酒の勢いで書いた文章なのでとても読み難くなってるかもしれません。
推奨bgmは平沢進の「舵を取れ」「Forces」執筆中に聞いてました。
戦姫の号令と共に四人は駆け出した。
左の壁に窪みを作ったアイクは無防備な老山龍の背中を狙い、息を吐いて引き金を絞る。
グラビドギガムドファから白煙が立ち昇り、硝煙の匂いが彼の鼻腔を擽った。
戦いの高揚感を身体の内に抑え、彼の射撃は続く。
「オオォォッ!」
ロスマンは飛び降りながら蛮炎剣斧ロギンシスカを剣の状態に変化させる。
気合の籠った掛け声と共に彼が降り立ったのは老山龍の首の上。片手で剣斧を支え、空いた片方の手で赤褐色の鱗の間を掴んで振り落とされないように剣斧を振り下ろす。
全身から湧き立つ血の熱すら、剣斧の瓶に詰めてしまいそうな勢いだ。
右の壁から飛び出したテレサベルは絶爆狼棍【チル】を構えて空中を蹴った。
滞空連携攻撃を繰り出して、老山龍の眼前へと縦回転攻撃で落下する。
柔和な笑みを浮かべ、彼女は老山龍の鼻先を思いきり蹴り上げて再び飛翔する。
狙うのは爆発の衝撃で傷を負った鼻先に伸びる一本の角。
左腕を突き出して穿龍棍を真横から叩きつけ、間髪入れずに右腕を斜め下から抉るように放った。
バキッ!と骨の砕けるような音と共に真紅の角は宙を舞い、地面に突き刺さる。
―――グオオオォォォォッ!!?
角の完全破壊。テレサベルはそれで満足せずに角の生え際を蹴って更に上昇する。
咆哮して仰け反った老山龍の首の上へと着地して、そのままバランスを取って走り出す。
途中で剣斧を振り回して首の鱗を切り裂くロスマンとすれ違う。
彼の目に映る彼女は、飛び散った血飛沫すら化粧のように纏う戦乙女のようだった。
「――――――”錬成”ッ!」
ハジメはアイアンアサルトⅢを展開して片手で持ちながら地面に手をつける。
詠唱と共に眼下の壁が変形して人が乗っても崩れ落ちないような足場を形成した。
その瞬間、彼の全身から血の気が引いて、思考の停止と共に目の前が眩んだ。
落下の寸前で踏み止まり、彼は軽く頭を振って形成した足場へと飛び降りた。
(俺は……俺だってやれるッ!お前を倒して、俺は……俺の強さを証明する!)
それは青臭い少年が、初めて胸に抱いた闘志の表れなのだろう。
心の奥底から叫びたいのを抑え、頭は冷静に彼が次に何をするのか描いていた。
土の汚れがついた手で銃身を掴み、落下の最中に第一射を放つ。
真っ直ぐに飛んでいった弾は、背中の甲殻の一部を破壊する。
*
「第一陣、投下!」
「「「おおぉぉっ!」」」
崖上でイルシオンから降りたトレイシーが待機していた兵士達に叫ぶ。
十数人の兵士が荷車から下ろした巨大な岩が、数の力に押されて谷底へと落ちる。
老山龍の背中や足元に当たって落下の衝撃で巨岩は砕け散った。
前衛として老山龍の体に飛び乗っている二人が巻き込まれないかと不安はあるだろう。
しかしその心配は杞憂だ。片や打撃武器として回避性能に優れた穿龍棍の使い手。片や鈍重な剣斧を振るうと決めた時から多少の被弾も気にしない頑強な肉体の持ち主。
石礫如きに手足を止められる事はない。
……もっとも、ハンターの殆どがいずれそう成るのだが……
イルシオンも自らの足で岩の塊を掴んで、谷底へと投げ入れる。
老山龍は絶え間なく続いた攻撃に呻き声をあげて、ついに怒りで足を速めた。
「――――――テレサさん!」
「えぇ!!」
「”錬成”ッ!」
老山龍の鼻先が中腹へと迫っていた。
ハジメの叫び声に顔を上げたテレサベルが駆け出す。
彼女が向かった壁の方を凝視して、彼は再び地面に手を当てながら叫ぶ。
倦怠感と眩暈が全身を駆け抜けるが、彼は下唇を噛み切り叫んだ。
「止まるかよ――――――!”れん……せぇぇ”!!」
正しい詠唱を唱えなくとも、技能は使用者の意思に同調して発動する。
不自然な形で壁から生えた足場を踏みつけて、テレサベルは宙を舞う。
その時、老山龍は最後の足掻きをみせた。
―――グルオオォォォッ!!
