唐突に連休を貰った親父殿に実家の庭手入れしに行くぞと言われ、まぁ息抜きついでに引き籠って体力の落ちた体に少し喝を入れる良い機会かとついていったのはいいのですが、具体的にあれしろこれしろの指示がないまま朝早起きだけして適当に落ち葉集めてから何をすればいいか分からず、何時ものように持ってきたノーパソでこうして続きを書いています(人間の屑にしてニートの鑑)※不要不急の外出はダメじゃないかとか正論を投げかけてはいけない(戒め)
「錬成師、リンネと共にお前もこの会議には参加してくれ」
そうトレイシーから言われたハジメは拒否する理由もないため承諾した。
唯一の懸念は優花を一人マサカの宿に帰すべきか否かということ。
ハジメは真っ先にリンネにその事を相談するが答えはNo。つまり優花も会議に出席させると彼女は言っているのだ。
「いいんですかリンネさん?園部が神の使徒だって事を話したらややこしくなりますよ」
「老山龍をどうにかしない事には街道を通ることも儘ならないし、この町に滞在してる間だけでも彼女の安全をより堅固なものにしておくべきじゃない?アタシなら戦姫ちゃんに顔も利くし」
依頼主であるリンネがそう言うならハジメは従うほかない。
簡易テントまで小走りで戻ったリンネが数分もしない内に優花を連れて来る。
何処からか兵士達が持ってきた椅子に座ってハジメは周囲の者達を見渡した。
住民達は誘導を受けて距離を置き、辺りには張り詰めた空気が漂い始める。
こうして町の中心部には
優花は自分がとんでもなく場違いな気がして緊張で顔を引き攣らせてしまう。
ふとハジメは冒険者達の中に帝都で見たあの男、アレックスの姿を見つける。
クリスタベルの言った通り、アレックスの顔は何処かやつれていた。
傍らに立つ黒の冒険者レガニドが陽気に話しかけても上の空だ。
この会議が終わった後、ハジメは改めて彼に話そうと決心した。
*
「――――――さて……私が声をかけた者は集まったな?」
顔を見合わせてヒソヒソと話していた声がピタリと止む。
席を立ったトレイシーが机に手を置いて身を乗り出すように顔ぶれを見る。
ハンター達の実質的な代表であるテレサベルは余裕の笑みを返し、冒険者達の中でトップランクのアレックスが真剣な表情でコクリと頷く。
町長らしき男が有力者を代表して二度頷き、エタノもテレサベル同様に笑みで返す。
最後にトレイシーと目が合ったハジメが力強く頷いた事で満足気に彼女も頷いた。
「よし、それではこれより―――「その前に質問いいか?」―――なんだ」
気だるげに手を挙げてトレイシーの言葉を遮ったのは冒険者の一人だった。
胡乱な目つきの禿げ頭を見て優花は昼間、武器屋で絡んできた男だと気づく。
禿げ頭の冒険者は目を細めて優花とエタノに向けて険悪な空気を放つ。
「何でこの重要な会議に餓鬼が紛れてんだ?そこの亜人の女もだ。此処は餓鬼の遊び場じゃねぇし、亜人の奴隷自慢をする場所じゃねえんだぜ?……目障りなんだよ」
「――――――ッ!」
「おやおやまぁ……随分と下に見られていますのねぇ……ワタシ達は」
低い声で唸る男に対して優花はキッと鋭い視線を向けて、冷めた表情のエタノは口を扇で隠す。
しかしトレイシーが答えるより先に二人を庇うように席を立ったハジメが禿げ頭を睨み返した。
「二人は俺の連れですよ。彼女、エタノは亜人の中で数少ない友好的な関係を結ぼうとする狐人族の商人です。そしてこっちの園部優花は神の使徒の一員。……これ以上の説明が必要ですか?」
「なッ――――――!?」
「帝国は既に亜人の奴隷制度を廃止している。貴様の発言はあまり褒められたものではないな」
トレイシーがスッと笑みを消してその一言発すると、禿げ頭は顔を真っ青にして黙ってしまう。
そこへ禿げ頭の肩を掴んだアレックスが入れ替わるように立ち上がって優花達に頭を下げる。
「すまない……仲間の非礼を許して欲しい。……こんな状況で皆気が立っているのだ」
「それはこの町に居る者全員に同じことが言える。よく考えて発言をするんだな」
「あぁ……私から彼らによく言い聞かせておく……本当にすまなかった」
禿げ頭はバツが悪そうに下を向いて、優花も真摯に謝罪するアレックスを前にしてこれ以上怒りをぶつけるつもりはないと頷きを返す。エタノは視線だけ冷たく、扇で口を隠したまま黙る。
黙り込む冒険者達に代わって町の有力者達が騒がしくなる。
進行をトレイシーに一任するつもりだったバイアスも興味ありげに優花を見ていた。
二度も同じ男に絡まれたかと思ったら周囲の視線が釘付けになって萎縮する優花。
「神の使徒……!神エヒトが召喚した勇者様ですか!!」
「これは心強い……!きっと奴を退けてくれるだろう!」
「ほう……?神の使徒ねぇ」
その時、優花を庇うように隻腕を彼女の顔の前へと出したリンネ。
視線が一時的に遮られた優花はほっと一息ついた。
「ご期待に沿えないようで悪いんだけど、優花ちゃんは見ての通り怪我をしてるの。アレとの戦いの頭数には入れないで欲しいかな」
「………そうだ、今はこの場にいる者同士の交流を深めている場合ではない」
真剣な表情で好奇の視線を咎めるトレイシーの一声でその場は静まり返った。
リンネに庇われてホッとしている優花を見て底が知れたつもりなのか、バイアスはつまらなそうにため息を吐いてそっぽを向いてしまう。
