作者としてはなるべく数を減らさず、彼らだけ原作に沿ってもらうつもりでしたが
ベヒモス戦における主人公の不在、彼が抜けたことによる治癒師一名の動揺
同じくハジメ脱退に伴うメルド団長の動揺も加味すると……ほぼ死ゾ。
そして……この世界の魔物はモンハンのモンスターになってるんです。
モンスターハンターワールドのプレイヤーなら御存知かと思いますが……。
ほぼ同じ名前のモンスターが……いるんですよね……。
そしてそいつは……特定条件でなければ生き残れない確殺技を使ってくるとかいう
ありふれた原作の奴より凶悪。
……クラスメイト達の命運は、ダイスの神様に決めて貰いましょう!
では本編どうぞ、今回もオリキャラ出します。
9月23日 ルゥムの身体描写に誤りがあったので訂正しました。
彼女はボンキュッボンの美少女です。
おはよう、新しい生活
(……暗い……ここは何処だろう?)
ライセン大峡谷近くの荒野でモンスターに襲われて死を覚悟したハジメ。
しかし肉体から意識を手放した彼の自我は何時まで経っても残り続けている。
――――ピピッ、チュンチュンチュ
「…で―――」「から――」
(鳥の鳴き声と……誰かと誰かが話している声が聞こえる……聞いたことのない声だ)
固くざらざらとした荒野の大地に仰向けで倒れていた身体は、柔らかい感触に包まれている。
首から下も肌触りの良い布をかけているのか、体が喜ぶくらいの温かさを保っていた。
暗黒空間に自我を放り投げていたハジメの意識は、再び肉体へと戻れたが、久しく忘れていた眠りの心地よさに瞼を開けるを本能が拒絶した。
「しばらくは村で―――しかないか……」
「この家は―――だが、まぁ連れてきたのも―――問題――」
―――ニャ、ニャ
―――チュチュピピピッ!
(………おやすみなさい)
魔物に襲われていた自分がどうして生きているのか、傷の痛みを感じないのか、自分がどうなっているのか、耳に聞こえてくる声の人達が誰なのか……あらゆる疑問を払いのけて、ハジメの意識は眠りに落ちていった。
*
「……ん……うぅぁ……」
どれくらい眠っていたのかは分からないが、ハジメの意識はようやく現実へと帰還した。
微睡からぼやけた視界に映るのは見慣れない暗色の木材で組まれた天井。地球のように灯りがついている訳ではないので、陽を遮る天井は見た目以上に暗く感じる。
首を左へと傾けると、天井と同じ材料を使った壁に小さな窓が開いていた。
窓のふちに青い小鳥が止まって、寝ぼけ眼のハジメをじっと見つめている。
小柄で可愛らしい小動物を見た本能が衝動的に手を伸ばそうとして、小鳥は飛び去ってしまう。
小鳥の飛び去る先―――空は小鳥と同じように澄み渡る青空と太陽の光。
「………」
「………」
右はどんな景色が広がっているのかと首を傾けたハジメは―――直後ピシっと固まった。
右を向いて最初に目に留まったのは、透き通る一本の蒼い角と雪のように白い銀色の髪。
それが人の頭だと彼の頭が理解して目線を下に向ける。
黄金を思わせる瞳の色、桜色の唇、スッと細く尖った鼻、小さな耳。
ハジメを荒野で助けた少女が、無表情でじっと彼を見つめたまま椅子に腰かけていた。
思わず言葉が迷子になったハジメは少女をじっと見つめていたが、ハッと我に返る。
「す、すいません……!寝ぼけていたとはいえ、女性の顔をジロジロ見るなんて……」
しかし少女はハジメの言葉を聞き終わるより前に椅子から立って背を向ける。
少女に対して失礼な事をしてしまったから、嫌われたのではと初対面ながら落ち込むハジメ。
だがそれも杞憂に終わる。少女は椅子の後ろにあった机―――少女が座っていた時はハジメの目には映らなかったが―――そこに置かれた水差しから木のコップに水を注いで手に持ったかと思えば、何も言わずにハジメの眼前に差し出した。
「………」
「……え、えーっと……貰って…いいんですか?」
言葉を発さない少女にその問いをハジメが投げると、少女は小さく頷いた。
恐る恐る手を伸ばしたハジメは木のコップを受け取ったときに、寝起きで気づいていなかったが、自分の喉が思っていたよりカラカラに渇いていたと知る。
知るや否や勢いよく木のコップを傾けて喉を鳴らしながら水を飲むハジメ。
そんなハジメをじっと見つめる少女の後ろからトテトテと足音が聞こえてくる。
思わず水を飲みながら足音の正体に目を向けたハジメは―――勢いよく咽た。
「ッ!?―――ごほっ、こはっ…!」
「ニャ?旦那さん、その
(あ、あの時の魔物……!?)
