(まぁいざとなったら改変すりゃいいんですがと身も蓋もないry)
ニートになると生活がガラっと変わりますね。特に作者は最近昼夜逆転の生活になっていて滅茶苦茶ヤベーとか思いつつも今を満喫してます(唯一不安なのは貯金かな(白目))
読者の方からも温かい感想を頂いたので作者からも読者の皆さんへ
健康には気を付けて、季節の変わり目が近づいておりますので風邪などひかれないよう(健康保険がない作者が罹ったら一番ヤバいというワロス)
今回は内容的に端折りまくりの短い展開となっております
ハジメがゲブルト村を出て行くという話はあっという間に広まった。
ハジメを我が子のように可愛がってくれたアイテム夫婦―――特に妻アイ―――は彼に考え直して欲しいと懇願したが、帰郷という絶対の譲れない理由を聞いて首を縦に振るしかなかった。
鍛冶屋のヘファイは彼の意思を肯定も否定もなく、一言「そうか」とだけ頷いた。
彼にとっては村で唯一鍛冶に取って代わる錬成の才能を持つ弟子と呼べるハジメだったが、それを天秤にかけたとしても本人の意思を尊重する姿勢を貫いた。
村の子供たち、彼が達成したクエストで助けられた村の人々、兎人や獣人の多くが彼に今の生活を送るきっかけをくれた恩人だから、恩返しがしたいから村に残って欲しいと懇願した。
ハジメは意思を曲げず、一人一人と向き合い心の内を伝えて納得させた。
その様子を見聞きしていた優花は人がここまで変われるものかと再度驚かされる。
或いは、
空に昇っていた陽が沈んで、彼が村で過ごす最後の夜。
村中の人間が初めて彼が村に来た時と同じか、それ以上に盛大な宴を彼の為に開いた。
宴に込められた想いは「道中・旅の安全」と「
それを聞いたハジメは宴が終わった後の片づけの最中にこっそり一人で泣いた。
宴の最中には色々な事があった。
酔ったアゥータが懲りずにリンネへ絡んで、同じく酔っ払った彼女が加減無しで関節技を彼に決めながら、彼の失敗や恥ずかしい思い出話を暴露してハジメを大いにドン引きさせた。
亜人や獣人との出会いを貴重な経験として残しておきたいと勇気を振り絞って優花から進んで話しかけて、違う世界の話や共通する文化の話で大いに宴が盛り上がったこと。
村の子どもは優花が神の使徒だと聞かされて「天使様だー!」と無邪気に笑って、当の本人が顔を赤くして恥ずかしそうにしているのを見たハジメに「輪っかと羽つけてやろうか?」と揶揄われて怒りながらも彼がしれっと未成年飲酒に手を出していることで呆気に取られていたり等々……
楽しい宴の時間はあっという間に過ぎていき……出立の夜明けが迫っていた。
多くの村人が宴の余韻で疲れたまま眠っており見送りに来たのは数人だけ。
村長のアボク、農場長のニッカ、鍛冶屋のヘファイ、雑貨屋のアイテム夫婦、兎人族の族長カム、料理長のウマアジ、アゥータ。そして途中の道まではハジメ達の商人リポディー。
「アゥータさん、グリッドさん達によろしくお願いします」
「あぁ、近いうちに来るだろうから伝えておくよ」
残念ながら第三連隊・第一小隊の四人は宴の席にいなかった。
彼等はこれから帝都を出てゲブルト村を目指す最中だったからだ。
ハジメがいなくなった事を知れば必ず寂しく思うだろう。
アゥータが気を利かせて彼等にその事を伝える役目を引き受けた。
一頭牽きの荷馬車の荷物に優花は腰掛けてハジメの様子を見ている。
彼は一人一人に握手をしてほんの少しだけ言葉を交わしていた。
「村長……短い間でしたが、本当に色々とお世話になりました!どれだけの期間になるかは分かりませんが、必ず村にはまた顔を出します。その時また改めてお礼をさせて下さい!」
「君にはもう十分過ぎるほど村を助けて貰ったよ。礼など気にせずまた来なさい」