町の有力者達はあからさまに落ち込んで、ハジメは内心ムッとする。
(神の使徒ってだけで女の子一人に頼るのが情けないとは思わないのかよ……)
「――――――改めて、巨大古龍ラオシャンロンの対策会議を開かせてもらう」
トレイシーが発したその一言で場の空気はまた張り詰める。
力を持たない有力者達は青褪めた表情で、冒険者達も険しい顔つきになった。
いまいち老山龍の事が分かっていない優花とエタノにハジメは小声で捕捉する。
古龍ラオシャンロン……赤褐色の甲殻と鱗に身を包んだ山のような巨体を四つの脚で支え、足を一つ前に踏み出すだけで周囲の大地が揺れるほどの衝撃を引き起こすという。
十年に一度、ラオシャンロンはその姿を地上に現して何処かに向かうらしい。
はっきりとした目的は判明していないが、ラオシャンロンが現れる地には何らかの異変が起こる。
その一つがラオシャンロンの出現場所と進行ルート周辺からモンスターがいなくなること。
ハジメはこの時、ブルックの町の手前で見た草食竜達の大移動の理由がそれであると気付いた。
更に遡ればゲブルト村周辺の荒野が静まり返っていたのも今思い返せば前兆だったのだろう。
更に動く霊峰とまで言われるほどの巨大なラオシャンロンの出現は決まって地下からである。
トータスの南側、魔人族の領地に住んでいたラオシャンロンが恐らくは未発見の地底回廊を進んで自らの巨体で無理やり出口を作ろうとして地震が起きているのだとギルドは見解を示している。
ラオシャンロンが地表に姿を現した際に生じる地震が、周辺のモンスター達を刺激したのだ。
優花は今まで見てきたモンスターとはスケールの違い過ぎる存在に畏怖する。
モンスターの脅威を生まれてから何度も経験してきたエタノであっても、そんなモンスターが実在するのかと額に手を当てて困惑していた。
ハジメは訓練所で教わった”古龍”という存在にようやく触れられたのだと実感する。
古龍はモンスターの中でも異質な、存在するだけで周りに危害を及ぼす生き物なのだ。
体内に特殊な器官を有して、炎を吐き出したり、電撃を放つモンスターはいるだろう。
古龍はそれらの
ギルド曰くその存在を認知するのはハンターを除き、研究者や歴史家、一部の権力者達だけ。
民衆には噂話程度の存在としてしか知らされていないのだ。
仮にそれが公にされたとしても、何時何処にどうやって現れるかも分からない古龍の存在を、民衆が只の言葉だけで信じるということは絶対にない。
「奴は五年前にも大峡谷へと姿を現し、帝都に向けて進行した」
今回の出現に帝国の面々が慌てているのは周期がズレたからだ。
十年に一度の進行を繰り返したラオシャンロンが五年早く動き出した。
原因、理由を考えるのは後回しにすべきだと多方面から声が上がる。
ハジメもそれには同意するが、数人は根拠のない理由をボソボソと漏らす。
「……魔人族だ……きっと魔人族が何か細工を施したんだ」
「でなければエヒト神の神罰に違いない……」
「信仰を捨てた帝国に神はお怒りなのだ……」
帝国に身を置く者の大半は神を信仰しない。
しかし一部の者は隣国ハイリヒや聖教教会と繋がりを持っている。
信仰の対象でなくても超常の存在に何かしら理由づけしなければ、今回のようなイレギュラーに向き合うことが出来ないのだろう。
「本来であれば五年後の出現に対し、かねてより準備を進めていた対古龍用兵器を投入するつもりだったがそれは叶わない。よって今回の撃退作戦もハンター主導で行うものとする!」
トレイシーの言葉を受けて、テレサベルはゆっくりと立ち上がる。
彼女の背後には既に連絡を受けたギルド職員や一部のハンター達が集まっていた。
釣られるようにハジメも席を立つと、視線が一斉に集まる。
テレサベルに促されてギルドの職員が一枚の巨大な地図を取り出す。
それは話に挙がったライセン大峡谷の正確な地図だった。
「今この町から動けるハンターは25名。その中から4名をラオシャンロン本体への撃退へと向かわせて、残る21名は周辺で活発化するモンスターの討伐に向かってもらいます」
「4名の選抜はもう終わっているのか?」
「現状テレサベルさんは確定として、残り3名はまだ……」
ハジメはトレイシー達の会話を聞いて嫌な予感がした。
彼女の目はギルド職員が話している最中、ずっと彼に向けられていたからだ。
ここぞとばかりにトレイシーが席を立ってハジメを指さす。
「私はそこの錬成師のハンターを本体のメンバーに推薦する」
「「えぇっ!?」」
同じように驚いた表情を浮かべて、優花とハジメの声が重なった。
まさかのデート編でチョイ役だった禿げ頭が再登場(元のプロットだとこの辺の冒険者が絡んだりという話が一切なくとんとん拍子で会議が進む筈でしたが、色んな考え方を持つ者がごちゃごちゃ居た方が面白いかなとこっちに変えました)
久しぶりに夜寝て朝起きるの健康的な生活を送ったら体の調子とか頭の回転が良くなりました……やっぱ普通の生活は大事なんやなって
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初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