モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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勢いで書いた二話、ハジメ君はエルフ耳を求めて荒野を彷徨う。
感想の返信に書いていましたが、作者はモンスターハンター歴
ポータブル、G、2(ドス)、2nd、2ndG、3(トライ)
3rd、フロンティア、ワールドくらいです。
そのため、ダブルクロスとかのモンスターを出そうとは考えているものの、戦った経験がないので動画等で見て感覚で書くくらいしか出来ません。
(何故ここでゲーム機本体とゲームを買うという発想にならないのか、ハンターのボブは訝しんだ)

では本編どうぞ


序章・続 不慣れな旅に危険は付き物

「……どれくらい歩いたのかな……」

 

 オルクス大迷宮の方角から日の光が昇って、宿場町ホルアドを照らし出す頃。

技能「錬成」で作った簡易リュックサックを背負ったハジメは周囲を見渡した。

 

 目の前には広大無辺な荒地が続いており、ここが「ライセン大峡谷」の何処かである事をハジメの記憶にあった地図が照合してくれる。

 

 右を向けば王国の首都とそこに隣接する教会の神山が見えて、ハジメは苦い顔をする。あの場所から彼にとって人生最悪の日々が始まったのだから、当然の事だろう。

 

 左には遠くに森林だろう緑の大地と、雪山が見える。トータスの環境は地球のそれと異なり、ハジメ達の召喚された王国が北寄りの中心と仮定して、南にシュネー雪原と魔人族が支配する領域が広がっており、西に帝国とハルツィナ樹海。東に砂漠にグリューエン火山とアンカジ公国、何処まで続くか分からない海があるという。

 

 振り返ればホルアドの正門が極小の点くらいに見えた。恐らく数十キロ(・・・・)は歩いたのだろう。運動神経も大してない、体力だって平均以下のハジメがよくここまで歩いたものだと彼自身が驚く。

 

 それと同時にホルアドを見た事で脳裏に過ぎる前日の夜の出来事。

白崎の言っていた事をハジメは既に頭の中でぼんやりとしか思い出せない。

―――否、思い出さないよう(・・・・・・・・)にしている。

 

 月下の誓い……世界が違っていれば(原作のままであれば)、ハジメには白崎の優しさに対する感謝があっただろう。

しかし今の彼には「白崎香織との出会いを思い出す事」が「虐められていた過去(忘れたいトラウマ)」を連想させてしまう引き金(トリガー)になりかねない。だから思い出すのを本能的に忌避する。―――筈なのだが

 

(塩対応だったからな……流石にもう僕の事はどうでもよくなったんじゃないかな……)

 

 人間の頭はなんと不便なものだろうか。忘れなければならない事ほど、鮮明に思い出す。

自分の取った行動が、人との会話をするにあたって失礼なものであると思ってしまったハジメは、今更彼女に対して申し訳ない気持ちが湧き出てきた。

 

 しかしその過ちを正そうとする事は、会いたくない彼ら(勇者や小悪党その他)と会う事になる。

何も言わずに魔人族との戦いから逃げ出したハジメを誰もが糾弾するのは目に見えていた。

 

「……ぅっ……」

 

 服の下で目に見えなくなった傷痕が疼いたハジメは一人、うめき声を上げる。

少し休もう…。そう思って、行く先の途中にあった大きな岩の日陰に座った。

リュックサックを降ろして、中から水の入った皮の袋を取り出す。

 

 それは旅において旅人が欠かせない物の一つ、水筒である。

此処は異世界だから保温機能もあるステンレス製だの、氷を入れても冷たさ長持ちとかいう便利な機能なんて存在しない。皮の水筒もハジメの錬成作品の一つである。

 

 唐突だが、今のハジメのステータスとリュックの中身はこんな感じだ。

 

*

南雲ハジメ 17歳 男 天職・錬成師

ステータス(プレート未所持の為、不明。恐らく10前後)

技能(プレート未所持の為、不明。恐らく錬成と言語理解のみ)

 

皮のリュックサック(製作者・南雲ハジメ)

・皮の水筒In飲み水(製作者・南雲ハジメ)

・果物(宿場で無料支給されてるものを2,3個拝借)

・メモ帳(羊皮紙を手の平サイズに切り分けて纏めただけ)

