イナズマイレブン 転生したらホモだった   作:トツキトウカ

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一気に時間を飛ばします。

ようやく超次元サッカーっぽくなってきた。

始めます。



雷門中入学編
ようこそ雷門中へ


 星宮家に貰われて星宮望太となってから、今まで日課となっていたサッカーだけでなく勉強も始めた。雷門中は私立なので入学試験があるし、私立に入りたいと言った以上何もしないと言うのは道理でないと思ったからである。

 

 

 もちろんサッカーも続けていた。新しい両親はサッカーを観るのは好きだがプレイヤーとしての経験はあまり無いらしく、親子の付き合いでたまにやる程度で練習相手としては物足りなかった。そこで地域のチームに所属しつつ、足りない分は自主練などで補うことにした。

 

 

 そうして月日が経っていき、ついに雷門中の入学試験の日がやってきた。

 

 

 

 試験当日、俺は緊張していた。いや、試験に受かるか心配で緊張している訳ではない。人生二周目なので当然落ちる気はしなかった。ではなぜ緊張しているかと言うと、雷門中に特待生として入学することを狙っていたからだ。

 

 

 特待生とは学校によって異なるが、基本的に家庭などの事情で学費が払えない生徒を支援したり、成績の優秀な生徒の学費を免除して学業の向上を目指す制度の事である。そして俺が狙っているのは後者の学費免除であった。雷門中ではその枠が一学年につき二人分用意されており、一年毎に成績上位二名に与えられる。そして新一年生は試験の成績上位二名に適用されるので、入試で結果を出せば特待生として入学出来るはずだ。

 

 

 別にどうしても特待生にならなければいけない理由がある訳ではない。だが、自分が望んだ私立に行かせてくれる両親に少しでも恩返しがしたかったのだ。星宮家は決して貧しい訳ではないが、特別裕福な訳でもない。それでも里子の自分に対して我が子のように愛情を持って接してくれ、私立への進学も認めてくれた両親と過ごしているうちに、せめて自分のことを自分が出来る範囲でやろうと思うようになったのだ。

 

 

 そして何か出来ないかと考えるうちに、転生のアドバンテージを生かせば特待生になれるかもしれない、そうなれば私立の中学に行きたいという自分のわがままも気兼ねなく実現できる、と考えたのだった。

 

 

 そんな訳で自分だけ縛りプレイをしている状態の俺は、今日はいつになく緊張していた。

 

 

 

 

 

 

 試験が終わり帰宅した俺は、すぐに両親と答え合わせをする。一通り確認したが、間違えた箇所は見つからなかった。結果が出るまで安心は出来ないが、ひとまずやるべきことは出来たと思う。

 

 

 そして二週間後、ついに合否通知が届いた。結果は合格。得点も全教科満点。そして俺にとって一番大事な特待生の通知も、一緒に入っていた。

 

 

 ふぅ、良かった。思いつきから始めた特待生縛りだったが、なかなかに大変だった。合格と違って何点くらい取ればいいというのがなく、満点を目指す以外に方法が無かったのが辛かった。それと意外にも雷門中の偏差値は、帝国ほどでは無いが高かった。原作の彼らは本当にこの試験に合格出来たのか少し疑問である。まあ何はともあれ合格をして、特待生も取れて、言うこと無しの受験だった。

 

 

 

 ……ちなみに彼は雷門中に入ってからサッカーに打ち込めるように、既に中学三年分を一通り学習し終わっていた。本人としては二回目の中学生ということもあり復習のような気分なのだが、私立に行きたいとしか聞いてなかった星宮夫婦は端から見れば猛勉強しているように見える彼を見て、てっきり幼なじみの鬼道が行くであろう帝国学園に入りたいのだと思っていた。そして雷門の特待生を取ったことによって、自分たちに学費を負担させない為に帝国ではなく雷門中にしたのだと勘違いしてしまった。……彼がその勘違いに気付いて誤解を解くのはまだ先の話。

 

 

 

 *

 

 

 

 さあ、今日は雷門中の入学式だ。ようやくこの日がきた。どれほど今日という日を待ちわびただろうか。ついに今日から雷門イレブンを始めとする、原作の彼らと同じ学校に通い、会うことが出来るのだ。本当は試験の時に会っているかもしれないが、あの時は緊張してそれどころではなかった。だが今日からは毎日顔を合わせるのだ。彼らと仲良くなる機会もきっとあるだろう。今から楽しみで仕方ない。

