後半が特にご都合主義感半端ないです……だってアイツ周回させるの酷なんだもん。
ぶっちゃけますが暗い雰囲気にしたくなかったので防衛戦で戦死した町の守備兵たちの葬式は割愛させて頂きます……町を守った本当の英雄達は彼らかもしれませんね。
夕焼け空の下、ブルックの町中がお祭り騒ぎを始めていた。
ギルドの集会所は長い一狩りを終えたハンター達が全員集まっている。
ハンター達の宴の主賓は勿論、ラオシャンロンを討伐した四人のハンター達。
テレサベルはいわゆるお誕生日席に座らされ、左右をロスマンとアイクが陣取り、ハジメは狩りの最中に一番アシストして貰ったアイクの隣に腰かけている。
ジョッキを天高く掲げて、ロスマンがお得意の一気飲みを披露した。
「んぐっ……くっ―――――ったはぁぁっ!!」
「うおおおおお良いぞ旦那ぁ!もう一杯いこー!」
「堅物かと思ったが、案外いける口じゃねえか!!」
「受付嬢さーん!こっち狩人ビールおかわり―!」
「こっちはホピ酒を、瓶ごとくれー!」
「はーい、今お持ちしますねー!」
軽い足取りで酒蔵へと注文の品を取りに行く受付嬢。
宴を開く前に樽を幾つか準備していたのだが、あっという間に空になってしまった。
ハジメは泥芋酒を水割りにしてチビチビ飲んでいる。
その視線は調理場から現れるお盆を抱えたアイルーに注がれた。
「調理場から新しいお料理、出来上がりましたニャー!」
「「「「待ってましたーっ!」」」」
ドン!と机の端まで勢いよく前のめりに料理を持っていったアイルー。
調理場はハンター達に見えないだけで戦場のように料理人である職員やアイルー達が忙しく動き回っており、肉や魚の焼ける香ばしい匂いが宴の席にまで漂ってくる。
”紅蓮鯛と厳選スジタケの煮付け”文字通り燃え盛る炎を彷彿とさせる赤い鱗を纏った紅蓮鯛一尾に特産キノコの更に上をいく美味しさの厳選スジタケを合わせて、岩塩と砂糖、酒に一部の香草を加えて甘辛い煮汁を染み込ませた一品だ。スプーンで軽く触れた白身の紅蓮鯛はほろほろと口の中で崩れ、厳選スジタケから濃厚な旨味が染み出している。
”胸焼けカルビ”はプレートの上で膏を弾けさせながら、細かく刻んだ西国パセリを塗して出され、青臭いパセリの苦味が胸焼けカルビを食い飽きさせないように調理されている。
”ふんばりポテト”を蒸かしたものを胸焼けカルビの膏が残ったプレートの上で表面を軽く焼いても、肉の味が合わさって腹にずっしりとくる。
”トロピカパイン”は薄く輪切りにしたものを大皿に花の形で並べて、一口サイズにカットした”北風みかん”や”氷樹リンゴ””炎熟マンゴー”を山盛りに乗せた色とりどりな果物の盛り合わせとなっている。
オレンジ色の温かな炎が暖炉の中で揺れるのに合わせて、酒に酔ったハンター達の体も千鳥足でふらふら揺れる。既に何人かは初っ端から飲み過ぎたのか、床に寝転がって時折踏まれている。
ハジメは何か話そうかなぁと考えていたのだが、いざ顔を合わせて宴が始まると何を話せばいいのか考えていた事が頭の中からすこーんと抜け落ちてしまい、こっそり酒と食事に逃げていた。
「はむっ……うっっっまッ!!」
煮つけを一口食べて、紅蓮鯛の骨まであっさりと咀嚼して飲み込んだハジメ。
まだ口の中に残る甘辛い味を、泥芋酒の水割りで流し込むと頬が熱くなる。
また煮つけを、今度は厳選スジタケを煮汁と一緒に啜って食べた。
「はふっ、あふっ――――――」
出来たばかりの煮つけは熱々で、ハジメは両手で口元を仰ぎながら恍惚とする。
そんな時、達人ビールの泡で口ひげを作ったアイクがぐいっと肩を組んで話しかけてきた。
「ようハジメ、大仕事を終えた後の酒は染みるだろ?」