ハジメが咽た理由、それは再び椅子に腰かけた少女の足元を歩く二足歩行の三毛猫。
荒野でハジメのリュックサックを奪い、強い魔物が現れるまでハジメを追いかけた白黒猫の魔物と同じにしか見えなかったからだ。
咄嗟に手に持っていたコップを投げつけて少女を助けようかと考えたハジメ。
しかし、行動より先に疑問を浮かべた頭に理性が働いて、ハジメはふと思った。
(……いま、あの猫の魔物……
「自分の手で水が飲めるって事は怪我の問題はニャさそうだニャ?ボクがアゥータさん達を呼んでくるから、旦那さんは暫くここにいて欲しいのニャ」
荒野であった猫はそんなことをせず、猫らしい鳴き声をあげて襲ってきた。
目の前の三毛猫はどうだろう?ハジメや少女を襲う様子もなく、普通に喋っている。
……少女は三毛猫に話しかけられても終始無言なので、三毛猫が一方的に話しかけているようにしか見えないのは、ハジメも空気を読んで突っ込まなかった。
少女の視線が咽た直後に硬直したハジメから、足元で顔の毛繕いをする三毛猫へと向く。
一言も発さずに頷きだけ返した少女に、猫は敬礼で返して去っていく……四足歩行で。
(そこはやっぱり、あの時の魔物と変わらないんだね!?)
心の中で突っ込みを入れるハジメ。
すると咽た時に零した水で、ハジメの着ている服が濡れていることに気づいた少女が懐から手拭いを持ってベッドに身を乗り出す。
「えっ?わっ……あ!」
ふにゅむにゅ……ハジメの右腕に当たる柔らかい感触。
服の襟に零れた水を手拭いに染み込ませて掃除してくれる少女は顔色一つ変えない。
対するハジメは彼女の小柄な体躯には大きすぎる胸の感触に心臓をドキドキさせながらも、胸が当たっている事を少女に告げるべきか、それともラッキースケベと胸の内にしまっておくか苦渋の決断を迫られる。
そしてハジメは―――男として覚悟を決めて口を開く。
「あ、当たってます……その……む、胸が……」
「……………?」
少女の反応は実に淡泊だった。グリューエン火山のマグマみたいに顔を真っ赤に染めるハジメが何を言っているのか、まったく理解していない様子だった。
―――するとそこへ、陽気な男の声が響き渡る。
「おう
先ほど去っていった三毛猫が向かった先、外の光が差し込む小屋の出入り口。
それを僅かに遮っている垂れ幕を手で払いのけて現れた、二十代くらいの男。
赤い髪のポニーテール、焦げ茶の瞳、ニヤついた口元、耳のピアスがキラキラと光っている。
「あ、貴方は……?」
「アゥータ、それが俺の名前だ。―――そいつは自分から名乗りゃしねえから俺が教えてやるよ。―――ルゥム。死にかけだったお前さんを助けて、この村に運んできた張本人だ」
アゥータと名乗った男は勝手知ったると言わんばかりに机の方に置かれていた椅子を手に取ってハジメのベッド脇に置いて腰かける。
ルゥムはハジメの零した水を拭き終えて、手拭いをしまいながら椅子に座りなおす。
三毛猫が遅れて出入り口から入ってきたかと思えば、また部屋の奥へと消えていく。
「僕は……ハジメ、南雲ハジメと言います……。……遅くなってしまいましたが、ルゥムさん……助けて貰ったこと……心から感謝しています!本当に……ありがとう御座いました……!」
「………」
アゥータに言われてハジメは思い出す、今はベッドに心穏やかに眠らされていたが、前の記憶で魔物たちに襲われて死の淵を彷徨った事。小さく身震いをする。
頭の下げたままのハジメにルゥムは、そっと頭に手をのせて――――ポンポンと優しく叩いた。
「ほひゅ~…お前がそんな風に優しくするのは久しぶりに見たぜ」
「………」
口笛一つ吹いて、ハジメとルゥムのやり取りを見守っていたアゥータは笑みを深める。
しかしルゥムは何のことか分からないといった風に首を傾げて……そっと席を立った。
「おっ、もう出発するのか。―――んじゃ、後の事は俺が説明しといてやるよ」
「………」
コクリと頷いたルゥムの後ろから、何かを担いだ三毛猫がよたよた歩いて来る。
