例の如く他作品を読み耽ってあれやれこや考える内に先延ばしにした挙句、また色々とゲーム周回で時間を潰してました……
作者の悪い癖ですが、自分でプロット決めて書き始めてある程度書いてから「これで読者は喜んでくれるだろうか?」の不安から全文削除。
続きを待っている読者の皆様に申し訳ないです……
「――――――彼を本体のパーティーに推薦……?」
疑問の声を上げたのは町の有力者達の一人だった。
冒険者達も怪訝な目でハジメを見ている。
当の本人も訳が分からないと困惑するばかりだが……
「失礼ですが皇女殿下、彼は優秀なハンターなのですか?」
「いいや?ここ最近ハンター登録を済ませたばかりの駆け出しだ」
あっけらかんと答えた彼女にざわっと会議場の空気が揺らぐ。
ハジメを見る目はほんの僅かな期待から失望や嘲りへと変わっていく。
やがて会議に参加していながら蚊帳の外だった冒険者たちが噛みついた。
「どういうつもりだ!!新人のガキにこの町の存亡を賭けようってのか!」
「テメエらのお気に入りだかなんだか知らねえが調子こいてんじゃねえぞ!」
「そいつが失敗したらキッチリ落とし前つけるんだろうなぁ!?」
彼らの怒りも尤もだ。故にハジメは黙ってそれを聞いていた。
やがて喧騒が静まり返ったのを見計らってギルド職員が口を開く。
「トレイシーさん、何か考えがあって彼を推薦したんでしょうね」
「当然だ」
席を立ったトレイシーはハジメの隣まで来て片方の手を彼の肩に置いた。
彼女の瞳の奥に浮かぶのは期待以外の怪しさを秘めている。
集まる視線に緊張して肩を強張らせて、ハジメは彼女の言葉を待つ。
「これは実際に老山龍と戦ったことのあるハンターにしか分からない事だが、奴の出現に伴って活発化する他のモンスターを延々と狩るのと、奴を撃退できるまで攻撃を続けるのでは圧倒的に前者の負担が大きい。ましてや活発化したモンスターの中には上位種や歴戦の個体も多く、危険度は奴よりも上なのだよ」
「皇女様の言葉に偽りは御座いませんわ」
「アタシもそれは間違いないと言い切れるわねぇ」
テレサベル、リンネが同時に席を立って周りを見渡す。
片やブルックの町にいるハンターの中で最強を自負するハンター。
片や引退したとはいえ、その伝説が語り継がれる元ハンター。
二人がトレイシーに同調して、文句を言っていた者達は黙り込む。
「老山龍は山の如き体躯を持つが故に、ただ其処に居るだけで意図せず周囲の環境を壊してしまうので古龍と認定されていますが、その生態は実のところ穏やかなものです」
「こっちは殺す気で攻撃してるってのに最低限身を守る程度の反撃しかしてこない。巨体だから大食いなのかと思ったら他のモンスターや動植物を捕食している報告は一切なく、徘徊してる時以外は地中に潜って大人しくしてるみたい。………瀕死になったらケツ捲って逃げ出すしね」
「それに
―――トレイシーの言っている事が正論なだけに耳が痛い。
ハジメはしれっと彼女達から目を逸らした。
町の有力者達は半ば強引に押し切られる形で納得する。
……しかしそれでも冒険者側は納得のいかない様子だ。
「け、けどよぉ……」
「そいつが駆け出しって事実は変わらねえんだろ」
「んな重役をやらせて大丈夫なのかよ」
「なら貴様らが
トレイシーが鋭い眼差しと共に声を大にして言い放った一言で決着はついた。
彼らは一斉に顔を青褪めさせて、ブンブンと首を横に振っている。
情けない話だが、彼らにモンスターと戦う選択肢など存在しないのだ。
「―――では決定だな。テレサベル、錬成師は老山龍の撃退にあたってもらう。残り2名の選出はギルドの方から選出して貰う……異論はないな?」
返ってきたのは沈黙。各々思うところは有れど了承したという事。
