モンスターハンター・トータス   作:綴れば名無し

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 今回のクエストは片手剣の出番があると言ったな?あれは嘘だ(先延ばし)
というのも壺を抱えてる抱えてないに関わらず採取クエストで無理にクルルヤック(しかもアレ)の相手をする理由がないので……今回は壺回収だけになります。
相変わらず情緒の変化が下手くそといいますか……ギャグ風味からシリアスです。
推奨bgmは前半「FF14のチョコボレース」後半ブギーポップは笑わないのオープニングMYTH&ROID「shadowgraph」です(作業中に聞いてただけですが……)

※追記補足 投稿直後にサイレント修正かけました!教えてくれた人ありがとう御座います……やっぱり寝起きテンションで書くのは危険か……


お騒がせ掻鳥を追え! 後編

「――――――これか……まだ壺は無事そうだな」

 

 森の中へ踏み込んだハジメが見つけたのは先ほど馬車からクルルヤックを見つけた地点。

大雑把な距離計算をして辿り着いた場所はあの掻鳥が軽快に進める、木々の間隔が空いている。

屈んだ彼の手がなぞっていったのは地面に残った三本爪の足跡、クルルヤックの痕跡だ。

 

「一定間隔で奥に……まだ追いつけるか?」

 

 独り言を漏らしながら、考えても仕方ないと肩をすくめてハジメは立ち上がる。

今回のクエストは時間との勝負、クルルヤックが持っている壺を破壊されずに回収する事だ。

半ば祈るようにして先行しているクルルヤックに気づかれない事を祈りながら走った。

 

 そんな時、ハジメの視界の端に奇妙なものが映り込んだ。

クエストとは関係ないと一瞬で判断し、足を止める事はしなかったが……

木々の一部が焦げて、地面にクレーターのようなものが出来ている。

しかもクレーターの中心には、銀色の()()()()()が刺さっていた。

 

(モンスターが何かした跡か……?にしては妙だ……)

 

 飛竜や鳥竜が穴を掘ったりしたとは考えにくい。

かといってモンスター同士が争ったと仮定するならどちらかの死体がこの辺りに転がっている。

ハジメは余裕がある時に調べようと頭の片隅にそのクレーターのことを置いた。

 

 

 ざ、ざ、ざと茂みを掻き分けながらハジメが進む森の景色に変化があった。

木々が少なくなり、小さな池のようなものが広がっている。

池の近くには大きな岩が重なって出来た自然の洞窟があり、洞窟の手前までハジメの追っていたクルルヤックの足跡が続いている。

 

(アタリか………)

 

 あくまで予想の一つに過ぎなかったが、ハジメは街道沿いに現れるモンスターの特徴として近くに巣があるのだろうと訓練所で聞いた話を覚えていたのだ。

その話の通り、ご丁寧に洞窟の中からけたたましい鳴き声が響いてきた。

 

(こっからは隠密行動か……あんまり自信ないけどな)

 

 自信がなくともそうしなくては目的を達成出来ない。

ハジメは自分なら出来ると適当に言い聞かせて洞窟の近くまで忍び寄った。

中でクルルヤックが何をしているか分からないが、壺に何かあってからでは遅い。

屈んだまま片手も地面について足音を殺したハジメは洞窟の中に入る。

 

(臭いがキツいことを除けば、中は思ったより綺麗だな……)

 

 天井の岩の隙間から光が差し込んでいるお陰で中の様子が見えないという事はなかった。

岩の壁伝いに奥の様子を窺うハジメは、右に少し曲ったところで揺れる先端が黒い尻尾を見る。

右の壁へ移ってゆっくりと顔を覗かせた先で例のクルルヤックの全体像が見えた。

見えたのだが――――――

 

(なんか………………………()()()()()()()()()?)

