、それでアタシ達のこれからなんだけど」
当然だがリンネと優花は明日にでもゲブルト村を出るつもりでいた。
優花の体調はリンネが診た限りでは今夜中に全快するだろうとのこと。残る不安は折れた腕が治るまでの日数だが、それも王国の治療院などで治癒術をかけて貰った方が治りは早いだろう。
するとそこへ、ハジメが割り込んでくる。
「すいませんリンネさん。先に俺の用事を済ませてもいいですか?」
「うん?構わないけど……用事?」
「すぐに済みますよ。……村長、アゥータさん……」
神妙な面持ちで二人と向き合うハジメ。
彼が何を言わんとしているのか二人ともこれまでの会話で既に察しているようだ。
カムはまたもや「突然どうしたのか?」と首を捻る。
一呼吸おいて、ハジメは毅然とした態度で告げた。
「俺、この村を出ようと思います」
「えっ――――――」
「………」
「なっ!?」
「…………そうか、やはりそうなるか……」
「……ま、予想は出来たわな」
アボクは愕然とした表情でハジメを見つめるカムを落ち着かせて椅子に座らせる。
アゥータは「ちょい失礼」と優花から離れたところで懐から煙草を取り出して咥え、火を点ける。
優花が息を呑む横で、リンネはじっとハジメの後ろ姿を見ていた。
先に声を発したのはまた自分のせいだと思い込んだ優花だった。
「南雲ッ、私は本当にあんたの事を言いふらすつもりは――――――!」
「分かってる。お前のせいで村を出るんじゃない、早とちりすんな園部」
彼は口でそう言っているが、優花には自分が原因であるとしか思えない。
続いてカムが唇を震わせながら今にも泣きだしそうな顔で口を開いた。
「は、ハジメ殿は……出て行かれるというのですか……!?この村を……!」
「何時かはそうするつもりでした。……予定が少し早まっただけですよ」
ハジメはアイテムボックスの中身を漁りながら色々な物を取り出した。
それは嘗て、ハジメが王国から逃げ出した時のボロボロだったリュックサックだ。
彼はまだ原形を留めていたそれを捨てずに、いざという時のために補強していた。
表面の皮はそのままで内側に彩鳥の鱗を縫い付けてある。
これで強度は十分に保てている為、次に襲われても中身が傷つくことはない。
彩り鮮やかな鱗を表面に使わなかったのは身分を隠す時の用心として。
帝国内では気にしないが、王国でハンターがどう扱われているかは噂に聞いている。
故に極力目立つような事は避けて旅人を装うつもりだったのだ。
「俺にとってこの村は二番目の故郷です。助けて貰った事や受け入れてくれた事を含めて、村の人達にもっと恩返しがしたかった。……けど逆に俺が此処にいることで迷惑をかける事が起きるかもしれない。元の世界に帰る方法を探すって目的も俺にはあるんです」
「迷惑云々についちゃ反論するつもりだが、その目的を言われたら止められねえな俺は」
「アゥータ殿ッ!!」
「カムさんよ、こればっかりは誰にも止める権利はねぇぜ?それこそ神であろうともな」
既にハジメの事情はある程度カムも知っていた。
それでも村の住人として、カムは彼に助けて貰った恩を返すつもりだった。
だというのに、当の本人は村を出て行く準備を人知れず進めていたのだ。
煙草から立ち昇る紫煙をぼんやり眺めながらアゥータは続ける。
「――――――つぅかこれでお別れって訳じゃねえだろ」
「……ですね。帰れる方法があるって確証は得ていませんし」
「……つ、つまり……?」
「カム殿、村を出て行ったからといってハジメ君は永遠に帰ってこないとは言ってないだろうて。その帰る方法を探すために世界を巡る間だって、この村に戻ってくる機会は幾らでもある筈だ」
ハジメも実はそれを言いたかったが、カムが引き留めようとしてきたので言い出せなかった。
アボクに諭されてハッと我に返ったカムは次の瞬間、パァッと明るい顔でハジメに向き直る。
ハジメも苦笑交じりに頷くと、今度は早とちりしたカムがかぁっと顔を真っ赤にした。
「わ、私とした事がもうこれでハジメ殿に会えなくなってしまうのではないかと……」
「大丈夫ですよ。旅に疲れて一休みしたい時にはまた此処に戻ってくるつもりです」