彼女が自分の席に戻っていくのを目で追っていたハジメは不意に冒険者達の中で彼に対して批判の声を上げなかったレガニド、アレックスの二人と目が合う。
レガニドは笑みを浮かべて「俺らの代わりに精々頑張ってくれや」と肩をすくめる。
一方でアレックスは何か思うところがあるのかじっと見つめるだけだった。
*
「――――――ねぇ南雲、本当によかったの?」
「………?何がだ」
トレイシーと町の有力者達、冒険者達の三者で住人達の今後の動きを話し合っている間。
ハジメの傍に近付いて優花は小声で話しかけた。
ハンター達は既に役割が決まって暇になっているのだ。
二人が話し始めたのを横目にエタノも狐耳を少し傾ける。
「私はそのラオシャンロンってモンスターがどれだけヤバい奴なのか分からないけど……アンタが責任重大な役割を任されたんだって事くらいは分かるわ」
「まぁ、そうだな」
「……南雲はそれでいいの?……その――――――」
と言いかけた優花は言葉を濁してしまう。
彼女は不安なのだ。脳裏にあのオルクス大迷宮での光景が過ぎる。
既に傷痕も残さず完治したが、襲われた時の恐怖は今でも覚えていた。
唯々諾々としてハジメはトレイシーの言葉に従っているが、本当は心の何処かで不安や恐怖を抱いているのではないか?と彼女は思っていたのだ。
言葉には出さず、表情を見ただけでハジメもそれを察した。
まだ再会して数日しか経っていないというのに、随分と距離が近くなったなと心の中で思いながら、自分を気にする彼女にちょっとだけ嬉しさを覚える。
雲に隠れた月を見上げながら、ハジメは思ったことを口にする。
「確かに言われて直ぐには納得出来なかった。正直、町の人達や冒険者達の反応が当たり前なんだって思う。………けどな、あそこまで正論ぶち込まれて、無理ですなんて言える訳ねえだろ?」
「それはっ――――――確かにそうかもしれないけど――――――!」
「少し見方と考え方を変えれば、俺に何かしら期待してあの役割を与えてくれたんじゃないかって風にも考えられるだろ?ま、流石にそれは自惚れ過ぎって思うけどな!ハハッ」
「南雲……」
以前の彼には見られなかったポジティブな言動に優花は目を丸くする。
それからハジメは「会議に集中しろよ?」と言って前を向く。
彼女の心配は杞憂に終わったが得られるものはあった。
静かに彼の言葉に聞き入っていたエタノも満足げに吐息を零す。
あの時、ハルツィナ樹海で彼に声をかけた自分の選択は間違いなかった。
彼こそは自分が寄り添うに相応しいハンターであると。
遠目に彼の様子を見守っていたリンネはフゥと息を吐いて同じように空を見上げる。
しかしその瞳は決意に満ちた彼とは違い、羨望と後悔を混ぜ合わせた複雑な色を宿していた。
傍らに座るテレサベルがそっと横顔を覗き込むと、その表情はすぐに笑顔に変わる。
「―――フフッ、ウチの後輩の後輩を宜しく頼むよ。テレサちゃん♪」
「――――――はいっ♪」
今回もちょっと短めに終わってしまいました。
ラオシャンロンの生態に関しては色々な資料漁って最終的に作者がこんな感じかなぁとイメージで表現してるだけで実際にそうなのかは分からんです。
特に本編と関係ありませんがライズの拡張映像を朝一で見ました。
ミラボレアスかなー?とか思ったら例の如く新モンスターみたいで期待大です。
作者としては……ぶっちゃけ斬破刀の強化があったらライズ復帰ですかね。
それまではXXとIBを延々とループしてます。
感想、質問、ご指摘等いつもありがとう御座います!
今後とも宜しくお願い致します。
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