イナズマイレブン 転生したらホモだった 作:トツキトウカ
味方の名前どうしようと思って適当につけたらいらない茶番が増えた。ちなみに実際の人物とは関係ありません。ないったら、ない。
始めます。
さあ、さっそく試合が始まるみたいだがまずは自軍の戦力を確認しよう。と言っても何か特別なことがある訳じゃない。フォーメーションはオーソドックスな4ー4ー2で俺はダブルボランチの左だ。
○ ○ フォワード
大泉
○ ○
◎ ○ 藤村 ミッドフィルダー
洞木 (ボランチ)
○ ○
○ ○ ディフェンダー
嬉野
●
鈴井 ゴールキーパー
ここを基点に全体に指示を出しつつ攻守のバランスを取るのが俺の役割だ。まだ鬼道がいた頃に彼がやっていたのを見本としている。さすがに彼にはまだまだ及ばないが、それでも孤児院では俺が一番ましなのだ。
俺以外のメンバーもなかなか実力をつけて来ている。対外試合をしたことは無いが最近はチームとしての纏まりが出来つつあり、今日の試合にも行けるのではないかという自信があった。あくまで相手を見るまでは、であったが。今ではすっかり挑戦者の気分である。
○ 前線
○ グラン ○
ガゼル バーン
○ ○
レーゼ ウルビダ 中盤
○
○ ○
○ ○ 最終ライン
●
デザーム
その相手のお日さま園は豪華なメンバーだ。3トップはグラン、バーン、ガゼルと強力で、中盤にはレーゼやウルビダが控えている。キーパーにもデザーム様が居り、他のポジションも錚々たる顔ぶれが並んでいた。コートの外を見ると、試合とは関係無しに遊びに来た子たちが観戦していて、その中にも見たことのある顔がいくつもあった。そして俺は彼らのレアな幼少期を見ることが出来て感動をしていた。
そんなことをしているうちに試合が始まった。スタートはお日さま園のボールで、キックオフのあと一度デザームまで下げた。フォワードの大泉がボールを奪うべくそれを追って行くが、それを見たデザームはすかさず前線へロングボールを送り、その先にはバーンが待っていた。
あらかじめ読んでいたディフェンダーの嬉野はそのパスは通させまいと競り合うが、前に入ったバーンは上手くボールをキープして前を向く。そこに走り込んだグランにパスを出すと、彼はダイレクトでシュートを放った。
回転のかかったボールは、キーパーの鈴井から逃げるような軌道を描いてサイドネットに突き刺り、俺たちは開始早々一点を決められてしまった。
いやー、やられた。と言うよりは流石と言った方がいいか。とにかく、いきなり失点してしまった。何か難しい事をされた訳ではなく、攻め方としてはオーソドックスな形だった。だが彼らの個々の能力が想像以上に高く、普段通りの守りが全く通用しなかった。
こうなっては仕方ない。試合は始まったばかりだが、とにかく引いて守ってカウンターを狙うしかない。いつも通りプレスをかけて行ってはまた同じように失点するだろう。
そうしない為には、まず相手の3トップに対して5人のマークをつけよう。一対一では交わされてしまうが二人で挟み込めば前を向かれることは無いだろう。
その上で、パスの出し手である中盤や最終ラインからのパスコースを限定させて、あわよくばそのパスを受けた選手を囲い込んでボールを奪い取ろう。例え3トップにパスが出ても、その時だけ中盤から一人戻れば全員に二対一を作れるはずだ。
ゴールまでの道筋は遠くなるがそれはもうどうしようもない。どのみちこのままでは相手からボールを奪うことも出来ないだろう。ボールが奪えなければ得点の可能性すら無いのだから、一見遠回りに見えるがこれが一番の近道なのだ。
○ ○ ツートップ
大泉
○ ○ ○ スリーセンター
洞木 藤村
○ ○
○ ○ ○ ファイブバック
嬉野
●
鈴井
作戦を伝えてゲームが再開する。自分たちのボールからスタートなのでパスを回しつつ攻め上がろうとするが、前線へのボールをカットされてしまった。すぐに予定通りに下がるよう指示を出し、がっちりとブロックを組む。まずは3トップを五人で押さえ、次に相手の中盤をマークしつつ、3トップへのパスコースを塞いだ。
これで失点の可能性はかなり減っただろう。だが、ここからボールを奪うのは容易ではない。そもそも3トップに五人つけた時点で、相手の中盤と最終ラインの七人プラスキーパーに対してこちらは五人で対処しなければならない。
それに、中盤のうち二人はあのレーゼとウルビダだ。この二人も3トップと同じように上手いのだが一人づつしかつけないので、俺はもう一人の中盤を押さえつつ二人にパスが入ったら寄せて二対一をつくることもしなくてはならない。難しいタスクだが中盤は数的にも質的にも劣勢なので、やらざるを得ない。