「んぐっ―――――っはい、アイクさん!最高に美味いっスよ!」
「ハハハハッ!――――――しっかし、お前も大した奴だ。あの老山龍を相手にするって聞けゃあ駆け出し連中なんざ皆足が震えて無理だ無理だって言うのに、お前はちゃんとついて来れた!大したもんだよ……ったく………!」
「いや、腕の立つ大先輩方三人に引っ張って貰ったお陰で運よく生き残れただけっス。欲をかいて無駄弾撃っちまうし、詰めを誤って下敷きになるし……俺は周りに恵まれてたんスよ」
「運だとぉ!?大いに結構じゃねーの。とどのつまり、命のやり取りなんていうのは武器やら防具やら相手の情報やら諸々の要素を足しても最後に決め手となるのはいつも運なのさ」
「――――――そうっスね。この運、いつまでも続くと良いんですが……」
「どうだろなぁ……あんま運任せにしても、いざって時に体が動かなくなっちまうから……運なんてのは心の片隅で あ、こうなったらいいなー とか想像するだけにしといた方がぁいいぜ?」
「……そうしときます」
話し終えた後、アイクは手にしたジョッキを呷るが中は空だった。
お代わりを貰おうと立ち上がった彼の席に、そっとテレサが腰かける。
「ハジメさ~ん。お疲れさま~」
「テレサさん……お~疲れ様っス~」
初めて見かけた時のように朗らかな笑みを浮かべているテレサベル。
しかしその頬はやはりというべきか、酒を呑み過ぎて赤く火照っていた。
対するハジメもだいぶ酒が回ってきたのか、意味もなく首を左右に振る。
「リンネさんが見込んだ子って聞いたから、貴方がラオシャンロン討伐に参加するのは必然だと思っていたわ~……最後は特に助けられたものねぇ~。本当に感謝しているわぁ」
「いやいやいや、偶々俺が持って生まれた錬成なんてのが、偶々あの場で役に立った。偉大な先輩方にご迷惑をおかけしないようにと、それだけを考えて行動した結果に過ぎないっスよ」
「んも~……そんな風に謙遜しなくていいのよ~?貴方も立派なハンターなんだから~」
あまり人から褒められることに慣れていないハジメは自分の頬をぽりぽり掻いた。
同時に嬉しさでニヤけてしまう口元を見られたくなくて、ゆっくりと顔を背ける。
「―――っスかね……へへっ、なんかそう言われると……擽ったいっス」
「フフッ♪そうそう、男の子はそうやって素直に照れる方がとっても年相応で可愛らし―――「此処にいたかハジメぇっ!!!!」―――あら~ロスマンさんったら……」
突如、他のハンター達に煽てられて酒豪の遺伝子を覚醒させたロスマンが割り込んできた。
真っ赤な顔で血走った目をしたロスマンに腕を掴まれて無理や立たされるハジメ。
有無を言わさぬ力で引っ張られていく彼は「えっ、えっ?「」と困惑している。
テレサはクスクスと笑ってそれを見送った。
「皆の衆!見るがいい!この者こそ、ラオシャンロン討伐の功労者であるハジメだ!!」
「「「「「おおぉぉぉっ!!」」」」」
「え、えっえっ!?ちょちょ、ちょ、ロスマンさん!なんスかこの状況!?」
「ハジメ、聞かせてやれぃ!貴様が如何にしてラオシャンロンを倒したのかを!!」
「「「「「話せ話せーっ!」」」」」
「どぅえええええぇぇぇぇぇっ!?」
なんとなくだがハジメはどういう理由で連れてこられたのかを察した。
ロスマンを煽っていたハンター達はお決まりのどんな狩りだったのかラオシャンロン戦の一部始終を聞いたのだろう。ハンター同士で自分の狩りが如何に困難なものだったか、雄弁に語る者は少なくない。まして酒の席ともなれば饒舌になり、時折その口から誇張表現が飛び出るのだ。
(マジかよぉ……!こんなんどうすりゃ……ええい、ままよっ!!)