・石のナイフ(硬度1、製作者・南雲ハジメ)

*

 

 これを本物の旅人が見たら「お前は馬鹿か!?」と怒るだろう。あまりに少なすぎる。

飲み水は歩きながら小川でも探せば、自然の水を飲んで腹を下さないほど頑丈な体である事を前提にすれば飲み水確保は問題ないだろう。

食べ物は自然に生っているものを採ればいいだろう。栄養が偏るのは置いておくとして、動けるだけのスタミナを維持出来ればいい。

 

 しかし石のナイフとはこれ如何に。魔物どころか鼠一匹殺せるか怪しいところだ。

魔物の特徴を図書館で幾ら学習しても、旅先で現れるものが必ずしも既知のそれとは限らない。

 

 寝る為の敷物や高所の上り下りに使う縄、暗い夜道を歩くランプか野生の獣を追い払う松明。

作者にも旅の経験や基本というものが分からないのでこれ以上は省略させてもらうが、ハジメのリュックサックには何もかもが足りていなかった。

 

 周囲には何もいない筈なのに幻聴が聞こえたハジメは仕方がないだろうと言い訳をする。

当然のことだが、彼は普通の高校生なのだから。そういった(旅などの)趣味がなければサバイバル知識などゲームや漫画、アニメで軽く触れた程度しか知らない。

こればかりは「もっと勉強しておけば良かった!」と嘆いても無理がある。

 

――――――まぁ、そんなハジメの後悔を大自然が理解する筈もないのだが。

 

*

 

「……あれ……?」

 

 岩陰に座り込んでぼうっと空を眺めていたハジメは傍らに違和感を覚えた。

岩に寄り掛からせて置いた筈のリュックサック(・・・・・・・)がなくなっている。

代わりに近くから「ニャオゥ!」「ンニャッ!」と聞きなれた動物の声が聞こえる。

 

 慌てて立ち上がったハジメは声のする方へと歩いていき―――硬直した。

先ほど聞こえてきた鳴き声。それは大体の人が想像つく、猫の鳴き声だった。

しかしハジメの眼前には、二本足(・・・)で立っている猫がいる。

黒い体毛で大半を覆われて、顔の一部と腹が白い猫。

 

(ッ……魔物!?)

 

 瞳孔が見開いて、自然と手足が震える。未知との遭遇(エンカウント)、避けられない戦いへの警戒心。

二足歩行の白黒猫は左右にステップを刻みながら、前足(この場合は腕、手と形容するべきだろうか?)に握り締めたハジメのリュックサックを揺らして喜んでいる。

 

「―――それを……か、返せっ!―――”錬成”ッ」

 

「ニャアッ!?」

 

 覚悟を決めて叫んだハジメは両手を地面について白黒猫に攻撃を仕掛ける。

地面が隆起して、拳のような土塊が白黒猫の腹を抉った。勢いが十分ではなかった為、傷をつけるには至らない錬成の攻撃だったが、白黒猫は無様にリュックを手放して宙を舞い―――地面へと大の字で倒れた。

 

(――――今だ―――!)

 

 ハジメは駆けだしてリュックを掴み、白黒猫へと背を向けて走り出した。

これが彼の狙いだった。リュックサックの救出と無駄な戦闘を回避するための逃走。

まだ白黒猫は起き上がる気配はない。ハジメは今までの人生で一番の全力で走る。

 

「プルニャニャニャッ!―――ニ゛ァ゛オ゛……!」

 

 ノックアウトしていた白黒猫は足をばたつかせて起き上がった。

そして背を向けて逃げ去ろうとするハジメに怒りを含む唸り声を飛ばす。

二本足でスタスタと歩いて来るのかと思ったハジメは振り返って―――絶望した。

 

(―――なんでやねん!そこはこっち(地球)の猫と変わらないんかい!?)

 

 白黒猫は前足を地につけて、普通の猫と同じように追いかけてきた。

てっきり二足歩行だから追ってきても追いつかれる心配はないのでは?と淡い希望を抱いた自分に腹を立てるハジメ。逃げる一人と追う一匹の距離は縮んでいく。

 

(もう一回錬成?……ダメだ、それより先に飛び掛かられでもしたらお終いだ!

 近くの岩場を利用して撒く?……猫より足の遅い僕がそんな器用な事できるか!?