そのままなんとか耐え続けて前半が終わるかというその時、一瞬の隙が生まれた。大泉がマークしていたディフェンダーからウルビダへパスが通り、焦りからか今まで必ず二対一で守っていた藤村が一人で突っ込んでしまったのだ。
「そこ!」
ひらりと交わされた藤村はしまったと言う顔をしたが、もう遅い。ウルビダはドリブルをしながらそのまま前線へ向かう。嬉野がマークを捨ててカバーしたが、彼女はふわりと嬉野を頭を越すような浮き玉のパスをグランに通した。さらにディフェンダーがマークをずらしてカバーに入るが、それによってフリーになったガゼルにパスが通ってしまい、ガゼルはそのままゴールを決めた。
前半終了後、すぐに大泉と藤村が言い合いを始まってしまった。
「お前がパスを通されたのが悪いだろぉ?」
「なにおう、お前が馬鹿みたいに突っ込まなければカバー間に合ってただろぉ? 自分のミスを棚に上げて俺に擦り付けようとするなよぉ! キミみたいなのがいるからチームの輪が乱れるんだよぉ」
「なんだとぉお前! そんなに輪が大事ならみんなで団結して輪を描くかい? そしたら争いなんて無くなるぞぉ。それでもいいよぉ僕は」
「なんで俺たちが輪を描く必要があるんだよぉ! そんなにやりたきゃキミ一人で喜界島一周でも四国一周でも何でも好きにやればいいじゃないかぁ! 藤村の、サイコロの旅ぃー! って行けばいいじゃないか」
そんな二人の不毛な争いは鈴井と嬉野が止めてくれた。
後半も作戦は継続したが、だんだんと疲労も蓄積してミスも目立ってきた。そして今度はバーンにマークが剥がされてロングボールが通ってしまい、ついに3対0になってしまった。
ここでついに作戦を捨てて4ー4ー2へ戻す決断をした。これ以上守っていてもジリジリと得点を積み重ねられて、追い付くことは出来ないだろう。もちろん失点のリスクはまた上がるが、少しでも勝てる可能性があるならそちらを追い求めることにした。
みんなスタミナはかなり削れているはずだが、この方針転換でもう一度気合いが入ったようだ。これならまだ戦えるはずだ。俺もここからはガンガン行こう。多少守備が不安定になるかも知れないが今さらな話であるし、こうなったら得点することを優先しよう。
失点した後なので自分たちのボールからスタートだ。大泉からボールを受け取りそのままドリブルで持ち上がる。3トップは油断しているのか特にブロックもせず、素通りさせてくれた。これ幸いと進むがその先にウルビダが立ち塞がった。
藤村を見るがレーゼがマークについているようだ。ここは強引に突破するしかない。まずは軽くフェイントを入れてみるが動きはない。次にそのまま進むとボールを引っかけようと足を出してきた。ボールが足にかかる直前、軌道を変えて相手の股を通す。
一人剥がして前を向くとすでに次が来ていた。寄せきられる前にサイドへパスを送ると相手を躱してもう一度パスを受けてドリブルを続ける。もうゴールは目の前だ。そこに大泉が走り込んだ。
俺がそちらをチラッと見るとディフェンスが釣られて大泉を警戒した。そしてその瞬間、シュートコースができたのを俺は見逃さなかった。
右足でのコントロールショット。一度キーパーを避ける様にしてゴールから遠ざかり、もう一度ゴールへ向かう。デザームの手が伸びるが届くことはなく、ボールは弧を描きながらそのままゴール右隅に突き刺さった。
「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」
ついに得点が生まれた。あのお日さま園から一点を奪ったのだ。前半から守備に徹した故に生まれた相手の油断。今日初めて見せた突破。サイドとの絶妙なワンツー。大泉の完璧なデコイの動き。そして必殺コンシュー。すべてが噛み合って生まれた得点だった。
「やったぜ、流石洞木!」
「なんだよぉ、出来るなら最初からやりなさいよぉ!」
「いや、たまたまだって! 練習でもあんなに上手くいくことなかなか無いよ!」
「またまたー、うちで一番上手いのお前なんだからもっと自信持てよ!」
今日初めての得点に、チームも大いに盛り上がる。前半から守備を固め、堪え忍んだ末の得点。一度も破ることの出来なかった相手の防御をようやく破る事が出来た。半ば諦めていた孤児院の子たちも一点が入ったことでこの勝負まだ分からなくなったぞと一気に期待を高め、止んでいた応援の声を再びあげ始める。フィールド内の選手たちも今までの疲れを吹き飛ばすかの様に歓喜の声をあげた。
一方、お日さま園側はそこまで深刻な雰囲気では無かった。確かにあの個人技は脅威だが、相手と同じように複数人でマークにつけば問題ない。3トップの守備の怠慢を責める声もあったが、ウルビダが突破されるとは誰も思わなかったのだ。三人も次からは守備に加わると約束した。