人前で話すことに慣れていないハジメは数十人の視線を釘付けにしてたじろぐ。
しかし話さないという選択肢は彼にない。ロスマンの期待を込めた笑顔を裏切れなかった。
意を決してハジメは近くにあった誰かの飲みかけ狩人ビールが入ったジョッキを一息で飲み干す。
「いいっスよ!!嘘偽りなく、駆け出しハンター(錬成師)の奮闘!話してやりますよぉ!」
「「「「「「うええええええええぇぇぇぃ!!」」」」」」
まだ話してもいないというのに拍手喝采がそこら中から巻き起こる。
酔っ払いのうわ言と、誰もが明日には忘れていることだろう。
そうなる事を願いつつ、ハジメは内心地味~な錬成の仕組みやら発動した時の感触やらを、無駄に壮大な言葉でセルフ効果音込み数十分間、彼らに語り聞かせた。
ハンターという者達は、酒が入ると総じて皆バカになり易くなる。
*
「――――――ククッ!まったく……声を聞くだけでも奴らは面白いものだ!」
「本当にねぇ~……十数年あそこに居たけど、あのバカ騒ぎは変わらないままね」
(……な、南雲の声……?あれ、お酒飲んでるから……なのかな……いつもと様子が……)
「フフッ♪ハジメ様のあんなお声を拝聴出来るとは……この町に残った意味はありましたねェ」
町の有力者達が役所として使う建物の最上階、町を一望出来る部屋で茶会が行われている。
四人の参加者…トレイシー、リンネ、優花、エタノは眼下に広がる集会所を見ていた。
ブルックの町全体が賑やかだが、集会所の中から声が外にまで響いている。
湯気の立ち昇るティーカップを持って、爽やかな香りを嗅いでいたトレイシー。
そんな彼女がハジメと何やら関係があると知った優花は気になって見つめていた。
見つめていることに気が付いていたのか、フッと笑みを浮かべて見向きもせず彼女は口を開く。
「どうした神の使徒殿、私に何か聞きたいことでもあるのか?」
「えっ!?―――いや、その―――えっと……」
「遠慮するな、大方あの錬成師のハンターについてだろう」
顔を赤くして俯いた優花が言いあぐねているとエタノが口を挿む。
「そうですわね。私も皆さまにお聞きしたいと思っておりました」
きらりと目を輝かせてトレイシーと優花を交互に見るエタノ。
この場には奇しくもハジメとの繋がりを持つ女が集まっている。
協力者、命の恩人、弟子の弟子、商売相手―――そんなところだろう。
トレイシーとリンネに関してはエタノが聞きたがっているような色恋の話は欠片もなく、大人の女として彼を終始翻弄しているように見えるが……
「そうね~この際だからお茶会ならぬ女子会ってノリで話しちゃう?彼のこと」
「り、リンネさんまで……!」
「フム……この際だ、使徒殿からも色々と聞かせて貰うか」
「では僭越ながら、私から彼との出会いを語らせて頂きましょう――――――」
月明りの照らす一室で、お茶会改め女子会が人知れず行われた。
エタノ、リンネ、優花、トレイシーの順でハジメとの出会いから今に至るまでを話した。
四人の女性から口々に評価されているのを、当の本人が知る由もなかった。
*
「テレサベル、ロスマン、アイク、ハジメの四人はいるか―――!」
宴も徐々に落ち着き始めた頃、集会所に一人の帝国兵が入ってきた。
名前を呼ばれた四人の内、起きていたアイクとテレサベルが反応する。
ロスマンは酔いが回って床に大の字で寝転がっており、起きているのか寝ているのかあいまいな表情で宙を眺めていた。
ハジメは老山龍の話を語り過ぎて、自分で思い返して恥ずかしさから顔を真っ赤にして両手で覆いながら悶絶していて、帝国兵の声に気が付かなかった。
「殿下がお呼びだ。集会所脇にある工房に大至急集まれ!」
