Devil May Cry -Russian Roulette- 作:パン粉
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サーシャがゆっくりと立ち上がり、服の埃を払って、口が切れて出た血を拭き取ると、アリアに手を差し延べた。約束は果たしてもらいますよ、と彼女はニヤリと笑いながら言う。
「確かに、アタシはゲームに負けたわ。貴女、予想以上に美しかったわよ」
「ありがとうございます。貴女も素敵でした」
「まさに戦士ね。いいわ、貴女なら……」
心からサーシャを認めたアリアは、身体を光に変えた。そのまま、サーシャの手に吸い込まれると、薔薇のような緑の茨の鞭となった。柄は赤く、リーチは長い。サーシャがそれを出口のドアを叩く。簡単にドアが吹っ飛び、こちらに戻ってくるスピードも異常に速かった。
これは、所謂魔具というやつだ。創龍のセンチュリオンも魔具である。悪魔が自ら心から認めた相手に、または完膚無くやられ、魂が屈服したときになるのだ。
この鞭は非常に使い勝手がいい。接近戦でのバリエーションも増えたし、いいことづくしだ。カプセルを鞭ですべてかちわり、中の悪魔の死体を全て出すと、サーシャは鞭を硬質化させて、地面に突き刺した。
柱のように突き出る茨の槍が、悪魔の身体を引き千切る。宙に舞った身体を、華麗に回転しながら刻み、跡形もなく消し去った。これで、検査が入っても悪用されることはない。
任務はほとんど完了した。後は創龍に帰還報告をするだけだ。サーシャは傷を気にせずに駆け出し、所々アリアを使ってショートカットし、南棟を後にした。
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戦車の上で寝転がり、花鳥を片手にのんびりと過ごす創龍。その周りには、サーシャを待っている間に襲い掛かってきた悪魔の跡が残っていた。血で円を描き、そこから内側に入った悪魔を殺すという退屈凌ぎのゲームを一人でするのも飽きた。
欠伸をすると同時、背中越しに風月を撃った。サヴェージγが吹き飛ぶ。追い撃ちすることもなく、空中にいるサヴェージを放っておいた。
すると、小気味よく風を切る音が聞こえてきた。サヴェージを縛り付け、茨で串刺しにする。後ろを振り向いた創龍は、サーシャが魔具を使っていることに驚いた。
「……お前、人間やめたのか」
「やめかけました。アリア、っていう、上級悪魔?と戦って生き残れたんですけど。認めて貰っちゃって」
対した女だ。もうお嬢ちゃんとは呼べない。人の枠の中で恐らく最強を語れる強さだ。創龍の中で、彼女の評価が大きく変わっ
た。
「大したもんだぜ、ったく」
「自分でも、少し驚いてます」
部下の成長を嬉しく思う創龍。サーシャも彼のその笑みを快く感じた。
戦車のエンジンをかけると、サーシャを乗り込ませ、アクセルを踏む。キャタピラが回る音が創龍には心地好く聞こえた。
「さて……。北棟に乗り込むか」
「最終決戦になりますかね?」
カタを付けられるなら早めの方がいい。創龍だって短期決戦の方が良いと感じていた。
しかし、ペトロフはそんなに簡単に負けてくれる相手ではない。まだまだ戦いは長くなる、と創龍は腹を据えていた。