Devil May Cry -Russian Roulette- 作:パン粉
◆
襲い掛かって来る薔薇の茎を避けながら、AKを連射するサーシャは、薔薇なら燃えるのでは、と思い、グレネードを投げた。それを蔦で搦め捕ったアリアが投げ返すと、サーシャはM90-Twoで撃ち落とし、爆散させる。飛び散る破片がカプセルを割り、人造悪魔の死体を転がす。
蔦が地面から無数に生え、自走してサーシャに襲い掛かって来るが、それを跳んでかわしながら、M90-Twoを撃った。
「そんな豆鉄砲じゃあ、全く感じないわよ!!」
「なら……」
サーシャを貫くべく、アリアの手から槍と化した茨が伸びてきた。タイミングを合わせてそれをナイフで切り付けると、彼女の身体が硬直した。
着地した途端、サーシャはアリアに向かって走り、ドロップキックを放った。クリーンヒットした後に、C4を彼女の背中に付けて、マスターキーをぶっ放し、ナイフを突き刺す。あの毒は、悪魔にも有効なようで、中々のダメージが得られた。
甲高い声で悲鳴を上げ、蔦を纏わせた腕を振り回すアリア。空中に飛んでカプセルの上に着地したあと、閃光手榴弾と白燐手榴弾を投げた。
めくらましと攻撃のダブルコンボ。そこから位置を悟られないように、サーシャは身を隠した。案の定狼狽するアリアを確認し、サーシャはしゃがんでVSSを構えた。
「見事なセンスだわ、子猫ちゃん……。どこかしら?」
敵に敬意を払う悪魔もいるのか。傍若無人で自己中心的なものしかいないとサーシャは思っていたが、それはただの偏見であったようだ。しかし、それで自分の居場所をばらすというサービスはしない。
カツカツと地面を鳴らしながら歩くアリア。息を殺し、気配を殺し、サーシャはじっと動かずにいた。先程の刺し傷を狙えば、大ダメージになることは間違いない。
「……そこね、子猫ちゃん!!」
「今だっ!」
案外、バレるのは早かった。両手の蔦が槍となり、一直線に伸びて来る。しかし、弾速の方が速い。刺し傷に2発撃ち込み、アリアをまたもやダウンさせた。
茨が、腹と腕に傷を付ける。しかし、そんなことに構わず、サーシャは白燐手榴弾を投げ込み、C4を爆発させる。予想以上の炎が上がるが、業火に包まれたアリアは、カプセルを割り、培養液を浴びて、自身を消火する。
「大した子だわ……。益々惚れたわ。――でも!!」
カプセルから飛び降り、背後を取ったサーシャを、アリアは腕を振り、地面から茨の槍を突き出した。
バック転でかわした時に、今度は鞭のように腕の茨をしならせ、サーシャを叩く。その衝撃で彼女は横に吹っ飛び、カプセルにブチ当たった。
そのままサーシャに飛び掛かるアリア。口から血が垂れている彼女が、尚更美しいといいながら、茨を4、5本展開した。絶体絶命のピンチである。しかし、サーシャの顔は笑っていた。そして、先程効かなかったM90-Twoを構える。
「一度ダメなら、諦めなきゃね!!」
「しかし……一味違うといったら、どうですか?」
サーシャの自信満々な言葉を無視し、アリアは突っ込んでいった。サーシャの思惑通りにことが行った。
狙うは先程の傷口。そこに、3発ほど、弾丸を撃ち込んだ。
先程となんら変わらないと思ったアリアだが、すぐにその違いが分かった。
内側から破壊される。燃えるような熱が発され、痛みが身体中を駆け巡った。そして、5秒ほどして、その弾丸は凍りつき、傷口の周りを凍傷に犯す。
「対悪魔弾。コシュマグラード謹製のとっておきです」
「なんと……!!」
萎びていく茨。地面に再び倒れるアリア。サーシャは必要以上の攻撃を加えなかった。