「残念ねぇ、ハジメ君の相談とかおばちゃんも受けてみたかったのだけれど」
「ニッカさん。俺も……本当に自分で解決できない悩み事があったら、その時は迷わずここに来て、ニッカさんとニッカさんが作る美味しい野菜に頼らせて貰います!」
「あらっ嬉しいこと言ってくれるじゃない!!」
「ヘファイさん……いえ……
「馬鹿野郎お前これから旅立つって奴がいつになるか分からねえ先のこと口にしてんじゃねえ。まったくよ………………達者でやんな。あと師匠は止めろ、こそばゆい」
「ハジメ君……怪我や病気には気を付けるのよ……!」
「私達は君の親じゃないが、君を大切に思っている。また一緒に食事をしよう」
「勿論です。その時は俺だけじゃなく、シアも他の皆も一緒に……」
「あぁ、大勢の食事は大歓迎だとも。そうだろう、アイ?」
「……えぇ!ハジメ君の好物いっぱい作って待ってるから!」
「ハジメ殿ッ!!シアに、私の娘には何か言伝は――――――」
「シアは必ずハンターになって帰ってくるでしょう。それに対して俺から”おめでとう”ってのと、後は……そうですね”村の守りを頼んだぞ”―――これを伝えて貰えませんか?」
「承知致しました!ご帰還を心よりお待ちしております!」
「ニャー。ハジメ様のハンターとして幸多き日が続くことを願っておりますニャ」
「料理長……ありがとう御座います。村に帰って来た時は料理、宜しくお願いします!」
「畏まりましたニャ」
「さーてと……湿っぽいので締めくくるのは先輩ハンターとして非常に心苦しい。だからといって、こんな時にふざけたら間違いなくお前の後ろにいる姐さんにブチ殺される。なんで俺が言うべきと思ったことだけ言わせて貰うぜ?」
「……はい!」
「まず最初にハンターの先輩としては狩りの最中、見て学ぶことからおススメするぜ。我武者羅にモンスターを狩っても強くはなれない。狩るべき敵と肩を並べる味方の動きを予測し、周りの状況に応じて選択肢のある考え方をして、お前だけの狩りを確立させろ。そうすりゃ一人前なんざあっという間だ。―――んでこれは人生の先輩として、お前が過去を頑なに嫌悪して遠ざけているのか俺にはサッパリ分からんが……似たような時期は俺にもあった。アドバイスとしては単純に三つの選択肢を常に持っておけ ”嫌な事、嫌いな相手と向き合いながら絶対に自らの正しさを貫くこと” ”相手と自分の両方から背を向けて何もかも綺麗さっぱり忘れちまうこと” ”自分の答えを誤魔化しながら相手の意見を尊重し、波風立たないように己を殺すこと” ……分かり難くなったが、要は戦うか逃げるかどちらでもないかってだけの話さ。二つ目の三つ目は似てるかもしれんが」
「………ハンターとしては分かります。……ただ、過去については……俺なりにお世話になった人の、人生の先輩からの貴重な意見として今の言葉を頭の片隅に留めておくつもりですが……いいえ、前向きに努力しようと―――」
その言葉を聞いて優花も「そう簡単に割り切れることじゃない」と暗い表情で俯いた。
彼女から見て分かる。今のハジメを取り巻く人間関係というのは一言で表すなら混沌の極みだ。
優花のようにハジメに対して悪感情以外の何かしらを持つクラスメイト達であれば、話し合って和解するという状況を作れる。それから普通に接していけるかは本人の考え方次第だが……
逆にハジメを気に食わないと思っている檜山やあからさまに見下した態度を取る天之河がハジメの主義主張をまともに取りあうとは思えない。
最悪の場合は険悪という言葉を通り越した敵対関係になってもおかしくないだろう。
また白崎香織や八重樫雫のようにハジメが檜山達と天之河に虐められる原因を作ってしまっていると知りながら中立の立場ぶっている人間が最も性質が悪い。