全体的な質では自分たちが勝っているのだし、二点のリードもある。それにがっちりと守備を固めていた相手からも得点出来たのだから、追加点を取るのは難しくないだろうと考えていた。
こちらが得点したので今度は相手ボールから試合が再開する。彼らは前半開始と同じ様にデザームまでボールを下げると、バーンへのロングパスを繰り出した。シンプルだが、フィジカルで勝る彼らには合理的な選択だ。
「駄目に決まってるでしょ!」
しかし二度目も同じ事はやらせるものかと、嬉野が必死に妨害しバーンが競り合うのを一瞬遅らせると、そこに右ボランチが飛び込んでボールを弾き返す。
「ちっ、そう簡単には行かないか」
ルーズボールを拾った藤村がドリブルを開始するとすぐさまレーゼが前に立ち塞がった。
「行かせないよ」
だが藤村は相手にせず前線から降りてきたフォワードに預けるとレーゼの横をすり抜けてリターンをもらい、そのまま駆け上がる。レーゼは藤村を追おうとするが、彼を止めるべく向かい合っていたのでドリブルで加速していた藤村には追い付けなかった。
俺もその隣に走り込んで最終ラインへ切り込もうとする。ディフェンダーに加えてウルビダもついて来るがお構い無しにボールを呼んだ。
「こっちだ! パス来い!」
そう声を出すとさらにもう一人がこちらに注目して動きを妨害しようとする。だが藤村は俺にはパスを出さなかった。そして俺が引き付けたディフェンダーたちが空けてしまったスペースへとパスを流し込んだ。
そこにはぽっかりとマークの外れた大泉が居た。先ほど得点した時とは逆のパターンで見事に相手を出し抜いたのだ。フリーでパスを受けた大泉は落ち着いてコースを狙ったシュートを放った。ディフェンダーが居らず一対一になったデザームは急いで距離を詰めたが、コースを限定するには間に合わず大泉のシュートはネットを揺らした。
「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」
「すげえ、二点目だ!! まぐれじゃ無かったのか!?」
「まじかよこれ! まじで行けそう?」
「これは分からなくなってきた!」
観客は再び大いに盛り上がる。一点ではまだ半信半疑だった子たちも、徐々に同点への期待を高めていく。一方グラウンドでは大泉と藤村がどちらの手柄が上かでまた揉めていた。
「あんたはパス出しただけでしょう。私がシュートを決めたんだから当然私の手柄に決まっているでしょう? そう思いますよね、ミスター?」
「いいや、俺はディフェンスを突破したり洞木の指示を無視してお前にパス出したりしたけど、お前なんかただ俺のパスをゴールに向かって蹴っただけでしょう。俺の方が活躍しましたよ、そうですよねミスター?」
「あんた洞木が声出したのはフェイクで、ちゃんと手で指示出してただろぉ。何をそれまで自分の手柄にしようとして、浅ましいやつですよ。こんなやつどう思いますミスター?」
「きちっと指示の意味を最後まで汲み取って実行したんだから、あれは俺の手柄でもあるだろぉ? それをまるで俺が何もしてないかのように言いやがって、最後に点を決めただけで俺の活躍を一切無かったことにするなんてひどいやつですよ、ねえミスター?」
彼らの不毛な喧嘩にミスターこと鈴井は苦笑いするばかりだった。
その頃お日さま園側では反省会が行われていた。
「まんまとはめられたね、まさかあいつが囮だったとは」
「うん、一番上手いあいつに当然パスを出すと思っちゃったよ。まさか一度もパスが来ないなんて」
「それもあるけど彼以外に抜かれたのも想定外だった。てっきりドリブルだと思ったらあんなパスを出されるとはね」
「でもやっぱりあの子が要注意だよ! 声を出したあと手で指示出していたみたいだったもん!」
「そうだな、だが俺たちもこのままで終わるつもりはない。彼らにはもう一度どちらが上か教えてやろう」
「「「おー!」」」
長い、長くない?試合は全部一話で終わらせるつもりだったのに初回から分割。書いてて全然展開が進まない。試合を書くのって難しい。
お日さま園のスタメンを全部決めなかったのは強すぎるからです。主要なキャラを出しただけでもどうやって戦うか悩むのに全員ネームドとか確実に勝ち目が無くなる。決めるのが面倒だったとかは関係ありません。
あと主人公以外に喋らせると口調が難しい。今回お日さま園組の口調はどれが誰とかは決めませんでした。
キャラクター紹介のコーナー
グラン、バーン、ガゼル、レーゼ、ウルビダ
ウルビダだけ女の子。第二部まで出ないのでここでは詳しく書きません。第二部まで行ったらそこでやるかも。