 

 

 

「いってらっしゃい」

 

 

 

「いってきます!」

 

 

 

 玄関先で母親に見送られつつ、俺の中学校生活が始まった。

 

 

 

 

 

 

「……以上をもちまして、新入生代表のあいさつとさせていただきます」

 

 

 

 パチパチパチ。壇上では雷門夏未お嬢様によるスピーチが行われた。とても先日まで小学生であったとは思えない、堂々とした立ち振舞いだった。理事長の娘だからではなく彼女自身の優秀さ故にこの場に立つのだということを、会場にいた人たちは見せつけられた。

 

 

 

 入学式も全ての行程が終わり、クラス毎にそれぞれの教室へ移動する。知っている顔は大谷さんやあずま、夏未お嬢様も同じクラスの様だ。円堂キャプテンや染岡さんや木野マネージャーとは違うクラスであることに少しがっかりしつつ、これから毎日通うことになる教室へ入る。

 

 

 まだ席が決められておらず、先生は各々適当に座るように言うとどこかへ行ってしまった。とりあえず後ろの席が空いていたのでそこに座ると、他の生徒も座りバラバラと席が埋まっていく。偶然にも俺の隣には大谷さんが座り、前にはあずまが座った。

 

 

 

「初めまして、私は大谷つくし。これから一年間よろしくね」

 

 

 

「俺は(あずま)(きょう)、よろしくな! 男同士仲良くしようぜ」

 

 

 

 俺がどうやって話しかけようか考えていると、向こうから話しかけてくれた。

 

 

 

「二人ともよろしく、僕は星宮望太。うん、これから仲良くしてくれると嬉しいよ」

 

 

 

「よろしく! ……にしてもさ、さっきのスピーチ凄かったな! 雷門さんだっけ? 生徒会長や校長先生よりも迫力あったと言うか、なんか強そうだったよな!」

 

 

 

「強そう、かどうかは分からないけど、確かに迫力があったね。カリスマ性があって、生徒会長よりも学校を率いるみんなのリーダーって感じがしたよ」

 

 

 

「雷門さんってこの学校の理事長の娘さんらしいよ。見た目も気品があって、お嬢様って感じだよね。すごく綺麗で私もあんな風になりたい! って憧れるな~」

 

 

 

「へぇ、だから雷門って名字なのか。言われてみれば確かに学校と同じ名字だもんな!」

 

 

 

「それにうちの学校って新入生代表のスピーチは試験で優秀だった特待生の人がやるらしいから、きっと頭も良いんだろうな~。理事長の娘としてじゃなく、自分の力で特待生になってスピーチするなんて、かっこいいな~!」

 

 

 

 確かにそうか、となると俺がスピーチをする可能性もあったのか? だとしたら夏未お嬢様が特待生になってくれて良かった。俺にはあんなスピーチは出来ないし、人前で話すのもあまり得意じゃない。

 

 

 

 そんな風に話していると教室の雰囲気が変わったように感じた。前を見るといつの間にか先生が帰って来たようで、俺たちも会話を中断して前に向き直り先生の話を聞く態勢になった。

 

 

 先生はあいさつから始めて、これから学校に通うにあたって必要な、様々な事を説明する。それが終わると教科書が配られ、時間割などの説明の後クラスメイトたちの自己紹介が始まった。

 

 

 それらが一通り終わると、最後に部活動について説明された。しばらくの間、仮入部としていろいろな部活を見て回れるので、その中から自分にあったものを選ぶことをオススメされた。

 

 

 俺はまあサッカー部一択だ。今はまだ無いのだが、確か同じ一年の我らが円堂キャプテンがサッカー部を創部するはずなので、それが創られたら入ろうと思う。それまでは早く帰って練習をしてもいいし、他にどんな部活があるのか見学にいってみるのもいいだろう。

 

 

 全ての説明が終わると本日は解散となった。今日からすでに部活動の見学が出来るらしく、参加する生徒もいるようだ。

 

 

 

「くぅー、やっと終わったな! 部活かー、まだ決めて無いんだよなぁ、どうすっかなー」

 

 

 