 

 遠目に見た時はある程度の距離も開いていた為、全体像がランポス系の鳥竜種に近い1.5倍くらいのサイズだと思っていた。モンスター図鑑の記述でもそれくらいのサイズが平均値だという。

目の前で地面に横たわり、ぐぅぐぅ寝息を立てている個体は明らかにサイズオーバーだ。

ハルツィナ樹海で戦ったリオレイアと戦っても勝てそうな図体のデカさ。

 

 幸いなことに目的の壺はすぐに見つかった。

クルルヤックが寝ていることもあり、ハジメはそーっと寝ている横を通過する。

壺の他にも色々なガラクタ―――ハジメにはそういう風にしか見えないがクルルヤックにとっては恐らく素に持ち帰るほどのお宝なのだろう―――が山のように積まれていた。

 

 割れた草食竜の卵の殻、鉱石類を含んだ岩の塊、中には暗い洞窟の中でもキラキラと青白い光を放つ魔力が込められているであろう不思議なクリスタルもあった。

クルルヤックの目が開かない事を祈りつつ、無事だった壺をそっと左腕の脇で挟むハジメ。

 

(お、お邪魔しましたぁ~……)

 

 なんだか自分が泥棒をしている申し訳ない気持ちになるが、盗んだのはクルルヤックの方だ。

あくまでこれは仕事(クエスト)、そう言い聞かせてハジメは洞窟を出ようとするが……

 

(……あれ、この壺抱えてクルルヤックに襲われたら俺どうすんの……?)

 

 追いかけて壺を回収するまでは考えていたが、その後はノープランだった。

強いて都市の中まで駆け込めば絶対に安全だろうとは思っていたが、あの巨体が走るスピードと壺を抱えて走るハジメの足では圧倒的に前者が勝つ。

壺を盗まれて―――だから盗んだのは向こう(以下略)―――怒り狂ったクルルヤックが飛び掛かってくる様を想像してゾワッと背中に悪寒が走る。

 

(……ちょっと可哀想だが……やってみるか……?)

 

 ハジメの脳裏に浮かんだある作戦。

ハンターとしてそれを行使できるのは彼だけなのだが、あまりにエゲつない。

大自然に対する虐待にも取れて……彼の良心がちょっとだけ傷んだ。

 

(仕事優先……恨んでくれよ、クルルヤック……)

 

 洞窟を出てまだクルルヤックが起きていない事を確認したハジメは岩にそっと手をつく。

 

「(入り口を完全に塞いで更に二重の壁で覆う)―――”錬成”」

 

 錬成の最中もクルルヤックは自分が洞窟内に閉じ込められている事に気づかず寝ていた。

ハジメは心の中で「ごめんよー!」と叫びつつしっかりと地面から生やした壁で洞窟を塞ぐ。

そのまま慌てずに、壺を両手で抱えて来た道を一直線に走り出す。

 

 

「はぁ……はぁ……!……流石に、これで……追ってこないよな?」

 

 最初に足跡を見つけたところまで戻ってきたハジメは息を切らさないように走るペースを落とす。あのけたたましい鳴き声が途中で森の中まで響いてきたが、追いかけて来る様子はなかった。

何はともあれ両手で抱えた壺を依頼主のところまで送れば仕事は終了だ。

最後の踏ん張りどころとハジメは壺を抱える位置を直そうとして――――――

 

「……ッ!?」

 

 視界の端に映ったクレーターと灼けた甲殻がある位置。

引き返してきて見える範囲が変わったことで、ハジメはあるものを見つけた。

正確には()()()()()()()()姿()

その場で壺を木の根に置いたハジメはその人のところまで駆け寄る。

 

「おい――――――おい、アンタ大丈夫か!?」

 

 どうして最初見た時に気づかなかった!そう自分を責めたくなるハジメ。

倒れていたのは全裸に近い姿で血まみれになっていた銀髪の少女だった。

全裸という事もあってハジメは動揺しかけたが、そんな事よりも彼女の容態は酷い。

 

 鋭い爪か何かで裂かれたかのような脇腹は少し前まで出血していたのだろうが、高熱の炎で焼かれた痕のようで、焦げて塞がれている。

左目も何かの属性による攻撃を食らったのか全体的に潰れて痛々しい姿になっていた。

右足があり得ない方向に曲がっており、裂傷箇所からまだ出血が続いていた。

素人の目で見ても分かるほどの瀕死の重傷……ハジメは祈るように少女の胸に耳を当てる。

 

(ッまだ生きてる………!)