 開き直って命乞い……どう考えても僕があの猫の餌にされる未来しか視えない!)

 

 焦りながら考える程、自分が生き残るために使える時間が失われていく。

白黒猫とハジメとの距離は十数メートル離れていたが、一分と経たずに残り2、3メートルしかなかった。いつ飛び掛かられて、その鋭利な爪で引っ掻き回されるのかと戦々恐々なハジメ。

 

 

 

 その時だった―――突如、後ろの白黒猫が前足をブレーキにして止まった。

後ろからついてきた足音が遠ざかったことで不審に思ったハジメも、走って疲れた足を休ませたい欲望に駆られながらスピードを落として白黒猫へと振り返った。

猫は、ハジメ以外の何かに警戒しているのか毛を逆立てて周囲のにおいをしきりに嗅いでいる。

 

(……諦めた……?違う……何が起こってるんだ……?)

 

 走った疲れから、肩で息をする彼の心臓の鼓動は嫌に速いペースで高鳴っている。

背中にじわりと嫌な汗が浮かぶ、困惑が恐怖心を引きずり出して、再び身体が震えた。

そして―――白黒猫は前足を使って土竜のように地面を掘って姿を消す。

 

 一度は危険から遠ざかった筈のハジメは、二度目があると言わんばかりに焦燥と不安に駆られて思考能力をフル活用する。―――そして結論に至った。

 

 王国にいた頃、体を動かす訓練の代わりに図書館でトータスの知識を収集する事に熱心だった彼が読んでいた本の一文。「ライセン大峡谷の周辺には、強い魔物が徘徊している。そのため、冒険者でもない限り滅多に人は近づかない」

 

 更に記憶が異なる覚えたての知識を引っ張り出す。「魔物は、自らより上位―――つまりは強力な魔物が周囲にいると察知した場合のみ闘争本能を止めて身を隠すないしその場から逃亡する」

頭に浮かんだ疑問と不安がカチリと音を立てて正解に近い答えを導き出した。

 

「ぅあ……ぁぁっ……!」

(ヤバい……ヤバい、ヤバい、ヤバい!!!)

 

 疲れている足に鞭打って更に遠くへの逃走を考えたハジメの目の前に、新たな魔物が現れる。

それらの足音は恐らく耳を澄ませれば聞こえた筈だ。歩く二本の脚に鋭い爪があるのだから。

その身体を一目でも見ていれば分かる筈だ。大人2人分で青い鱗が特徴的なのだから。

黄色く丸みを帯びた目に黒点が浮かび、その視線はハジメをしっかりと捉えている。

二本の足とは別に胴体の下腹部に生えた短い前足は、獲物を狩る爪が生えていた。

尖った口の中に覗く無数の牙は、他で獲物を啄んだばかりなのか、ほんのり赤い。

 

 また唐突になるのだが、恐竜の一種・ヴェロキラプトルを知っているだろうか?

ハリウッド映画「ジュラシック・パーク」でも登場回数の多い、小型肉食恐竜だ。

恐竜でありながら知恵の利く、群れで獲物を狩る彼らはティラノサウルスとは別種の恐怖を与える役回りを作中でこれでもかと披露した。

ハジメの目の前にいる魔物(モンスター)は、まさにそのヴェロキラプトルそっくりだった。

 

「ギャオォッ、キシャァッ―――!」

 

「う、わあぁぁぁーーーっ!!?」

 

 ハジメの悲鳴は、誰の耳にも届くことはなく、ライセン大峡谷の荒野に響き渡った。

 

 

 




ゆるキャン難民救済(適当)旅支度もせずに旅をしてはいけない(戒め)
ふつうに考えてハジメ君の行動は先の事も考えずに家出をした学生と同じですね。
(まあ作者も一回やった事あるので気持ちは分かりますが)

そして初エンカウントモンスター
モンハン既プレイ者なら分かると思いますが「メラルー」と「ランポス」です。
雑魚敵とはいえ普通に出会ったら一般人は死ゾ、まぁメラルーは物盗むだけで爆弾でも使用してこなければ脅威になりませんが。

果たしてハジメ君は生き残れるのか……?
それとも某リゼロ主人公のように死に戻りをして―――

※しませんので安心してモンスターの餌になって下さい^^


初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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