モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 前回の話投稿から寝ずの勢いでこのままブルックの町の話書くぜヒャッハー!
色々と登場させたり動かしたいから分けて書きますね


ようこそ、ブルックの町へ!

 

 湖での一休みを終えて、三人の目の前にブルックの町の門が見えてきた。

人口5万のブルックの町は規模こそ帝都や商業都市より小さいが、町全体を高さ15メートル程の石の壁が囲っており四方に帝国の兵士が立って監視の目を光らせている。

もう監視の必要はないと安心してハジメも荷台に乗り込むと、リンネが振り返って話しかけた。

 

「ハジメ君はブルックの町に来た事は?」

 

「帝都との行き来で通過するだけだったのでちゃんと見て回ったことはないですね」

 

「ほうほう、それなら此処で食料買い足しついでに色々と観光しようじゃない!」

 

「……いいんですか?立ち寄るのはフューレンだけだったと書いてあったような気が……」

 

「気にしなくていいよ!予定なんて変わってなんぼだから!手紙もここで出すし!」

 

「手紙?」

 

 この世界の手紙というのは遠く離れた人に届けるだけでも一苦労の代物だ。

郵便屋さんが鞄に手紙突っ込んで町の外の道を歩けばあっという間にモンスターと出くわす。

そういった職業も存在はしているらしいが、基本的には冒険者等に頼むのが一般的だという。

しかしリンネの云う手紙とは別のものである。

 

「ハンターズギルドにはね、連絡用の伝書鳥ってのがいるのよ」

 

「あー……訓練所で聞いたことありますね」

 

 帝国での主な連絡手段は二種類、人が届けるか使役動物を使うかである。

ハンターズギルドでは本部・支部にそれぞれ情報交換のための伝書鳥を飼い慣らしている。

ギルドはそれを使って各地の気候やモンスターの生態を把握しているのだ。

 

「ウルの町に先生宛で手紙を運んで貰うのよ。優花ちゃんの無事とアタシの私用ってのをフォスに伝えて貰って、十日くらいで帰りますってね」

 

「随分と長い期間ですね……不測の事態に備えてですか」

 

 移動するだけならリンネの指示した順番通りで七日もあれば十分辿り着ける。

ハジメの言う通り、不測の事態が起こってしまえば一日~二日のロスはあり得た。

彼の問いかけにリンネは頷く。

 

「という訳で町に入って馬とアタシ達の宿を取ったらまずギルドに向かうわよ」

 

 そう言って前に向き直るリンネ。

荷台の上で座ったまま、ハジメはスッと背中のアイアンハンマーⅢを手に取った。

鉄鉱石の断面が放つ微かな輝きに指を添えて彼は心でぽつりを呟く。

 

(……また出番がなかった……か)

 

 優花はそんな彼の残念そうな表情を見逃さなかった。

「どうしたの?」と聞く前に馬が足を止めて、外から声をかけられる。

帝国兵の一人が門の前に立って槍を肩に担いで歩み寄ってきた。

 

「止まれ~身分確認のギルドカードかステータスプレートを提示だ」

 

「はいはーい……って……あ゛っ!?

 

 急に動きを止めたリンネは懐をガサガサと漁って汗を浮かべたまま笑顔が固まる。

ハジメが「何だ?」と顔を上げると、隣で優花も何かに気づいたように青褪めた顔になっていた。

このタイミングで焦る理由など一つしかない、ハジメと門番の兵士もすぐに気づく。

 

「……もしかしてそちらのお二人、身分証になるカードとプレート……どちらもお持ちでない?」

 

「……ヒュィ~♪ピヒョロロ~♪」

「……ゴメンナサイ」

 

 口笛を吹いて鳥のように頬を赤くして誤魔化すリンネ。

優花も焦りの真っ青から恥ずかしさの真っ赤でか細い声で謝り俯いてしまう。

彼女達は急ぎウルの町からほぼ手ぶらでゲブルト村まで来たのだ。

ハジメはその間に駆け寄ってきた別の兵士にカード、プレートの両方を渡す。

門番の兵士は困ったようにガシガシと頭を掻く。

 

「参ったね~プレートの再発行は大金がかかるし……「あの~」ん?」

 

「……2人分のステータスプレート代金……支払いますよ」

 

 ハジメの言葉にバッと顔を上げた彼女達の視線が集まる。

門番の兵士も驚いたように彼を見つめた。普通ならそう簡単に買える物じゃない。

ごくりと喉を鳴らして、真剣な表情で重い口を開いた門番の兵士が値段を口にする。

 

「最低でも一枚につき1万ルタ。そうじゃなきゃ――――――」

 