「は、ハジメ殿ぉ……!」
「やーそれは良かった!実に好都合じゃないかッ!!」
突然、今まで口を閉ざしていたリンネがハジメの近くまで歩み寄ってきた。
彼女は「ガハハ!」と笑いながら彼の肩に手をかけてアゥータに問いかける。
突然のことにハジメと優花は驚いて彼女に目を向けた。
「坊や。早速で悪いんだけど、この子を護衛として借りたいのだけれど」
「いいんじゃないっスか?期間が長いんなら特別任務って形で」
「あの、ちょっと……話が見えてこないんですけど」
「ん?そうねぇ、じゃあサクっと簡潔に纏めると―――――――――」
リンネは胸元から羊皮紙を一巻きを取り出した。
それは先ほどハジメが朝食を持ってくる前に彼女が何か書き込んでいたものだ。
「失礼するわね」と言ってリンネは優花の膝上にバサッと羊皮紙を広げて見せる。
ゲブルト村(ハジメ君が応じればここから任務開始)
↓
ブルックの町(ハジメ君が応じなければ町で護衛を雇う)
↓
大峡谷沿いの街道
↓
商業都市フューレン(ここで買い物)
↓
ハイリヒ王国領内の街道(王都は無視)
↓
宿場町ホルアド(ここで一泊の予定)
↓
街道
↓
湖の町ウル(ここで任務完了)
「り、リンネさん……これって?」
「ゴメンね優花ちゃん。貴女はすぐにでもウルで待ってる先生や友達のところに帰りたいと思っているんでしょうけど、実はアタシ町の用事でどうしてもフューレンに寄りたいのよ」
「フューレンって確か……」
「王国領で交易が最も盛んなところだ。そういや姐さん、時期的に
「そうよ。アタシがなんとなくで企画しただけなのに、なんか町中が協力的になっちゃってね……町長が「この際だから収穫祭も兼ねて盛大にやりましょう!」なんて言う癖に、いざアタシがお金出すって言うと渋るのよ~?――――――あぁ、ごめん話が逸れちゃったわね」
「……羊皮紙に書いてあるのを見てなんとなく察しましたよ」
まだ分かっていないのは優花とカムの二人だけだった。
ハジメは説明を遮ってリンネに答えを言っていいかと目線を送る。
彼女は「オッケー」と茶目っ気たっぷりのウインクを返す。
「リンネさんが言いたいのはハンターとしての俺に園部と貴女を道中の安全を確保して湖の町ウルまで送り届けるという特別任務を受けて欲しい………どうですかリンネさん、俺の予想は」
「ん~80点ね。守るのは優花ちゃんと、アタシの代わりに途中で買った荷物も守って頂戴」
リンネがそう言うと、カムはようやく納得がいったのかホッと息をつく。
一方で優花は信じられないものを見る様子でハジメとリンネを交互に見ていた。
彼がリンネと同じハンターになったというのは聞いたが……それでも……
優花の言わんとしていることを目で見て気づいたリンネが笑みを浮かべて代わりに言う。
「一度は背を向けて逃げ出した彼が護衛だと、優花ちゃんは道中不安しっぱなしかな?」
「そ、そんな事は――――――!」
「いや……園部の指摘は尤もだ。お前から見て俺に信頼がないのは当然だ」
優花はまた驚いた様子でハジメの顔をじっと見つめる。
彼はあっけらかんと自分が頼りなく優花に見られていることを認めたのだ。
「けどな」とハジメは言葉を続けて優花の足元に置かれた羊皮紙を手に取った。
「お前を助けるって依頼を引き受けたのは俺の意志だ。
「寧ろ大歓迎よ、坊やの後輩なら見込みはありそうだしね♪」
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南雲ハジメが特別任務を受注しました。
クエスト依頼主が参加を締め切りました。
クエストを開始中です…………
MHXXのハンターみたいに村とか町を転々とするだけですよ!
問題はハジメ君不在時にシアがそれを知ってどんな反応をするのかですが……
優花はまだハンターとしてのハジメの強さを知らないので「えっ、あんた戦えんの?」みたいなリアクションになる訳です(リンネ姉貴を基準にしてはいけない)
感想、質問、ご指摘などお待ちしております
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