「いっぱい説明あったねー。私もまだ部活決めて無いんだ。たくさんあるみたいだし、まずはいろいろ見て回ろうかな~。星宮くんはもうどの部活にするか決めた?」

 

 

 

「あ! まだ決まって無いなら、よかったら俺と一緒に見に行かないか?」

 

 

 

「ああ、僕は「ちょっといいかしら?」……?」

 

 

 

 先ほどまでの三人で話していると、突然前の方から声がかかった。誰だろうと顔を向けると、雷門夏未がこちら見ていた。位置的に声をかけたのは彼女だろう。

 

 

 

「ど、どうした? 俺になんか用、ですか?」

 

 

 

「あなたじゃないわ。用があるのはそっちの彼よ」

 

 

 

 あずまが気圧されつつ話かけたが、どうやら彼でなく俺の方に用があるらしい。何故だ、彼女とはまだしゃべったこともないはずだ。それとも気付かないうちに何かやってしまったのだろうか? 

 

 

 

「貴方がもう一人の特待生の星宮望太君ね。貴方、生徒会へ入りなさい。私、入学したら生徒会に入ってお父様の学校運営を手伝うことなっているの。貴方も特待生なら、その能力を学校の為に使いなさい。同じ特待生として貴方がどれだけやれるのか、私が見てあげるわ」

 

 

 

「ええ! お前、特待生だったの!? すげえな、何で言わなかったんだよ」

 

 

 

 どうしよう、学費が浮くからという理由で特待生になったのに、それで目をつけられることになるとは思わなかった。と言うか生徒会なんて絶対忙しいだろ! なんか学校運営を手伝うとか言ってるし! 生徒会が学校運営をするなんて聞いたことがない。確かに雷門夏未は原作で生徒会長であり学校の運営を任されているという話だったが、いくら優秀だからといって中学生の娘に任せるとか理事長もどうかしてやがる。超次元な世界だからって限界があるだろ! もしそんなことになったら、サッカー部に入れなくなるかもしれない。そもそも俺は転生というズルをしてるだけで、特別優秀な生徒という訳では無いのだ。

 

 

 

「返事が無いようだけれど。私直々に勧誘しているというのに、まさか断ったりしないわよね? とりあえず、この後生徒会室へ来るように。話があるならそこで聞くわ」

 

 

 

 そう言うと、彼女は教室から出ていった。

 

 

 

 とにかく行かないという選択肢は無いだろう。同じクラスで毎日顔を合わせるので無視したら気まずいし、そうでなくとも雷門夏未というキャラクターは好きなのだ。そんな相手と険悪な仲にはなりたくない。

 

 

 その上で、なんとか生徒会に入るのは断れないだろうか。もし生徒会に所属してしまえば、忙しくてサッカーどころではなくなるかもしれない。だが、彼女の意思は固そうだった。特待生なのだから生徒会に入れというのも暴論なはずなのだが、転生というズルをして学校に学費を負担してもらっている身としては一理ある気もしてしまう。

 

 

 

「星宮くん、大丈夫? なんだかボーッとしているみたいだけど」

 

 

 

「ああうん、大丈夫。少し考え事をしてて」

 

 

 

「にしても、まさか星宮が特待生だったなんてな! そんな風には見えなかったからビックリしたぜ」

 

 

 

「東君、そんな言い方したら失礼でしょ! 確かに私も知らなかったからびっくりしたけど。……とりあえず、星宮くんは生徒会室に行ってみたら? 雷門さんが呼んでたみたいだし」

 

 

 

「……そうだね、そうしてみるよ。ありがとう大谷さん」

 

 

 

「ううん、気にしないで。それじゃあ、私は仮入部の方に行くから今日はお別れだね」

 

 

 

「そういうことならしょうがないな。俺もとりあえず一人で行ってみるか。また今度予定が合ったら一緒に行こうぜ!」

 

 

 

「うん、それじゃあ今日はありがとう。明日からもよろしく、またね」

 

 

 

「また明日な!」

 

 

 

「バイバイ!」

 

 

 

 

 

 

 それから俺は生徒会室へと向かった。生徒会室は校舎の三階にあり、三階の窓からはグラウンドがよく見えていた。

 

 

 そして生徒会室に着いて扉をノックすると、中へ入るように促された。声に従い中へ入るとそこには雷門夏未が一人でいた。

 