「これでいいですか?」

 

 ハジメは懐を漁って一万ルタ金貨を二枚、ポンと門番の兵士の掌に置いた。

その場で飛び上がり、目が飛び出る勢いでまた驚く門番の兵士。

リンネはそっと彼の背後に歩み寄って申し訳なさそうに口を開く。

 

「ゴメンねハジメ君!!ギルドにいけばアタシの貯金も引き出せるから、後で必ず返すわ!」

 

「了解です、大丈夫ですよ」

 

「ありがとう南雲、ごめんなさいリンネさん!」

 

 ブルックの町に着いたというのに、町に入るための検問に引っかかるとは……

真上に昇った太陽が呆れて溜息を吐くのを、横から通りかかった白い雲が隠した。

 

 

 それから宿に泊まるにも懐事情が寂しくなった三人は早々にハンターズギルドを目指した。

優花は道行く町人に紛れて、ハジメのように武器を持った集団がチラホラ見受けられる。

彼女は気になって思わず近くにいたハジメの裾を引いて尋ねた。

 

「ねえ南雲、あの人達もアンタやリンネさんと同じハンターなの?」

 

「ん~?……いや、ありゃ違うな……冒険者だ」

 

「……違いとかって分かるの?」

 

「あいつ等の着てる鎧とか外套の何処かに色のついたプレートがあるだろ?冒険者はあれでランク付けしてんだとさ。後は武器が明らかに貧弱っつーか……どう見ても対人用だろ」

 

「私には一目見てそこまで見分けられないわよ……」

 

 とは言うものの……優花は改めて通り過ぎた冒険者達の武器を見た。

今は手元にないが王国の宝物庫で配られたような、両刃の剣や斧、弓といった武器。

 

(言われると確かにあれくらいでモンスターを殺せるとは思えないわ……)

 

 まだ彼女は知らないが、ハンターの武器も冒険者のそれと大差ないようなものが二種類あった。

”片手剣””双剣”である。素材がモンスターの素材や特別硬い鉱石であることを除けばパっと見た限り、対人用の武器であると誤解されてもおかしくないのだ。

 

 ちなみにハジメが彼らを見て即座に冒険者だと断言した理由は二つある。

一つ目は彼が言った通り色つきのプレートを見せて歩いていたこと。

二つ目は錬成師として鉱石などを見続けてきたハジメだからある程度把握出来た。

 

(あいつ等がぶら下げてる武器の材質……硬度の低い鉱石じゃん)

 

 だからハジメは貧弱だと言ったのだ。

ハンターの使う鉄の武器であるなら最低でも鉄鉱石が要求される。

それ以下ではまともにモンスターの鱗や甲殻を貫くことが出来ないからだ。

同じモンスターの素材である骨などが素材であればそれも可能だが……

 

 優花は改めてハジメの背に置かれたアイアンハンマーⅢをしげしげと見つめる。

ハジメは自分が見つめられている訳じゃないと分かっていても恥ずかしさでそっぽを向く。

ふとさっき検問の事が気になったリンネが前を向いたまま問いかける。

 

「そういやハジメ君、差支えなけりゃあの金貨は貯金か何か?」

 

「確かに……南雲、あんな大金何処で……?」

 

「あぁ、アレか。この国の皇女さんに仕事の報酬で貰った」

 

 ブッ!?とリンネ、優花は同時に勢いよく吹き出して咽た。

ハジメは「本当の事なんだけどな」と言いつつ詳細を伏せたままにする。

リンネだけは皇女と聞いてピンと来たのか更に言葉を続ける。

 

「もしかして戦姫ちゃん?」

 

「……一国の皇女をちゃん付って……ええ、多分その人で間違いないかと」

 

「はえ~……あの子もちゃんと皇女として頑張ってんのね~感心感心」

 

 そうこうしていると、三人の目の前に町の中でひときわ存在感を放つ建物が見えてきた。

無数の煙突から立ち昇る白煙と、人が生活してそうな二階、三階の窓枠。

冒険者よりも更に変わった格好をしている者達が行き来しているのだ。

 

「見えてきたよー……あれが”ハンターズギルド・ブルック支部の集会所”だ!」

 

 




 リンネさんと優花、ほぼ手ぶらで村にやってきたという事実。
可能性は限りなく無いに等しい展開ですがハジメ君が報酬を要求した場合、リンネさんも手持ちがないので体で支払って貰うしかねぇなグヘヘという展開もあり得たかも…?
今のハジメ君じゃどう転んでも姐さんに搾り取られる未来しか見えねえ……

感想、質問、ご指摘等お待ちしております!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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