今回は場面が切り替わり、展開が急なので文章短めになってます。
ちょっと懐かしい人達が出て来たり
ハジメは1万ルタ金貨で支払いを済ませてクリスタベルの店を出る。
去り際に「揶揄うのも程々にして下さいよ…」と念押ししたが、彼(彼女?)は無視した。
優花が通りを歩くと、元々見た目が良かった彼女がクリスタベルお墨付きの装備を着ているだけあって町人や冒険者、挙句の果てにハンター達からも視線を貰うことになった。
「……うぅぅ……入る店、間違えたわ……」
「ま、まぁ目的は達成したし……集会所に戻るか……うん、そうしよう」
その時だった。
突如二人の足元が揺れる。正確には二人を含めた町全体が揺れ始めた。
トータスに来てからは一度もなかったが、この世界にもそれが起こる可能性を失念していた。
「じ、
「園部ッ、俺から離れるな!」
互いに身を寄せ合い、建物から離れる二人。
道行く人々もパニックを起こし、そこら中の家で物が倒れる音がした。
ふと優花は視線の先に子どもが見えた。この地震が起こる前から親と逸れたのであろう子どもは親がいない不安に加えて地震という現象に対し、その場でしゃがんで泣き叫ぶ事しか出来なかった。
運悪く子どもの上には家の窓に置かれた植木鉢が置かれていて――――――
「ッ!!」
「おい馬鹿っ勝手に動くな――――――!?」
ハジメの手を離して優花は駆け出した。
彼もすぐに視界の先にある子どもと植木鉢の関係に気づいて行動に移る。
まだ続く揺れの影響で、ついに窓際の植木鉢が落下した。
優花は飛び掛かるようにして片腕で子供を抱きしめる。
頭の上に植木鉢が落ちない事を祈って目を瞑るが――――――
「チッ――――――”錬成”!」
「………南雲ッ……」
「っ~ぉぉ……ギリギリセーフ……。無茶すんなよ、ったく……」
彼女の頭に落下するより前に、脇の地面がボコッと変形して波のような形を作って落下する植木鉢を受け止めていた。ハジメが地面に手を当ててゼイゼイと息を切らしている。
やがて地震は収まり……町の中は阿鼻叫喚の地獄絵図が生まれていた。
優花は飛び込んだ際に地面に折れていた腕の方をぶつけて額に脂汗を浮かべる。苦痛の表情を浮かべそうになるが、不安そうに自分を見上げる子どもの前で精一杯の笑顔を浮かべた。
「だい……じょうぶ?怪我はない?」
「う、うんっ……お姉ちゃんは……?」
「平気よ、これくら―――ぃッ!?」
膝立ちから立ち上がろうとして、再び襲ってくる痛みに意識が軽く持っていかれる。
バランスを崩して地面に倒れ落ちそうになる優花を寸でのところでハジメが抱きとめた。
「な……ぐも……」
「やせ我慢してんじゃねえよ。……けど子どもを助けようと咄嗟に動いたのはナイスだ」
「また……南雲に助けられたね……」
「気にすんな」
まだ痛みは続いているが、優花はそっと彼の手を借りながら自力で立った。
彼女に代わってハジメは座り込んだままの子どもに手を伸ばして、ある事に気がつく。
「――――――!!君は……」
「……ハンターのお兄ちゃん?」
優花が身を挺して守ろうとして、結果的に彼女も含めてハジメが助けた子ども。
それは嘗てハンターになった日、帝都で父親の仇を取ってくれと懇願していたあの子どもだった。
間もなく子どもの名を叫んで探し回っていた半泣きの女性が現れ、子どもを力一杯に抱きしめた。
「あぁ、あぁ……よく無事で……!」
「ごめんなさいお母さん!勝手にいなくなって……」
「……南雲。この子と知り合いなの?」
「知り合いっつーか…俺のハンターとしての仕事一番目の依頼者っつーか……」
子どもを抱きしめていたのは元貴族の妻だった女性である。
ハジメの声に気が付いて顔を上げた途端、目を見開いて驚く。
「あの時の……」
「……あの時はお互いに名乗ってませんでしたね、俺は――――――」
ハジメが名乗ろうとした直後、再びブルックの町を地震が襲った。
子どもと母親が抱き合ってその場に立ち尽くすのと良しとしないハジメは左手で母親の肩を、右手で優花の手を掴んで歩き出す。
「―――ッこのまま建物の近くにいては危険です!移動しましょう!行くぞ園部!」
「うんっ!」
*
二度目の揺れは一度目に比べて長くは続かなかった。
ブルックの町の人々は建物から出て、もっとも人が集まる大通りの広場に集まる。
子どもと母親を優花と共に安全なところに誘導して、ハジメはすぐに集会所の方へ走った。
幸い向こうもこの状況に冷静な対応をして彼いる所へと向かっていた。
人混みの中で目立つ青白い髪を見た途端にハジメは叫ぶ。
「リンネさん!!」
「ハジメ君ッ無事で良かった……優花ちゃんは!?」
「向こうの安全な所に居合わせた民間人と一緒に……こっちです!」
ハジメの案内に頷いてリンネはそれに続いた。
優花は子どもと母親を落ち着かせるように話をしていた。
顔を上げて二人が合流した事でホッとしていると――――――
「町の者、全員慌てずに列を作れ!負傷者は前に、それから女と子供を優先して!」
パニックの収集を図っていた帝国兵が広場の中央に立って叫んでいた。
彼の背後では治癒師や町の医者などが集まってけが人の手当の準備を進めている。
帝国兵の誘導に従い、子どもと母親そして優花が列に並ぶ。
再び落ち着きを取り戻した人混みの中でハジメはリンネに聞いた。
「リンネさん、さっきの地震は一体……」
「……
「奴……って」
そんな時だった、ハジメ達の後ろ……町を囲む門の方から兵士が駆けてきた。
血相変えた兵士の尋常ならざる様子に嫌な予感がした二人。
「大変だ!!今の地震でモンスター達が興奮して町の近くで暴れてる!今はモンスター同士で争いをしてるが、いつ町に狙いを変えて襲ってくるか分からない!!」
町の住人達が一斉に不安で顔を見合わせる中、ハジメの行動は早かった。
駆けて抜けようとした兵士の肩を掴んで引き止めて鬼気迫る勢いで確認する。
「モンスターの数は!何処の方角に集まってるんだ!!?」
「お前ハンターか!?―――東門の方、大峡谷側だよ!!急いでくれ!」
「ッッッ!!リンネさん!」
「優花ちゃんとあの人たちは任せて!
言われるまでもない。ハジメは兵士の肩から手を離すと同時に駆け出した。
彼が駆け出すのを見た優花は人混みの中から声を張り上げる。
「南雲――――ッ!!気を付けてッ……!」
「お前もな!!もう無茶すんなよ!!」
ハジメと同じように人混みを掻き分けてハンター達が走る。
向かう先の東門から、モンスター達の怒り狂う咆哮が上がっていた。
地震だと該当する奴がいっぱいいるんですよね~
前哨戦として百竜夜行とまではいきませんが、ハンター達には地震で激おこ状態のモンスター達と戯れて貰います。
感想、質問、ご指摘等お待ちしております!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