「は~い。……アイクさん、申し訳ないのだけれど……ロスマンさんを起こしてくれるかしら?」
「あいよ。――――――おーい起きろ、ロスマン。お楽しみのクエスト報酬タイムだぞ~」
「むぅ……ぅぅ……もう、そんな時間か……」
ハジメもようやく顔を上げて、自分が呼ばれていることに気が付いた。
一人で立ち上がれないロスマンに肩を貸すアイクに協力しようと駆け寄る。
ロスマンは「一人で、歩けう」と呂律もまともに回らない様子だ。
帝国兵についていった四人は集会所を出た。
ひんやりとした夜風に当たってロスマン以外の三人はバッチリ目が覚めた。
普段よりも早起きだったハンター達の大半は、もう眠ってしまっている。
そんな彼らを羨ましそうに見ながら、工房の前で四人は足を止める。
そこには数人の帝国兵を護衛として連れたバイアスが腕を組んで立っていた。
「来たか。宴を堪能していたようで何よりだ」
「殿下こそ、夜遅くまでお疲れ様です~」
「フン……時間も惜しい。本題の報酬に入るとするか――――――」
実は四人が剥ぎ取った素材は一度帝国軍に押収されていた。
というのも今回の緊急クエストは依頼主が帝国軍であり、報酬金の分配から狩猟した老山龍の素材の分配までハンターズギルドの許可を貰った者しか行えないのだ。
バイアスはその許可を得ている者の一人である。
「今回の緊急クエストは本来生じる契約金を無視しての突発的かつ強制的なものだった。それらを考慮して報酬は24000ルタを4人で分けて、一人頭6000ルタとする」
そう言い終えてバイアスが傍に立っていた兵士に手招きをする。
兵士は袋を四人分、懐から取り出してテレサ達に一つずつ手渡した。
念のために確認しろとバイアスに言われて四人は袋を開いた。
中には黒い1000ルタ硬貨が6枚、しっかりと入っている。
「確認したな?それからモンスターの素材報酬とは別に帝国軍として町の防衛に参加したハンター全員に配る予定の”勇気の証”を先んじて渡しておく」
「……勇気の証?」
聞き慣れない単語に首を傾げたハジメの手元に羊皮紙が一巻き手渡される。
ハンターズギルドの紋章とギルド長の名前の上に、皇太子のフルネームが直筆で記入されている。
内容としては勇気ある行動を取ったハンターの活躍を称え、この証を使わなければ生産が許可されていない特別な武器や防具の生産を可能とする旨が記されていた。
貰い慣れているテレサがそっと彼の耳元で補足する。
「要は武具生産に必要な素材と思ってくれればいいのよ」
「そういうもんですか」
「さて――――――お前らはこんな紙切れよりも、こっちの方が目当てだろう?」
フフンと鼻で笑ったバイアスが指さす方に四人は顔を向けた。
そこには剥ぎ取りで回収したラオシャンロンの素材に加えて帝国軍の兵士達が回収したラオシャンロンの希少素材などが山のように積まれている。
テレサは「あら~」と頬に手を当てて喜びを隠し切れず、ロスマンは完全に酔いから醒め、アイクとハジメは頬が緩むのを抑えてそわそわしていた。
「俺が直々に分配してやってもいいが……素材の価値や数量など分からん。部下を立ち合わせるからお前らが話し合って分配しろ―――俺はもう疲れたので休ませて貰うぞ」
最後まで言い切らずに欠伸を噛み殺したバイアスは踵を返す。
ハジメは「それでいいのか皇太子……」と心の中で突っ込みを入れるが、内心喜んでいた。
本来であればクエストの報酬素材はギルド職員によって内容の評価に応じた素材が貰える。
それを今回だけに限り、個々人で自由に貰う事が出来るのだ。
四人は顔を見合わせて、お互いに取り合いにならないよう心の中で協定を結ぶ。