優花から見たハジメの性格上、一番キレるところになってしまう危険を孕んだ火種である。
……まぁ優花も客観的に見たところで過去にそういうやらかしはあったのだが……
言葉が上手く出しきれないハジメが躊躇っていると、後ろからリンネがやってきて――――――
「ていっ」
「あだっ!?」
アゥータの頭上に軽く振り上げた手刀のチョップを食らわせた。
ハジメは驚いて振り返り、優花も顔を上げて彼女に視線を向ける。
「まったく坊やは、若者の人生にあれこれ口出すもんじゃないっての」
「いやあくまで助言ですって姐さん……小匙一杯分くらいのアドバイス!」
「その小匙一杯の言葉で目の前の若者が頭抱えちゃってるじゃないの、加減を知りなさい加減を」
言うや否やリンネは自分の方を向いて言葉を失ったハジメにも軽くチョップ。
「……ッ」
しかしその勢いはアゥータの時よりも勢いはなく、意外だとハジメ目を見開いて息を呑む。
アゥータが向き合う二人の後ろで「ひでぇ後輩差別を見た気がする」と嘆いて肩を落としているがリンネは無視して真剣な表情でハジメと向き合いゆっくりと口を開く。
「
「……分かってます。だから、あくまで意見の一つとして―――」
「いいや、君はいま無意識に心の中で
そう言い終えるとリンネはハジメの頭をポンポンと撫でて荷馬車の先頭へと歩いていった。
彼女の言葉が自分の心を見透かしているようで、ハジメは胸の鼓動が激しくなる。
じゃあどうすりゃいいんだ!なんて子供みたいな癇癪を起すことも出来ず、ハジメはますます混乱して額に手を当てながら俯いてしまう。
そこへぶー垂れてたアゥータがすっと背後から近づいてきて小さな声で話しかける。
「姐さんの言葉も間違っちゃいない。結局のところ他人の意見に正解なんてのは存在しねえのさ。お前はお前の正解だと思う方に向かってひたすら走りゃいいんだ」
「――――――――――――」
「俺なんかは自分さえ楽しく生きて、俺にとって大事なものが幸せで在るならそれでいいって考え方しかできない、邪魔する奴は叩き潰すし気に入らない奴はとことんまで陥れて苦しめる…………ハッキリ言っちまえば典型的な
「――――――大丈夫です。お二人の言葉、色々と考えるきっかけにはなりましたから」
「………そうか、ならこれ以上言う事はねぇな。行ってこい、ハジメ」
ハジメからパっと離れて横一列に並んで後ろから見守るアボク達に混じるアゥータ。
アボクは「何を話していたんだ?」と問うが、彼は陽気に笑って「女を口説く極意」と誤魔化す。
呆れ笑いを浮かべる村人たちを目にしてハジメもフッと笑みを浮かべて改めて声をあげる。
「それじゃ皆さん――――――行ってきます!!」
ハジメは颯爽と優花が座る荷台の中へ入っていく。
御者の席から彼が乗り込んだのを確認したリンネがパシッと手綱で馬を軽く叩いた。
嘶いて馬が歩き出し、湿った土に車輪をめり込ませながら荷馬車は進みだす。
手を振る村人達は「いってらっしゃい!」と声をあげた。
こうしてハジメ、リンネ、優花の三人と途中まで一緒のリポディーの旅が始まる。
遠回りにややこしい事を言ってるけど要はどっちも「自分の考えた意見をしっかり持って、自分らしく生きようね!」ってだけの年長者()からのお言葉でした
ハジメ君が避けられない対決をどう乗り越えるのか、或いは……
作者的には主人公だからハジメ君に乗り越えて貰わなきゃ困るんだけどねっ!
(それ以外の選択肢をバッドエンド寄りに考える鬼畜作者である)
感想、質問、ご指摘等お待ちしております!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
-
続編にして
-
このまま話数増やしてもいいんじゃね?
-
打ち切りはヤメロォ!
-
もっと周りの話補完して♡