Devil May Cry -Russian Roulette-   作:パン粉

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ハインドがミサイルをアルトレアに撃ち込む。花鳥風月を抜き、それを空中で爆散させる。更に機銃を撃ち込んでくるが、アルトレアに当たるはずもない。

 

 サーシャに手を出さぬ様に言い、ヴェルギリウスをプロペラ目掛けてぶん投げる。すっぱりプロペラの根本から切り落とし、一気に地面に墜落させた。

 

 大爆発が起きる。切り飛ばされたプロペラを掴み、炎の中に投げた。すると、プロペラがまたアルトレアの方に投げられる。ウェザビーでそれを吹き飛ばし、炎の中を睨んだ。

 

「随分と早いお出ましだな、ヴェル・ズィヴル」

「前座は楽しめたかね、創龍」

「やっぱりな」

 

 ロシア陸軍の軍服に、数々の勲章。身体は燃えているものの、全くダメージが見受けられない。アルトレアを創龍と、彼の本名で呼んだ男。オールバックの銀髪に、2メートル近い長身の、ガタイのいい男。

 

 ヴェル・ズィヴル――いや、イワン・ペトロフ、その人であった。

 

「神威創龍――クラウスの息子よ」

「酒も料理も何もねェ、クソッタレなパーティ開いて、何がしてェんだよ、ペトロフ」

「創龍。お前の力が欲しいのだよ。この世界を、争いのない世の中にするために」

「夢物語は俺の前でするな」

 

 瞬間的にペトロフに踏み込んだアルトレア――創龍は、彼の首元にヴェルギリウスを添え、彼を睨みつける。それを嘲笑い、ペトロフはヴェルギリウスの刃に手を押し付けた。

 

 刃に血が滴り、傷が指に付く。しかし、それはすぐに塞がっていく。切れては塞がり、切れては塞がる。創龍がそれを見て、顔を驚きに変えた。

 

「ペトロフ、お前……」

「貴様の力は、私が一番知っている。だからこそ、貴様の血から、私は悪魔の力を手に入れたのだ」

「世界を平和にするために、か?」

「人は、力で抑えつけぬ限り、戦うことは止めないだろう?」

 

 勢いよく、剣に触れた手を振り出した。地面に血が落ち、朱に汚す。それを見ずに、ペトロフは創龍を見据えた。

 

 優しげな視線を創龍に送る。そして、彼に言葉をかけた。

 

「人類は進化しない。戦うことしか知らない。だからこそ、力で押さえ付ける。そのためには、創龍。お前の力が必要なのだ。私と共に来い」

 

 創龍の中で、怒りが弾ける。部下を殺し、悪魔を呼び出し、自分の力を勝手に使われたことに、ハラワタが煮え繰り返る怒りが沸き出した。しかし、ペトロフは友人である。殺してどうにかなるわけではない。

 ヴェルギリウスを背中に収める。よし、とペトロフは心の中で安堵した。だが、創龍は拳を堅く握り、ペトロフの顔面に思い切り叩き付けた。7メートル程ペトロフが吹き飛び、口から血を流して、にやりとこちらに花鳥を向けた創龍を見る。

 

「やはり、そう簡単に受け入れる訳にはいかんか」

「当たり前だろ。焦りすぎだ、ペトロフ」

「その引き金を引けるのか?怯えたお前が、私を説得しようとている、そう見えるぞ」

「俺の方が、悪魔でこの世界を埋め尽くすより、よっぽどマシだぜ。争いでしかわからないことだってある」

「なるほど……。では」

 

 言った矢先、ペトロフの姿が消えた。創龍は顔をしかめる。気配を察知して、頭上にいることを察知し、上を見たが、彼はすぐに横に側転した。

 

 ペトロフの右手にあるのは、ソードオフのショットガン。至近距離で喰らえば、頭が弾けるだろう。本気で殺しにかかってきているのだろうかは疑わしいが。

 

 ペトロフの方を向き、花鳥風月を向ける。ショットガンを狙い手元を撃つが、その魔弾をショットガンで弾かれてしまい、散弾が創龍に向かっていくが、彼は空中に避けた。

 

「貴様の空中戦は特等席で見せてもらったからな」

 

 ペトロフが飛び上がり、細長い刀を握って創龍を攻撃する。刀とヴェルギリウスがぶつかり、火花が散る。創龍の胸を狙い、突きを繰り出してくるも、ヴェルギリウスで上手く捌く。パワーでは、今のペトロフは創龍に負けないかもしれない。

 

 ペトロフを殺すつもりはない。しかし、彼がパワーアップしているのならば、少し派手にしてもしなないだろう。刀身を掴み、ペトロフを引き寄せると、彼の腹を戦車を破壊する威力を誇る拳で思い切り殴った。

 

 顔面を左脚で蹴り、ペトロフの頭を地面に向けさせる。そのまま彼をホールドし、パイルドライバーをお見舞いした。地面に叩き付けた時に、ペトロフの腹にヴェルギリウスを突き刺す。

 

「この程度で覇王とか、夢物語を語ってンのか?」

「……」

「バカバカしい、弱すぎて汗もかけねェ」

 

 奥深くまでヴェルギリウスを差し込む。ペトロフの口から血が漏れるが、彼は狂ったように笑い出した。

 

 砕けた地面の破片が吹き飛ぶ。創龍がヴェルギリウスを抜き、その破片を避けると、ペトロフはゆっくりと起き上がった。

 彼の身体に稲妻が走る。緑色のオーラが纏われ、オールバックの髪が伸び、目は緑色に変色した。

 

「ありがとう、創龍」

「ヴェルギリウスから、魔力を吸ったって訳かい……」

 

 刺した筈の腹部からは傷が消えていた。刀は魔力の影響を受けたようで、刀身が太く長くなった。

 

 それを迷いなく創龍に突き刺す。間一髪の所で創龍が避けるが、皮一枚を斬らせてしまった。たらりと血が垂れるが、傷はすぐ塞がった。

 

 明らかに先程よりもスピードもパワーも強化されている。自分の血を身体に取り入れ、肉体がパワーアップしているのに、更に厄介になってしまった。

 

「ふん……。それで、やっと俺と渡り合えるくらいか」

「しかし、貴様にはある荷物があるだろう」

 

 またもや不適な笑みを見せたペトロフ。こちらに気付き、移動してきた戦車。それに向かって、ペトロフは刀を振る。

 

 真空刃が戦車を襲う。ハッチから顔を出したサーシャを狙って。創龍は飛び上がって、その真空刃を身体で受け止めた。

 

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