やや疲れ気味の兵士達に「立ちっぱなしも疲れるでしょうし、そこに座ってて貰っていいですよ」と道端に置かれていた木箱を指差すと、兵士達もありがたそうに頷いて木箱の方へ歩いていく。
「――――――さて、こうして並べてみたけど」
「壮観だな」
「あぁ」
「……これが……老山龍の……」
・四人に分配されたラオシャンロンの素材一覧
老山龍の上鱗25枚
老山龍の逆鱗2枚
老山龍の紅玉1個
老山龍の堅殻16個
老山龍の角4本
老山龍の大爪6個
中でも目を惹くのは逆鱗と紅玉の二種類だろう。
逆鱗は鱗の中でも希少で上質な素材であり、それを持つモンスター1体から剥ぎ取れる確率は5%と言われている。それが2枚もあるのは、幸運の一言では済まされないというものだ。
紅玉は逆鱗よりも価値が高く、最低でも金貨2枚……つまりは2万ルタで売れるほどの代物だ。
稀にモンスターの体内で生成される玉石は一説によると竜玉という希少素材と同じでモンスターの結石である可能性が挙がっているが詳細は研究者たちしか知らない。
しかし希少だとか高値で売れるとか結石だとかハンター達には関係ない。
彼らにとって素材は、自分達が戦うための武器や身を守る防具の基になる。
狩った獲物への感謝と敬意を込めて、それらは活用されるべきなのだ。
「全員、作りたい物は決まってるのか?」
アイクの問いかけにテレサ、ロスマンの二人が頷いた。
彼らは過去に何度か老山龍と交戦した経験もあり、武器や防具の一部は作れるようになっている。
アイクも同様で、三人は生産というよりは強化に重点を置いていた。
一方でハジメはこれが初の老山龍素材ゲットであり、どんな性能の武器や防具が作れるのか分かっておらず、アイクの問いに対して「何も考えが纏まってません……」と困った様子で答える。
「成程なぁ……駆け出しのハジメらしい答えだ。そんじゃ俺から提案なんだが……分配を一先ず後に回して、ハジメに新しい武器か防具の一つでも優先的に作らせてやろうじゃないか」
「えぇっ!?流石にそれは悪いですよ!!」
「あら~気にしないでいいのよ?貴方はそれだけの結果を出したんだから」
「然り。先輩として、一肌脱いでやるのも吝かではないというものだ」
唖然としてハジメが三人を見ると、三人とも顔を見合わせ笑っていた。
実はハジメが討伐戦の帰りに荷車でひと眠りしている間、三人は彼の錬成を高く評価していた。
駆け出しのハンターでありながらも老山龍に挑んで、討伐を成し遂げたのは偶然ではない。
三人の強さを、あの環境下で彼が懸命にサポートした結果の必然である。
ならば、武器・防具の生産の一つくらいは譲ってあげるくらいは先輩としての優しさだろう――――――――と三人は既に話し合っていたのである。
「テレサさん……アイクさん、ロスマンさん……!」
ハジメは思わず感極まって目頭が熱くなる。
アイクは「折角のガンナー仲間だしな、短い間だが教え甲斐もあった」と得意げに笑う。
ロスマンは「腕を磨いて、また共に狩りをしよう」と腕を組んで頷いている。
テレサは微笑みながらハジメの前に立って、そっと泣きそうな彼の頭を撫でた。
「武器の事とか、分からない事は何でも聞いて頂戴」
「――――――ッッッはいっ!!」
こうして、三人の大先輩によるハジメのラオ武器ラオ防具の説明会が行われた。
まず初めに防具の紹介と、スキルや見た目の説明からロスマンが話す。