 

 そこからハジメの行動は迅速だった。

壺のことも、クルルヤックのことも忘れて、目の前の少女を助ける事を最優先した。

防具を脱ぎ捨てて、自分のインナーの一部を裂いて包帯代わりにし、それを傷口に宛がいキツく縛ることで出血を止めた。

持ってきていた回復薬の中身を半分、傷のあるところに振りかけた。

残り半分を辛うじて動いていた少女の口に注ぐ。

 

「頼む……ッ……飲んでくれっ」

 

 ハジメの祈るような言葉が届いたのか、少女は意識を失った状態で回復薬を飲んだ。

()()()()()に気づかず、ハジメはホッと息をついて次の行動に移る。

懐から取り出した導火線付の玉。

それはハンターが緊急時に近くのハンターへ助けを要請する為の”救難信号”である。

近くにあった石に強く擦ると摩擦熱で導火線にすぐ火がついた。

 

「――――――っらぁ!!」

 

 気合の入った掛け声と共に投げられた救難信号がパっと煙を出しながら赤く光った。

そのまま街道に出て、賭けにはなるが他のハンターによる救援を受けてフューレンを目指す。

ハジメは残った道具を駆使して少女を背負い、紐で二人の胴体を強く縛る。

折れた足の添え木代わりにボーンククリⅡを使って。

だらんとハジメの両肩から少女の腕が垂れ下がるが、お構いなしにハジメは両腕で壺を抱えた。

 

(頼むから………()()()()()()()()()()()()()()……ッ)

 

 重いとか辛いとか、そんな体の悲鳴を無視して全力で走る。

脇目も振らず、街道に出て商業都市フューレンまで目指して走った。

 

 

 

 

ハジメの獲得した素材一覧

・衣装の入った壺(クエストアイテム)1個

・エーテライトの欠片3個

・灼けた甲殻1枚

 

 

 

 

 ハジメが立ち去った後、クルルヤックも去った池の畔にて―――

一体の龍が何かを探すように辺りを見渡していた。

そこに()()()()()()()がいない。

空を飛んでいた時には確かにここに落ちたのを龍は見たのだ。

 

―――グゥルルル(奴はどこだ)……!

 

 喉奥から鳴らす声を聞いて辺りの動物は逃げ出す。

クルルヤックがこの場にいないのも、その存在を認知したからだ。

龍は地面に向かって爪を突き立てて、天に向かって咆えた。

 

――――――グギガアアアアァァァァァァァッ!!(逃がしてなるものかぁぁっ!!)

 

 

 




 ハジメ君の最後の心の言葉は、やっぱりというかまぁ原作とは違う変化を経た彼だからこその発言だと思って頂ければ……
幕間の物語にて誰が倒れていたのか判明すると思います(というかわざわざ遠回しに書く必要はあったのか?ハンターのボブは訝しんだ)

 蛇足とは思いますが、前書きで書いていた後半の推奨bgmの歌詞の最後が彼女の心情そのものを表してるかな~とか思いました(本当に蛇足で申し訳ない……)

感想、質問、ご指摘等お待ちしております!

初期で構成していたプロットより大幅に話数が増えてしまったので、本作を第一部として続編(2nd的な)を作り本作を完結させようか迷ってます。(それで投稿ペースが遅れる等はありません)

  • 続編にして
  • このまま話数増やしてもいいんじゃね?
  • 打ち切りはヤメロォ!
  • もっと周りの話補完して♡
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