「なっ―――!?」
「総員退避!!」
「逃げろ、ハジメぇぇぇっ!」
老山龍が渾身の当身を放ったのは
トレイシーの叫び声に兵士達は一斉に崖の傍から離れて固まるが、ハジメは錬成を使った後の反動でアイクの叫び声を聞いても動けなかった。
大峡谷が老山龍の当身で揺れる。
壁の一部が崩落し、瓦礫の潰されまいとロスマンは老山龍の体から飛び降りて駆け出す。
強制的に地面から手を離されたハジメは宙に放り出されて、眼下に広がる景色を見た。
テレサベルは老山龍の背中に着地を決めて対巨龍爆弾を仕掛けようとしている。
ロスマンは地面に飛び込んで落下してくるハジメに何か叫んでいた。
アイクは攻撃目標を老山龍から、ハジメの上から落ちて来る瓦礫に変える。
(――――――また、俺のせいで……!)
ハジメは落下の最中にそんな事を思って悔しさで血の滲む下唇を再び噛んだ。
……しかし怒りに感情を身を任せたとて、現状が打破出来る訳ではない。
奥歯を噛み締める力だけは残し、頭は冷静に自分が何をすればいいか考えていた。
(―――もう足を引っ張るだけの俺じゃ……ねええぇぇぇぇっ!!!)
思考は纏まった。
その手に握るアイアンアサルトⅢの銃身が目に映った時点で行動は決まっている。
重力に身を任せて落ちていた体を椅子に座っているような姿勢へと移す。
腰溜めに構えた重弩に装填されている斬裂弾Lv1を撃ちまくる。
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
テレサベルの対巨龍爆弾は設置が完了した。
彼女は剥ぎ取る時間も惜しいと言わんばかりに背中の端から飛び降りて縦回転攻撃を繰り出す。
直後、老山龍の咆哮にも劣らぬ破裂音と熱波が爆ぜる。
堪らず老山龍は足を折ってその場に平伏す。
ロスマンもそれを好機と見て斧状態に戻った剣斧を手に駆け出す。
アイクは壊れた背中の甲殻にオマケの狙撃竜弾を放つ。
そして落下しながらの空中射撃を行っていたハジメは、
「―――ま、だぁぁぁぁぁ!!!!」
自分の攻撃の手を休めるつもりはない。
言葉に出さずハジメは手元を見ずに機関竜弾へと切り替える。
本来想定されていない、武器を抜刀した状態でのダッシュ。
偶然にもそれを使ったハジメは老山龍の脇腹へピタリと銃口をつけて叫んだ。
「こぉれぇぇぇでえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
50発の弾が鱗の覆っていない腹の皮と肉を裂いて体内へと到達する。
老山龍の鱗のように紅い血が噴き出て彼の顔をべったりと濡らす。
そんな事を気にも留めず、引き金を握り続けたハジメは更に叫ぶ。
「終わりだあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
―――――――ゴオオオオアァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァッ!!!!!――――――
血に濡れた狩人の叫びと老山龍の咆哮が交錯する。
運命は既に決した、トータスに居るかは分からないが運命の女神は一方に微笑んだ。
最後の一発を撃ち終わったアイアンアサルトⅢから白煙が立ち昇る。
銃身は熱で真っ赤になり、それを握るハジメの手も溶かしてしまいそうだった。
「………………ッ」
―――グオオオォォォォ…………
不意に老山龍は二足歩行で立ち上がり、ハジメは風圧で後ろに仰け反った。
左足を前に踏み出した老山龍の巨体が、ゆっくりと谷底へ崩れ落ちる。
さながら百戦錬磨の老兵が老いで天寿を全うするが如き様に誰もが気勢を削がれ、瞬き間に惹かれた。故にハジメは真横から迫る尻尾に気づかなかった。
「――――――――――――ガッ」
老山龍の巨体が寄り掛かった方の壁が崩れて、瓦礫の山が谷底に積まれていく。
ハッとなったテレサが目の前で倒れて来る老山龍の巨体の向こう側に、ハジメの姿を見つけ、その名を叫びながら手を伸ばしたが遅かった。
飛竜の羽ばたきすら寄せ付けない巨体が起こした風圧でハンター達は足を止める。
砂埃が谷底より舞って、上にいた兵士達もたまらず咳き込む。
トレイシーの傍らに寄り添ったイルシオンがひと際甲高い声で吼える。
それは凱歌と共に生きていたものを称える声なのか?
或いは、戦いの果てに命を落とした悼む声なのか?
今だけは、その答えを誰も知ることはないだろう………
死んだ後は当たり判定がないのはモンハン原作だけ、実際にはあんなデカい竜が倒れてきたらペチャンコに潰されてしまうんですよね。
兵士達の落石の描写が分かり難いかもしれないので一応補足になります。
兵器の投入が間に合わなかったので攻城戦に使われるような投石器も使ってません。
完全な人力で荷車から岩を谷底に落としているだけです。
次回で三章は終わりですかね?四章のタイトルは一応作者の中では決まっているので、出た瞬間に読者の皆さんは「あっ」てなると思います。
――――――300年だ……もう休暇は十分だろう……!
感想、質問、ご指摘等お待ちしております!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