「この”暁丸・凛”シリーズは見た目が個性的でな、デザインは過去に竜人が伝えたと言われているが真実は定かではない。……む?なに、戦国武将みたい?なんだそれは……将と名がつくところから察するに騎士のようなものか。―――むう、何故かはわからぬが心惹かれる呼び名であるな。――――――まぁそれはそれとして。男用が暁丸、女用が凛だ。性能はどちらも変わりない。耐性値は氷と水に強いが、龍と火……特に龍耐性は低いから注意しておけ。単体防御力は120程度……ハッハッハッ!お前が着ていた防具の防御力総合計を軽く上回ったか!まぁ当然であろうな。それと剣士用とガンナー用で名称が変わっているぞ。剣士用は暁丸・凛。ガンナー用は曙丸・艶という名前になっているからな、作り間違いに気を付けろよ?スキルは剣士・ガンナーで別々になっている。剣士は”回避距離UP”と”斬術”ガンナーは”裏稼業”と”集中”、共通で”底力”が付いている。――――――と此処まで解説したはいいが、生産できるのは一つだけだ。足りない素材は私達が代わりに出してやろう。……では武器の方の説明を頼んだ、テレサ殿」
「私からは近接武器の名前を教えていくわね~。大剣の”ドラゴンキラー”、太刀の”龍刀【焔】”、双剣の”双焔”、ハンマーの”ドラゴンデストロイ”、ランスの”バーミリオンリム”、スラッシュアックスの”ドラゴンリッパー”、チャージアックス”バーミリオンベイル”…う~ん…共通して言える事はどれも龍属性ってことくらいかしら~。特定の武器種には防御力アップが付与されていたり、装飾品を着ける枠が1スロット分あったりするけど、作ってみない事には実用性があるかどうかまでは分からないわ。残りの二つは、アイクさん……お願いするわね」
「よし―――先に弓の”龍弓【国崩】”から説明していくぞ?俺は正直弓を使ったことがないから何とも言えんが……まぁ総評は攻撃と属性値に偏った弓ってくらいだな。瓶は全種類使えるらしいが、溜めの発射が拡散型だからちょいと癖が強いかもな……んでだ――――」
ここまで休みなしで説明を聞かされたハジメは興奮しっぱなしだった。
防具はロスマンの説明を聞いている最中に呟いた通り、戦国武将を彷彿とさせる甲冑一式。
日本人であるハジメには歴史の教科書等でよく目にした馴染み深いものである。
テレサに説明された武器の見た目も工房の鍛冶職人の粋な計らいで見せて貰った。
朱色をベースにした攻撃的かつ浪漫溢れる見た目をしており、ハジメのオタク心を擽る。
アイクが説明した龍弓【国崩】に至っては従来の弓に採用されていたアーチェリー型とは違う、折り畳みを必要としない上下非対称の和弓なのだ。
唐突にアイクが説明を止めたので、ハジメは何事かと期待の眼差しを向ける。
恐らくは彼もその武器を持っているのだろう。平静を装っているが口元がニヤけていた。
ヘビィボウガンの項目を指差して、長く息を吸ったアイクは一言。
「ヘビィボウガンはな………ハッキリ言っておくぞ?
その一言だけでハジメが何を作るか……決まったようなものである。
流石に武器も防具も揃えたらズル過ぎるので武器一つか防具一つの選択肢に抑えました(それでも普通なら他のモンスターの上位素材が必須とかいう鬼畜仕様をご都合主義で無理やり抑え込んだ作者ェ……)深夜テンションって怖いですね。
感想、質問、ご指摘等お待ちしております!
初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)
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続編にして
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このまま話数増やしてもいいんじゃね?
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打ち切りはヤメロォ!
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もっと周りの話補完して♡