その小さな手にはルゥムが荒野で持っていた武器―――鞘に収まった太刀が握られていた。
ルゥムは見向きもせずに三毛猫の手から太刀を受け取り、それを袈裟にして背負う。
太刀を見たハジメは驚かされた。その見た目は今まで王国の訓練等で見てきた西洋剣とは違う―――ハジメの故郷でいう、日本刀の形をした武器だったからだ。
そして、身長160センチにも満たないルゥムに対して、2メートルはあると測らなくても分かる長く重い筈の太刀を平然と背負って歩ける彼女の華奢な体からは想像できない力強さを感じた。
「今日もモンスター退治、頼んだぜ
椅子に座ったまま片手を上げて見送りの挨拶を澄ませるアゥータ。
”ハンター”という単語に首を傾げたハジメ。天職にそんなものはあっただろうか?と考える。
そして疑問で首を傾げたままの彼を見たアゥータが咳払いを一つして話す。
「坊主の顔見りゃあ聞きたい事が山ほどあるってのは分かる。―――だから、順を追って説明してやらぁ。分からない事は、その都度聞いてくれ。……いいか?」
「……はい!」
「よっしゃ、それじゃ一つ目……ここが何処かって話からするか。トータスの西方、ライセン大峡谷の近く帝国領に含まれている”ゲブルト村”―――それがここの名前だ」
「ゲブルト村……」
「人口総数50以下、農業と林業だけが取り柄の辺境の村さ」
「んで二つ目……今お前さんが首を傾げたハンターについて。―――この世界に生きる生態が謎に包まれた生き物たち。これらをハイリヒ王国の歴史では”魔物”と一括りにして呼ばれてきたが、帝国領や俺達の村の周辺ではこう呼ぶのさ……”モンスター”ってな」
「モンスター……あの、猫みたいな魔物も……モンスターなんですか?」
「猫みたいな―――あぁ、”アイルー”の事か?確かにあいつ等もモンスターには分類されてるな」
「……実は……荒野で、そのアイルーに似た白黒の猫に荷物を奪われかけて…」
「そいつはアイルーの仲間”メラルー”だな。アイルーもメラルーも友好的な奴を除けば、大抵はトータス中の至る所に自分たちの集落を作って生活している。アイルーはこっちから手を出さない限り友好的な種族なんだが、メラルーはちょっと厄介者でな。視界に入ったモンスターでない奴らから荷物を奪って自分の集落に持ち帰る習性があるんだ―――俺もあいつ等に何度も調合書やら肉焼きセットやら盗まれた事か……っと悪い悪い、話が逸れちまったな?
モンスターの多くは縄張り意識が強かったり、行動範囲が広かったりする。だから人の住む場所であろうが、大迷宮であろうが、魔人族の領域だろうが、お構いなしに暴れ回っちまうわけよ―――そこで”ハンター”が生まれたのさ。
強靭な肉体と強固な武器を手に、生態系の一部としてモンスターが他のモンスターを襲うように、ハンターはモンスターを狩って人の生活を守ったり、生活を豊かにする役目を任される。
”ギルド”への正式な登録とか”訓練所”の教官のお墨付きを貰ったりだとか面倒な手続きは色々あるが、ハンター無しに今のトータスでまともな暮らしを送る事なんざ出来やしねえのさ」
「………モンスターハンター」
単語を二つ繋げただけなのに、妙に耳障りの良いその言葉をハジメは心に刻んでいた。
アゥータは「少し喋りつかれたから、水飲むわ」と席を立つ。
ありふれた職業の少年が、ハンターになるまでは……もう少し、時間がかかる。
女ハンターだけでは楽しくないかなーと思って、男ハンター登場。
まだまだハンターの道は見えてこないハジメ君。
作品内の時間軸的にはオルクス大迷宮がもう終わったころかな?
作者のモチベーションとダイスロール次第ですが、幕間の物語として何時か
クラスメイト達があのMHWの古龍相手に立ち回れるか、判定したいと思います。
感想、待ってまーす!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