 

 

「来たようね、なら入部届を書いてここに置いていきなさい。それで生徒会に入る手続きは完了だわ。本来なら厳正な審査をするのだけれど、貴方は特別に免除よ。まさかあの入試を全て満点で合格する人がいるなんてね」

 

 

 

「……なんで僕の点数を知っているんですか?」

 

 

 

「私は学校の運営を手伝う準備をする為に、入学前から学校の情報を閲覧することが出来たの。その中に特待生に関する情報があっただけよ。これほど優秀な生徒はだいたい帝国に取られてしまうのだけれど、貴方は何故かうちを選んだみたいだしね」

 

 

 

「……ちなみに雷門さんは何点だったんですか?」

 

 

 

「……それは貴方が知る必要の無い情報よ」

 

 

 

 どうやら満点では無かったようだ。解釈一致だ。勝手なイメージだが、完璧に準備をしてもどこか一つ取りこぼしてしまう感じがする。

 

 

 とりあえず、生徒会の話は一度断ってみよう。簡単に許してもらえるとは思えないが、きっかけぐらいは掴めるかもしれない。

 

 

 

「それと、夏未と呼んでいいわ。雷門の名字も好きなのだけれど、学校の名前と被って紛らわしいものね。貴方とはこれから生徒会で何度も会うのだから、許可するわ」

 

 

 

「その事なんですが、生徒会に入るのはお断りしたいと思います」

 

 

 

「あら、それはあまりオススメ出来ない選択ね。さっきも言ったけれど、私はこの学校の運営に関わっているの。その一環で特待生には学業に専念してもらう為に、部活動や場合によっては校外での活動を制限することも可能よ。無論私もこのようなことは出来るだけしたくないのだけれど、特待生に問題があった場合はやらざるを得ないわね。……ちなみに、特待生を返上したりは出来ないわよ。既にこちらで負担する手続きを行っているので一年間は特待生としての待遇を保証しているわ。例え返上出来たとしても、他にも方法はいくらでもあるのだけれどね」

 

 

 

「……」

 

 

 

「さあ、入部届を書きなさい。今年からは学校運営も手伝わなければならないから、生徒会の仕事はたくさんあるの。だから貴方のような優秀な人材を遊ばせておく余裕は無いのよ。あの入試を満点でクリアした貴方がどれだけやれるのか、見せてもらうわ。貴方と私、どちらの特待生がより優れているのか勝負よ」

 

 

 

 どうやらここまでのようだ。これ以上抵抗しても無意味だろう。掛け持ちぐらいはと思っていたが、それも難しそうだ。せめて残業だけはさせられないようにしておこう。

 

 

 ……ふと、俺を生徒会に入れるのに固執するのはもしかしたら入試で自分より高い点数を取られたからかもしれないと思った。そう考えると少し、目の前の雷門夏未が可愛らしく思えた。

 

 

 

「……その日の自分の仕事を全て終わらせたら、自由に帰らせて下さい。それが条件です」

 

 

 

「良いわ。仕事さえこなせば、いつでも好きなときに帰りなさい。最も、生徒会の仕事はそう簡単に終わらせられるほど楽じゃないわよ」

 

 

 

「分かっています。……では、これからよろしくお願いします、夏未お嬢様」

 

 

 

「ええ、って夏未お嬢様? ……とりあえずお嬢様はやめなさい。それと、今日は仕事を用意していないから明日から来るように。では、さようなら星宮君?」

 

 

 

「さようなら、夏未お嬢様」

 

 

 

「だからお嬢様はやめなさい」

 




お嬢様とお呼びできて、余は満足じゃ!

人生二周目要素を何かで生かしたいと思って書いてるうちに特待生を思いつき、よっしゃやったろと書いてるうちに生徒会へ入っていた。


キャラクター紹介のコーナー

大谷つくし かわいい。優しい性格で、隠れファンが多いらしい。

東 京(あずま きょう) イナイレ主人公の円堂守のご近所さんで幼なじみ。フツメン。

雷門夏未 お嬢様、ツンデレ、理事長の一人娘。原作では生徒会長だが、さすがに入ってすぐは違うだろうということで本作では一年の夏に選挙があってそこで当選するということにした。
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